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褒める言葉で対人関係を円滑に!褒め上手になるコツを解説

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褒める言葉の使い方,褒め上手になる方法,コツ①

みなさんこんにちは。公認心理師の川島です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。当コラムでは、「褒める言葉」について解説しています。

全体の目次は以下の通りです。

褒める言葉のコツ-概観
語彙力を増やそう
過程よりも努力を褒める 

相手を褒める言葉は、喜びや安心感を生み、信頼関係につながります。皆さんの尊敬できる上司や、仲の良い友人を思い出してみてください。きっとあなたの事を褒めてくれていると思います。

そこで当コラムでは褒める言葉の力を高め、褒め上手になるワークをたくさん提案させて頂きます。是非最後までご一読ください。

喜ばせる褒め方

 

褒める言葉と心理学研究

まず初めに褒め上手になるメリットを確認していきましょう。褒める効果は心理学の世界でも古くから研究されてきました。以下折りたたんで掲載しました。気になる項目を展開してみてください。

褒める言葉を使うと幸福感が高まります。

高橋・森本(2012)は都内大学生234名を対象にポジティブシンキングが心理的にどのような影響があるかを調査しました。

研究の中では「他人のポジティブな面に注目すること」と「幸福感」との関わりについて調べました。以下の図を少し概観してみてください。

このように他人のポジティブな面を見つけると、自分自身の幸福感が向上することがわかります。他人のポジティブな面を見つけると自分も幸福になるとは面白いですね。

人は褒める言葉を積極的に使っていくことで、相手だけでなく、自分自身も幸せになれるようです

褒める言葉を使うと、他者軽視が減ります。

他者軽視とは簡単言えば、他人を低く見積もることを意味します。高橋・森本(2012)は都内大学生234名を対象にポジティブシンキングが心理的にどのような影響があるかを調査しました。

研究の中では「他人のポジティブな面に注目すること」と「他者軽視」との関わが調べられました。以下の図を概観してみてください。

褒める言葉を使おう

このように、他人のポジティブな面を見つけると、他人を低く見積もる傾向が減少します。つまり、褒める言葉を使うと、他人を認められるようになり、人間関係も安定すると考えられます。

褒める言葉を使うと、自己肯定感が向上します。

細田らの(2009)は、中学生305名を対象に、周囲からのソーシャルサポートが自己肯定感に与える影響を調べました。

実験では情緒的サポートを

・もらえている群(高群)
・あまりもらえていない群(低群)

にわけて自他肯定感の違いを比較しました。その結果は、以下の図になります。

褒める言葉 効果

このように高群の方が伸びていますね。つまり、「褒める言葉」をもらうと、自己肯定感を高めてくれることがわかります。人から褒められると、自分を肯定できるようになるのは感覚的にも理解しやすいと思います。

努力を褒められる経験が多いほど、「自己効力感」が高くなることが分かっています。浅沼ら(2018)の研究では、大学生249名を対象に、

「ほめられ経験の種類」が
「自己効力感」

に与える影響を調べました。その結果が以下の図です。

上図のように「能力」よりも「努力」を褒められた方が、自己効力感が増加することが分かりました。日々の努力に対して褒める言葉をかけられることで自信につながるのですね。

もちろん、能力を褒めることも重要です。ただ、自信を持たせるという観点で見れば、努力を褒める方が効果的であると言えます。

 

褒める言葉トレーニング

ここからは褒める言葉のトレーニング法を8つ紹介します。

・語彙力を高める
・減点法から加点法に
・「能力」より「努力」を褒める
・「結果」より「努力」を褒める
・相手基準で褒める
・こだわりポイント褒め
・リフレーミングで長所として励ます
・ストローク力をつける

それぞれ活用できそうなものがありましたら取り入れてみてください♪

語彙力を高める

まず1つ目は「語彙力を鍛える」です。褒める言葉の語彙を増やすことで、相手にスムーズに褒めてあげることができます。

・頑張ったね
・すごいね
・素晴らしい!

など多様な褒める言葉を知っておくと、スッと相手を褒めることができます。

語彙力を高める方法をより深く知りたい方は、下記をご覧ください。

「語彙力」を鍛えよう②

 

減点法から加点法に

2つ目は、「減点法から加点法にする」ことです。まずは、それぞれの意味を見ていきましょう。

減点法…
完璧を基準にして、間違った部分を指摘する方法

加点法…
ゼロべースを基準にして、うまくいった部分を確認していく方法

褒める言葉が思いつかない方は、減点法で他人を評価する傾向があります。完璧な状態と比較して、相手のことを評価してしまうと、欠点ばかりが目に付くようになります。

そこで、加点法で相手を評価することが大切です。相手が少しでも成長したところ、できるようになったことに目を向けることで、褒める言葉もスムーズに浮かぶようになります。

 

