コミュニティに所属する,増やす,探す方法
皆さんこんにちは。
公認心理師の川島達史です。私は現在、初学者向け人間関係講座の講師をしています。
今回のお悩み相談
「所属コミュニティが少ない」
りがない,持つ方法を知りたい」
相談者
32歳 男性 独身
お悩みの内容
私は昔から、口下手で友人が少ない方でした。プライベートでは、学生時代の友人とも疎遠になり、休日など一人で過ごすことが多いです。
仕事はIT系で黙々とPCの前に座って作業していて、人間関係はほとんどありません。
このまま一人ぼっちで人生が終わってしまうかと言うととても寂しいです。暖かいコミュニティに所属したいのですがどうすればいいでしょうか?
仕事もプライベートも孤独な状況はとても辛いですね。心理学の研究では、人間関係が希薄な状況はメンタルヘルスに様々な悪影響があることがわかっています。
当コラムでは暖かいコミュニティに所属するアイデアをお伝えします。是非参考にしてみてくださいね。
コミュニティの意味と効果
コミュニティとは何か?
まずはコミュニティの意味について抑えておきましょう。千葉大学の広井教授(2007)は以下のように定義しています。
何らかの帰属意識をもち
かつその構成メンバーの間に
一定の連帯ないし相互扶助(支え合い)
の意識が働いているような集団
この定義によるとコミュニティには
・帰属意識
・連帯感がある
・助け合いがある
という3つの条件があるようです。
コミュニティの効果
コミュニティに所属するとメンタルヘルスに様々な好影響があります。以下心理学の研究を折りたたんで解説しました。効果をしっかり把握したい方は展開してみてください。
大坪(2017)は、大学生254名に対して、ソーシャルサポートと心理的な問題について調査を行いました。
その結果、大切な人のサポートを得られやすい方は、不安感が減りやすいことがわかりました。
例えば私は、麻雀が好きで、1か月に1度程度決まったメンバーで集まっています。麻雀が終わった後は、飲み屋でだらだらと話すのが通例となっています。
そこで日々の悩みをぐだぐだと話すとなんとなくほっとした気持ちになります。コミュニティにはこうしたカウンセリング的な機能があり、心理的に安定するのです。
下図は友人の数と「希望」と「希望がない」を分析したものです。解説を見る前に少し図の意味を考えてみてください。
いかがでしょうか?友人が多いほど将来に希望を持っていて、逆に友達がいない人ほど将来を悲観的に考えていることがわかります。
人は孤独な状況では未来に希望を持つことができない傾向があるようです。その意味でコミュニティに所属し、暖かい友達を作ることはとても重要だと言えそうです。
コミュニティに所属するときは、最初は表面的でも充分です。ちょっとした関係でも意外と重要な意味があるのです。この原理については以下の動画で解説しました。気になる方は参考にしてみてください。
コミュニティを数えてみよう
所属コミュニティの確認
ここで継続したコミュニティに所属しているかをカウントしましょう。ここで言う”コミュニティ”とは以下のように定義します。
①3人以上の複数人の集まり
②最低月1回,1時間以上の集まりがある
③会話をする時間がある
これらを満たす集団に属している場合は1とカウントしてください。
例えば、家族・職場・習い事・サークル・大学の同期・幼馴染の集まり・PTA・学生は学校の友達・麻雀仲間・OFF会・行きつけのバーなどですね。
理想は5以上
あなたが所属しているコミュティはいくつありますか?
