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誠実な人の特徴と不誠実な人を見分けるコツ・対応方法を心理の専門家が解説

誠実な人の特徴と不誠実な人を見抜くポイント

はじめまして!公認心理師の川島達史です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。今回は「誠実な人」についてお話していきます。目次は以下の通りです。

  • 誠実な人とビックファイブ
  • 誠実な人の長所ってなに?
  • Dark Triad傾向の方に注意
  • 不誠実な人への過剰適応はNG
  • 診断とチェック
  • うまく付き合う3つの方法

誠実な人の特徴や見分け方を解説

いきなりですが、ちょっとしたクイズを出します!人間の基本的な性格を5つに分けるとしたら何が当てはまるでしょうか?明るい人?暗い人?など色々と挙げられると思います。少し考えてみましょう。

 ↓

考えてみましたか?

 ↓

答えは「誠実性」「外向性」「共感性」[開放性]「協調性」です。

ゴールドバーグという心理学者はビックファイブという人間の基本的な性格を5つに分類しました。その後統計的な研究が進み、誠実性は、人間の重要な性格の1つとして分類されるようになっています。

・不誠実な人と付き合うリスク

そんな重要な「誠実さ」ですが、いつも周囲に誠実な人がいるとは限りませんよね。人生の中では不誠実な人に遭遇し、一生の問題に発展することがあります。

例えば…
〇結婚したがパートナーが不誠実で浮気を繰り返す
〇得意先が不誠実でプロジェクトが行き詰まる
○友達に貸したお金が返ってこない

こんな自体に発展するかもしれません。この意味で、人生において誠実な人とどのように付き合っていけるか?また誠実な人を見抜けるか?は、コミュニケーション能力の一部として非常に重要なのです。

そこでまずは誠実さを理解するために、心理学上の研究を紹介させて頂きます。その後具体的な対策についてお伝えしますね。

誠実な人の特徴とは?

心理研究①「誠実な人」の長所とは何か?

真面目でしっかり者なイメージがある誠実な人ですが、心理学ではどのようなメリットが確認されているのでしょうか?古屋(2017)は性格得点と学業遅延傾向について関連を調べました。以下の図を少し眺めてみてください。

この研究では誠実性を勤勉性と表現していますが、意味としてはほぼ同じです。いずれも(-)マイナスの相関を示しており、誠実さが高い人は勉強を嫌がったり、後回しにしない傾向があることが分かります。

近年、誠実な人は自分をコントロールをする能力との結びつきが分かりつつあります。1度決めた目標をやり抜いたり、三日坊主にならないための自制心を強くしてくます。そのため、人生を思い通りに進めることができる性格特性だと言っても過言ではないでしょう。

心理研究② Dark Triadとは?

心理学の世界では、誠実さがない人について研究が進んでいます。例えば、他者を振り回したり、自分勝手に行動するという意味において、心理学の視点から“Dark Triad”という概念をご紹介したいと思います。Dark Triadとは、社会的に望ましくないパーソナリティとして、

・サイコパシー傾向
相手の気持ちを考えない傾向が顕著

・ナルシシズム傾向
自分の世界観を過剰に大事にする

・マキャベリアニズム傾向
目的にために、冷徹に人を操作する

の3つが挙げられ、それらを総称した概念です。喜入(2016)は大学生70名に質問紙による調査を行ったところ、Dark Triad傾向は、協調性および誠実性との関連が示されました。その結果、サイコパシー傾向との負の関連が強いことが分かりました。

サイコパシー傾向が高いほど誠実性と協調性が低くく、反社会的な行動を取りやすいということですね。このように、Dark Triadの傾向が高い場合には、客観的にみると“不誠実”である可能性が高いのです。これら3つのパーソナリティに共通する点としては、他者に冷淡なところがあり、自分の思う通りに他者を操作しようとする傾向があります。Dark Triadの特徴を持つ人は

・他者への共感性が低い
・搾取性の高い傾向がある
・複数の恋愛パートナーを持つ
・遊び的な恋愛をする

などの行動傾向を共通して持つことが示されています。(e.g., Jonason, Li, Webster, & Schmitt, 2009)。

不誠実な人の特徴とは?

