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褒め上手になる方法

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褒め上手になる方法

皆さんこんにちは。人間関係講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回のお悩み相談は「褒め上手になりたい」です。

褒め上手になる

相談者
33歳 女性

お悩みの内容
私は会話の時に相手を褒めるのが苦手です。褒めたいという気持ちはあるのですが、「いいですね」「すごいですね」で終わってしまいます。

これから仕事や恋愛で褒める力が大事になると考えています。褒め上手になるコツを知りたいです。

気持ちがあるのに言葉が出てこないのはもったいないですね。当コラムでは褒め上手になる方法を8個提案させて頂きます。

①モチベーションをあげよう
②減点法から加点法に
③「能力や結果」より「努力」を褒める
④相手基準で褒める
⑤こだわりポイント褒め
⑥リフレーミングで長所として励ます
⑦褒め言葉の語彙を増やす
⑧ストローク力をつける

役立ちそうなものを組み合わせてご活用ください。

褒め上手になる8の方法

①モチベーションをあげよう

褒め上手になることは、ポジティブな心理的効果があります。まずはメリットを確認して、モチベーションをあげていきましょう。以下、褒める行為に関する心理学の研究を折りたたんで掲載しました。気になる項目を展開してみてください。

高橋・森本(2012)は大学生234名を対象に、ポジティブシンキングが心理的にどのような影響があるかを調査しました。その結果の一部が下図となります。

上図は、「他人のポジティブな面に注目する」と「幸福感」が高くなるという意味があります。他人のポジティブな面を見つけると、相手を褒めたり、相手を好きになったりしやすくなります。その結果、人間関係が温かいものになり、幸福感が高くなると推測できます。

高橋・森本(2012)は大学生234名を対象に、ポジティブシンキングが心理的にどのような影響があるかを調査しました。その結果の一部が下図となります。

 

褒める言葉を使おう

上図は、「他人のポジティブな面を見つける」と「他人を軽視することが減る」ことを意味しています。褒める時は必然的に、相手の良いところを探そうと努力します。その結果、相手の良いところをたくさん見つけ、周りの人を大事にできるようになるのです。

細田らの(2009)は、中学生305名を対象に、周囲からのソーシャルサポートが自己肯定感に与える影響を調べました。実験では情緒的サポートを

・もらえている群(高群)
・あまりもらえていない群(低群)

にわけて自他肯定感の違いを比較しました。その結果は、以下の図になります。

褒める言葉 効果

このように高群の方が伸びていますね。つまりあなたの「褒める言葉」は相手の自己肯定感を上げる効果があるのです。

 

②減点法から加点法に

褒め上手な方は減点法よりも加点法の精神を持っています。まずは、それぞれの意味を見ていきましょう。

*減点法
完璧を基準にして、間違った部分を指摘する方法

*加点法
ゼロべースを基準にして、うまくいった部分を確認していく方法

褒める言葉が思いつかない方は、減点法で他人を評価する傾向があります。完璧な状態と比較して、相手のことを評価してしまうと、欠点ばかりが目に付くようになります。

そこで、加点法で相手を評価することが大切です。相手が少しでも成長したところ、できるようになったことに目を向けることで、褒める言葉もスムーズに浮かぶようになります。

喜ばせる褒め方

 

③「能力や結果」より「努力」褒める

心理学の研究では、能力や結果よりも、努力を褒められる方がうれしいことが分かっています。それぞれの違いは以下の通りです。

能力褒め
・相手の才能を褒める
・自頭の良さを褒める
・性格を褒める

結果褒め
・成果を褒める
・勝利を褒める
・うまく行った作業を褒める

努力褒め
・日々の作業内容を褒める
・辛い時も積み重ねた姿勢を褒める
・経験を積んだことを褒める

もちろん、能力を褒めても、自己肯定感は高まりますが、元々ある能力を褒められてもピンときません。結果褒めも嬉しいことは嬉しいですが、「成果を上げないと褒められない…」とプレッシャーになることがあります。

一方で、努力を褒められると、頑張っているありのままの自分の姿を認めてくれるような気持ちになり、自信を深めることができるのです。

以下の折り畳みでは、練習問題と研究を紹介しています。理解を深めた方は展開してみてください。

練習問題1

あなたの部署には、新入社員の部下が1人入りました。そして、初めての受注を見事に勝ち取りました。努力を重視して、褒めてみてください。あくまで想像でOKです。

 

解答例

初受注おめでとう。1か月前から応答集の作成までして頑張った甲斐があったね。取引先に行った時も書類をしっかり作りこんで、情熱をかけた結果だと思う。〇〇君の良いところは粘り強いとこだよな~

 

練習問題2

あなたには息子がいます。毎回50位ぐらいの成績なのですが、今回は期末試験の結果が10位でした。努力を重視して、褒めてみてください。あくまで想像でOKです。

 

解答例

今回のテストは好成績だったね。毎日頑張って勉強していたから、その成果が出て、随分順位が上がったね。ゲームも我慢してやりたいこともあったと思うけど、伸びた成績以上に頑張れたことが大事なんじゃないかな。

 

練習問題3

あなたには息子がいます。毎回50位ぐらいの成績なのですが、今回は努力をしたにも関わらず100位でした。努力を重視して、褒めてください。あくまで想像でOKです。

 


