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フラストレーションが溜まる原因と解消方法

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フラストレーションが溜まる原因と解消方法

皆さんこんにちは。公認心理師の川島です。

今回のお悩み相談
「フラストレーションが溜まる」

相談者
36歳女性
結婚4年目

お悩みの内容
私は現在、フルタイムで働きながら1歳の子育てをしています。夫は現在単身赴任中です。私は仕事はしたい性格で、成長したい気持ちがある方です。

しかし、コロナウイルスで外出が少なくなる、育児に追わる、仕事が中途半端になってしまい、フラストレーションがどんどん溜まっている感じがしています。

最近は不眠と体の疲れが取れず精神的にも怒りっぽくなっていると自分でもわかります。私はどうすればいいのでしょうか。

フルタイムと育児が重なると、休日もなく、心が休まる暇がないですね。特に相談者の方は、仕事もきちんとしたい!と考えられているようなので、余計にフラストレーションが溜まると思います。

当コラムでは対策をしっかりお伝えします。参考にしてみてください。

フラストレーションの意味とは

心理学の世界ではフラストレーションは以下のように定義されています。

なんらかの障害によって、行動が妨害され、その結果もたらされる不快な緊張状態(心理学辞典,1999 一部簡略化)

私たちは普段、こうしたい、ああしたいという欲求がありますが、その欲求が満たされないとき、怒り、イライラ、ストレスなどが溜まっていくのです。

3つのプロセス

心理学や福祉の世界ではフラストレーションを

①状況
②耐性
③反応

という3つの角度から検証していきます。

状況

例えば2020年にコロナウイルスの問題が発生しました。このようにフラストレーションが溜まる可能性がある状況をフラストレーション状況と言います。

耐性

問題となる状況が起こったとしても、すべての人がストレスを抱えるわけではありません。ある人この時、考え方や環境をうまく調整することで、前向きに乗り越えていく人がいます。

このように問題となる状況に柔軟に対処する力をフラストレーション耐性と言います。耐性を高める方法は後程詳しく解説します。

反応

問題となる状況に対して、私たちは耐性を少なからず発揮しますが、キャパシティーを超えることも当然あります。その時はフラストレーション反応が起こります。

フラストレーション反応は長期化すると、様々な悪影響があります。以下折りたたんで掲載しました。必要がある項目を展開してみてください。

橋本・織田(2008)は都内大学生・大学院生286名を対象に、

「怒りや敵意」と「心理的QOL]

QOLとはクオリティオブライフの略で、生活の質を意味します。心理的QOLとは心理的な生活の質という意味があります。以下がその結果です。

フラストレーション心理

どちらの心理的QOLを下げるという結果になっています。フラストレーションが溜まって短気になったり、敵意を持つと、精神的にも穏やかでなくなり、幸福感が下がると言えます。

桜井(2000)の研究では、大学生361名を対象に質問紙を用いて、ローゼンバーグの自尊感情尺度の日本語版の作成を行いました。

その研究の中で「不機嫌・怒り」と「自尊心」との関連を調査しています。その結果が、以下の図です。

フラストレーション,悪影響

図は不機嫌な状態と、自尊心は負の関係にあることを示しています。要約すると、フラストレーションがたまり、不機嫌な状態が続くと、自分を尊重する気持ちが減っていくと推測されます。

不機嫌な状況は、攻撃的になったり、他人からの温かい言葉が不足しがちです。そのため自尊心が低下していくリスクがあるのです。

橋本・織田(2008)は

「怒りや敵意」と「身体的QOL」

がどのような関係にあるのか調査しました。以下がその結果です。

フラストレーションが溜まることで、体の免疫機能が落ち、健康的でも悪影響があることがわかります。

長い間、欲求不満な生活を続けると、体の健康においても、リスクがあることがわかります。

井澤等(2004)は、「敵意性と怒り喚起時の心臓血管反応性の関連」において、男子大学生20名に対象に怒りと生理的な影響について研究を行いました。

その結果、衝動的な怒り情動を表す「短気」が、収縮期血圧・拡張期血圧の上昇と関連を示す結果が得られました。

短気、敵意的でない人と比較して、日常的なシュチエーションでも怒り喚起時に高い心臓血管反応性を示し、その結果,冠動脈疾患に罹患しやすい可能性があることが判明したのです。

フラストレーションをため、イライラしていないか?気を付けるようにしましょう。

 

耐性をつける6つの方法

フラストレーション耐性はどうすれば向上させることができるのでしょうか。フラストレーション理論ではどのように改善するかについては、実はそこまで発達した理論はありません。

そこで、改善策が豊富なストレスマネジメント理論を参考にして、6つの対策をお伝えします。

・問題を直接解決する
・気持ちを表現する
・考え方をほぐす
・助けを求める
・運動で発散する
・気晴らしをする

それぞれ対応するリンクや動画も貼っておきますので、使えそうな場合は、クリックしてみてください。

 

問題を直接解決する

直接解決を目指すコーピングは問題解決型コーピングと言われています。最も積極的なやり方と言えそうですね。例えば相談者の方ですと以下が挙げられます。

例)子育てについてヘルパーさんを雇う
  ITを駆使して仕事の効率を上げる
  部下を雇ってもらうように交渉
  残業を減らすように交渉する

比較的余力がある場合、簡単に解決できそうなタスクは直接解決をすることも大事にしましょう。

*関連コラム
問題,悩み事を整理する方法
行動力をつけるコラム 

メカニズムを理解

 

