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叱り方がうまくなる7つの方法,部下を伸ばす方法

叱り方がうまくなる7つの方法,部下を伸ばす方法

こんにちは!公認心理師の川島達史です。
今回のテーマは
「叱り方」
です。

はじめに

管理職や親になると、部下や子供へ教育する機会が増えてきます。この時、

・傷つけるのが怖くて叱れない
・やる気がなくなってしまうのが怖い
・ついつい甘やかしてしまう

というお悩みを持つ方がたくさんいらっしゃいます。そこで当コラムでは、健康的な叱り方、部下や子どもが成長できる叱り方のコツをしっかりと解説していききます。

具体的には以下の8つのステップで叱り方上手を目指します!

STEP①リスクを自覚
STEP②ラポール形成
STEP③無条件肯定-サンドイッチ法
STEP④焦点充て法
STEP⑤選択案提示法
STEP⑥自己決定法
STEP⑦マインドフルネス力

自慢ではないですが、私自身会社を経営して15年になりますが、気持ちよく働いてくれる方が多い職場だと感じています。管理職や子育て世帯の方は是非最後までご一読ください。

叱り方

STEP①リスクを自覚 

皆さんはついついこんな感じで叱責をしてしまうことはありませんか?

・なんでいつも忘れるの?
・〇〇くんって結局△△だよね
・やる気がないんじゃない?

いつも、結局、これらのワードを使う方は叱り方が下手な方の典型例です。これらのワードは相手の人格まで張り込んで否定をしているので、ダメージが大きいのです。叱る方よりも、叱られる方は、傷つくレベルは全然違います。

例えば、誰かをつねったとします。このとき、あなたは全く痛くないですが、つねられたほうは痛いのです。毎回毎回、つねってくる人とあなたは仕事を一緒にしたいと思いますか?私は絶対嫌です(汗)

間違えた叱り方をされているときは、つねられているようなものです。部下は仕事への意欲をなくし、あなたへの信頼をなくし、会社へのロイヤリティを失っていきます。

「つねる方は痛くないが、つねられる方は痛い」

絶えずこの原則を意識しておきましょう。

STEP② ラポール形成

叱り方をうまくなる人は叱る場面以外の場面でしっかり人間関係を築くことができています。心理学ではラポール形成と言ったりしますが、誰でも好きな人から言われたことは素直に聞きたくなりますが、嫌いな人からの助言は入っていきません。そのためまずは、基本のキで叱り方の土台は普段の何気ないコミュニケーションにあることを抑えておきましょう。

難しいことはありません。

・挨拶を笑顔でする
・お疲れさまという
・ありがとうとたくさん言う
・悩みがないか定期的に聞く
・成果をねぎらう
・たまには雑談する

当たり前のことを普段からしておくことです。これらの普段のコミュニケーションをちゃんとしないで、叱る時だけ叱る上司がいたら、もう管理職としての資格はないと言っていいでしょう。

ラポール形成に自信がない方は下記のコラムを参照ください。

ラポール形成コラム

STEP③ 肯定サンドイッチ法

日常的にラポールが築ければ、叱る土台が出来上がった段階になります。次に具体的な叱り方場面でのコツをお伝えします。

基本として抑えておくべきは、肯定サンドイッチ法です。ポイントとしては、肯定と肯定で否定をサンドイッチすることです。以下の図をご覧ください。

否定する時は肯定で挟む

このサンドイッチの図のように、柔らかいパンで具材を挟むことでゴツゴツとした食感が和らぎます。叱り方も同じで、肯定で「挟む」ことで印象が大きく変わってくるのです。

ここで、ポイントなのは終わりは「条件付きの肯定」にするということです。無条件の肯定だけでは、結果への意欲が薄れてしまう可能性があります。

そのままの相手を肯定しつつ、いつもの頑張りも認めてあげることが大切なのです。

例題で理解を深めよう

それでは、ここで例題で理解を深めていきましょう。

登場人物
・小学生の太郎くん
・肯定ができない先生

状況
・太郎くんは自分なりにテスト勉強をした
・結果は40点。赤点を取ってしまった
・先生は叱りたいと思っている

叱り方叱り方
「勉強時間が少ないから成績が悪くなるのです。遊んでないでもっと勉強しましょう。」

このように、否定だけの叱り方は太郎くんのモチベーションを下げてしまう可能性があります。直接的に叱るよりも、現状で努力している部分は褒めるようにしましょう。

ここで、肯定ができるお母さんの例で比較してみましょう肯定ができるお母さん

子どもを叱る

叱り方:
「あなたなりに頑張っていることは知っているよ。
ただ、もう少し勉強時間を増やせる成績も伸びてくるはず。
40点取れた部分は自信して良いと思う。」

太郎くんの例のように、まずは日々の関係構築をしっかりと行います。そして、叱る時は無条件の肯定で挟むことで、トラブルもない・やる気も削がない適切なアプローチとなるのです。

