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感謝の気持ちを伝えるテクニックやコツを心理の専門家が解説

感謝の気持ち


感謝の気持ちを上手く伝える-精神保健福祉士が解説①

「感謝の気持ち」を専門家が解説

みなさんはじめまして!社会心理学の専門家 川島です。私は社会心理学の大学院で、成人のコミュニケーションについて研究をしてきました。現在では成人向けのコミュニケーション講座の講師として活動しています。

当コラムは「感謝の気持ち」をテーマに解説をしています。しっかりとお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが、是非お付き合いください。

「感謝の気持ち」を伝えましたか

日常生活の中で「ありがとう」というタイミングは多くあります。

・職場の同僚が仕事を手伝ってくれた時
・友達が誕生日をお祝いしてくれた時
・家族が美味しい料理を作ってくれた時

このような状況の時に、皆さんはこまめに「ありがとう!」と言葉にしているでしょうか?「感謝の気持ち」を持つことは心理学的にとても意味があることが分かっています。感謝の気持ちを伝える

感謝の気持ちと信頼感

山・降矢ら他(2008)は北海道の病院にて”笑顔“と”感謝の気持ち“の研究を行いました。具体的には看護師さんに1ヵ月間、「笑顔で『ありがとう』を言葉にすること」を実施してもらい、どのような心理的な効果が出るかを検証したのです。その結果が数です。解説の前に軽く眺めてみてください。

 

いかがでしょうか。

・同僚への信頼感が向上
・仕事のやりがいが向上
・「ありがとう」が習慣化した

などの項目が、1ヵ月後にアップしていることがわかります。(上図参照)。感謝の気持ちを持つと、職場の人間関係を向上させ、お互いの仕事のやりがいを向上させることができるのです。

感謝の気持ちは親切行動に繋がる

もう一つ研究を紹介します。北村(2012)は女子短大生18名に対して、感謝行動(ありがとうと言葉にする)に関する研究を行いました。具体的には女子短大生に、

「これから1週間、11回以上、
 周りの人に『ありがとう』
 と言って感謝行動をしてください」

と教示し、その日の結果を毎晩報告するようにお願いしました。その結果、

・親切行動へのモチベーションが向上
・相手の反応が「嬉しかった」
・自分の中に感謝の気持ちが芽生えた

という変化が見られたのです。感謝の気持ちを意識することで、出来事をポジティブに受け止める頻度が増えたと言えます。

 

「感謝の気持ち」を活用した心理療法

感謝を活用した心理療法もあります。元々吉本伊信という僧侶が精神修行として取り入れていたものを、学問の世界の心理療法家が検討を加え、現在でも病院などで活用されています。

内観療法はしっかりやると数日かかるため、本コラムでは日常的に取り組めるように内観療法に少しアレンジを加えて紹介します。もしよろしければ実際にやってみましょう!

①家族一人を思い浮かべる
身近な家族の中で最もよくしてもらったと思う人物を具体的に一人思い浮かべましょう。
例:妻、母親、兄弟

②してもらった行動を思い浮かべる
してもらった行動について、その時の状況を具体的に考えます。それはいつのことなのか?また、どんなことをしてもらったのか?

例:毎朝、1年前、学生だったとき
例:お弁当を作ってもらった、励ましてもらった、洋服を用意してもらった

③どう感じたかを記入
相手にその行動をしてもらった時に、あなたはどのように感じましたか?その時の感情や思ったこと書き出しましょう。
例:嬉しかった、楽しかった、感動した

①②③のポイントがでたら、下の表に記入してください。

感謝の気持ちに気づく方法振り返ってみてどうだったでしょうか?予想以上に家族から様々な感謝すべきことをしてもらっていたと思います。

今回は家族に限定して振り返ってみましたが、例えば、会社や良くいくお店など視野を広げてみると、より感謝の気持ちでいっぱいになる持つきっかけが増えると思いますよ。

感謝の気持ちに気づく

いかがでしたか?自分と向き合うってエネルギーを使いますよね。。ここでコーヒーブレイクとして、内観療法応用して感謝の気持ちを持つことで離婚の危機を脱した方の例をお伝えします。

人間関係が悪化?!しっかり伝えよう

私は以前、社会人向けに個人カウンセリングを行っていました。ある日、深刻な顔をした33歳のタナカさんがいらっしゃいました。タナカさんはある有名企業に勤めて10年になり、出世頭になっていました。

