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アイメッセージがうまくなるコツ

アイメッセージがうまくなるコツ

こんにちは、精神保健福祉士の川島です。私は大学院でソーシャルスキルの研究を行ってきました。皆さんは、自分の気持ちが伝えられなかったり、周りを過剰に気にして自分のやりたいことができないと感じる事はありませんか?自分の気持ちを伝えられない人は、日々ストレスを溜めてしまう傾向があります。

そこで本コラムでは自分の気持ちを伝える技術として「アイメッセージ」について詳しく解説をしていきます。

・前半ではアイメッセージの技術
・後半では気持ちを伝えるメリット

について心理学の研究を紹介しながらお伝えします。

本音で話そう

「Iメッセージ」の技術(前半)

アイメッセージは、「アサーション」と言う分野で頻繁に活用される技術で、自分の気持ちを相手に伝える時に「私は…」を主語にしたメッセージを使っていく方法です。「私は…」を主語にすることで、個人的に相手を尊重しながら、自分の気持ちを伝えることができるため、印象が良くなります

例えば、以下のような言葉がよく使われます。

「私は」…
・さみしい
・ 悲しい
・恥ずかしい
・少しイライラしている
・不安で仕方がない
・本当はすごく困っている

ポイントは、私語を「私」にすることです。主語を私にすることで、相手のテリトリーを守りつつ、柔らかい表現が可能となります。

アイメッセージを実践!

それでは、実際にアイメッセージの練習を行っていきましょう。以下の状況でアイメッセージをを考えてみてください。          

練習問題1(難易度★★☆)
ヨシコさんの会社は成長著しい会社です。ヨシコさんは責任者となり、毎日残業が続いていました。最初は充実していたのですが、あまりにも作業量が多く、精神的に参っています。しかし上司が気づく気配はなくずっと我慢しています。

→(私は)

 

 

解答例
(私は)実は最近、睡眠不足が続いていて、集中力がなくなっています。体調も悪い状態です・・・

練習問題2(難易度★★☆)
ダイスケさんは、先日4年間付き合った彼女とお別れしました。結婚まで考えていたため、とてもショックを受けています。ダイスケさんは普段からあまり人を頼ることがあまりません。しかし。今回ばかりは友人に話を聞いてほしいと考えています。

→(私は)

 

解答例
(私は)実は昨日彼女と別れちゃってね。。いまマジでいま落ち込んでるんだ・・・
→まずはアイメッセージで感情を表に出しましょう 友人が飲みにでも誘ってくれるかもしれません。人生でショックな出来事があったときは抱え込まずに、表に出して周りの助けを求めましょう

 

気持ちを伝える必要性(後半)

アイメッセージは突き詰めると、「自分の気持ちを相手に伝える」というアサーションの哲学に根差したスキルになります。

接客業や営業など自分の気持ちを偽りやすい仕事についている方は、欲求を抑えながら仕事をすることが求められますが、この状態だとストレスが日々蓄積されてしまいます。このように自分の本来の感情を偽ることを、感情労働といいます。深刻な場合は燃え尽き症候群、抑うつ状態、心身症といった症状に結びつくこともあります。

ここからはなぜ、気持ちを伝えることが大事なのか?心理学の研究を紹介したいと思います。

研究① 感情抑制と疲労感

片山(2010)は、看護師123名に「看護師の感情労働測定尺度」と「職業性ストレス簡易調査票」を用いてアンケート調査を行いました。その結果が以下の図です。

アイメッセージ 効果

いかがでしょうか。表出抑制とは、その場にそぐわないと判断した感情を抑さえる意識的な努力を意味します。表出抑制と疲労感に関連が見られることがわかります。このように、自分の気持ちを抑えることは、看護師にとってストレスの高い感情労働であり、心理的な負荷が大きいと考えられます。

今回の論文は看護師を対象としていますが、仕事上、福祉職、接客業、キャビンアテンダントなど、笑顔で接客ことが求められる職種は該当すると言えるでしょう。

研究② 本音とコミュ力

相手に嫌われないように、自分の気持ちを隠す人は多いですが、実際に相手は気を使われていることに対してどのように思っているのでしょうか。松永ら(2008)の研究では、大学生228名を対象に「青年の友人関係に関する研究」が行われています。その研究の中では「本音」「気遣い」「うわべ」について調査が行われました。

