>
>
>
フラストレーションが溜まる原因と解消方法,簡易診断

フラストレーションが溜まる原因と解消方法,簡易診断

はじめまして!公認心理師の川島です。

今回のテーマは
「フラストレーション」
です。


対象とするお悩み
・フラストレーションが溜まっている
・イライラすることが多い
・気持ちを落ち着かせたい

全体の目次
・意味とは?
・状況,耐性,反応
・耐性をつける6つの方法
・医療機関の使い方
助け合い掲示板

読み進めていくと、基本的な知識と対策を抑えることができると思います。是非最後までご一読ください。

フラストレーションの意味とは

心理学の世界ではフラストレーションは以下のように定義されています。

なんらかの障害によって、行動が妨害され、その結果もたらされる不快な緊張状態(心理学辞典,1999 一部簡略化)

私たちは普段、こうしたい、ああしたいという欲求がありますが、その欲求が満たされないとき、怒り、イライラ、ストレスなどが溜まっていくのです。

3つのプロセス

心理学や福祉の世界ではフラストレーションを
①状況
②耐性
③反応

という3つの角度から検証していきます。

状況

例えば2020年にコロナウイルスの問題が発生しました。このようにフラストレーションが溜まる可能性がある状況をフラストレーション状況と言います。

耐性

問題となる状況が起こったとしても、すべての人がストレスを抱えるわけではありません。ある人この時、考え方や環境をうまく調整することで、前向きに乗り越えていく人がいます。

このように問題となる状況に柔軟に対処する力をフラストレーション耐性と言います。耐性を高める方法は後程詳しく解説します。

反応

問題となる状況に対して、私たちは耐性を少なからず発揮しますが、キャパシティーを超えることも当然あります。その時はフラストレーション反応が起こります。

フラストレーション反応は長期化すると、様々な悪影響があります。以下折りたたんで掲載しました。必要がある項目を展開してみてください。

橋本・織田(2008)は都内大学生・大学院生286名を対象に、

「怒りや敵意」と「心理的QOL]

QOLとはクオリティオブライフの略で、生活の質を意味します。心理的QOLとは心理的な生活の質という意味があります。以下がその結果です。

フラストレーション心理

どちらの心理的QOLを下げるという結果になっています。フラストレーションが溜まって短気になったり、敵意を持つと、精神的にも穏やかでなくなり、幸福感が下がると言えます。

桜井(2000)の研究では、大学生361名を対象に質問紙を用いて、ローゼンバーグの自尊感情尺度の日本語版の作成を行いました。

その研究の中で「不機嫌・怒り」と「自尊心」との関連を調査しています。その結果が、以下の図です。

フラストレーション,悪影響

図は不機嫌な状態と、自尊心は負の関係にあることを示しています。要約すると、フラストレーションがたまり、不機嫌な状態が続くと、自分を尊重する気持ちが減っていくと推測されます。

不機嫌な状況は、攻撃的になったり、他人からの温かい言葉が不足しがちです。そのため自尊心が低下していくリスクがあるのです。

橋本・織田(2008)は

「怒りや敵意」と「身体的QOL」

がどのような関係にあるのか調査しました。以下がその結果です。

フラストレーションが溜まることで、体の免疫機能が落ち、健康的でも悪影響があることがわかります。

長い間、欲求不満な生活を続けると、体の健康においても、リスクがあることがわかります。

井澤等(2004)は、「敵意性と怒り喚起時の心臓血管反応性の関連」において、男子大学生20名に対象に怒りと生理的な影響について研究を行いました。

その結果、衝動的な怒り情動を表す「短気」が、収縮期血圧・拡張期血圧の上昇と関連を示す結果が得られました。

短気、敵意的でない人と比較して、日常的なシュチエーションでも怒り喚起時に高い心臓血管反応性を示し、その結果,冠動脈疾患に罹患しやすい可能性があることが判明したのです。

フラストレーションをため、イライラしていないか?気を付けるようにしましょう。

 

簡易診断

ここから先は耐性をつける方法を解説します。成果を把握するために、どの程度、重たい状況なのか定期的にチェックしてみてください。

耐性をつける6つの方法

フラストレーション耐性はどうすれば向上させることができるのでしょうか。フラストレーション理論ではどのように改善するかについては、実はそこまで発達した理論はありません。

