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自責の念に駆られる心理や対処法を専門解説

自責の念


自責の念に駆られる心理や問題・対処法-精神保健福祉士が解説

こんにちは!精神保健福祉士の川島です。私は社会心理学の大学院で、成人のコミュニケーションについて研究をしてきました。現在では成人向けのコミュニケーション講座の講師として活動しています。

当コラムは「自責の念」をテーマに解説をしています。しっかりとお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。せひお付き合いください。

自責の念に駆られる問題

自責の念とは、自分の言動について後悔して責める気持ちの事です。

生活の中では、自責を感じることが少なからずあると思います。しかし、強い自責の高まりから気持ちが揺れ動かされてしまうと、ストレスが多くなりメンタルヘルスに影響が出てしまいます。

症状が強くなるとうつ症状などを引き起こしてしまうこともあるため注意が必要です。

つらい自責の念の駆られた状況を改善するために「原因帰属を複数持つ」という方法があります。

原因帰属とは?

まずは、原因帰属について見て行きましょう。

原因帰属とは「人が行動の結果について原因をどこに求めるか」という心理過程のことです。原因帰属は、心理学者ハイダーが研究したのが始まりで、現在は「帰属理論」として確立され認知心理学の方法論や理論の研究として進められています。

原因帰属には次の2タイプがあります。

1:内的帰属
性格や能力など自分の内部に原因を求める

2:外的帰属
状況や運など、自分の外部に原因を求める

例えば、
試験の点数がよくなかった場合

内的帰属の場合
「試験に向けた自分の努力不足
外的帰属の場合
「試験の内容が難しかったから

自責の念に駆られる人や自責の念が強い人は、「過剰にネガティブな内的帰属」をする癖があることが分かっています。

ここでもう1つ例を見ていきましょう。

自責の念に駆られた事例

もう1つの例!原因帰属は複数持とう

タナカさんはテニス大会にペアで出場しましたが負けてしまいました。

タナカさんは
「負けたのは、私の心の弱さのせい…」
負けた原因は自分の性格や能力だと思い、自責の念に駆られてしまいました。

タナカさんの原因帰属は間違いではないかもしれません。

しかしそれが100%でしょうか?出来事には、いろいろな原因が考えられます。

例えば、

・相方の調子が悪かった
・相手が強すぎた

全ての原因を自責にすることは一見かっこいいかもしれません。しかし極端な原因帰属や誤った方向付けをすると、自責の念をさらに強めてしまいます。

考えられる原因を冷静に考え、原因帰属を複数持つことが良好なメンタルヘルスを保つために大切です。

原因帰属を複数もつためのコツ

原因帰属を複数持つコツとして、次の3ステップで原因帰属をしてみましょう。

【ステップ①】
自分の「-」と「+」の責任を考える
失敗した時には反省と合わせてポジティブな部分も見つけるようにしましょう。両面から捉える事が大切です。

先ほどのタナカさんの例で考えると
試合には負けた。プレーの速度をもう少し早くすべきだった。
ペアの方との経験値は上がった。

このように、両面から考えるようにしましょう。

  ↓

【ステップ②】
他人の責任も「少し」考える
他人や周囲の原因も少しだけ考えてみましょう。物事の原因は、内的帰属だけで決まるのではありません。外的帰属も含めて考えることが大切です。過剰に他人への責任を過剰に考える必要はありませんが「少し」は周りへの責任も視野にいれるようにしましょう。

  ↓

【ステップ③】
環境の原因を考える

起きた事実について、状況や環境に原因を求めてみましょう。例えば「天気が悪かったから」など自分のこと以外にも原因があるかもしれません。

原因帰属を複数もつには、さまざまな視点を取り入れてみることが大切です。客観的に捉え冷静に判断することで、自責の念を緩和していきましょう。

原因帰属を複数持って自責の念に対処

 

 

練習問題で自責の念を緩和

それではご紹介した3つのステップを元に、練習問題にチャレンジしてみましょう。

練習問題
あなたの友人は遠距離恋愛をしています。友人は毎回交通費2万円を使って会いに行っていました。あなたは相談にのるときに「たまには相手に来てもらったら?」とアドバイスをしました。友人はアドバイス通り、「会いに来てほしい!」とお願いしました。しかし、数か月後・・・「遠距離は厳しい」と言われ、その友人は別れてしまいました。あなたの友人はあなたに対して少し怒っているようでした。

それでは次のステップで考えてみましょう。

①自分のーと+の責任を考える
②他人の責任も「少し」考える
③環境の原因を考える

 

考えてみましたか?!

それでは解説に進みましょう!

 

解説
この問題では、恋愛相談に乗っていた友人が別れてしまうというものでした。

①自分のーと+の責任を考える
恋愛についてアドバイスは余計だったかも・・・

2万円を毎回使っている友人も経済的に厳しくなるのは現実だった。友人としてはやはり言わざるを得なかった。

②他人の責任も「少し」考える
→恋愛の結果は、他人によって操作できるものではない。友人にはちょっと悪いが、この結果は私のアドバイスは関係ないのでは・・・

③環境の原因を考える
→遠距離は恋愛にとっては少しリスクが高かったのかもしれない。

自責の念を緩和しよう!

自責の念に駆られてしまう原因を外的帰属に求めることは、勇気がいると思います。特に慣れない場合には、悩んでしまうこともあるかもしれません。

ポイントは、物事の原因は1つではないと知ることです。様々な可能性を考えてみることで、誤った原因帰属による自責の念に駆られることがなくなります。とはいえ、最初から様々な原因を考えるのは難しいでしょう。

まずは、自分の帰属の誤りに気付くことから始めてみましょう。あなたのペースで、少しずつ視野が広がっていけばいいですよ。

自責の念が改善できると、心と身体の健康状態も保つことができると思います。自責の念コラムを通して目指していきましょう!

コミュニケーション講座について♪

ここで少しだけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、自責の念などを改善し、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。1人で抱え込まずに、専門家やたくさんの仲間と相談しながら進めていくと、心強いと思います。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらのコミュニケーション教室のページを参照ください。

★様々な可能性を考えて「自責の念」を緩和しよう!

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原因帰属の理解と3つの対処法を活用しよう