「能力」より「努力」褒める

3つ目は、能力より努力を褒めることです。先ほどの研究でも紹介しましたが、人は能力よりも努力を褒められた方が自己肯定感が高まります。

ぞれぞれの違いは以下の通りです。

能力褒め
・相手の才能を褒める
・自頭の良さを褒める
・性格を褒める

努力褒め
・日々の作業内容を褒める
・辛い時も積み重ねた姿勢を褒める
・経験を積んだことを褒める

もちろん、能力を褒めても相手の自己肯定感は高まりますが、努力褒めほどの影響はありません。そこで、能力よりも努力を褒める!という意識を持つことが大切です。

 

「結果」より「努力」を褒める

4つ目は、結果より努力を意識することです。ぞれぞれの違いは以下の通りです。

結果褒め
・成果を褒める
・勝利を褒める
・うまく行った作業を褒める

努力褒め
・日々の作業内容を褒める
・辛い時も積み重ねた姿勢を褒める
・経験を積んだことを褒める

結果褒めも相手としては嬉しいのですが、「成果を上げないと褒められない…」という圧力を与えてしまう可能性があります。

一方で、結果よりも努力褒めると、相手の小さな一歩を認めてあげることができます。すると、相手は結果への束縛から自由になり、リラックスして物事に取り組むことができるようになります。

相手褒める時は、努力褒めるように意識しましょう。

結果より努力褒めをより深く知りたい方は、下記をご覧ください。

褒める言葉力UP!「結果」よりも「努力」を褒めよう③

 

相手基準で褒める

5つ目は、「相手基準で褒める」です。褒める言葉が思いつかない方は、自分基準で相手を評価してしまう癖があります。自分の高いものさしで相手を測るため、なかなか相手を褒めることができないのです。

そこで、

・自分と比較しない
・自分の能力を忘れる
・その人用の褒める言葉辞典を作る

などを意識していきましょう。相手基準で物事を見ることで、褒める言葉もすぐに思いつくようになります。

相手基準で褒めるをより深く知りたい方は、下記をご覧ください。

褒める言葉は「相手基準」でガンガン褒める⑦

 

こだわりポイント褒め

6つ目は、「こだわりポイント褒め」です。こだわりとは言い換えれば、相手の大切にしていることです。つまり、その部分を褒めることで、相手の価値観を認めてあげることにつながるのです。

例えば、

・ファッション
・目標
・人間関係

など、相手が重きを置いているところを褒めていきましょう。

こだわりポイント褒めをより深く知りたい方は下記をご覧ください。

こだわりポイント褒めとは

 

リフレーミングで長所として励ます

7つ目は、「リフレーミング」です。リフレーミングとは、「物事の捉え方の枠組みを変える」という技法です。例えば、

・根暗→落ち着きがある
・コミュ症→聞き上手
・仕事が遅い→丁寧に行う

など同じ物事も別の枠組みで見れば、プラスに取れることもあります。1つの視点だけだと、相手の良い点に気づくことができず、うまく褒めることができません。

褒める力をつけるためには、物事を多面的に捉えることが必要なのです。

リフレーミングをより深く知りたい方は、下記をご覧ください。

リフレーミングの意味とは?やり方,種類を解説

 

ストローク力をつける

最後8つ目は、ストローク力をつけることです。ストロークとは「人との関わり方」を意味します。抽象的な概念なので、解説を読みながら感覚をつかんで頂けると幸いです。

ストロークは、以下の2つ種類があります。

条件付き肯定的ストローク
…条件を満たしているから相手を肯定する


・100点を取ったから褒める
・営業成績が上がったから褒める
・上場企業だから相手を褒める

無条件の肯定的ストローク
…無条件に相手を肯定する


・点数関係なく褒める
・仕事いつも助かってるよと褒める
・どんな職業でも認める

多くの人は条件付きで相手を褒める傾向にあります。もちろん、条件付きの肯定的ストロークでも褒められれば嬉しいものです。

ただ、条件付きの肯定は、「条件を満たさないと認められない…」という無意識の圧力を与えてしまうという欠点があります。そのため、相手を褒める時は、無条件の肯定を織り交ぜていくことが大切です。

ストロークをより深く知りたい方は下記をご覧ください。

ストロークの心理学的な意味,種類を解説

 

まとめ+お知らせ

まとめ

褒める言葉を伝えられるようになると、自分の幸福感も上がり、自己肯定感も高まります。相手のモチベーションも高まりますし、人間関係も良好になります。まさに一石が何鳥にもなる方法だと言えるでしょう。

もちろん、メリットのために思ってもないこと言って相手を褒めるのはNGです。本心から相手の素晴らしい部分を見つけられるように努力してみてくださいね。

 

お知らせ

コラムだけでなく専門家の元でしっかり学びたい!という方には、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

 ・褒める練習
 ・ストロークの基本
 ・リフレーミング

など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。私も講師をしています(^^)ぜひお待ちしています。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献    
細田ら(2009)中学生におけるソーシャルサポートと自他への肯定感に関する研究 教育心理学研究,57,309-323
浅沼 美里 山本 奬(2018)教師からのほめられ経験・叱られ経験がその後の自己効力感に与える影響 岩手大学大学院教育学研究科研究年報 第 2 巻(2018.3) 49−57
高橋,誠; 森本,哲介 学校教育学研究論集(26): 29-39 2012 東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科