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勇気をもって一歩踏み出す3つの方法

勇気がない問題・一歩踏み出す勇気をもつ方法①

みなさんこんにちは、はじめまして臨床心理士の加賀です。私は、これまで臨床心理士として精神科・心療内科クリニックでカウンセリングを行ってきました。その経験や心理学の知識の中から皆さまのお役に立てられるような情報をお伝えしていきたいと思います。本コラムでは「勇気」について詳しく解説をしていきます。

  • 勇気とは?
  • 出ないときの問題
  • 先延ばしは抑うつに悪影響
  • 勇気を出す3つの方法

しっかりと対策をお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。ぜひお付き合いください。

勇気とは?

日常生活で勇気という単語は、頻繁に耳にすると思います。

・勇気が出ない
・勇気を出して挑戦する

心理学の研究では、“勇気”に関して様々な研究が行われています。たとえば、堀合 (2011) の研究では、勇気について、次のように定義しています。

「困難や悪い結果が予想されていたとしても、ある行動を起こすに十分な動機付け」

つまり勇気とは、何か行動を起こす前の心の構え方と言い換えることができそうです。また、勇気には 3つの要素から構成されているとも報告があります。

① 決断力
主体的な決断を下すことができる力
② 意志の持続性
選択した道を歩み続けるという意思
③ 困難に対する覚悟
失敗や困難によってもくじけず歩み続ける

つまり、勇気とは、困難なことがあっても迷わず決断ができる力であるということができます。

またアドラー心理学や個人心理学と呼ばれる、心理学の一分野を創設した、精神科医・心理学者であるアルフレッド・アドラーは、「幸福は勇気と常識を持って、人生の問題および課題を処理して行く」ことから、生まれてくると説明しています。

勇気は目標達成や幸福に重要な要素です。たとえば、

・新しい選択を迫られたとき
・苦手なことの克服するとき

などに遭遇したときは、勇気が必要といえます。そのため、心理学では勇気を出す方法や勇気が出ないことから生じる問題などについて国内外で研究されてきました。

まずはその中から、勇気がないために起きてしまう問題についてご紹介します。

勇気が出ない!回避や逃避につながる

岩井(2002)は、勇気とは「困難を克服する活力」と定義し、この勇気がなくなると

・目の前の問題解決に意欲的でない
・逃避傾向も顕著

という傾向があると説明しました。

たとえば、何か新しいことをやろうとしたときには恐怖が湧いてきます。その恐怖が強く、乗り越える勇気が出なければ、先延ばしにしたり、回避するなどの行動に繋がります。

思考=失敗するかもしれない、勇気がでない
感情=怖い
行動=回避、先延ばし

このようなサイクルを繰り返せば、目標達成や課題は解消されず、回避行動自体があらたなストレスを生んでしまいます。

つまり、勇気が出ないと、物事を先延ばししてしまう傾向にあるということです。

では、次に勇気が出なくて物事を先延ばしすることの影響について、論文を紹介したいと思います。逃避や回避・先延ばしの背景には、勇気の影響が考えられるので「回避/先延ばし≒勇気のなさ」と考え見ていきましょう。

勇気のなさが抑うつに悪影響!

 次にご紹介する山下・福井(2011)の研究では、逃避や回避・先延ばしが抑うつに影響することを証明しています。

この研究の方法は、先延ばしに関する質問紙、完全主義に関する質問紙、そして抑うつに関する質問紙の3種類を使用し、その関連性を検討しています。その結果、それらの相関関係が明らかになり、それらの関係を統計学的に説明するモデルが作成されました。結果を以下の通りです。

先延ばしと抑うつ 完全主義の相関分布結果

これらの結果から、先延ばし≒勇気のなさが高いと、

・失敗恐怖と抑うつが高くなる。
理想追求が低くなる。

ことが分かります。つまり、先延ばしをしてしまう人ほど、失敗恐怖が強く、行動には移さないという解釈ができます。

先延ばしの背景には、勇気のなさが考えられます。失敗する恐怖が強いために勇気が出ないという関係は納得できる結果であり、多くの人が経験したことがあることでしょう。

そして、これらをより詳しく分析し、先延ばし≒勇気のなさが完全主義の下位尺度(失敗恐怖・理想追求・強迫的努力)を媒介し、抑うつとの関係を説明したモデルが以下です。

完全主義と先延ばしが抑うつに与える影響

結果から次のことが分かります。

・抑うつや先延ばし≒勇気のなさが強ければ、強迫的努力の影響がなくなることが明らかとなった。

・失敗恐怖は先延ばし≒勇気のなさと抑うつを促進し、先延ばし≒勇気のなさは抑うつを促進することが示された。

つまり、

・勇気のなさは行動力を低下させる。その結果、課題の先延ばしが起こる。

・先延ばしをすれば、課題に対して心配する時間が多くなり、思いつめることで抑うつを招く

と解釈することができます。

勇気が出ない原因と勇気を出す3つの方法

それではここでは勇気が出ない原因と、具体的な解決策について考えていきましょう。勇気が出ない原因と解決策は、大きく分けると3つあります。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①困難を避ける