解答例

今回頑張ったけど残念だったね。毎日頑張って勉強していたから、その知識自体は絶対身についていると思うよ。成績以上に頑張れたことが大事なんじゃないかな。〇〇が頑張っている姿が頼もしかったな。

浅沼ら(2018)は大学生249名を対象に、「ほめられ経験の種類」が「自己効力感」に与える影響を調べました。その結果が以下の図です。

上図のように「能力」よりも「努力」を褒められた方が、自己効力感が増加することが分かりました。日々の努力に対して褒める言葉をかけられることで自信につながるのですね。

もちろん、能力を褒めることも重要です。ただ、自信をつけてほしい!という観点で考えると、努力を褒める方が効果的であると言えます。

 

④相手基準で褒める

褒める言葉が思いつかない方は、自分基準で相手を評価してしまう癖があります。自分ならこうなのに…、私の時はこうだった…と、自分と照らし合わせながら評価してしまいます。

褒める時はあくまで相手の基準で考えることが大事です。

自分がやってきたことはいったん忘れる
その人なりに成長した点はどこかを考える

この2点を是非意識していきましょう。

 

⑤こだわりポイント褒め

相手が「こだわっているもの」を見つけたら褒めるチャンス到来です。例えば

洋服 靴 鞄 髪型 スマフォカバー お店のチョイス 飲み物のチョイス 料理  

など、日常生活全般にこだわりポイントはあります。こだわっているもは大概の場合、その人なりの思い入れがあるものです。ほとんどのケースで相手にとってうれしい会話になります。

その洋服素敵ですね♪どこで買われたのですか?
今日のお店のチョイス最高です!選んだきっかけはありますか?
う~ん今日の料理は香辛料が効いていて最高!  

このように積極的に褒める言葉を投げかけていきましょう。

ストローク,無条件

 

⑥リフレーミングで長所として励ます

褒め上手な方は、リフレーミング力があります。リフレーミング力とは「物事の捉え方の枠組みを変える力」を意味します。例えば、相手の特徴は一見短所に見えても、長所として褒めることができます。

根暗    →落ち着きがある
内向的   →思慮深い
仕事が遅い →丁寧に行う
遅刻しがち →ゆったり生きている

など同じ物事も別の枠組みで見れば、褒める発想に変えることができます。褒める力をつけるためには、物事を多面的に捉えることが必要なのです。

リフレーミング力をつけたい!と感じる方は以下のコラムを参照ください。

リフレーミング力をつける方法

 

褒め言葉の語彙を増やす

褒める気持ちがあったとしても、バリエーションが不足していると、すごくもったいないですね。褒める気持ちがあるのに、言葉が出てこない方は、語彙力を鍛えることも大事です。

頑張ったね すごいね 素晴らしい 尊敬する さすがだね かっこいい 真似できない

など褒める言葉の引き出しを増やしていいましょう。語彙力を高めたい方は下記を参照ください。

褒める言葉を増やす,種類一覧

 

⑧ストローク力をつける

褒め上手になる上では「ストローク」について理解を深めると効果的です。ストロークとは「人との関わり方」を意味します。抽象的な概念なので、解説を読みながら感覚をつかんで頂けると幸いです。

ストロークには、以下の2つ種類があります。

条件付き肯定的ストローク
…条件を満たしているから相手を肯定する

具体例
100点を取ったから褒める
営業成績が上がったから褒める
上場企業だから相手を褒める

無条件の肯定的ストローク
…無条件に相手を肯定する

具体例
目が合ったときにニコっと微笑む
いつも助かってるよと褒める
〇〇さんがいてくれるだけで安心

条件付きの肯定的ストロークでも褒められれば嬉しいものです。ただ、条件付きの肯定は、「条件を満たさないと認められない…」という点で、やや不安が残るのです。

そのため、相手を褒める時は、無条件の肯定を織り交ぜていくことが大切です。失敗、成功、肩書、結果を問わず、相手を温かく褒められるようになったら、本当の意味での褒め上手になったと言えます。

無条件の肯定的ストロークをより深く理解したい方は下記をご覧ください。

ストロークの心理学的な意味,種類を解説


褒め上手

 

まとめ

褒める言葉を伝えられるようになると、自分の幸福感も上がり、自己肯定感も高まります。相手のモチベーションも高まりますし、人間関係も良好になります。

日々の生活に褒め言葉を増やして、是非温かい人間関係を築いてください♪応援しています!

 

人間関係講座のお知らせ

公認心理師のもとで褒め上手になる練習をしたい方は、人間関係講座へのご参加をおすすめします。講座では

 ・褒め上手になる練習
 ・温かい会話練習
 ・肯定的なストローク練習
 ・リフレーミング力をつける

など練習していきます。筆者も講師をしています。皆様の御来場を是非お待ちしています。↓興味がある方は下記のお知らせをクリック♪↓

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献    
細田ら(2009)中学生におけるソーシャルサポートと自他への肯定感に関する研究 教育心理学研究,57,309-323
浅沼 美里 山本 奬(2018)教師からのほめられ経験・叱られ経験がその後の自己効力感に与える影響 岩手大学大学院教育学研究科研究年報 第 2 巻(2018.3) 49−57
高橋,誠; 森本,哲介 学校教育学研究論集(26): 29-39 2012 東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科