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アイメッセージで人とのつながりを深めよう

アイメッセージで人とのつながりを深めよう‐精神保健福祉士が解説

こんにちは、精神保健福祉士の川島です。現在、精神疾患を抱える方に心理テストとカウンセリングなどの活動を行っています。本コラムでは「アイメッセージ」について詳しく解説をしていきます。

アイメッセージとは何か

アイメッセージとは、「私は」を主語にして自分の気持ちを率直に話し、次になぜそのように感じているのか簡単に説明します。アイメッセージを使って感情を素直に相手に伝えることができます。「アイ」を主語にすることで、自分の気持ちを正確に表現できるので、誤解が減り、相手の関係も深まっていきます。

皆さんは、「自分」の本心を口に出せずに相手から誤解されてしまった経験はありませんか?例えば、家族に対して感謝の気持ちがあるのにも関わらず、不愛想な態度を取ってしまったり。こうした天邪鬼なコミュニケーションは時としてトラブルの火種となることがあります。

ソーシャルサポートが得られる

アイメッセージは、ソーシャルサポートを得るための「主張スキル」として広く活用されているテクニックです。ソーシャルとは周囲からの支援のこと。つまり、アイメッセージを活用することで助け合えるような深い人間関係を築くことができるのです。ではここで、アイメッセージでソーシャルサポートを得ることができた、ヒカルさんの例をご紹介します。

・困らせたくない・・・

ヒカルさんは3人姉妹の母子家庭の長女です。母親想いのヒカルさんは、困ったときはいつも抱え込んでいました。母親にお願いをされることが多く、困らせたくないのでいつもは我慢をして笑って「わかった」と言っていました。しかし、実は、勉強時間を削ってまで手伝っていたため、学校の成績が落ち、苦しんでいました。そこで、無理して我慢するのをやめてアイメッセージを使うようにしました。

「(私は)実は私・・・手伝いが多くて苦しくて・・・辛くて泣いてるんだ・・・」

こんな形で伝えました。その結果、ヒカルさんも母親も感情的になりすぎることが減り、またお母さんや次女と役割分担をするようになりました。このようにアイメッセージを使うと、冷静に気持ちを話せるので、相手と心を開いて対話することができます。その結果、ヒカルさんを苦しめていた母親の感情はソーシャルサポートへと変わっていきました。

ソーシャルレポートでレジリエンスが高まる

アイメッセージで社会的なサポートが得られると、心のしなやかさであるレジリエンスが高まることがわかっています、レジリエンスは辛いことや苦しい体験があっても、しなやかに立ち直ることができる心のパワーのことを言います。このレジリエンスには2種類あります。1つ目は獲得レジリエンス、2つ目は資質レジリエンスです。

*獲得レジエンス
どちらかというと後天的に高めたレジリエンス、「問題解決志向」「自己理解」「他者心理の理解」など。

*資質レジリエンス
先天的な影響のあるレジリエンスです。「楽観性」「統御力」「社交性」「行動力」などが挙げられます。先天的レジリエンスは遺伝の影響なども受けやすいレジエンスです。

大坪(2017)は、大学生254名に対して、レジリエンスとソーシャルサポートの関係について調査を行いました。まずは下記を見てみましょう。()内の数字は大きければ大きいほど関連があると考えてみてください。

図を見ると、獲得・資質レジリエンスを高めるにはソーシャルサポートと自己主張をすることが重要であることがわかります。レジリエンスは1人で全てを解決するのではなく、周りの方のサポートをもらい、困っているときは困っていると周りに伝えることが大事であることがわかります。

我慢して抱え込むのも一つの美学ですが、本当につらい時はアイメッセージを使って素直に自分の気持ちを表現することが大切です。

アイメッセージのコツ

ここで、アイメッセージを発しやすくなるコツをご紹介します。自分の気持ちを率直に話すことは難しいですが、相手に気持ちを理解してもらい、打ち解けた対話をするためには、気持ちをはっきり言葉にすることは必須です。日頃から、どのような表現がしっくりくるか探す練習もいいでしょう。

例えば、以下のような言葉がよく使われます。

「私は」…
・さみしい / 悲しい
・恥ずかしい
・助けてほしい
・こう見えて、すごくイライラしている
・不安でどうしたらいいか分からない
・ 頭が混乱してしまって整理がつかない
・本当はすごく困っている

ポイントは、“今”感じている気持ちは何かを口に出すということです。また、一方的にいろいろな気持ちを言うのではなく、最初にひとつかふたつの気持ちを話します。

アイメッセージを実践!

それでは、実際にアイメッセージの練習を行っていきましょう。以下の状況でアイメッセージをを考えてみてください。          

練習問題1(難易度★★☆)
次の文章のヨシコさんのかわりにアイメッセージを考えてあげてください。

ヨシコさんの会社は成長著しい会社です。ヨシコさんは責任者となり、毎日残業が続いていました。最初は充実していたのですがあまりにも作業量が多く、精神的に参っています。しかし上司が気づく気配はなくずっと我慢しています。

→(私は)

 

解答例
(私は)実は最近、睡眠不足が続いていて、集中力がなくなっています。体調も悪い状態です・・・
 →本当につらい時は、まずはアイメッセージで感情を表に出しましょう

 

練習問題2(難易度★★☆)
次の文章のダイスケさんのかわりにアイメッセージを考えてあげてください。

ダイスケさんは、先日4年間付き合った彼女とお別れしました。結婚まで考えていたため、とてもショックを受けています。ダイスケさんは普段からあまり人を頼ることがあまりません。しかし。今回ばかりは友人に話を聞いてほしいと考えています。

→(私は)

 

解答例
(私は)実は昨日彼女と別れちゃってね。。いまマジでいま落ち込んでるんだ・・・
→まずはアイメッセージで感情を表に出しましょう 友人が飲みにでも誘ってくれるかもしれません
 人生でショックな出来事があったときは抱え込まずに、表に出して周りの助けを求めましょう

人に頼る事でレジリエンスを発揮

練習問題はいかがでしたか。アイメッセージは正直に自分の気持ちを打ち明けることで、ソーシャルサポートを得る糸口になります。困ったときに主張できるようになると、人に頼るというレジリエンスを発揮しやすくなります。困ったときは抱え込まずに周りの助けを求めるという引き出しもぜひ持っておいてくださいね♪

専門家の講義を受けたい方へ

最後に、ここまでアイメッセージコラムにお付き合いいただきありがとうございました!このコラムが人間関係を深めるきっかけになれば幸いです。

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

★アイメッセージを活用!で人とのつながりを深めよう

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*出典・引用文献
岡本悠・井上孝代(2014)青年期における対人葛藤が解決するまでのプロセス. 心理臨床学研究32(4), 502-512.

大坪岳 追手門学院大学心理学論集;Otemon Gakuin University Psychological Review 2017 青年期のコミュニケーション・スキルとソーシャル・サポートがレジリエンスに及ぼす影響
レジリエンスの資質的要因・獲得的要因の分類の試み――二次元レジリエンス要因尺度(BRS)の作成
平野 真理 2010 パーソナリティ研究