・コミュ力と感情労働 
研究の結果の1つとして、「本音群」が「気遣い群」「うわべ群」よりコミュニケーション能力が高いことが分かりました。下図を見てみてください。

  • 自分の気持ちを伝えよう

本音群のグラフが一番高いことがわかります。これは「本音で話す傾向がある方」が、コミュニケーション能力が高いことが多いということを表しています。「気遣い群」や「うわべ群」はグラフが低くなっていますね。自分の本音を抑えて、過剰な気遣いや、うわべの関係を続けると、コミュニケーション能力にマイナスの影響があることが推測されます。

・基本的信頼感
基本的信頼感とは、自分はこの世の中に存在してていいんだ、無条件に愛されている、私は信頼されているという感覚を意味します。愛されているという感覚に近いかもしれません。下図のグラフは「感情労働と基本的信頼感」の関連について調べたものです。


アイメッセージとは

こちも同様に「本音で話す傾向がある」方が高いですね。自分の気持ちを隠して接すると、周囲から愛されていると感じることが少ななります。もし、結果を出さないと認められないのでは・・・と感じている方は、時にはアイメッセージで周囲と接してみると良いでしょう。

・感情労働と対人的信頼感
続いて、この研究では「対人的信頼感」との関連も調査されています。対人的信頼は、「周囲に対する信頼感」のことを意味します。さて、感情労働とどれだけ関連が示させれるでしょうか。


アイメッセージ コツやなり本音で話す傾向がある方がグラフが高いです。特に「うわべ群」と比べると「1」以上も差が出ています。これは本音で接した方が「他人を信頼しやすくなる」と考えられるでしょう。

この研究から自分の気持ちを隠して、過剰に周囲に合わせることが逆効果であることが分かります。もちろん、相手への気遣いは大切ですが、感情労働になりすぎないように注意する必要があります。

自分の気持ちを打ち明けたヒカルさん

最後に生徒さんの事例をお伝えします(個人情報があるので事実を変えています)。

ヒカルさんは3人姉妹の母子家庭の長女です。母親想いのヒカルさんは、困ったときはいつも抱え込んでいました。母親にお願いをされることが多く、困らせたくないのでいつもは我慢をして笑って「わかった」と言っていました。

しかし、実は、勉強時間を削ってまで手伝っていたため、学校の成績が落ち、苦しんでいました。そこで、無理して我慢するのをやめてアイメッセージを使うようにしました。

「(私は)実は私・・・手伝いが多くて苦しくて・・・辛くて泣いてるんだ・・・」

こんな形で伝えました。その結果、ヒカルさんも母親も感情的になりすぎることが減り、またお母さんや次女と役割分担をするようになりました。このようにアイメッセージを使うと、冷静に気持ちを話せるので、相手と心を開いて対話することができます。その結果、ヒカルさんを苦しめていた母親の感情はソーシャルサポートへと変わっていきました。

アイメッセージ 効果

 

困ったときは感情を相手に伝えよう

練習問題はいかがでしたか。アイメッセージは正直に自分の気持ちを打ち明けることで、ソーシャルサポートを得る糸口になります。困ったときに主張できるようになると、人に頼るというレジリエンスを発揮しやすくなります。困ったときは抱え込まずに周りの助けを求めるという引き出しもぜひ持っておいてくださいね♪

専門家の講義を受けたい方へ

最後に、ここまでアイメッセージコラムにお付き合いいただきありがとうございました!このコラムが人間関係を深めるきっかけになれば幸いです。

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

★アイメッセージを活用!で人とのつながりを深めよう

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コメント

1件のコメント

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    • べり
    • 2019年3月4日 10:42 PM

    日頃からIメッセージは大事だと強く感じます。

    私は語調が強いので、YOUメッセージだと相手は責められていると感じることも多いようです。自分がYOUメッセージを使っていると気づくまでは随分人を傷つけていたのだろうと反省すること頻りです。

    0

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
岡本悠・井上孝代(2014)青年期における対人葛藤が解決するまでのプロセス. 心理臨床学研究32(4), 502-512.

大坪岳 追手門学院大学心理学論集;Otemon Gakuin University Psychological Review 2017 青年期のコミュニケーション・スキルとソーシャル・サポートがレジリエンスに及ぼす影響
レジリエンスの資質的要因・獲得的要因の分類の試み――二次元レジリエンス要因尺度(BRS)の作成
平野 真理 2010 パーソナリティ研究