気持ちを表現する

辛いで出来事を、日記に書いて表現したり、誰かに話をすることで心の整理をするやり方は情動解決型コーピングと言われています。

マイナスの感情は、感じないようにするのではなく、適度に表現していくと、改善しやすくなります。悩みを抱え込みすぎず、適度に表に出すように心がけましょう。

例)
現状を日記に綴る
辛い状況を母親に伝える
パートナーに相談する
旧友に愚痴をこぼす

*関連コラム
気持ちを発散,カタルシスコラム

ストレスコーピングを理解

 

考え方をほぐす

ストレス要因に対して見方や視点を変えたり、前向きな考え方にすることを、認知評価型コーピングと言います。心理学の研究では、考え方が固く、引き出しが少ないほどメンタルヘルスが悪くなることが分かっています。

現状を1つの角度から考えるだけでなく、様々な角度から柔らかく考えるようにしましょう。

例)
仕事がある,子供もいる,まずはこの状況に感謝
完璧を目指さず1つ1つできる範囲でやれば充分
100点でなくてOK 基本は60点で
後で振り返ればこの忙しさもいい思い出になる

*関連コラム
リフレーミング
認知療法

考え方を見直す

 

助けを求める

周囲にアドバイスを求めたり、信頼できる人に打ち明けることを社会支援型コーピングと言います。孤独で悩みを抱えやすい方は、助けを求めるのがとても苦手です。

ですが人間の社会は助け合いです!辛い時は素直に助けを求めることもぜひ大事にしてください。



母親に育児を手伝ってもらう
会社の同僚に仕事をお願いする
市役所の子育て支援課で制度を聞く

*関連コラム
ソーシャルサポートコラム

ストレスの発散方法

 

運動で発散する

睡眠、食事、運動など健康面からストレスを発散することを身体的コーピングと言います。私たちの心と体はつながっています。体の健康も確保するように心がけましょう。


昼休みに体操をする
休日は子ども一緒にお昼寝をしっかりする
月に1回だけ母親に
子どもを預け3時間だけ温泉に行く

*関連コラム
ストレス発散-運動,呼吸,日光浴

 

運動で発散

 

気晴らしをする

運動や趣味等によるストレス解消方法でリフレッシュすることを気晴らし型コーピングと言います。気晴らしは心の余裕を生み出し、結果的に仕事や子育ての質を向上させます。

隙間時間でもOkなので、自分の時間を持つようにしましょう。


スマフォの漫画を読む
移動時間は好きなYOUTUBEを見る
スポーツに打ち込む、読書にふける
夫と会う時は皆でカラオケに行く

ストレスコーピングと発散方法

 

深刻な反応がある場合

ここまでフラストレーション耐性を付ける手段を6つ解説してきました。うまく活用すれば、問題状況を、むしろ自分の力に変えることができると思います。

一方で、問題となる状況が大きすぎて、長期的にフラストレーション反応がでることがあります。場合によっては、心療内科、福祉的な制度、医療の力を借りることもとても大事です。

かなり状態が悪い…と感じる方は、以下関連動画を載せたので参考にしてみてください。

心療内科の話

心療内科に行こうか迷った場合に下記で基本的な知識を抑えてみてください。

適応障害

ストレスが大きい時期になりやすい適応障害について解説しました。

コロナウイルス‐対策,使える制度

コロナウイルスの際に作成した対応動画です。総合的な対策を理解したい方はご覧ください。

 

まとめと仕上動画

まとめ

今回は、フラストレーションとは何なのか?6つの対処法を紹介しました。6つのコーピングスキルを活かしながら、心と体を改善し、充実した生活を送ってください(^^)心から応援しています。

お知らせ

私たち公認心理師・精神保健福祉士は、メンタルヘルスの向上を目指し、心理学や人間関係の講座を開催しています。執筆者も講師をしています(^^)

 ・心を落ち着ける心理療法
 ・イライラを改善する心理学
 ・暖かい人間関係を築くワーク

などを行います。詳しくは下記の看板をクリックしてみてください。是非お待ちしています。

 

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典
 Amsel, 1958. A. AmselThe role of frustrative nonreward in noncontinuous reward situations. Psychol. Bull., 55 (1958), pp. 102-119
 2004 敵意性と怒り喚起時の心臓血管反応性の関連 生理心理学と精神生理学,22(3)
 215-224 井澤修平・長野祐一郎・依田麻子・児玉昌久・野村忍 
怒り感情が心身の健康に及ぼす影響に関する研究 筑波大学  渡辺俊太郎 2004 

・日本版Novaco Anger Scale(NAS)の作成の試み  日本行動療法学会大会発表論文集 (28), 150-151, 2002-11-20 
・精神・心理症状学ハンドブック 北川俊則著,日本評論社
怒りと循環器系疾患の関連性の検討 
Vol. 7 (1994) No. 1 p. 1-13 鈴木 平, 春木 豊,健康心理学研究

・高倉実(1995),「大学生のタイプA行動パターンと日常苛立ち事、ストレス反応の関連」,日本心身医学会,35(4),p299-306.

・大学生における攻撃性とQuality of Lifeの関連性 2008 橋本 空,織田 正美 健康心理学研究  日本健康心理学会編集委員会 編

・桜井 茂雄(2000)ローゼンバーグ自尊感情尺度日本語版の検討 Bulletin of Tsukuba Developmental and Clinical Psychology,Vol.12 2000