そこで、改善策が豊富なストレスマネジメント理論を参考にして、6つの対策をお伝えします。

・問題解決型
・情動焦点型
・認知評価型
・社会支援型
・身体的発散型
・気晴らし型

それぞれ対応するリンクや動画も貼っておきますので、使えそうな場合は、クリックしてみてください。

 

問題焦点型

フラストレーション状況に対して直接解決を目指すコーピングです。最も積極的なやり方と言えそうですね。

例)喧嘩の相手と仲直りをする
  収入を増やすため資格を取得する
  残業を減らすように交渉する

メカニズムを理解

*関連コラム
行動力コラム 
勇気コラム 

 

情動焦点型コーピング

辛いで出来事を、日記に書いて表現したり、誰かに話をすることで心の整理をするやり方です。マイナスの感情は、感じないようにするのではなく、適度に表現していくと、改善しやすくなります。

例)泣きたいときはなく
  愚痴をこぼす

ストレスコーピングを理解

*関連コラム
カタルシス

認知評価型コーピング

考え方を見直す

ストレス要因に対して見方や視点を変えたり、認知の仕方を変え方法です。情動よりも、考え方を柔軟にすることでストレスを軽減していきます。

例)
考え方の引き出しを増やす
多角的な視野で考える

*関連コラム
リフレーミング
認知療法

社会的支援検索型コーピング

ストレスの発散方法

周囲にアドバイスを求めたり、信頼できる人に打ち明ける。
例)家族や友達に相談する。

*関連コラム
ソーシャルサポートコラム

 

身体的コーピング

運動で発散

睡眠、食事、運動など健康面からストレスを発散する。
例)睡眠を7時間以上とる。

*関連コラム
ストレス発散-運動,呼吸,日光浴

気晴らし型コーピング

ストレスコーピングと発散方法

運動や趣味等によるストレス解消方法でリフレッシュする。
例)スポーツに打ち込む、読書にふける

このように、自分をサポートしてくれる人を作ったり、適度に感情を吐き出したり、ストレスの捉え方を変えるなどすることで、うまく対処することができます。また、日頃からストレスが解消できるように、没頭できる趣味を持つことも大切です。

身体づくりでストレス発散・解消

深刻な反応がある場合

ここまでフラストレーション耐性を付ける手段を6つ解説してきました。うまく活用すれば、問題状況を、むしろ自分の力に変えることができると思います。

一方で、問題となる状況が大きすぎて、長期的にフラストレーション反応がでることがあります。場合によっては、心療内科、福祉的な制度、医療の力を借りることもとても大事です。

以下関連動画を載せたので参考にしてみてください。

心療内科の話

心療内科に行こうか迷った場合に下記で基本的な知識を抑えてみてください。

適応障害

ストレスが大きい時期になりやすい適応障害について解説しました。

コロナウイルス‐対策,使える制度

コロナウイルスの際に作成した対応動画です。総合的な対策を理解したい方はご覧ください。

 

最後に30秒だけお知らせをさせてください♪ 私たち公認心理師・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら心理学講座でお待ちしています。

詳しくは下記看板をクリックしてみてください♪

助け合い掲示板

コメントを残す

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

*出典
 Amsel, 1958. A. AmselThe role of frustrative nonreward in noncontinuous reward situations. Psychol. Bull., 55 (1958), pp. 102-119
 2004 敵意性と怒り喚起時の心臓血管反応性の関連 生理心理学と精神生理学,22(3)
 215-224 井澤修平・長野祐一郎・依田麻子・児玉昌久・野村忍 
怒り感情が心身の健康に及ぼす影響に関する研究 筑波大学  渡辺俊太郎 2004 

・日本版Novaco Anger Scale(NAS)の作成の試み  日本行動療法学会大会発表論文集 (28), 150-151, 2002-11-20 
・精神・心理症状学ハンドブック 北川俊則著,日本評論社
怒りと循環器系疾患の関連性の検討 
Vol. 7 (1994) No. 1 p. 1-13 鈴木 平, 春木 豊,健康心理学研究

・高倉実(1995),「大学生のタイプA行動パターンと日常苛立ち事、ストレス反応の関連」,日本心身医学会,35(4),p299-306.

・大学生における攻撃性とQuality of Lifeの関連性 2008 橋本 空,織田 正美 健康心理学研究  日本健康心理学会編集委員会 編

・桜井 茂雄(2000)ローゼンバーグ自尊感情尺度日本語版の検討 Bulletin of Tsukuba Developmental and Clinical Psychology,Vol.12 2000