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シャイな性格,簡易診断と改善策‐男性,女性心理

シャイな性格,簡易診断と改善策‐男性,女性心理

はじめまして!公認心理師の川島です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。今回は「シャイ」についてお話していきます。

コラム①では、こちらの内容をお伝えします。

  • シャイの問題点
  • 2種類のシャイネスを知ろう
  • 気質は遺伝する?
  • 心のあり方の問題
  • シャイな気質とどう付き合うか
  • 診断・チェック

はじめに

・人と話すときすごく緊張する
・知らない人と話す機会から逃げたくなる
・顔が赤くなったり、体が震える

シャイな性格ですと様々な人間関係でとても疲れます。講師の私自身、実はものすごくシャイな時期があり、こじらせてしまい、社交不安障害になったことがあります。

ではシャイな性格と私たちはどうやって付き合っていけばいいのでしょうか?当コラムでしっかり解説していきます。シャイで悩む方は是非最後までご一読ください。

シャイ

シャイとは何か?

社会心理学においてシャイは以下のように定義付けられています。

特に未知の人とのかかわりを予期したり想像したときに生じる緊張、不安あるいは抑制された行動傾向がみられる性格

*岸本(1994)を一般向けに改訂

初対面、面接、接客など、私たちは社会に出ると様々な新しい人と出会うことになります。この時シャイな性格があると、緊張しやすく、また回避的な行動がみられるのです。

2種類のシャイ

Buss(1984)はシャイネスを2つに分類しました。

恐怖シャイネス

恐怖シャイネスは人生早期から確認される、面識のない人との間に体験される不安反応です。幼少期からはじまるとされています。以下は恐怖シャイネスの一例です。

・小さな子どもが母親の後ろに隠れる
・知らない人と話すのは不安・・・
・素が分からない人は警戒・・・
・本音を話すと危険と感じる・・・

乳児が知らない人を見て怖がるのは、恐怖シャイネスの一種です。乳児期に見られる人見知りは、対人的な発達の中でごく普通に確認されますが、表出される時期に個人差があることが分かっています。日比野(1977)の研究では、乳幼児の人見知りと個体識別について調査を行っています、実験では、満10ヶ月の乳児43名を対象に、質問紙を用いて調査を行っています。

そして参加者を人見知りの強度により

1.人見知りが激しいグループ
2.人見知りが中程度のグループ
3.人見知りしないグループ

の3つ群に分けて調べました。以下の図は、それぞれのグループの人数とパーセンテージを表したものです。

人見知り3

このように、約80%が中程度~激しい人見知りを経験することがわかります。当研究では、人見知りがはじまる時期についても調査が行われました。その結果、平均的には7~8か月で現れることが多いことがわかっています。1歳になる前から知らない人を怖がるようになるのです。キョウフシャイネスはごくごく自然なことであると言えそうです。

 

自意識シャイネス

自意識シャイネスは他人からの評価が気になる、公の場や目立ってしまう状況で体験されます。つまり、周りの視線が気になる心性から起こるシャイネスで、10代から急激に大きくなることが分かっています。以下は自意識者シャイネスの一例です。

・飲み会で会話できない・・・
・どぎまぎすると恥ずかしい思われる…
・好きな人だと緊張する・・・
・人前で話せる自信がない・・・

一方で自意識シャイネスは10代の急激に増えてきます。幼少期は社交的だったのに、10代になったとたんシャイになってしまう方は、自意識シャイネスが活性化していると考えられます。

日常生活に支障が出るほどに大きくなると「社交不安症」と診断されることもあります。社交不安症を発症した人の約75%が15歳以下で発症しています(図1)。同じことが精神保健疫学調査(1993)やこころの健康についての疫学調査(2006)でも指摘されています。

人見知り

図1. 社交不安障害の発症年齢(DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアルより、一部改変)

