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デイリーハッスルとは?意味や対処法を解説

デイリーハッスルとは?意味や対処法を解説

はじめまして!精神保健福祉士の川島です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

今回は「デイリーハッスル」についてお話していきます。目次は以下の通りです。

  • デイリーハッスルとは
  • 怒りやすさとの関連
  • ストレスの点数化
  • 思考の歪みを認識
  • 思考の歪みを修正
  • 改めて点数化

それでは早速、デイリーハッスルの基礎から解説させて頂きます。

デイリーハッスルとは?

デイリーハッスルは、ストレスマネジメントの権威であるLazarus & Folkman(1984)が提唱した、日常生活でおきる日常の慢性的な煩わしい出来事を意味します。Lazarusはストレス理論において、ストレスとなる出来事を以下の3つに分けました。

・カタストロフ(Catastroph)
震災,天才,テロのような劇的な大事件

・ライフイベント(Life event)
結婚、家族の病死、転職、倒産など人生の大きな変化

・デイリーハッスル(Dailyhassle)
日々の出来事によるストレス

カタストロフ、ライフイベントが人生の節目に起こるものですが、デイリーハッスルは毎日関わるものです。例えば、
・バスの遅延でイライラした
・彼氏の一言にイライラした
・部下の態度にイラっとした

このように日々何気なく感じているイライラのため、些細な出来事として捉えてしまいです。しかし、デイリーハッスルは、蓄積されていくため放置しておくと大きな心理的ストレスになってしまいます。

怒りっぽさとの関係

ここで、デイリーハッスルの問題点について見ていきましょう。

佐藤ら(2005)の研究では、大学生155名を対象に、イライラしやすい性格傾向とデイリーハッスルの関連を調べました。この研究では、大学生のデイリーハッスルを以下の4つに分類しています。

1.自己ストレッサー
自己の人格・生き方に関わる刺激

2.対人ストレッサー
対人関係で不快になるような刺激

3.学業ストレッサー
学業上で経験される刺激

4.物理ストレッサー
物や健康に関わる刺激

そして、怒りやすい性格のタイプA行動パータンと、おだやかな性格のタイプB行動パターンを調べ、日常的なストレスとどれだけ関連があるかをチェックしました。その結果が以下の図になります。

このように、怒りっぽい性格のタイプA行動パターンのグラフが伸びていることが分かります。つまり、デイリーハッスルを感じやすい人は、怒りっぽい性格になりがちだと考えらえます。

日常的に怒りやすい人は人間関係でもあつれきを生みやすいため、デイリーハッスルも自然と高まってしまいます。最終手段として怒りをぶつけるのは仕方ありませんが、ささいなことにもイライラしてしまう方は注意が必要です。

認知療法で対処!

認知療法とは、アーロンベックやアルバートエリスによって作成された、心の安定を目指す心理療法です。世界的に効果が実証されている療法ですから、ストレスの発散・解消法の基礎としてまずは押さえておきたいですね。

ストレスを軽減する認知療法の手順で行います。

<手順>
1:デイリーハッスルを挙げて点数化する(→1つ選ぶ)
2:
「思考の歪み」をチェックする
3:「思考の歪み」を修正する
4: 改めて点数化をするデイリーハッスルに気付いてプレッシャーを発散

1: デイリーハッスルを認識しよう

心理的ストレスを軽減するには、まずはデイリーハッスルに気付き冷静に確認することが大切です。

まずはデイリーハッスルを具体的に上げて点数化しましょう。日々感じていたイライラを可視化することで、デイリーハッスルがどれくらいストレスになっている把握できます。

具体的には、次のように点数化します。

・レポートの提出が間に合わない…8点
・彼女との喧嘩が続いている…8点
・大切な試験が迫っている…10点
・電車の遅延でバイトに遅れそう…5点
・入社面接の日にちが迫っている…10点

点数化ができたら、改善したいデイリーハッスルを1つ選びます。ここでは「レポートの提出が間に合わない」を考えていきます。

2:思考の歪みを確認しよう

さあここで、改めて認知療法の手順を確認しておきましょう。

<手順>
1:デイリーハッスルを挙げて点数化する(→1つ選ぶ)
2:「思考の歪み」をチェックする
3:「思考の歪み」を修正する
4: 改めて点数化をする

ここでは先ほど例であげた「レポートの提出が間に合わない」について2「思考の歪み」をチェックして行きます。

<レポートの提出が間に合わない大学生Aさん>
大学生のAさんは、何事にも熱心で真面目な性格で、将来大学院進学を考えています。周囲からの信頼が厚く、教授から直々にアルバイトで資料の作成を依頼されました。

Aさんは期日までにできるよう計画的に取り組んでいましたが、保存していたパソコンが突然壊れてしまい、作り直しをしなければならなくなりました。そしてどんなに急いでも、提出日には間に合わないことが分かりました…。

