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劣等感の意味とは?うつ症状の診断の場合も

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劣等感の意味は?うつの診断を受ける場合も①

劣等感の意味・問題を専門家が解説!

148-inferiority1みなさんはじめまして!臨床心理士の竹元です。私は臨床心理学の大学院を卒業し、臨床心理士として引きこもりの方の支援や、臨床心理学の研究を行っています。

当コラムは「劣等感」をテーマに専門家が解説をしています。全部で5コラムあります。しっかりとお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。

みなさんは劣等感を感じたことがありますか?
「私はあの人と比べると・・・」
「自分なんてダメな人間だし・・・」
感じたことが一度もない人は、いないのではないでしょうか。

劣等感の意味は「自分が他者より劣っていると感じること」です。20世紀の初めにアドラーという心理学者が、様々なこころの病気に劣等感が関連しているという理論を打ち立てました。アドラーによると、劣等感を抱くと、劣等感を感じている問題が解決に向かいます。そのため、劣等感を持っていることはさほど悪いことではありませんが、劣等感を強く持ちすぎることは良い結果を生みださないため、対処していく必要があります。

劣等感はプラスとマイナスの両方

例えば、スポーツ等で「ライバルに勝ちたい」という思いから練習を頑張ることは劣等感が上手く作用している一例ではないでしょうか。

しかし、その劣等感を強く持ちすぎると当然ですがよい結果を生み出しません。このように、適度に感じればプラスに働く劣等感ですが、強くなるとマイナスに働き悪循環から抑うつ症状の診断を受けるケースも…。

劣等感を強く持ちすぎるとどのようなデメリットがあるのでしょうか。

強度の劣等感はうつにも

まずは、強い劣等感が引き起こす具体的な問題を3つご紹介します。

①対人関係で問題を起こしてしまう
孤独感が強いと、対人関係に尻込みをしてしまう傾向があります。一方で、劣等感を解消するため、他人にきつく接してしまう事もあるため、人間関係を乱してしまうこともあります。

②自信を持ちにくい
孤独感が強い人は「どうせ自分なんて・・・」と思ってしまうため、自分に自信が持てず何事にも積極的になれません。また、自分の劣っている点をいつも探してしまうため、さらに自信を無くして悪循環にはまってしまいます。

③うつの診断など精神的な病気になることも
実際に心理学の研究において、劣等感の強い人は抑うつ症状の診断を出すケースが高いという結果や、不安を高く持ちやすいという傾向があります。

このように劣等感が強くなると、自分や人間関係に強い不安をもったり、うつ症状などの診断をうける場合もあるということです。このような悪循環を止めるためにも、劣等感を克服する対策は早めにとった方がいいでしょう。

 

簡単チェック!あなたの劣等感度は?

それではここで、あなたの劣等感の度合いを採点しましょう。
以下の質問の答えを選んでいただき、回答の点数を合計してください。

それではここで今あなたの劣等感をチェックしてみましょう。

1点〜13点
劣等感度はかなり低いといえます。今の自分自身に満足していて、自信も適度についているといえます。
困難なこともネガティブになりすぎず、目的や目標を見出して取り組むことができるでしょう。

14点〜25点
劣等感度はやや低めといえます。ネガティブな気持ちになったり、自信を失うことがありますが、価値観を修正することもできるでしょう。困難な壁にぶつかった周囲の信頼できる人に自分の悩みを話し劣等感の修正を図りましょう。

26点〜33点
劣等感度は高めといえます。周囲と自分を比べてしまい、劣等感を感じることが度々あるかもしれません。周囲と比べ自分の取り組み方や能力について考えることは間違ったことではありませんが、時には自分のできることも客観的に評価してみましょう。難しい場合は信頼できる人たちに手助けしてもらうとよいでしょう。

34点〜40点
劣等感度はかなり高めです。自分とは周囲を比べ過ぎていませんか?自分に自信がなく、存在価値を見失っているかもしれません。憂うつな気分や、身体の緊張などから精神的に負担がかかっているかもしれません。信頼できる人たちに相談をしたり、心配な場合は病院や相談機関の利用も必要です。

劣等感を強める3つの原因と解決策

劣等感の診断はいかがでしたか。劣等感は誰でも一度は感じる気持ちですから、コラムと通して上手く付き合っていきましょう!それではここで、劣等感を強めている原因と解決策を3つご紹介します。

① 認知療法でべき思考を修正しよう
劣等感が強い人は「周りが〇〇なのだから、自分も〇〇すべき・・・」「周りができるのだから、自分もできるようになるべき・・・」など、語尾に「べき」がつく考え方を持つ傾向があります。これは、認知行動療法の非合理的な思考(合理的でない考え方のこと)のひとつで「べき思考」といいます。

この「べき思考」は、自分にとって高いハードルとなり、いつの間にか自分を自分で追いつめ劣等感を強める原因になってしまいます。「べき思考」に気づき修正していく認知療法をコラム②で詳しくご紹介していきます。

② リフレーミングでポジティブに捉えていこう
劣等感の強い人は「あの人に比べて、自分はこれができない・・」「自分はAさんみたいになれない・・・だから自分はダメだ・・・」という気持ちを抱く傾向があります。

他人と自分を比較することは誰でも日頃から行っていると思いますが、これも劣等感を強めてしまう落とし穴です。劣っている点ばかりに目を向けると、劣等感を抱き、さらに他者と比較し劣っている点を探してしまう・・・という悪循環にはまってしまい劣等感を強めてしまいます。

この悪循環を断ち切る方法として、ブリーフセラピーの考え方「リフレーミング」をコラム③で詳しくご紹介します。

③ 自分のアイデンティティを確立する
私たちはそれぞれ、自分自身が何をOKで、何をNGかという基準を持っています。このことを心理学の用語ではアイデンティティといいます。

このアイデンティティを持てないと、日常の様々な出来事についての自分で判断ができません。そのため、必然的に他者と比べ、思い悩む機会が多くなってしまい劣等感を強くしてしまいます。コラム④でアイデンティティの確立の仕方を詳しくご紹介します。

劣等感を克服する方法を次回から解説

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このように「べき思考が自分を追い詰めている」「劣っているところばかり目を向けてしまう」「自身のアイデンティティを持てない」の3つが劣等感を強めている原因となることが多いようです。

次回以降は劣等感を克服する方法について考えていきます。内容は以下の通りです。     

コラム② 劣等感やうつの対処法。認知療法の意味も
コラム③ 劣等感が強い人の落とし穴とは?
コラム④ 劣等感が強い人はアイデンティティを持とう

劣等感を克服すると、毎日が楽しくなり自分らしく生きていけるようになります。今回ご紹介した劣等感の原因には適切な対処法がありますので、しっかり理解して劣等感を克服していきましょう!

次回の劣等感コラムは劣等感を強めている原因の一つ目「べき思考で自分で自分を追い詰めている」の対処法です。次回のコラムもお楽しみに!

★ 「べき思考」は劣等感を強める
★ ポジティブな見方で悪循環を止める
★ 自分の感情を大事にすることから
★ 劣等感を克服して楽しい毎日を!

 

*出典
Rosenberg 自尊感情尺度の信頼性および妥当性の検討 ―Mimura & Gri ths 訳の日本語版を用いて―内 田 知 宏* 上 埜 高 志**
東北大学大学院教育学研究科研究年報 第 58 集・第 2 号(2010 年)



専門家が解説します。症状が強すぎる場合は早めの対処を。