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傾聴力をつける!トレーニング法

傾聴力,トレーニング法 ,動画付き

皆さんこんにちは!公認心理師の川島達史です。私は心理学の大学院で傾聴トレーニングの効果研究を行ってきました。その後は15年間、傾聴講座の講師として活動しています。

当コラムではそんな私のフィールドワークで一般の方はもちろん援助職や接客業の方でも充分使える内容となっています。是非気軽にシェアしてみてください。

全体の目次
・5分で改善!傾聴お試し練習
・3種類のオウム返し
・肯定返し
・自己開示
・5W質問
・感情質問
・診断-チェック

コラム①では、5分でできる即興傾聴トレーニングを行います。まずは体験としてトレーニングをしてみましょう。その後、もっと練習したい!という方向けに、基礎的なスキルを解説していきます。イラスト:話を傾聴して人間関係を大事にしている人

即興!傾聴力トレーニング

それでは早速、即興トレーニングをしていきます。傾聴を研究してきた身としては、基礎からじっくり解説をしていきたいところです。

しかし、きっと皆さんは、前置きは良いからさっさと傾聴力がUPさせる方法を教えてくれ!と感じていると思います(汗)

そこでこれを抑えておけば印象が激変する!という手法を体験として解説していきます。

いきなり質問しない

まず初めに心がけることは
いきなり質問をしない!
これを徹底しましょう。質問は便利でお手軽がゆえに、実は傾聴力を著しく減退させてしまうのです。

例えば、相手が「お寿司が好き!」と話したとしましょう。

このとき、
「えっ?どこで食べたんですか?」
「何貫食べましたか?」

こんな感じで返している方は、一発で傾聴力がないとわかってしまいます。なぜなら傾聴の基本である「受け止め」ができていないからです。

質問は相手の発言を一度も受け止めることなく、跳ね返してしまっているのです。これでは傾聴力は永遠につきません。

「いきなり質問をしない」これをぜひぜひ徹底してください。これだけで傾聴の成長曲線に入ったと言っていいと思います。

繰り返し+1言肯定

次に心がけることは、

ざっくり繰り返し1言肯定

をしっかり意識していきます。これを意識するだけでかなり好印象になります。

****例1
相手が「お寿司が好き!」と話したとしましょう。このとき

 お寿司か~  ざっくり繰り返し
 おいしいよね! 1言肯定

こんな形で「ざっくり」と相手の発言を返して一言肯定するだけです。簡単ですね!もう1つ練習してみましょう。

****例2
相手が「私は東村山に住んでいて、山あり川ありの自然が豊かです」と話したとしましょう。それではざっくり繰り返しと一言肯定にチャレンジしてみてください♪

  ↓
  ↓
 いかがでしょうか?考えましたか?!
  ↓
  ↓

自然がたくさんあるのですね~  ざっくり繰り返し
住み心地がよさそうです!    1言肯定

こんな形で返せすことができていればOKです!

****例3

しつこいようですが、もういっちょ行きましょう!

「私の趣味はカフェでまったりすることです」

  ↓
  ↓
 2つの返しを考えてみましょう
  ↓
  ↓

おちつきますよね~   ざっくり繰り返し
贅沢した気分になれそう  1言肯定

こんな形で返せすことができていればOKです!

反復練習してみよう!

さて!ここで大事なお知らせがあります。傾聴力を本当につけたい方は、先程の3つの問題をもう一度練習してみてください。なぜなら傾聴力は反復練習が大事だからです。

何度も練習して、瞬間的に答えられたらOKです。そしてできれば、問題を自分なりに変えてさらに練習していきます。

そして自然にできるようになったらいよいよ実践です!

・いきなり質問をしない
・ざっくり繰り返す
・1言肯定する

この3つを意識して会話をしていきます。すると、今までよりもずっと暖かい空気感が会話の中に出てくると思いますよ♪

簡易診断-チェック

ここから先は本格的な傾聴トレーニングをお伝えします。成果を把握するために定期的な診断・チェックをオススメします。

傾聴力,基礎トレーニング‐5選

ここまで気の早い皆さんのために、即興でできるトレーニングをお伝えしました。ここからは私も本気モードとなります。

傾聴スキルは専門的なものも含めると30種類ほどあります。その中で特に重要な5つのスキルを選定しました。本格的に傾聴力をつけたい方は、ぜひ練習していきましょう。

それぞれリンク先には動画もあります。是非ご活用ください。

3つのオウム返し

先程はざっくり繰り返しという形でやや雑なオウム返しについて学習してきました。ただ厳密にはオウム返しは3種類ほどあります。それぞれ使い方が微妙に異なってきます。是非以下のコラムで練習してみてください。

事実のオウム返し
感情のオウム返し
言い換えのオウム返し

肯定返し法

オウム返しは傾聴の土台作りで重要ですが、これだけでは単調になってしまいます。次に大事なのが、相手の発言に土産をつけて返していくことです。具体的には肯定返しの練習が必要になります。

