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罪悪感とは?消すための3つの方法を心理の専門家が解説

罪悪感


罪悪感とは?意味や消すための3つの方法-心理の専門家が解説①

罪悪感について専門家が解説

みなさんこんにちは、はじめまして臨床心理士の加賀です。私は、これまで臨床心理士として精神科・心療内科クリニックでカウンセリングを行ってきました。その経験や心理学の知識の中から皆さまのお役に立てられるような情報をお伝えしていきたいと思います。

当コラムでは「罪悪感」について詳しく解説をしていきます。しっかりと対策をお伝えしたいので、8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。 

罪悪感が強くなりすぎる問題

罪悪感とは(定義)

罪悪感の定義は、心理学辞典によると「道徳的、宗教規範に背き過失を犯したときに感じる自己を責める感情」と説明されています。ちょっと難しいですね。このような罪悪感を持つことはいいことなのでしょうか?悪いことなのでしょうか?ポジティブ・ネガティブ両面を検討してみましょう。

・罪悪感のポジティブな面
久崎(2002)は罪悪感の機能を「自分の過失を修復するため」「過失を今後しないという意思を持ち続けるため(一部抜粋・改変)」と主張しています。例えば、あなたが仕事でミスをし、同僚がフォローしてくれたとします。あなたが、同僚に対して「自分のせいで悪いことをしたな」など罪悪感を抱いた場合、謝罪をする、同じミスをしないように修正するなどの行動を取ると思います。罪悪感を適切に持てば、相手との関係修復が促進されます。

・罪悪感のネガティブな面
しかし、罪悪感が強すぎる場合は注意が必要です。例えば、「相手の反応が怖くて謝罪できない」「いつまでもミスの事を考えてしまう」こんな状態になってしまう方は、罪悪感がマイナスに働いている可能性があります。罪悪感を持ち過ぎて毎日が辛い、鬱っぽくなっているという方も注意しましょう。

 

罪の心理をなくすことが出来ない人の特徴

罪悪感を持ちやすい人の特徴とは?

有光(2001a)は、大学生292名を対象に、罪悪感の性格特性をアンケート調査により明らかにしました。その結果

・自己の内面を意識すると罪悪感を持つ
・相手の評価を気にすると罪悪感を持つ
・情緒不安定性が高いと罪悪感を持つ
・誠実性が強いと罪悪感を持つ

ことが明らかになっています。また、この研究では男女差も明らかになっています。

・女性は、私的自己意識が強い
・男性は、自己意識傾向とは関係ない

この結果は、女性は他人への思いやりが強く、対人間の罪への傷つきやすさが強いことなどの内省的な性格が罪悪感につながると考えられています。つまり、自分の行動についての失敗に注意が向かいやすく、他者からどう見られているかを強く気にする人は罪悪感を持ちやすいのです。

罪悪感と孤立

日常生活の中で罪悪感を抱くきっかけはたくさんあります。

・仕事でミスして迷惑をかける
・交通事故でけがをさせる
・怪我をして誰かの助けを必要とする
・病気になる

罪悪感を抱くことに納得できる事柄から、他人からすると一見罪悪感を抱くことに疑問を持つようなという事まで様々だと思います。罪悪感を強めるのは、個人の認知が大きく関係しています。そこで罪悪感を強く感じすぎて抑うつなどの症状が強まると

自分は罰せられるべきだという認知が生まれる
 ↓
自分が楽しむことが許されないと感じる
 ↓
趣味や余暇などの行動が制限される
 ↓
孤立につながる
( O’Connor, Berry, Weiss, & Gilbert, 2002; Lalos, Lalos, Jacobsson, & Schoultz, 1986).

なども起こり得ます。実際に罪悪感を抱いているときに心から楽しめないことは想像できると思います。そして、その期間が長引けば社会活動への参加を難しくし、孤立につながる要因になると考えられます。

罪悪感は孤独につながりやすい

罪悪感と回避行動

有光(2001b)は、4年生および短期大学の学生329名を対象に罪悪感特性と健康について調査しました。その結果罪悪感は、男女ともに社会活動を促進することが分かっています。罪悪感特性自体は、直接的に健康を阻害する要因にはならないようです。しかし、個人が自分の罪を重くとらえ、強い罪悪感を長期間持ち続けるとその影響は異なります。例えば、他人に怪我をさせてしまったときに自分の罪を重くとらえて罪悪感に苦しむという状況では、

・強い抑うつ状態
・何度もその状況を思い出す
・その状況を避けようとする

などのような症状が現れると言われています(Browne, Evangeli, & Greenberg,  2012)。抑うつが続けば、睡眠や食事などに問題が出る可能性があります。また、自分の意志に関係なく何度もその状況を思い出す苦痛やその状況を避けようとする回避行動は、社会活動に困難をきたすことも考えられます。

 

罪悪感の問題のセルフチェック

罪悪感の問題のセルフチェックをご用意しました。 罪悪感に関する質問の中から、あなたの普段の性格や行動を表しているかをお答えください。以下の項目の中から最も当てはまるものを一つ選んでください。解答が終わったらすべての項目の得点を合計してくださいね。 

罪悪感傾向のセルフチェック

セルフチェックの傾向と対策

0~14点: 問題は低め
罪悪感の問題は低めの傾向にあります。自分が失敗をしたときなどに罪の心理を持つことはあるかもしれませんが、それが日常で問題になることは少ないと考えられます。