失敗を過剰に気にして困難を避ける 
勇気が出ない人は、失敗を過剰に気にするため困難を避ける傾向にあります。その根っこには自分にはできない、無理だという気持ちがあるのかもしれません。そのような状況では勇気を出して困難に向き合っていくのは難しいでしょう。では、この困難を避ける状況からどのように勇気を出していけばよいのでしょうか?

スモールステップで目標を達成する!
失敗を過剰に気にして、困難を回避する癖がついているとできることまで行動できなくなってしまいます。そこで、目標達成までをスモールステップに分け整理してからひとつひとつ課題をクリアするよう行動していきましょう。まずは、目標達成までの全体像をとらえ、自分がいまどのあたりにいるのか、今後どのように困難を解消していくのか計画を立て行動していきます。そこで当コラムでは、スモールステップで目標を達成する方法を練習問題を交えながらご紹介していきます。失敗を気にしすぎて勇気が出ない、課題から逃げてしまう・・・と感じている方は、コラム②をぜひ参考にしてくださいね。

②思考と行動のバランスを取る!

完璧を求めてしまう
勇気が出ない人は、完璧を求めてしまいなかなか動けない傾向があります。できないところばかり見て動けない状況が続けば、目標達成や問題解決に多くの時間を費やすことになってしまいます。それでは、どのようにして完璧主義を捨てて、思考と行動のバランスがとれるようになるのでしょうか?

認知療法で思考と行動のバランスを取る!
自分の極端な思考を修正する方法の1つに認知療法があります。認知療法とは、認知の偏りを振り返りバランスの良い認知に修正していく方法です。完璧主義の認知の偏りは、物事を白か黒かで判断する「白黒思考」の可能性があります。そこで当コラムでは、完璧主義の思考を和らげるためのワークを練習問題を交えながらご紹介していきます。完璧主義の思考のせで行動できない・・・という方は、コラム③をぜひ参考にしてくださいね。

③自分の興味のあることから挑戦する!

挑戦心がない
勇気が出ない人には、挑戦心がないことが挙げられます。あなたが挑戦してみたいことはなんでしょうか?それがはっきりしていない場合には勇気を出して物事に挑戦するのは難しいですよね?では、この状況を解消して挑戦心を持つのはどうしたらよいのでしょうか?

自分の興味関心が高いところから始める
何かに挑戦しよう!とモチベーションが高まるときにはやはり、自分のやりたい!という思いが強い方が達成しやすいでしょう。それには、自分の興味関心が高いものから挑戦するのが良いでしょう。そこで当コラムでは、自分の興味関心を整理するためのワークを練習問題を交えながらご紹介していきます。自分の興味関心を整理したい・・・という方は、コラム④をぜひ参考にしてくださいね。

勇気が出ない問題を少しづつ解消!

勇気のなさから引き起こされる問題の原因には「①困難を避ける」「②完璧を求めてしまう」「③挑戦心がない」の3つが大きく関わっていることがわかりました。次回以降は、勇気のなさを解消していく具体的な方法について解説していきます。1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

勇気が出ない人は、課題を先延ばしにしてしまい、その結果先延ばしした課題を心配する時間が増えることで抑うつ感が強まり、自分を追い詰めてしまっている状態にあります。勇気が出ないままだと目標達成や課題を解消することができません。また、勇気を出すことで自分が求める幸せに近づいていくことができます。勇気が出ないのは何故かということを考え、どう行動すればよいかを一緒に考えていきましょう!

このコラムを読んで、無理せず自分に合った「勇気の出し方」をぜひ見つけてくださいね。次回は、勇気のなさを解消する1つ目の「スモールステップで目標を達成する!」についてご紹介します。お楽しみに!

★勇気が出ないときは、勇気を出す3つの方法で解消しよう
心理学講座

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
岩井俊典(2002). 勇気付けの心理学, 金子書房
堀合俊博. (2011). 青年期の選択場面における勇気尺度作成の試み: 漸成発達理論の枠組みから. 立教大学心理学研究53, 1-15.
山下由紀子, & 福井義一. (2011). 完全主義と先延ばしが抑うつに及ぼす影響: 日本語版 General Procrastination Scale (GPS) の再検討を含めて. 甲南大學紀要. 文学編161, 223-230.