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フラストレーションが溜まる原因と解消方法

フラストレーションが溜まる原因と解消方法-精神保健福祉士が解説①

はじめまして!精神保健福祉士の川島です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています

今回は「フラストレーション」についてお話していきます。目次は以下の通りです。

  • フラストレーションの危険性
  • 相手への期待が原因!?
  • 診断とチェック
  • 認知療法で柔らかい思考
  • Iメッセージで本音を伝える
  • 深呼吸法で落ち着きを

各コーナーにはもっと深く知りたい!という方のためのリンクがあります。まずは全体を読んでみて、気になる場合はリンク先をクリックしてみてください(^^)それでは早速、フラストレーションの基礎から解説させて頂きます。

フラストレーションとは何か?

心理学の世界では、フラストレーションについて様々な定義があります。1例を挙げます。

行動主義学派のアムゼル(1958)
「以前、一貫して得られていた報酬がなくなり、無報酬状態になることにより引き起こされる状態」

少し難しい定義ですね。現在では欲求不満による、怒りやストレス反応として使われることが多いです。欲求とは、こうした、ああしたいという感情を意味します。フラストレーション状態では、こうしたい、ああしたいという感情が満たされず、イライラする状態と言えます。

フラストレーションの原因

つぎにフラストレーションを貯める原因について重要なポイントは、フラストレーションの裏側には、「期待」があるということです。欲求不満になるということは、その裏には、ああしたい、ああしてほしい、こうしたい、こうしてほしい、という欲求があるのです。

特に対人関係におけるフラストレーションがたまる方は、相手への期待値の高さが原因であることが多いと言えます。この点については動画で解説させていただきました。ワイハイ環境がない方はひとまず飛ばして進んでください。

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もう1つのポイントはコラム④の中で解説していきます

溜まる原因をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・自尊心と不満の関係
フラストレーションが溜まる原因「自尊心の低さ・期待」

フラストレーションの危険性

フラストレーションは欲求不満になり、その結果、イライラや怒りへとつながっていきます。イライラや怒りにはどのような危険性があるのでしょうか。フラストレーションには大きく分けて、体への影響と心への影響の2つがあります。それぞれ、解説していきます。

①体への影響‐動脈疾患とタイプA

・フラストレーションで動脈疾患に
井澤等(2004)は、「敵意性と怒り喚起時の心臓血管反応性の関連」において、男子大学生20名に対象に怒りと生理的な影響について研究を行いました。その結果、衝動的な怒り情動を表す「短気」が、収縮期血圧・拡張期血圧の上昇と関連を示す結果が得られました。

短気、敵意的でない人と比較して、日常的なシュチエーションでも怒り喚起時に高い心臓血管反応性を示し、その結果,冠動脈疾患に罹患しやすい可能性があることが判明したのです。

動脈疾患とタイプAをより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・身体的QOLが低下する
・怒りっぽいタイプAとは
フラストレーションの悪影響「動脈疾患とタイプA」②

②心への影響-抑うつにつながる!?

・副交感神経の低下
筑波大学の渡辺俊太郎(2004)が、「怒り感情が心身の健康に及ぼす影響に関する研究」において、怒りが生理的、心理的にどのような影響を与えるか調査しました。怒りの持続傾向の高い男性は、副交感神経が低下し、抑うつにも影響を与えていることがわかりました。

怒った後に幸せを味わう方は少ないと思います。やはり後悔であったり、人間関係にひびが入ることで落ち込んでしまうことが多いでしょう。怒りは問題を解決する力を与えてくれますが、大体はネガティブな結果として返ってきてしまうのです。

心への影響をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・心からのSOS
・幸福感が低下する!?
フラストレーションの心理的悪影響「抑うつとQOL低下」③

フラストレーション簡易診断

フラストレーションについて簡易診断を作成しました。ご自身の状況を把握したい方は、コラム1を概観した後、一度診断してみることをお勧めします。
フラストレーション簡易診断でチェック⑤

解消する方法

ここでは、フラストレーションを適切に解消するための具体的な手法を3点お伝えします。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①認知療法で対処

・原因を他人に置いてしまう
フラストレーションが溜まる時は、物事の原因を他人のせいにしていることが多々あります。他人に原因をおくことで、自分の中に怒りを抱えてしまい、フラストレーションの原因となることがあります。

・柔軟な考え方を身に付ける
当コラムでは、認知療法という方法を使って柔らかい思考を身に付ける対処法をご紹介します。

認知療法とはベックやエリスという心理療法家が提唱した理論です。認知療法では“自分の捉え方のクセ”や信念に焦点を当て、それらを適切なものに修正することで問題への対処スキルをあげてゆく方法です。

他人に対してフラストレーションが溜まりやすい方は、その怒りの背景に、『他責的な考え』があり、物事の原因を相手に関連づけて考えてしまうのです。認知療法を元に考えると

「他責的な考え」「フラストレーション」

という図式が成り立つのです。認知療法ではこのような他責的な考えを「柔らかい考え」に改善するトレーニングを行います。練習問題を解きながら、実際に捉え方の癖を修正していきましょう。

認知療法をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・フラストレーションと認知療法
・柔らかい思考を手に入れる
フラストレーションを改善するには?「他責」を減らそう⑥

