>
>
>
劣等感の強い人の特徴と克服方法!診断・チェックを

劣等感の強い人の特徴と克服方法①

はじめまして!臨床心理士の竹元、精神保健福祉士の川島です。私たちは現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

今回は「劣等感」についてお話していきます。目次は以下の通りです。

  • 劣等感とアドラー
  • 善玉と悪玉の2種類
  • うつ傾向の問題
  • 反すうにより悪化
  • 診断とチェック
  • 過剰な比較癖を改善する方法

各コーナーにはもっと深く知りたい!という方のためのリンクがあります。まずは全体を読んでみて、気になる場合はリンク先をクリックしてみてください(^^)それでは早速、劣等感の基礎から解説させて頂きます。

*監修の川島(精神保健福祉士)が動画でも解説しています。

劣等感とアドラー

みなさんは劣等感を感じたことがありますか?
「私はあの人と比べる容姿が…」
「周りはリア充なのに私は…」
「友人は〇〇大学なのに私は…」

などなど…

劣等感を感じることが誰でもあるものです。劣等感の意味は「他者より劣っていると感じること」です。100年以上前にフロイトが提唱し、その後アドラーという心理学者が深く追求した概念です。

簡単にアドラーの紹介をしますと、アドラーは7人兄弟の次男として1870年に生まれました。アドラーは小さいころから病弱で、声帯の異常や骨格異常で悩んできました。

身長も150センチと他の兄弟に比べて低く「比べる」ということで悩んできたと言われています。アドラー自身も劣等感に深く悩んだのでしょう。ただアドラーはその劣等感を、単純に悪いものとは考えませんでした。むしろ役立つものと考えた点でとても前向きにとらえたのです。

劣等感の特徴

劣等感には善玉と悪玉がある

・善玉劣等感
アドラーは、劣等感は問題解決に役立つと主張しています。例えば、スポーツ等で「ライバルに勝ちたい」という思いから練習を頑張ることは劣等感が上手く作用している証拠です。

このように日々の生活の活力になっている劣等感は善玉の劣等感と考えていいと思います。アドラー自身も劣等感をバネに自分の研究意欲へと昇華させ、100年たった今でも現代人を元気づける理論体系を打ち立てたのです。

・悪玉劣等感
一方で、劣等感を抱えることで、引きこもりがちな性格になってしまったり、人が怖いという状態になってしまったら、その劣等感は悪玉と考えていいと思います。自分にとって劣等感が行動や心理状態においてマイナスになっていると感じる場合は対処が必要になるでしょう。

劣等感の強い人の問題

劣等感と心理学研究

劣等感が悪玉としてメンタルヘルスにどのような悪影響を及ぼすのでしょうか?ここからは特に悪玉の劣等感に関連する心理学の研究をご紹介します。

研究①劣等感は孤独感に結びつく

心理学研究家の落合(1985)は若者を対象に生活感情について調査を行いました。その結果、劣等感と関連の深い感情として、「孤独感」「疎外感」があることがわかりました。劣等感を抱えると、人と接することが億劫になってきます。周りができる人ばかりで、自分のダメな面が目に付くと、孤独を選択するようになります。深刻な状況になると、引きこもりへと発展することもあるので注意が必要です。

研究②ネガティブ反芻

「嫌なことを繰り返し思い出してしまう」「一旦嫌なことを考え出すとそればかり考えてしまう」といったクセも、劣等感につながりやすいと考えられています(森津,2007)。こういったクセは、「ネガティブな反すう」と呼ばれており、ネガティブな事を考えることが重なれば重なるほど、劣等感を抱きやすくなり、その結果として、自分に自信が持てなくなってしまいます(図1)。

*ネガティブ反芻はうつ症状につながる
早稲田大学の長谷川・根建ら(2011)によると、「ネガティブな反すう」は、うつ症状ともつながりがあると報告しています。“嫌だった事”や“自分の嫌なところ”を繰り返し考えてしまうことで、劣等感を感じ、自信をなくしてしまうと、うつなどの精神的な症状として慢性化してしまう可能性があります。

このように劣等感が強くなると、自分や人間関係に強い不安をもったり、うつ症状などの診断をうける場合もあるということです。このような悪循環を止めるためにも、劣等感を克服する対策は早めにとった方がいいでしょう。

研究③失敗過敏に注意

髙坂(2008)は、中学生、高校生、大学生の計609名に対し、完全主義と劣等感に関する質問紙調査を行いました。その一部では、ミスを気にする傾向が「低い群」「高い群」で劣等感を比較しています。その結果の一部が下のグラフです。 

劣等感 解消法

まずは学業成績の悪さについてです。グラフの通り、ミスを気にする人よりも完全でない人の方が低い傾向にあることがわかります。ミスをしないように注力するよりも、楽観的に考えた方が学業成績が高まりそうですね。

自信をつけよう

続いて、異性との付き合いの苦手さはどうでしょうか。同様に完全ではないグラフの方が低い数値を表しています。完全にこなそうと思うと、恋愛では空回りしてしまうのかもしれませんね。

劣等感 克服

最後に、身体的魅力のなさを見ていきましょう。こちらもミスを気にするグラフよりも完全ではないグラフが低いですね。気持ちの持ちようが見た目の魅力にも影響してくるのは驚きですね。しかし、「あなたは身体的魅力が低い!」と突きつける無情な実験ではありますが。。

完全主義傾向には、“完全でありたいという欲求”や“自分に高い目標を設定する傾向”、“自分の行動に漠然とした疑いを持つ傾向”も含まれますが、“ミスを過度に気にする傾向”がとりわけ劣等感と関連が深かったという研究結果が出ているのです。劣等感の強い人の原因