しかし、社交不安症の特徴は、発症年齢と専門機関に相談に訪れた年齢に差があることです。発症は15歳までが殆どにも関わらず、なかなか悩みを打ち明けることができないのです。ましては15歳以下の人が「人見知り」という悩みで専門機関に通っている姿はイメージしにくいでしょう。

ある研究では、発症年齢と10年以上ずれた30代半ばで医療機関や心理カウンセリングを行っている機関を訪れる傾向が見られることが報告されています。このような相談の遅れが症状を悪化させる要因にもなると言えます。

シャイに関する研究

シャイに関する研究はこれまで幅広くされてきました。以下折りたたんで記載をしたので、興味があるタイトルを展開してみてください。

石田(1998年)は、大学へ入学して8か月経過した新入生を対象にシャイに関する研究を行いました。まずは女性のテスト結果から見ていきましょう。

シャイな女性親密度のテスト結果

女性の場合、シャイな人とシャイでない人との図の大きさは小さな差になっています。つまり女性にとってシャイは、相手を好きになったり、好かれたりといったことにあまり影響しないと言えます。

一方、男性の場合はどうでしょうか。男性のテスト結果は以下の通りです。シャイな男性親密性のテスト結果

男性の場合、シャイな人とシャイでない人とに親密性で大きな差が出ていることが分かります。男性は好かれたり、好きになったりする場合に、シャイであるかが大きな基準となるのです。

この男女差は文化的な違いもあるかもしれません。女性の場合は人見知りは奥ゆかしさや、かわいらしさとして見られることがありますが、男性の場合は、自信がないとみられてしまうこともあります。

このような文化的なとらえ方がコンプレックスに結びついて、対人関係での自信のなさにつながっている側面がありそうです。筆者の川島もシャイである自分を随分せめていました。

人見知りのように周りからの視線に意識が向いてしまうことを「公的自己意識」呼びます。「公的自己意識」が増大すると、対人不安が起こりやすいと考えられています。キム(2005)の研究では、522名を対象に調査票を用いて、「公的自己意識がメンタルへルスにどんな影響を与えるか?」について調査を行っています。

その結果、上記の図のように公的自己意識は「対人不安」に影響することが分かりました。他人の目を気にしすぎると、人とコミュニケーションを取るのが怖くなったり、自分らしく振る舞うことが難しくなってしまうのですね。

他人の評価は、人によって毎回変わるため、日常生活のなかで、あなたのことをよく思っている人もいれば、そうでない人もいるでしょう。例えば、あなたの趣味に関心を持っている人もいれば嫌いな人もいます。また、あなたの地元が好きな人もいれば嫌いな人もいます。

その都度変わる評価に毎回付きあっていては、常態的に不安にさいなまれることになります。もちろん公的自己意識は社会的に必要なものですが、意識しすぎは注意が必要です。

齋藤(2009)は、大学生474名に対して、完璧主義と心理的な影響について調査を行いました。その結果、消極的完璧主義(正確には失敗過敏)のある方は
「集団にとけこめない」
「人間関係の当惑」
があることがわかりました。つまり、人見知りになりやすいということです。これに対して、積極的完璧主義(高目標設定)を持つ方は、これらの傾向はなく、特に顕著な差として「幸福感」が高いことがわかりました。

上記の図の数字は相関係数と呼ばれるものです。簡単に説明すると、AとBはどれぐらい関連しているかという数字で、心理学的には0.4~0.6の数値はある程度関連していると解釈していきます。人見知り傾向が強い方は「ミスをしてはいけない」「嫌われたくない」と考えるあまり、ますます人見知りを増幅されている可能性もあります。

シャイと遺伝の関係

人見知りの原因としては、緊張しやすい遺伝子であることが挙げられます。みなさんは以下のような経験をしたことがありませんか?