②Iメッセージで主張しよう

・言いたいことが言えない
フラストレーションをため込む人は、自分の本音を言わずにストレスを抱えこんでしまうというケースが多いです。本音の伝え方がわからないので、自分が嫌だなと思うことがあっても、口に出すことができません。

・Iメッセージで柔らかく伝える
とはいえ、強い口調で本音を伝えると相手に不快な印象を与えてしまう可能性もあります。

そこで今回は、心理学の「アサーション」という分野でよく使われるテクニックを使って自分の意見を主張する方法を学びましょう。

アサーションにおいて、断り方には2つのパターンがあるとされています。1つが「Iメッセージ」、もう1つは「YOUメッセージ」という方法です。

「Iメッセージ」
「Iメッセージ」のとは、自分の気持ちを相手に表現するときに「私は…」を主語にしたメッセージを考えるということです。「私は…」を主語にすることで、相手を尊重しながら、自分の感情を伝えることができるため、丁寧な印象になります。

「YOUメッセージ」
主語を相手にしてメッセージを考えるやり方です。断固として自分の立場を伝えたい場合に有効です。ただし人間関係にひびが入りやすいので原則としてはあまり使いません。

Iメッセージをより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・家事を手伝ってくれない例
・練習問題でマスター
フラストレーションを溜めないコツ「Ⅰメッセージ」を使おう⑦

③深呼吸でタイミングをづらす

・衝動的になってしまう
フラストレーションをため込んでしまうと、いずれ衝動的な怒りが沸いてくることがあります。この時にフラストレーションを爆発させてしまうと発散していると、人間関係が取り返しのつかないことになりかねません。そのため、一時的にストレスを解消できても、長期的にはさらにフラストレーションが溜める結果となってしまいます。

・爆発しそうになったら深呼吸!
怒りの感情を経験したときに、それをそのまま表現してしまうと危険なこともあります。怒りは強い衝動を引き起こすため、自分でもコントロールが効かず、暴言・暴力など人間関係を破壊する取り返しのつかない結果になることがあります。

「なんであんなことしたんだろう」
「余計な事まで言っちゃった」

という経験は、誰しもあると思います。ここで有効なのが、リラクゼーションを使って、フラストレーションの爆発を沈めるです。

リラクゼーションとは身体の緊張をほぐしたり、リラックスしたりなど、身体のバランスを整えることで気分転換する方法です。呼吸法、身体を部分的に意識してリラックスさせる筋弛緩法などがあります。

呼吸法をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・6秒だけこらえる
・タイミングを変える
・呼吸法の3ステップ
フラストレーションの爆発へ対処「衝動的な怒りをコントロール」⑧

改善策2に進む前に30秒だけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらの心理学教室のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

フラストレーションを溜めない!

今回はフラストレーションについて概観していきました。対処法を「①認知療法」「②Iメッセージ」「②深呼吸」の3つの対処法をご紹介しました。

フラストレーションにうまく対処できると、物事に柔軟に対応できるようになり、我慢やストレスという言葉とは縁がなくなっていきます。また、人間関係が円滑になり、他人や自分に対してフラストレーションを溜め込まずに、気楽に生活することできるようになります。

このように、フラストレーションを適切に解消していくことは、人間関係にポジティブな影響を与えます。当コラムでご紹介する対処法を活用して、スムーズな人間関係を築いてみてください。

次回のフラストレーションコラムは、フラストレーションが溜まる原因「原因を他人に置いてしまう」の対処方法をご紹介します。次回もお楽しみに!

★フラストレーションには!3つの方法で適切に解消しよう
人間関係講座

目次

①溜まる原因と解消方法-精神保健福祉士が解説
②悪影響「動脈疾患とタイプA」
③心理的悪影響「抑うつとQOL低下」
④溜まる原因「自尊心の低さ・期待」
フラストレーション簡易診断でチェック
⑥改善するには?「他責」を減らそう
⑦溜めないコツ「Ⅰメッセージ」を使おう
⑧「衝動的な怒りをコントロール」

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典
 Amsel, 1958. A. AmselThe role of frustrative nonreward in noncontinuous reward situations. Psychol. Bull., 55 (1958), pp. 102-119
 2004 敵意性と怒り喚起時の心臓血管反応性の関連 生理心理学と精神生理学,22(3)
 215-224 井澤修平・長野祐一郎・依田麻子・児玉昌久・野村忍 
怒り感情が心身の健康に及ぼす影響に関する研究 筑波大学  渡辺俊太郎 2004 

・日本版Novaco Anger Scale(NAS)の作成の試み  日本行動療法学会大会発表論文集 (28), 150-151, 2002-11-20 
・精神・心理症状学ハンドブック 北川俊則著,日本評論社
怒りと循環器系疾患の関連性の検討 
Vol. 7 (1994) No. 1 p. 1-13 鈴木 平, 春木 豊,健康心理学研究

・高倉実(1995),「大学生のタイプA行動パターンと日常苛立ち事、ストレス反応の関連」,日本心身医学会,35(4),p299-306.

・大学生における攻撃性とQuality of Lifeの関連性 2008 橋本 空,織田 正美 健康心理学研究  日本健康心理学会編集委員会 編