このように、不誠実な人に対してうまく対処できず、過剰に適応しようとすると、かえって自身のメンタルヘルス不全に陥ってしまうことさえありうるのです。誠実な人を見極め、不誠実な人とは適度な距離を置いて、対人関係を築くスキルが重要といえるでしょう。

心理研究③ 誠実さは思ったより低い可能性

自分の長所はなかなか見つけられないものの、相手の長所はいくつも挙げられる・・・こうした経験はありませんか?実は、多くの人は自分の誠実さを見誤りがちであることが分かっています。外山(2002)の研究では、67組のカップルを対象に誠実性について自己認知と他者認知のギャップを調査しました。

上図のように自己認知よりも他者認知の方が数値が高いことが分かります。

この通り、女性であればさらに自己認知と他者認知にギャップが生じています。その差は2倍以上にもなり、男性よりも女性の方が他人を誠実だと捉えがちだと言えます。

これは言い方を変えれば、相手に対して甘い傾向があるとも取れるので、相手の本来の性格を見誤って考えている可能性もあります。誠実な人!と思っていたのに、付き合ってみたら豹変した・・・なんてことにならないように注意が必要です。

コミュニケーション講座について♪

コラム1は折り返し地点です!ここで少しだけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、温かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。1人で抱え込まずに、専門家やたくさんの仲間と相談しながら進めていくと、心強いと思います。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらのコミュニケーション教室のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

不誠実な人とうまく付き合う3つの方法

ここからは、不誠実な人と、上手く付き合う方法を提案させて頂きます。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①Iメッセージで気持ちを伝える

自己主張を我慢してしまう
不誠実な人が見抜けず振り回されやすい人は、自分の気持ちを相手に上手く伝えられない傾向があります。相手が不誠実な態度を取っても、自分の気持ちに我慢をしてしまい、伝えることができません。

アサーションの考え方を取り入れる
心理学では「アサーション」という分野があります。アサーションは、自分と相手を大切にした表現方法で、コミュニケーションスキルとして学校や企業の研修で広く用いられています。本コラムでは、アサーションで気持ちを上手に伝える方法「Iメッセージ」を解説します。相手に気持ちをうまく伝えられない…という方はコラム②をぜひチェックしてみてくださいね。

②過剰な自責を緩める

不誠実を容認してしまう
何か失敗があったときにすべて自分が悪いと思う傾向が強い人は、不誠実な人にいつまでも振り回されやすくなります。失敗の原因が他の人にあるにも関わらず、自分を責めてしまうため相手の行動を変えることができないためです。

相手の言動を客観的に捉える
過剰な自責は、誠実な人と出会うチャンスを逃してしまいます。本コラムでは、相手の行動を客観的に捉える3つのポイントを元に、偏った自責思考の修正を提案していきます。過剰な自責を感じることがある…という方コラム③を確認してくださいね。

③上手な線引きをする

援助意識が高い
不誠実な人に振り回されやすい人は、相手への援助が過剰になりやすい傾向があります。相手を助けたい気持ちはとても大切です。しかし、過度になると相手が依存的になってしまい、誠実な人との出会いの妨げになってしまうこともあります。

条件設定を元に援助する
過剰な援助をしないためには、どこまでを援助するのかという線引きが有効です。相手に要求されても、決めたルール以上の援助はしないことが大切です。本コラムでは、上手な線引きをする「条件設定」のコツをご紹介します。上手な線引きすることで、誠実な人との人間関係を作っていきましょう。過度に相手を助けてしまう傾向がある…という方は、コラム④を確認してくださいね。誠実な人との人間関係を構築しよう

安定した対人関係を築こう

このように、「自己主張を我慢してしまう」「不誠実を容認してしまう」「援助意識が高い」ことが、不誠実な人に振り回されやすい原因となることが多いようです。次回以降は、原因の対処法と不誠実な人とどう付き合っていくかの具体的な方法を考えていきます。

次回の、誠実な人コラムでは「Iメッセージで気持ちを伝える」について紹介します。お楽しみに!

★ 誠実な人の見極めがよい人間関係のカギ!過剰適応は注意が必要

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・厚生労働省 2013 平成24年労働者健康状況調査結果の概況
・風間惇希 2015 大学生における過剰適応と抑うつの関連 青年心理学研究 27(1), 23-38
・古屋(2017)大学生の学業遅延傾向に関わる性格特性について 立正大学心理学研究所紀要 第15号 33-45 古屋:大学生の学業遅延
・水澤慶緒里 2014 成人用過剰適応傾向尺度(Over-Adaptation Tendency Scale for Adults)の開発と信頼性・妥当性の検討 応用心理学研究 40(2). 82-92.
・和田 さゆり(1996) 性格特性用語を用いた Big Five 尺度の作成 心理学研究, 67, 61-67.
・喜入 暁 (2016) Dark Triad と5因子性格モデルとの関連 法政大学大学院紀要, 76, 49‐54.
・Jonason, P. K., Li, N. P., Webster, G. D., & Schmitt, D. P. (2009). The Dark Triad: Facilitating a short-term mating strategy in men. European Journal of Personality, 23, 5–18.
・田村紋女・小塩真司・田中圭介・増井啓太・ジョナソンピーターカール (2015). 日本語版 Dark Triad Dirty Dozen (DTDD-J) 作成の試み パーソナリティ研究, 24, 26-37.
外山(2002)大学生の親密な関係におけるポジティブ・イリュージョン 社会心理学研究 第18巻第1号,51‐60