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空気が読めない・KYな人の特徴と解決策

空気が読めない人・KYな人の特徴と解決策-臨床心理士が専門解説①

はじめまして!臨床心理士の兵働、精神保健福祉士の川島です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

本コラムでは「空気が読めない(KY)」についてお話していきます。

・周りは笑っているけど、私は面白くない
・急に相手が怒りはじめた
・言わなくてもわかるでしょ?と怒られる
・相手の感情がわからない
・時間感覚を忘れて一方的に話してしまう

もし「上記に当てはまるものが多い・・・」と感じる場合は方は当コラムをお勧めします。KYな人の特徴

コラム①の目次は以下の通りです。

  • 空気が読めないとは何か?
  • 原因はスキルと脳の構造
  • 空気が読めない=長所?!
  • 非言語力を鍛えよう
  • オウム返しで傾聴しよう
  • 発達障害の可能性も

コラム①で空気が読めない人の特徴や解説策を理解したら、コラム②~⑤で解決策を具体的に見ていきましょう。しっかりとお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。

空気が読めないとは何か?

空気が読めない(KY)という言葉は、2007年の流行語大賞になりました。それ以来、日本語としてすっかり定着していますが、”空気が読めない”の「空気」とは、そもそも何を意味するのでしょうか?空気が読めないには、明確な定義はありませんが、コミュニケーション論的に解釈すると、「非言語コミュニケーションの苦手さ」が多くを占めていると考えられます。

・言語コミュニケーション
言葉そのものです。今この文字を読んでいる行動も、言語コミュニケーションに当てはまります。
・非言語コミュニケーション
表情、声の抑揚(パラ言語)、身振り手振り、姿勢などを意味します。

空気が読めない人は、非言語コミュニケーションが苦手な傾向にあります。

空気を読む=非言語を読む

たとえば、友人に悩みを相談したいとします。
友人に「今日の夜、電話していい?」と言った時、友人が下記のような表情で「いいよ・・・」と言ったとしましょう。表情で空気を読んでほしい人ここが日本人の分かりにくいところなのですが、友人は、

「言葉ではYES

 を出しつつ

「非言語ではNO

を表現しています。友人の言葉を真に受け、電話で長々と悩みの相談をしてしまうと、空気が読めないと言われてしまうのです。

もう一度友人の表情を見てみましょう。眉毛が下がって、口がへの字になっています。また身振りでも、指を合わせて動揺しているのがわかります。表情で空気を読んでほしい人言葉では「いいよ・・・」とYESを出しても
非言語で「(ダメだよ)」とNOサインを出しているのです。

どちらかというと非言語を優先してNOを悟り、電話をしないのが空気を読むという態度になるのです。

空気が読めない2つの原因

空気が読めない原因は、複雑なため一概にコレ!と言い切ることは難しいのですが、大きく分けると「スキルの問題」「脳の構造や障害の問題」の2つに分類できます。

スキル不足の問題

スキル不足とは、表情をよく見ていない、声の抑揚を見る癖がないと言った技術的な問題です。これらの問題は、対人関係の経験不足や、練習方法の誤りによって起こるため、比較的改善しやすい領域といえます。人生経験や訓練をすることで、空気が読めない場面を減らすことができるでしょう。

空気が読めないを解説

脳の構造・障害の問題

遺伝や後天的な脳の障害による問題です。これらの問題は、脳の構造や障害によって起こるため、改善が難しい領域です。先天的な遺伝の部分は、環境や周りの理解を得ることで、空気が読めない問題と上手く付き合っていく事ができるでしょう。

・社会脳とは?
空気を読むことなど、対人コミュニケーションに関する脳機能は、大変複雑です。対人コミュニケーションでは、特定の脳領域だけではなく、いくつかの脳領域が使用されます。これらの脳領域を「社会脳」と呼びます。社会脳とは、表情や他人の動きなどの社会的知覚や認知を引き起こす領域(Brothers,1990)と定義されています。つまり社会脳は、相手の言葉や行動から相手の意図を予測する機能を担っているのです。

・脳領域と機能
脳に関する研究では、90年代から脳画像研究などが盛んになり、「扁桃体、島皮質、側頭葉、側頭葉と頭頂葉の境界、帯状回、帯状回後部」が社会脳に関与することが確認されています。脳領域はそれぞれに異なる機能をもっていますが、単独で説明できないことがこれまでの研究で分かっています。近年では、複数の脳領域のネットワークが相互に関わり、社会脳に関与していること確認されています。以下は代表的な脳ネットワークです。