・初対面の人と上手く話せない
・大会の前にお腹が痛くなる
・好きな人ほど緊張して話せない

このような誰しも感じたことがあるこの感覚は、一般的に緊張と呼ばれています。日本人は生まれつき緊張しやすいという研究があります。

私たちが感じる緊張にはS遺伝子とL遺伝子が関わっています。ヴェルツバーグ大学精神医学部のピーターレッツ博士(1996)は、「S遺伝子」が心身の安定に必要な「脳内伝達物質・セロトニン」の分泌に影響を及ぼしている事を発表しました。「L遺伝子」は対極にあり、緊張しない遺伝子という性質があるのです。

さらにS遺伝子とL遺伝子の割合で人間は

SS型・・・緊張や不安になりやすい
SL型・・・緊張や不安は中程度
LL型・・・緊張や不安に強い

の3つに分けられます。SS型が最も人見知りになりやすいタイプであり、LL型の人たちは緊張や不安に強く、外向的な人が多いです。センら(2004)は、日本とアメリカの人たちのS遺伝子とL遺伝子の割合を調べました。

こ日本はSS型とSL型に分類される人の割合が多く、その割合は世界でも最高水準に位置づけられることが、多くの研究や調査で示されています。人見知りは私たち日本人からすれば身近な気質なのですね。

診断とチェック

ここからはシャイとうまく付き合う方法を提案させて頂きます。成果を把握するために定期的に以下の診断でチェックされることをオススメします。

シャイな気質とどう付き合うか

ここまでシャイについて解説をさせて頂きました。ここからはシャイな性格とうまく付き合う方法を5つ提案させて頂きます。

・全体の方針を理解
・自分の気持ちを大事にする
・失敗よりも成功をイメージ
・緊張をほぐす
・森田療法で目的本位に
・シャイな自分を認める

気になる項目がありましたらリンク先をクリックしてみてください。

全体の指針を理解

大きくまとめるとシャイは後天的な影響で改善がある程度しやすい領域と、ある程度遺伝的に決まっていて、改善が難しい領域に分けられます。改善可能な領域は認知療法や行動療法で改善が可能です。

一方で改善が難しい部分について、もちろん、シャイな性格を治そう・・・シャイをなくそう・・・と考えるの立派な姿勢ですが、現実的ではありません。

逆にシャイな自分を受け入れた上で必要な行動を取ることができれば、より充実した人間関係を構築することができるかもしれません。シャイは克服するものではなく、上手く付き合うことが大切なのです。

自分の気持ちを大事にする

シャイな性格の原因は、公的自己意識が過剰であることが挙げられます。心理学の世界では、自意識は以下の2つに分けることができます。

1.公的自己意識
「失礼な言葉遣いになっていないか」「自分の容姿はおかしくないかな」といった周りの目を気にする自意識です。「公的自己意識」が過剰になると、シャイになりやすいと考えられています。

もちろん協調性を保つために大切な意識ですが、過剰になっている方は注意が必要です。

2.私的自己意識
自分自身がどのように振る舞いたいかを大切にする意識を意味します。周りからの評価は自分を客観的に見る上で大事ですが、それと同じほど自分自身がどうしたいかに着目していきます。

堀井(2001)の研究では、公的自己意識・私的自己意識と、対人恐怖との関連が調べられています。実験では、高校生256名、大学生271名、計527名の青年を対象に質問紙を用いて、調査を行いました。その結果が以下の図になります。

特に「公的自己意識」に大きな影響を与えているのは、「自分や他人が気になる心性」であることが分かります。

私的自己意識は安定していますので、多少や否定されてぐらいでは動じません。「自分とは○○な人間だ」と自分自身に理解することで、自分らしさをハッキリしていくことができます。

人の目が気になる・・・と強く感じる方は、公的自己意識を和らげることでシャイを改善することができます。

公的自己意識を和らげる方法をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・自己意識のバランスが大事
・練習問題で理解を深めよう
人見知りを改善方法「公的自己意識」を和らげる