先程は1言返す練習をしましたが、ボリュームを持たせて肯定する練習なども行っていきます。

肯定返し練習

自己開示

傾聴は相手の話を聴くだけ…というイメージがありますが、実はそのような意識を持つと大体失敗します。間違っても9割傾聴というような偏った会話にならないようにしましょう。

会話はバランスが大事で、あなた自身の自己開示も非常に重要です。あなたが自己開示すると、あなたの人となりがわかって、相手はもっと話しやすくなるのです。

傾聴と自己開示練習

5W質問練習

オウム返し、肯定返し、自己開示ができるようになったら、いよいよ質問が解禁されます。質問は連発はNGですが、もちろん会話の要所要所で使うのはOKです。まずは基礎となる5W質問から是非練習してみてください。

5W質問練習

感情質問練習

5W質問は会話を継続させたり、情報を整理する効果がありますが、やや硬くなりやすい質問です。そこでもう1つの質問技術として感情質問も覚えておきましょう。

感情質問を質問に感情を入れることで、暖かい会話を追求していく手法となります。」

感情質問練習

間を充分取ろう!

傾聴の基礎の仕上げは間の取り方です。間のない会話は忙しくなってしまい、自分も相手もすごく疲れます。ゆったりとした間を取りながらじっくり傾聴する空気を出せると相手はとっても安心することができます。

間の取り方

傾聴力UP-発展トレーニング

ここまでは傾聴の基礎トレーニングを紹介させて頂きました。ここから先は中級者向けのスキルを紹介します。ご自身に合いそうな内容がある場合は是非参考にしてみてください。

共感力トレーニング

福祉職や接客業の方は、共感力が非常に大事になってきます。お悩みを相談される立場の方は是非下記のコラムも参考にしてみてください。

共感力Upコラム

笑顔,アイコンタクト,声の抑揚

コミュニケ―ションには、非言語コミュニケーションと言語コミュニケーションの2種類があります。同じ「お寿司おいしいよね!」でも、下の2つを比べた場合、どちらに好印象を持ちますか?

イラスト:非言語的コミュニケーションの比較

言うまでもなく、左側の方が印象がいいと言えますね。言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションは掛け算のような関係です。「おいしい!」というポジティブな表現も、非言語が伴っていないと効果は減退してしまいます。

是非笑顔や声の抑揚の練習もしていきましょう。非言語コミュニケーションについてはそれぞれ専門コラムがあります。気になるリンクがあったらクリックしてトレーニングをしてきましょう!

笑顔力Up!
アイコンタクト練習
滑舌改善トレーニング

傾聴力に関する研究紹介

最後に傾聴に関する研究を紹介させて頂きます。より専門的な知識を知りたい方は参考にしてみてください。

私が大学院で研究した内容を紹介させてください。研究では、100名ほどを対象に発話・傾聴について効果分析を行いました。

下記の図は、傾聴トレーニングの効果分析です。

傾聴トレーニングによる効果分析の図傾聴が苦手な方(オレンジ色)にはトレーニングを実施し、一般的な方(青色)にはトレーニングを行っていません。トレーニング後は、傾聴が苦手な方も一般の方とほぼ同じレベルに達しているのが分かりますね。

実はこの研究では、70%ほどの脱落率がありました。しかし、継続的にトレーニングをされた方は結果を残していましたので、筋トレと同じように、しっかりと練習を重ねれば傾聴力をつけることはできると言えます。

2010年に松本らが行った「美容師の指名客数増加のための社会的スキルトレーニングの効果」では、新人美容師に対し社会的スキル「笑顔・声・傾聴・雑談・説明・提案・承認」7つについてトレーニングを行い、指名客数増加との関連を調査しました。

下記はトレーニング後のスキル評定得点と指名客数増加率との関係を示した図です。


傾聴力はビジネスで成果を出すために重要なスキル

スキル評定得点の上昇率が高い「スキル評定得点上位群」と上昇率が低い「スキル評定得点下位群」では、上位群が指名客数増加率が高いことが分かりました。また、社会的スキルの中でも「傾聴スキル」が指名客数増加にもっとも影響している傾向が見られました。傾聴調査結果から、傾聴力は結果が求められるビジネスシーンにおいて成果に直結する重要なスキルであり、トレーニングでスキルを伸ばすことができるができる考えられます。

特に、接客業などでは、説明など問題解決だけでなく、相手の話をしっかり受け止める人間関係型の傾聴スキルも重要であると言えそうです。

 

お知らせ

もし公認心理師など傾聴の専門家の元でしっかりトレーニングをしたい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・傾聴力をつける練習
・共感力トレーニング
・暖かい人間関係を築くコツ

など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。私も講師をしています♪皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

人間関係講座

助け合い掲示板

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考資料
松本啓子・村井佳比子・眞邊一近(2014)「美容師の指名客数増加のための社会的スキルトレーニングの効果」 行動分析学研究 第29巻 第1号
末田清子・福田浩子(2003) 「コミュニケーション学―その展望と視点」P142
目白大学大学院 現代心理学専攻 川島達史 2013 修士論文