→
ざっとした基準となりますが以下を参考にしてみてください。
5個以上の方
青色信号と言えます。もしあなたが所属しているコミュニティが5つ以上でしたら、充分だと思います。ソーシャルサポートを得やすく、メンタルヘルスも良好になりやすいでしょう。
3~4個の方
黄色信号と言えます。3か所あれば、1か所失敗してもまだ2か所所属していることになるのでフォローが効きます。
2個以下の方
赤色信号と言えます。2か所以下ですと、1か所のミスがあまりにも大きいため、依存的になりやすく、人間関係の問題が深刻化しやすくなります。
最低でも3か所のコミュニティへの所属を目安としたいところです。
コミュニティの探し方
実際にコミュニティを増やすにはどうすればいいのでしょうか?講師から7つの方法を提案させていただきます。
①家族を大事にする
家族はコミュニティの最も基本的な単位となります。
・朝食は全員揃う
・ご飯中はテレビを消す
・四季のイベントをみんなで行う
・お誕生日はみんなで外食する
など家族をぜひ大事にしてください。一人暮らしの方は是非定期的に家族に会いに行く用にしましょう。
②余暇,趣味系のコミュニティ
長く続くコミュニティとしては、余暇や趣味のサークルがおススメです。現在はインターネットで検索すると、様々な趣味サークルを検索することができます。
登山、サッカー、マンガ、ボードゲームのサークルなど、自分の趣味を土台として、一度参加してみると良いでしょう。
余暇や趣味系のコミュニティは、上下関係がそこまでなく、競争も生まれにくいので、暖かい交流になりやすいです。
1つは欲しいところですね。
③アクセスしやすい地元コミュニティ
地元の居酒屋の常連になる、ご近所付き合いをしてみる、自治体の活動をしてみる、ジム友を作るなどもおすすめです。
最近の傾向として地域のコミュニティが希薄になっていますが、コロナウイルスの問題もあり、地元の伝統的なコミュニティはこれから復活をしてくると思います。
地元で食事をするときは、店員さんと小話をしてみるなど少しずつチャレンジしてみてください。住まいの近くのフットワークの軽いコミュニティは日々の生活を暖かいものにしてくれると思います。
④習い事系のコミュニティ
学びがある場所はコミュニティ化しやすい特徴があります。
語学の教室、楽器の教室、習字の教室、華道の教室、など、学びを通して、切磋琢磨できるのが魅力ですね。
習い事は、単発で終わるものではなく、長期継続してスキルを高めて行くようなコミュニティがおススメです。
⑤オンラインサロン
2015年前後から、オンラインサロンも活況です。オンライサロンは、有名人をベースとしてたファンクラブのようなものです。
好きなユーチューバーが開設していることもありますので一度チェックしてみると良いでしょう。
できればSNSだけでなく、実際のイベントを開催しているオンラインサロンがおススメです。
注意点としては、マルチ商法の温床になっていることもあるので、金銭面で負担になるか、健康的に運営されているかなど事前にチェックしましょう。
⑥ビジネスのコミュニティ
6つ目はビジネスベースのコミュニティです。現在では副業が発展している時代です。かつ残業時間が少なくなってきています。
あなたの特殊技能は意外と需要があるものです。
例えば、SNSに登録して、関連しそうな会社様に自分を売り込んでみたり、自分が持っている専門的な知識をブログに書いてみて、お仕事募集中!と記載するなど様々なやり方があると思います。
またビジネス以外でも、社会的な問題を解決しようと奮闘している団体は意外と多いものです。そのような活動を通して切磋琢磨できるようなコミュニティもいいかもしれないですね。
⑦コミュニケーション講座
宣伝になってしまって恐縮ですが、私たちが開催しているコミュニケーション講座はとても暖かく継続性のあるコミュニティとしてたくさんの方が利用しています。
心理学や会話の力をつけながら、コミュニティとして活用できる場所になっています。良かったら参考にしてみてください。
執筆者も講師をしています(^^)
・孤独感を改善する会話練習
・対人不安の軽減と心理療法の学習
・暖かいコミュニティへの所属
まとめと発展コラム
まとめ
ここまでコミュニティの探し方について解説していきました。皆さんが暖かいコミュニティに所属し、心を許した屈託のない関係を築くことを切に願っています。
会話力をつける
ここからは発展編です。コミュニティに所属した後に、必要となる知識をまとめました。以下のコラムを参照ください。
コミュニティに所属した後には、人間関係を築くための会話力が必要になってきます。集団の中に入っても何を話せば良いかわからない…という方は下記のコラムを参照ください。
暖かい関係を築くストローク法
暖かい人間関係を築く方は、無条件の肯定的ストロークを大事にする傾向があります。ストロークとは「かかわり方」という意味があります。
人間関係の土台は、どんな状況であれ、肯定的に付き合うことが大事です。
人間関係の好き嫌いが多い
人によって態度が変わってしまう
自分から挨拶ができない
これらの傾向がある方は仕上として以下のコラムを参照ください。
最後まで御覧頂きありがとうございました!
はじめまして。
子供が独立したシングルマザーです。
一人になると泣いていたり、消えてしまいたい気持ちになります。
なんとか仕事は行ってますが、別に私なんかいなくてもと思ってしまいます。