失敗よりも成功イメージ

完璧主義とシャイは、一見全くタイプが違うように思われます。実は意外と多いパターンでもあります。完璧主義の人は「絶対に失敗してはならない」という思考で頭が凝り固まっています。そのため、

・失敗したくないから関わりたくない
・相手に少しでも嫌なところがあると
 関わりたくない

など、周囲とのコミュニケーションを避ける傾向にあります。

・失敗してもOK!の姿勢で
完璧主義から人見知りになってしまう人は、自分にも相手にも完璧を求めるあまり、豊かな人間関係を築くことが難しくなっています。そこで当コラムでは、凝り固まった思考をほぐす練習方法をご紹介します。

自分は完璧主義だ…失敗を許せない…という傾向にある方は、失敗OKの姿勢を身に付けることで寛容な思考を身に付けることができます。

完璧主義を前向きにする方法をより深く知りたい方は下記ご覧ください。
・高目標完璧主義とは
・失敗OKの姿勢を詳しく
・練習問題で身に付けよう
人見知りは「完璧主義を前向きにほぐして改善」

緊張をほぐす

シャイで緊張しやすい方は下記を参照ください。

緊張をほぐす方法

森田療法で目的本位に

森田療法という心理療法を聞いたことはありますか?森田療法とは森田正馬という人が提唱した、主に神経症へアプローチした心理療法です。

また、シャイに有効な考え方があります。ストイックな心理療法なのですが、元々シャイだった筆者の川島はとても森田療法に救われました。思い入れのある心理療法の1つです。

森田療法の根本には”あるがまま”というもの考え方があります。あるがままとは、気分や症状は起こるままに受け入れ、しなければならないことに集中する意味です。

現れる気分や症状に影響されず、今すべき事に集中します。そのため、シャイで不安があったとしても、無理に打ち消さず、目的に従って行動していきます。

「恐怖に突入せよ」
「人見知りのままでOK」
「緊張を強引に抑えない」
「自然体であれ」

これが森田の根本的な考え方になります。恐怖から対人場面を避けてしまう…という方は、森田療法を実践することで恐怖ともに行動できるようになります。

森田療法をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・恐怖突入とは?
・受け入れられる人の特徴
・練習問題で身に付けよう

森田療法の基礎

自己受容を大事にしよう

シャイな性格はある程度は受け入れることも大事です。以下のコラムも参照ください。

自己受容コラム

まとめとお知らせ

まとめ

シャイと上手に付き合うことができれば

・初対面でも打ち解けられる
・第一印象が良くなる
・人前で堂々と話せる

など、人生の様々な状況でプラスに働きます!「シャイな自分だから」と、せっかくのコミュニケーションの機会を回避していては、得られる経験やチャンスも少なくなってしまいます。

積極的に人と関わることができれば、あなたの毎日はきっと大きく変わります!応援しています♪

講座のお知らせ

もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・心理療法の基礎
・緊張をほぐす方法
・暖かい人間関係を築くコツ
・自分を受け入れる練習

などを学習します。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。是非お待ちしています。

 

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・Buss, A. H. (1984). A conception of shyness. Avoiding communication: Shyness, reticence, and communication apprehension, 39-49.
・Eggum
Wilkens, N. D., Lemery Chalfant, K., Aksan, N., & Goldsmith, H. H. (2015). Self conscious shyness: Growth during toddlerhood, strong role of genetics, and no prediction from fearful shyness. Infancy, 20(2), 160-188.
対人恐怖心性尺度の作成 堀井, 俊章 小川, 捷之 上智大学心理学年報 1996
石田靖彦 (1998) 「友人関係の親密化に及ぼすシャイネスの影響と孤独感」. 社会心理学研究 , 14 (1) , 43-52.

対人相互作用の予期における私的シャイと公的シャイサブタイプの差異 岸本 陽一 近畿大学文芸学部文化学科心理学 文学・芸術・文化 20(1), 116-98, 2008-09 近畿大学文芸学部