偏桃体ネットワーク
社会的刺激への情動反応、社会的神話的な行動
メンタライジングネットワーク
他者の内的状況を推測する、忖度する
共感ネットワーク
他者との共感
ミラーリングネットワーク
他者の行動・情動表出の観察
(kennedy & Adolphs, 2012)

脳ネットワーク

出典:kennedy & Adolphs(2012)による図を一部修正

脳ネットワークの中でも「メンタライジングネットワーク」は、空気を読むために重要となります。

メンタライジングとは、他者のこころの状態(欲望、意図、信念)を推測することで相手の行動を説明し、予測することをいいます(Firth & Firth, 2003)。この機能を使うことで、相手とのやりとりで他者を欺いたり、だましたり、教えたり、説得することができるのです。

・遺伝、発達障害が影響
山末(2009)は、脳の容量や発達過程が定型発達の人と異なる自閉症スペクトラム症者は、メンタライジングネットワークにも違いがあり、社会行動の困難につながることがわかっています。

たとえば、
・皮肉を言われてもわからない
・曖昧な表現が理解できない
・言わなくてもいいことを言ってしまう
などがあげられます。

脳の構造に先天的な違いがあると、メンタライジングネットワークの走行性にも違いが出て対人コミュニケーションに問題を与えると考えられます。この意味で私たちの空気を読む能力は、ある程度は先天的な影響もあると言えそうです。

空気が読めない問題と原因このように空気が読めない問題は、大きく2つの原因に分類でき、改善可能な領域と改善不能な領域に分かれます。

空気読めない

改善可能な領域は、SST(ソーシャルスキルトレーニング)、非言語の読みとり、行動療法などで対策していきます。ただしそれだけでは限界があり、緊張は軽減しつつも、ある程度は残るのが普通です。自分を責めずに周りの助けを借りたり、自分の気質にあった環境を探していくことが大切になります。

空気が読めない=長所?!

ただし、脳の一部がうまく運動していないとしても、大概は他の部分補うことができます。私たちの体には個性があるように、脳にも個性があります。また平均的な脳の持ち主は稀で多かれ少なかれ皆デコボコの特徴を持った脳をしているものです。特に空気が読めない方はその代わり特殊な能力を持っていることも結構あります。

空気が読めないとは言い換えると、わが道を突き進む!とも言えます。歴史上の偉人によくみられる傾向ですね。そういった長所も活かしつつ現実社会でうまくやっていけるようになるのが大事だといえます。

空気が読めない時、現実的には、「努力で修正できる部分」と「先天的な遺伝の部分」の2つがあることが多いのです。「努力で修正できる部分」は前向きにトレーニングを行い、先天的な遺伝の部分は、環境や周りの理解を得ながら、うまく付き合っていくことが大事なのです。

KYレベルを診断しよう

現在の自分の状況を把握したい方はこちらの診断をご利用ください。症状が重たいか軽いかによって、対応が異なりますので、一度診断してみることをお勧めします。
空気が読めない(KY)診断とチェック②

空気が読めない解決策

ここでは、空気が読めない原因と解決策について考えていきましょう。空気が読めない原因と解決策は、大きく分けると3つあります。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪くうきがよめない原因をチェック

①スキル改善‐非言語力をつける

・相手の表情を見ていない
空気が読めない人の多くは、自分の世界観を優先して、相手の表情や声の抑揚に注目をしていないという特徴を持っています。そのため、周囲の人がどのように感じているのか、どのように思っているのかについて無頓着で相手を傷付けてしまうこともあります。

・非言語のどこをみればいいの?
まずは、相手の非言語に注目することが第一歩です。見るべきポイントとしては、大きく分けて以下の4つになります。

表情
楽しそうなのか、困っているのか 皺眉筋が弛緩しているか?等
姿勢
体の向きはこちらに向いているか、前のめりで興味を持っている姿勢なのか 等
抑揚
明るい感じなのか、暗い感じなのか 等
発言の数
相手の発言が少ないのか、多いのか 等