STEP④ 焦点充て法

叱り方で大事なことは、叱る対象を広げないことにあります。

例えば、遅刻をする癖がある部下がいたとします。この時

「おはよう~(肯定)
 5分遅刻だぞ!だめだぞ~(否定)
 まったく夜ちゃんと寝れてる?(肯定)」

こんな感じで言うのはOKです。

一方で、

「おはよう~(肯定)
 5分遅刻だぞ!まったくだらしないなあ。そういう気持ちが仕事へ現れているんだよな(人格否定)
 まったく夜ちゃんと寝れてる?(肯定)」

このようにミスが、拡大して関係のないところまで飛び火しています。これは部下としては納得いきません。

STEP⑤ 選択肢提示法

選択肢提示法とは、こちらから解決策を複数提示して相手に選んでもらう叱り方です。相手が問題をどう解決すればよいかわからない状態で活用できます。

・選択肢提示法の具体例
例えば、部下の作業スピードを遅い場合は、

解決策A:定期的に上司が様子を見に行く
解決策B:集中力を鍛えてもらう
解決策C:タスクごとに時間を計測する

といったように、解決策を3つほど提示して、その中から相手に選択してもらいます。すると、突破口が見えない状態から行動指針が定まり、改善していくことがあります。

注意の仕方

STEP⑥ 自己決定法

自己決定法は、選択肢法以上に、相手の主体性を尊重する方法です。ざっくりと説明すると「自分の頭で考えさせる」教育法になります。こちらから相手の考えを引き出す質問を行い、主体的に原因・解決策を考えてもらいます。

何かを押し付けられることがなく、能動的な解決を促します。自分の頭で考えさせることで、反感を買うどころか責任感やモチベーションのUPが期待できます。

STEP⑦ マインドフルネス

して、「良い/悪い」などの判断をせずに、観察して放っておくことという意味で捉えられます。

例えば、叱り方が過激になりそうな時に、「あ、いま自分はイライラしているな」と気づくと、スッと冷静さを取り戻すことができます。

マインドフルネスを使った叱り方

マインドフルネスを理解する上で、以下の2つのワードを抑えておく必要があります。

①自動操縦
感情に流されて自動的に行動してしまう状況です。例えば、部下がミスをした時に怒りに任せて怒鳴ったり、暴言を吐いてしまうといった状態です。

②脱中心化
自分の感情や思考に巻き込まれない状態です。思考や感情はあくまでも、一時的な現象にすぎないとして観察していきます。

このうち、脱中心化を意識して行うことで、冷静で合理的な叱り方になります。感情に巻き込まれないため、自分のエネルギーも消耗しません。

叱り方のコツ

例題で理解を深めよう

それでは、例題でマインドフルネスを活かした叱り方を見ていきましょう。

登場人物
・テニス部1年生の太郎くん
自動操縦で叱る先輩

状況
・太郎くんのミスで試合に負けてしまった
・太郎くんは試合前の練習を頑張っていた
・先輩は叱りたいと思っている

自動操縦で叱る先輩

先輩に叱られる

感情・考え:
「うわー、最後にミスしたよ。
なんであそこで空振りするかな。」

脱中心化:
(あ~イライラする。ムカつく!!)

叱り方:
「なんで最後の最後でミスするの?
あんなの簡単に打ち返せるじゃん。」

このように、先輩はイライラした気持ちに流されてしまっています。その結果、アドバイスらしき言葉が1つも見当たらず、ただ自分の主観を押し付けているように感じます。

では、ここで脱中心化で叱るコーチと叱り方の比較をしてみましょう。

脱中心化で叱るコーチ

後輩を指導しよう

感情・考え:
「うわー、最後にミスしたよ。
なんであそこで空振りするかな。」

脱中心化:
(あ、今イライラしているな・・・)

叱り方:
「惜しかったな。最後まで集中力を保つことが今後の課題だな。
しっかり自分の中で振り返って、また明日から練習頑張ろう。」

このように、コーチは自分の感情・考えを客観視して、冷静に叱っていることが分かります。先輩は感情に自動操縦されてしまい、思うがまま発言をしています。マインドフルネスを学ぶことで、感情的に巻き込まれない合理的な叱り方を身に付けることができるのです。


「マインドフルネス」練習

発展

永冨(2016)の研究では、職場でハラスメントを受けたときに、どのようなプロセスで高いストレスになっていくかをモデル化しています。まずは、以下の図を眺めてみてください。

ハラスメントがストレッサー、ストレス反応に及ぼす影響

この研究結果で報告されたように、ハラスメントにより仕事上の人間関係、仕事そのものに影響を受けます。

まとめ+助け合い掲示板

入門①まとめ

入門①の解説は以上となります。叱り方が相手に響かない原因としては主に、「信頼関係が構築できていない」「相手への肯定がない」「過激な口調を使ってしまう」「合理的な支持がない」の4つが考えられます。

ぜひ、それぞれの問題点を解消するために入門②以降の練習問題に取り組んでみてください。

助け合い掲示板の活用

ページ下部には助け合い掲示板があります。当コラムは叱り方についてコメントが多く集います。お互いの悩みや経験談など相談してみましょう。*お互いを思いやったご投稿をよろしくお願いします。

講座のお知らせ

もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・心理療法の基礎
・対人不安の改善
・暖かい人間関係を築くコツ
・無条件の肯定のコツ

など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。お知らせ失礼いたしました。それでは入門②に進みましょう!

助け合い掲示板

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣
・永冨陽子. (2016). 職場のハラスメント状況下におけるストレッサ―の生起過程. 大阪経大論集, 66(5), 243.
・松永(2008)現代青年の 友人関係 に 関する研究 Kurume University Psychological Researeh 2eO8,No .7,77−86