また、結婚して5年経ち、子供も2歳になりました。しかし、夫婦仲が悪く、このままでは離婚するかもしれないということでした。

家庭でも妻に子育ては任せっぱなしでした。そんな中で料理が少しでも手抜きだと注意するので、夫婦喧嘩が絶えませんでした。タナカさんは、日々の生活に慣れてきており、周囲にやってもらっていることについて感謝の気持ちを忘れてしまっていました。

例えば、家庭に関して
・妻に料理を作ってもらっていること
・子育てをがんばってくれていること

について感謝の気持ちを表すことをしていません。

ありがとうの数が20回に

タナカさんはカウンセリングの中でそういった態度を反省し、内観療法を勉強しました。自分と向き合う中で日々の生活の中に埋もれていた「感謝」に気が付く必要があると考えました。

タナカさんは「当たり前」という気持ちをひとまず置いておいて、これまで様々な人にしてもらったことに感謝することを意識して生活をしました。

具体的には「ありがとう」をいつもの3倍に増やすと決意されました。毎回のカウンセリングで回数を数えてみると、最初は1日3回程度だったのが、2か月後には20回も言えるようになったのです。

2か月後、奥さんの笑顔を久しぶりに見ることができた!とタナカさんは充実した表情になっていました。離婚の問題も解決されたようでした。

感謝の気持ちを伝える方法

ここでは、感謝の気持ちを伝える方法について考えていきましょう。感謝の気持ちを伝えるコツは、大きく分けると3つあります。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

感謝の気持ちが伝わらない原因

①「理由」で感謝の気持ちを2倍に

淡白なありがとうはNG
人間の心とは慣れてしまうもので、相手からしてもらうことが日常になってしまうと、機械的に「ありがとう」というだけになってしまいます。ありがとうに気持ちがこもってないな・・・と感じる方は要注意です。

「気持ち+理由」で感謝は2倍伝わる
大事なことはただ「ありがとう」と伝えるだけでなく、「理由」を伝える事で感謝のっ気持ちは2倍伝わるようになります。感謝の気持ちが機械的になってる・・・という方は、コラム②をチェックしてみてくださいね。

②感謝の気持ちと非言語

非言語も大事!
どんなに感謝の気持ちを込めて言葉でうまく表しても、表情が暗かったり、相手の目を見ずに伝えてしまう方は注意しましょう。言い方や態度によっては逆効果になることもあるため注意が必要です。

言葉+態度が伝える
相手に気持ちをしっかり伝えるためには、言語に加え、非言語による表現も必要です。当コラムでは3つのポイントを具体的にご紹介します。目を見て感謝の気持ち伝えるのが苦手・・・…という方は、コラム③をチェックしてくださいね。

③思い出に残るサプライズ法

感謝の気持ちマンネリ化に注意
感謝の気持ちを伝える時、態度や言葉は大事です。ただ、本当に大事なときはもう少し工夫をしたいものですね。特別な日にも、アイデア無く淡々と感謝の気持ちを示すのも少し面白みに欠けるかもしれません。

+αでココロに残る演出を
たまには感謝の気持ちにサプライズをプラスしてみませんか?!きっとお相手はよろこぶと思います。そこでコラム4では、思い出に残るサプライズ法をご紹介します。ラプライズ演出にチャレンジしてみようかなという方は、コラム④を確認してください。

感謝の気持ちを伝える

感謝の気持ちを伝えよう

感謝の気持ちをうまく伝える3つの解決策として、「理由+感謝の気持ち」「気持ちが伝わる非言語」「サプライズ演出」の3つを挙げました。これからのコラムでご紹介する感謝の気持ちをうまく伝える方法を参考にして頂けると幸いです。

感謝の気持ちを伝えることは恥ずかしいことではありません。一言「ありがとう」と伝えるだけで相手は嬉しく思ってくれますし、関係を大事にしてくれます。あなたなりのペースでいいので、これからじっくりこのコラムを読み進めてみてくださいね。

次回は、「理由+感謝の気持ち」についてご紹介していきます。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★ 感謝の気持ちを伝えて良好な人間関係を築こう
人間関係講座

*出典
・北村瑞穂
(2012) ,「親切と感謝の行動が幸福感に及ぼす影響」,四条畷学園短期大学紀要,45, p30-38.
・奥山麻也・降矢奈保子・吉田絵美・菅原かなえ・沓澤佳代子・金谷春美 (2008) ,「笑顔の導入と「ありがとう」を言葉にすることで人間関係が向上するかの検討」,北海道社会保険病院,7,p14-17.



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