劣等感の解決策

劣等感の診断はいかがでしたか。劣等感は誰でも一度は感じる気持ちですから、コラムを通して上手く付き合っていきましょう!これから劣等感について解決策をみていきましょう。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

① 「過剰な比較癖」を修正する

自分を追い詰めている
劣等感が強い人は「周りの〇〇に比べて自分は劣っている・・・」「周りができるのに自分はできない・・・」など、「周りとの過剰な比較」をする傾向があります。

これは、認知行動療法の非合理的な思考(合理的でない考え方のこと)のひとつで「比較癖(勝ち負け思考)」と言います。この「比較癖」は、自分にとって高いハードルとなり、いつの間にか自分で自分を追いつめ、劣等感を強める原因になってしまいます。

認知療法を活用しよう
当コラムでは「過剰な比較癖」に気づき修正していく認知療法「ABCシェマ」をご紹介します。考え方を整理することで、どんな考え方が劣等感を招いているのか気づくことができます。いつも周りと比べて落ち込んでしまう…という方は、コラム②を確認してみてくださいね。

コミュニケーション講座について♪

解決策2に進む前に少しだけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、心の問題を解決し、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。1人で抱え込まずに、専門家やたくさんの仲間と相談しながら進めていくと、心強いと思います。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらのコミュニケーション講座のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

②リフレーミング法で劣等感をストップ!

劣等感に繰り返し注目はNG!
劣等感の強い人は「あの人に比べて、自分はこれができない・・」「自分はAさんみたいになれない」と、何度も心の中で繰り返してしまいます。劣っている点ばかりに目を向けると、劣等感を抱き、さらに他者と比較し劣っている点を探してしまう・・・という悪循環にはまってしまいます。

別の捉え方でポジティブな思考へ
この悪循環は「ネガティブ反すう」という状態です。認知の歪みが影響し、ネガティブな考え方を繰り返してしまっています。このような状態を断ち切る方法としては、「リフレーミング」がかなり有効です!劣等感を何度も繰り返す癖がある…という方は、コラム③を確認してみてくださいね。

③劣等感を人生の糧にする

素直に受け止めない
劣等感をが強くなるのは、上手く感情を受け止められていないことが原因かもしれません。人間には不安を軽減させるための防衛機制というものがあり、不快な感情を無意識の底に沈めてしまうことがあります。しかし、長期的には心に負の感情が溜まっていき、限界を超えると様々な体の不調として現れます。

努力の原動力に変えよう
他人と比べて自己嫌悪に陥るなど、思い通りにいかないことがあっても、劣等感を糧に将来へのパワーに変えていくほうがメンタルヘルスが良いと言われています。これは精神分析療法では「昇華」と呼ばれる考え方です。後ほど詳しく解説します劣等感を努力の原動力に変えたいという方はコラム④を参照してみてください。

③ アイデンティティを確立する

アイデンティティを持てない
私たちはそれぞれ、自分自身が何をOKで、何をNGかという基準を持っています。このことを心理学の用語ではアイデンティティといいます。このアイデンティティを持てないと、日常の様々な出来事についての自分で判断ができません。そのため、必然的に他者と比べ、思い悩む機会が多くなってしまい劣等感を強くしてしまいます。

自分をじっくり見つめよう
アイデンティティを確立するには、「自分の長所」「自分なりの生き方」「自分らしさ」を理解することが必要です。そのためには、自分をじっくり見つめていく事が大切です。当コラムでは、自分の性格や傾向パターンをつかむためのコツをご紹介していきます。自分の長所がわからない…という方はコラム⑤でアイデンティティの確立の仕方を確認してみてください。

 

150-inferiority1

劣等感診断・チェックを定期的に

解決策の成果については劣等感簡易診断で自己チェックしておくことをお勧めしています。客観的な状況を知りたい方はご活用ください。
劣等感-簡易診断で客観的にチェック⑥

劣等感を克服する方法を解説

劣等感を克服すると、毎日が楽しくなり自分らしく生きていけるようになります。これからご紹介する劣等感の適切な対処法をしっかり理解して劣等感を克服していきましょう!1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)  

次回は、劣等感の解決策の1つ目「ABCシェマで比較癖を修正」をご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★ 3つの解決策で 劣等感を克服して 健康的な心に

助け合い掲示板

2件のコメント

コメントを残す

    • 匿名
    • 2019年8月31日 12:30 AM

    わかりました

    0
    返信する
    • 匿名
    • 2019年8月14日 3:26 AM

    0
    返信する

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

*出典・参考文献
Rosenberg 自尊感情尺度の信頼性および妥当性の検討 ―Mimura & Gri ths 訳の日本語版を用いて―内 田 知 宏* 上 埜 高 志**
東北大学大学院教育学研究科研究年報 第 58 集・第 2 号(2010 年)

落合良行(1985),「青年期における孤独感を中心にした生活感情の関連構造」,教育心理学研究,33(1),p70-75.

佐藤祐基(2009),「自己効力感と性格特性との関連」,人間福祉研究,12,p153-161.

長谷川晃・根建金男(2011),「抑うつ的反すうとネガティブな反すうが抑うつに及ぼす影響の比較」, パーソナリティ研究,19(3),p270-273.

森津誠(2007),「学生のネガティブな反すうと劣等感および自尊心との関係―『やる気』理解のための一考察―」,国際研究論叢,20(2),p63-70.

西村美咲・井上健(2008)対人恐怖における優越コンプレックスについて. 臨床教育心理学研究 関西学院大学, 34, 1-6.