ネットで誹謗中傷する人への対策
皆さんこんにちは。コミュニケーション講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回のテーマは「誹謗中傷」です。誹謗中傷は、なぜ絶えないのでしょうか?本コラムでは、社会的な問題である誹謗中傷の心理や対策を解説していきます。
全体の目次
入門①誹謗中傷と統計
入門②加害者の心理
入門③被害者-6つの対処
入門④加害者-6つの対処
ネットでの誹謗中傷は誰しも、被害者にも加害者にもなりうる可能性を持っています。是非最後までご一読ください。
誹謗中傷と統計
誹謗中傷の仕組みや心理をするうえでは、キーポイントになる数字があります。誹謗中傷を理解するうえで、とても大切な数字です。それぞれの数字が何を表しているか?展開して理解を深めましょう。
加害者の心理
誹謗中傷の問題を根本的に解決するには、被害者の心理をしっかりと理解することが必要です。今回は4つの視点から解説していきます。気になる項目を、クリックしてみてくださいね。
被害者者向け,6つの対処法
もし誹謗中傷の被害者になってしまったらどうすれば良いのでしょうか?当コラムでは6つの対処法を提案させて頂きます。
①助けを求める
まず第1に周囲に助けを求めることです。誹謗中傷に対して一人で対抗しようとすると、精神的に参ってしまいます。家族、先生、場合によっては法律家に相談するようにしましょう。今相談する人がいない状況の方は、以下のコラムを参照ください。
②現実の関係を大事にする
ネット上の誹謗中傷は目立つので、あたかもすごくたくさんの人が、発言しているように見えます。しかし、大概のケースでは、悪口を言ったり、人格を否定してくる人はごく一部です。
大事なのは、ネットの世界ではなく、あなたの周りにいる顔と顔を合わせた関係です。家族、仲の良い友人、職場の上司、先生との関係を大事にしましょう。
③否定されたのはわずかな部分
ネット上の自分は、自分自身のわずかな部分です。自分自身をすべて否定されたわけではありません。あくまで否定されているのは、あなたの本質を理解していない、一部の人だと考えるようにしましょう。
④批判と中傷を分ける
批判と中傷を分けて考えるようにすることも大事です。批判は建設的な意見です。妥当な意見であれば、前向きに受け取って、成長する気づきに変えることも大事です。
一方で中傷は、人格批判、全否定、嘘を意味します。これらは断固として拒否する姿勢が大事です。ブロックする、強く反論する、場合によっては法律を使うなどして自分を守るようにするといいでしょう。自己主張が苦手…と感じる方は以下のコラムを参照ください。
⑤反すうしない
反すうは、ひとつの体験を何度も体験する事です。ありもしない誹謗中傷をネット上に書き込まれると、何度も確認したり頭の中をぐるぐる巡らせてしまいがちです。
誹謗中傷を何度も思いださない!
ネットを見るのは1日時間まで!
など自分の中でルールを作るようにしましょう。ネガティブな記憶を何度も思いだしてしまう方は以下のコラムを参考にしてみてください。
⑥関わらないようにする
誹謗中傷を繰返す人は、関わらないことが大事です。SNSにあるブロック機能、運営者への通報、警察から忠告をお願いする、など積極的に関係を断つようにしましょう。
加害者にならない!5つの予防法
私たちは感情的になることがあり、時には誹謗中傷をしたくなることがあるかもしれません。そんな時には以下の5つを思い出してください。
①礼儀をわきまえる
顔が見えないからこそしっかりと礼儀をわきまえるようにしましょう。
書き込む前にあいさつする
まずは相手の意見を認める
自分の意見を丁寧に伝える
コメントの後に謝意をのべる
など、現実の社会と同じように書き込むことを心がけましょう。ネットの裏側には、心をもった人がいることを強く意識しましょう。
②リスクを考える
ネット上に書いた情報は、記録として一生残りますし、容易に追跡できます。特に最近では、ネットでの書き込みによって、名誉棄損、威力業務妨害にあたる事例が出てきています。誹謗中傷は犯罪になりかねない!と考えながら書き込むようにしましょう。
③2重投稿は控える
批判をしたいと思った時に、別の人が先に同じ内容の批判を書き込んでいたら、それで十分と考えた方がいいでしょう。何度も同じことを書かれると、小さな批判でも大きな塊になり心が萎えてくるものです。相手に対して愛情をもって対処したいですね。
④長期的におびえることに
誹謗中傷をした後、一時的にスッキリするかもしれないですが、多くの場合は、罪悪感が残ります。誹謗中傷してしまったことに後悔をして、書き込んだ記録から足がつかないか?絶えずおびえながら暮らすことになります。軽い気持ちで誹謗中傷すると、後で大きなストレスになることを覚悟しましょう。
⑤文化の衝突に注意
世の中には、悪口に対する耐性がある人も、耐性が無い人もいます。育ってきた環境によって、さまざまな価値観や捉え方があるのです。
たとえば、丁寧に生きてきた人に自分の文化を押し付けてしまったことで、誹謗中傷につながることもあります。逆に、相手の文化によっては、否定的なことを言っても笑って許してくれる可能性もあるのです。相手の文化に合わせた言葉使いを心がけましょう。
仕上げ動画
誹謗中傷する人の心理については動画でも解説しています。仕上げとしてご活用ください。
まとめ
インターネットは、便利でとても素晴らしい世界ですが、不特定多数と接するため、誹謗中傷の被害にあることも想定しなくてはなりません。そんな時は当コラムの対策をご活用ください。みなさんが、ネットと健康的に付き合い、ご自身の世界を広げていくことを願っています。
しっかり身につけたい方へ
当コラムで紹介した方法は、公認心理師による講座で、たくさん練習することができます。内容は以下のとおりです。
・誹謗中傷から身を守る,助けを求める練習
・誹謗中傷の記憶をストップ,思考中断練習
・自己肯定感を回復する心理学
・健康的な人間関係の心理学の学習
🔰体験受講🔰に興味がある方は下記の看板をクリックください。筆者も講師をしています(^^)
コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科 修了
取材執筆活動など
- NHKあさイチ出演
- NHK天才テレビ君出演
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
YouTube→
Twitter→
名前
長田洋和
経歴
- 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
- 東京大学 博士 (保健学) 取得
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
取材執筆活動など
- 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
- うつ病と予防学的介入プログラム
- 日本版CU特性スクリーニング尺度開発
名前
亀井幹子
経歴
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
- 精神科クリニック勤務
取材執筆活動など
- メディア・研究活動
- NHK偉人達の健康診断出演
- マインドフルネスと不眠症状の関連