以上のような点を意識しながら相手のことを観察しましょう。そうすると、相手が今どのような状況なのか、何を求めているのかが少しずつわかってくると思います。

非言語力についてさらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・表情から読み取るコツ
・非言語力を高める練習
空気が読めない(KY)原因の解決策「非言語力」で克服を③

コミュニケーション講座について♪

コラム1は折り返し地点です!ここで少しだけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

空気が読めない場合でも、先ほどお伝えした通り、技術面で改善できる部分はたくさんあります。専門家やたくさんの仲間と相談しながら進めていくと、心強いと思います。もしコラムを読んでみて、もっと練習したいと感じたら、こちらのコミュニケーション講座のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

②スキル改善‐傾聴力で6割解決

・傾聴スキルが不足している
空気が読めない人は、特定の興味に偏りがちで、好きな話題以外では黙ってしまい、一端自分の好きな話題になると一方的に話し続けてしまううことがあります。興味を持つことは素晴らしいことですし、楽しくお話できるのは素晴らしいことです。ただし話すだけでは、円滑なコミュニケーションが成立しません。

・聴く姿勢を持とう!
解決策としては、傾聴スキルを身に着ける必要があります。傾聴は奥が深いのですが、特に超重要なスキルがあります。それは「オウム返し」です。

オウム返しのメリットは、「自分の意見がいらない」というところが最大の長所です。「自分の意見がいらない」というのはどういうことでしょうか?もう一度確認してみましょう。

「昨日は埼玉新都心にはじめていきました」
   ↓
「へえ~埼玉新都心ですか」

このように相手が言ったことをそのまま返すだけなので、自分の意見が全くいらないのです。あくまで相手の意見を尊重して受け止めるだけなので、相手に寄り添ったコミュニケーションが可能となります。

傾聴力についてさらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・オウム返しの具体例
・自分の意見を優先しない
・オウム返しの4種類
空気が読めない人の解決策!オウム返しで6割乗り切ろう④

③適切な専門機関を訪ねる 

・発達障害の可能性も
空気が読めない人の特徴は、発達障害の特徴と類似する点がいくつかあります。発達障害のADHDの特徴と似ており、具体的には

・絶え間なくしゃべり続ける
・段取り良く仕事ができない
・気が散って集中できない
・過度な集中で疲れてしまう
・他人を遮ってしゃべってしまう
・自分の話す順番を待てない
などの症状があります。

一方的に自分の興味のある話を一方的に続けてしまう点は発達障害の自閉症スペクトラムの特徴に似ているところがあります。このように、空気が読めない人の背景には発達障害の可能性も考えられます。

・可能性の1つとして考えよう
しかし、特徴が似ているからといって発達障害と決めつけはしないでくださいね。あくまで可能性の1つです。周囲に空気の読めない人がいるからと言って安易に「発達障害じゃない?」というのはやめましょう(汗)。それこそ「空気が読めない」行動になってしまいますから…。

発達障害についてさらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・自閉症スペクトラムとは?
・発達障害かも…と思ったら
空気が読めない(KY)人の特徴を確認!発達障害の可能性も⑤

空気が読めないを改善する

改善策はいかがでしたか?「空気が読めない人」が急に「空気が読める人」になれる魔法のようなものはありません。しかし、空気を読むコツはいくつかありますので、身に着けていくことで、改善できる部分があります。

空気が読めない人の解決策

次回は空気が読めない診断とチェックになります。自分の状況を客観的に測定してみましょう。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★まずは今の自分を診断!3つの解決策で空気が読めないを改善しよう

目次

①KYな人の特徴と解決策
②空気が読めない(KY)診断
③「非言語力」で克服を
④オウム返しで6割乗り切ろう
⑤発達障害の可能性もアリ

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
・Brothers, L. (1990). The neural basis of primate social communication. Motivation and emotion, 14(2), 81-91.
・Frith, U., & Frith, C. D. (2003). Development and neurophysiology of mentalizing. Philosophical Transactions of the Royal Society of London. Series B: Biological Sciences, 358(1431), 459-473.
・Kennedy, D. P., & Adolphs, R. (2012). The social brain in psychiatric and neurological disorders. Trends in cognitive sciences, 16(11), 559-572.
・山末英典. (2009). 自閉症スペクトラム障害の MRI 研究. 脳と精神の医学, 20(4), 287-294.
・非言語コミュニケーションの 脳内機能メカニズム 「協調と制御」領域 中村 克樹