もしも日常生活で自分が悪いわけではないのになぜか罪悪感を抱いてしまうという場合には、具体的に何に罪の心理を持っているのかなど丁寧に振り返ってみることが必要かもしれません。

15~29点:中等度の問題傾向
罪悪感の問題はやや高めです。一見他人からは問題があるようには見えませんが、こころの中では物事を思いきり楽しめない、自分の力を発揮できないということに気づいているかもかもしれません。

罪悪感は悪い面ばかりではありませんが、過剰に感じすぎてしまうと心身を苦しめることにもつながります。今抱いている罪の心理が適切なものなのかを振り返ることや、自分の本音を確認することが必要かもしれません。

30点以上:問題が強い傾向
罪悪感の問題が強い傾向にあります。日常生活の中で罪の意識を抱いていることで、できなくなっていることがあるなど問題が生じている可能性があります。強い罪悪感は抑うつなどにつながる恐れもあります。

今抱えている罪悪感を少しでも軽減できるように問題を整理することなどできることから始めてみましょう。また、思考のワークやリラクゼーションなどを取り入れてみることをお勧めします。

定期的にチェックしてみよう

このチェックリストの結果は、あくまで「今」のあなたの罪悪感の問題傾向です。そのため、時間や状況によって変化します。この結果は、今のあなたの罪悪感の問題を知ること、そしてその状態をどのようにすれば、ちょうど良い状態に近づけるのかということを考えるきっかけにしてください。

罪悪感を消す3つの方法を解説

罪悪感と健康的に付き合う3つの方法

セルフチェックの結果はいかがでしたでしょうか。あまりいい結果が出なくても、現状を知ることが大切です。そこで当コラムでは、罪悪感を消せない原因と解決策を提案させて頂きます。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①多角視野+昇華法

1つの考えにとらわれる方は注意
罪悪感で困っているひとは、過剰に罪の意識を持ちやすい傾向にあると言われています。例えば、普段から自分はダメだと思っている人が仕事で失敗すると、私がダメだから失敗した!!と考え罪悪感を抱くことにつながりやすいと言われています。

考え方を増やそう     
心理学の世界では、同じ出来事に対して、たくさんの考え方ができる方はメンタルヘルスが良いことがわかっています。1つの考え方に囚われて、ニッチもサッチも行かない・・という方はコラム②を参考にしてみてくださいね。

②罪悪感は謝罪で解消

罪悪感をため込む人
罪悪感を抱きやすい人は、謝罪下手という特徴があります。謝罪が苦手だと、罪の意識が蓄積してしまい、ぐるぐると心の中にたまってしまうのです。

謝るべきことは謝ろう
もし「自分が悪い」と感じるならやはり謝罪をすることは大事です。謝罪は相手のためでもあり、自分のためでもあります。謝るのが苦手だ・・・という方はコラム③を参考にしてみてくださいね。

③罪悪感を背負っていく

謝る相手がもういない
罪の心理をなくす基本は、罪悪感を抱いた相手に謝る事です。しかし、「子どもの頃に抱いた罪悪感」「相手が遠くに行ってしまった」など謝る事がもうできない状況もあります。解消されることがない罪の心理を持ち続ける事で、日々の生活がネガティブな要素であふれてしまいます。

捉え方を変えよう
罪悪感を終わらせる自分なりの区切り方を持つ事が大切です。罪の心理をプラスの行動につなげる捉え方で見つけてみましょう。当コラムでは「罪悪感を背負っていく」という方法をご紹介します。謝る相手がもういない時の解決策を知りたい方は、コラム④を参考にしてみて下さいね!

適切な方法で罪悪感の心理をなくそう

罪悪感を消す方法を解説していきます

このように、「現実検討力の低さ」「謝ることが苦手」「謝る相手がもういない」が原因となることが多いようです。次回以降は罪悪感を消す方法について考えていきます。

過剰に強い罪悪感は、精神的健康に影響を与えることや、孤立につながることもわかっています。 過剰な罪悪感のせいで自分のやりたいことができない、持ち味を生かすことができないのはとても残念なことですよね。今抱いている罪悪感により困難な状況になっている場合には、その罪悪感は適切なのかを振り返ってみることが大切です。何か新たな気づきを得られることでその後の行動も変化してくるでしょう!

次回は、罪悪感を消す方法「多角的な視野+昇華」についてをご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★強い罪悪感は孤立にも!罪悪感を消す方法で適度な罪悪感を目指そう
心理学講座

*出典・参考文献
薊理津子. (2010). 屈辱感, 羞恥感, 罪悪感の喚起要因としての他者の特徴. パーソナリティ研究18(2), 85-95.
O’Connor, L. E., Berry, J. W., Weiss, J., & Gilbert, P. (2002). Guilt, fear, submission, and empathy in depression. Journal of affective disorders71(1), 19-27.
大西将史. (2008). 青年期における特性罪悪感の構造. パーソナリティ研究16(2), 171-184.
久崎孝浩. (2002). 恥および罪悪感とは何か: その定義, 機能, 発達とは. 九州大学心理学研究3, 69-76.
Lalos, A., Lalos, O., Jacobsson, L., & Schoultz, B. V. (1986). Depression, guilt and isolation among infertile women and their partners. Journal of Psychosomatic Obstetrics & Gynecology5(3), 197-206.

罪悪感, 羞恥心と性格特性の関係 有光 興記 性格心理学研究 9(2), 71-86, 2001 日本パーソナリティ心理学会

 



消すための3つの方法を実践しよう