この状況をAさんは次のように考えました。

「遅れたら、教授からの
 信頼がなくなるにちがいない!」

Aさんはストレスを強く感じています。

心理的ストレスを感じている事例

出来事の捉え方はいろいろありますが、次のような思考がある場合は要注意です。

べき思考
・〇〇すべきだ
・〇〇のはずだ

一般化しすぎる
・みんな〇〇だ
・誰もが絶対○○だ

不安を先取りする
・〇〇になるだろう…
・良くないにちがいない

このような捉え方を「思考の歪み」といいます。思考の歪みは、完璧主義傾向が強い人に多く、ネガティブな思考や感情を強めるため、ストレスをため込みやすくなります。Aさんの捉え方も「信頼がなくなるにちがいない!」という、べき思考と不安を先取りする思考になっていますね。

3:思考の歪みを修正しよう

思考の歪みに気付けたら、その思考の歪みを修正していきましょう。先ほどの大学生のAさんは、レポートの提出が間に合わない状況を「信頼がなくなるにちがいない!」という思考の歪みで捉えていましたね。

このAさんの捉え方をどう思いますか。提出が間に合わないからといって、信頼がなくなるとは限りませんよね。また、提出日が遅れてもいい場合もありますし、教授が他の学生と一緒に作ることを提案してくれるかもしれません。

例えば、レポートの提出が間に合わない状況を、次のように捉えなおしてみましょう。

「提出日遅れはもう取り返せない。できる範囲と対処法を伝えて、教授の意見を聞いてみよう」

ストレスをを感じつつも、気持ちがプラスに向かう様子が感じられますよね。

「信頼がなくなるにちがいない」
  ↓
「今できることを伝えてベストな方法を確認する」

このように、捉え方によってストレスの感じ方は大きく変わってきます。

ストレスは捉え方で変わる

4:改めて点数化してみる

思考の歪みが修正できたら、最後の手順に進みましょう。思考の歪みを修正した内容について、改めて点数化します。先ほどの、大学生のAさんはレポートの提出が間に合わない状況を次のように捉えな直しましたね。

「信頼がなくなるにちがいない」
  ↓
「今できることを伝えてベストな方法を確認する」

もう一度点数化すると…

レポートの提出が間に合わない…8点→5点

認知療法の手順を進めるなかでAさんは、ストレスの解消できましたね。

認知療法でストレスを緩和しよう4つの手順で捉え方を修正することで、心理面を安定させてくださいね。

4つの手順でストレスを発散・解消-練習問題

ここでは認知療法4つの手順で、日々のストレスを発散・解消していきましょう!

<手順>
1:デイリーハッスルを挙げて点数化する(→1つ選ぶ)

 

2:「思考の歪み」をチェックする

 

3:「思考の歪み」を修正する

 

4: 改めて点数化をする

 

 

解答例
1:デイリーハッスルを挙げて点数化する(→1つ選ぶ)

・転勤の要請が来ている…7点
・昇給試験が迫っている…6点
・予約した飛行機に間に合わない…8点
・大切な商談前に体調が悪い…9点
・電車の遅延で遅刻しそう…7点

2:「思考の歪み」をチェックする
予約した飛行機に間に合わない
   ↓ 
「何とか乗らなければならない」

3:「思考の歪み」を修正する
「乗らなければならない」
   ↓
「キャンセルして違う方法で向かおう

4: 改めて点数化をする
予約した飛行機に間に合わない…8点→4点

関連知識・動画

最後に、デイリーハッスルに関連するコラムや動画を紹介します

・ストレスマネジメント
より深くストレス対処法を理解されたい方はストレスマネジメントコラムを参考にしてみてください。

・認知の複雑性
ストレスに強い方は、認知の複雑性が高いことがわかっています。認知の複雑性とは、たくさんの考え方を元に物事をとらえる力です。動画解説をしましたので参考にしてみてください♪(チャンネル登録をして下さると励みになります)

デイリーハッスルに対処

今回はストレスの発散・解消法として、思考の歪みを修正する認知療法の手順をご紹介しました。いかががでしたか。

まずはデイリーハッスルをしっかり把握するクセをつけましょう。可視化することで、捉え方のクセに気付きやすくなり、冷静に確認し修正することができるようになります。ストレスをいただきやすい思考を上手にコントロールすることで、心理的ストレスを軽減することができますよ。

★捉え方を修正して 心理的ストレスと 上手に付き合おう!

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
佐瀬 竜一・児玉 健司・佐々木雄二(2005)大学生のデイリーハッスルとタイプ A行動パターンおよびアレキシサイミアの関連 駒澤大学心理学論集, 2005, 第 7号, 43-50 2005, 7, 43-50
Lazarus, R.S., & Folkman, S. 本明 寛・春木豊・細田正美(訳) 1991 ストレスの心理学―認知的評価と対処の研究 実務教育出版.Lazarus, R.S., & Folkman, S. 1984 Stress,appraisal, and coping.New York: Springer.