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「拒絶された!」傷ついた気持ちや痛みの対処法

「拒絶された」時の傷ついた気持ちや痛みの対処法

はじめまして!作業療法士の石橋です。私は作業療法士として、精神科の病院で精神疾患を抱える方へのリハビリを行っています。大学院では心理学研究科で、心理学の研究をしてきました。

本コラムでは、「拒絶された時の対処」について詳しく解説をしていきます。人間関係の中では、時として相手から拒絶されて、それがショックだった…といったこともあるかと思います。そんな、拒絶された時の対処法について、心理学的な研究も含めながら解説をしていきたいと思います。

本コラムは以下の内容で進めていきます。

  • 拒絶されるとは?
  • 高い拒絶感受性が引き起す問題
  • 拒絶後に起きる3つの心理
  • 気持ちを整理する2つの方法
  • アイメッセージで関係の修復
  • 対人関係を悪化させない方法
  • まとめ

しっかりと対策をお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。ぜひお付き合いください。

心理学的な“拒絶”とは?

人から拒絶されて嫌な経験をしたことはありませんか?

たとえば、
・サークルで仲間外れにされた
・同僚にランチの誘いを断られた

このように誘いを拒絶され、ショックを受けたり傷ついたという経験もあるかと思います。人間関係においては、人から拒絶されることはよくあることです。

こうした日常的にもよくある“拒絶”に関して心理学ではいくつか研究が行われています。その中でWilliams(2007)は“拒絶”について、次のように定義しています。

ある個人や集団から、求められていないことを明白に宣言されること

つまり拒絶とは、自分を受け入れてほしいと要求しているのにもかかわらず、他者にはっきりと断られるということです。そして拒絶には、2つの悪影響があります。

①心に深い傷となる
②攻撃性につながる

この2つの悪影響について、研究を交えながら詳しく解説していきますね。

① 心に深い傷となる

人は拒絶された時に、強く傷つきます。ここで拒絶された時の心理状態を分析した研究を見ていきましょう。箕浦ら(2013)は、対人的拒絶後の反応について分析を行っています。この研究では大学生427名を対象に、評価場面と所属場面に分けて反応をみています。

<評価場面>
講義中に発表をして、失敗を非難される
<所属場面>
友人が旅行に行く計画を立てているが、自分だけ仲間外れにされる

この2つの場面に対して見られた反応は、次のような感情が挙げられます。

・怒り
・不安
・傷つき感

怒りや不安などの感情だけでなく、「ショックを受けた」「胸が痛んだ」などの、傷つき感があることも特徴的な反応です。拒絶されたことで怒りや不安にさいなまれ、それが心の傷として残ってしまうと、心の健康を害してしまう可能性もあります。

拒絶に敏感だとメンタルヘルスが崩れやすい

② 「攻撃性」と拒絶感受性

拒絶をされると私たちは強い怒りを覚えることがあります。他者から拒絶されることに関して、敏感に反応する特性を、“拒絶感受性”といいます。拒絶感受性の特徴は、以下の通りです。

・拒絶される不安感がある
・拒絶を予期しやすい
・拒絶されることに敏感
・拒絶に対して過剰に反応する

このような傾向がある方は注意が必要です。攻撃性は、下手をすると暴力や暴言などにつながり、自分自身の人生を台無しにしてしまうことがあるからです。これは拒絶の2次被害と言っても良いでしょう。加害者側に回らないように自分の心をコントロールしなくてはなりません。

三島(2015)は児童に対して、いじめ被害と攻撃性、拒絶感受性との関連についての研究を行っています。その結果、拒絶感受性は関係性攻撃傾向に影響を与えていることが分かりました。

いじめ被害と攻撃性、拒絶感受性との関連についての研究

つまり、いじめ被害にあった生徒は、拒絶された怒りなどを通して、相手を攻撃しやすくなる傾向が指摘されています。これは、児童に限らず起こりうることです。拒絶感受性が高すぎることで、相手に敵意的な反応ばかりとっていると、人間関係もうまくいかなくなってしまいますね。

このように拒絶感受性が高いと、孤独感を抱えてしまったり所属欲求がみたされない状態になってしまいます。

拒絶後の正しい対処とは?

相手に拒絶された時に、どのように対処するかで気持ちの整理がつきやすくなります。また、その後の人間関係を円滑にしていく上でも、対処法を知っておくことは大事です。このコラムでは、拒絶された時の対処法について2つの方法を紹介していきたいと思います。

① アイメッセージで関係修復
② ある程度のあきらめも大事

ここからは、ひとつひとつの解説をしていきますね。

①拒絶されたらアイメッセージで伝える

相手から拒絶された時の関係修復には、アイメッセージが有効です。

アイメッセージとは、自分の気持ちを相手に伝える時に「私は…」を主語にしたメッセージを使っていく方法です。「私は…」を主語にすることで、個人的に相手を尊重しながら、自分の気持ちを伝えることができます。

アイメッセージのコツは、自分を主語にして伝えることです。

たとえば

・「私はあなたに拒否されて悲しい」  
・「私はあなたとの関係が元通りになれたらいいと思う」  
・「自分に悪いところがあったら直す」  

アイメッセージを使うことで、相手の気分を害することなく関係の修復に向けて進めることができます。

・【練習】アイメッセージを実践してみよう!

アイメッセージを使って、拒絶された時の関係修復を図っていきましょう。

練習問題1
大学生のAさんは旅行サークルに入っています。同じサークル仲間達で海に行く話をしていますが、Aさんだけが誘われませんでした。その理由を仲間たちに聞くと、「Aさんはこの前誘ったけど来なかったから…」と言われてしまい、Aさんは仲間から拒絶されたと感じています。

この状況をアイメッセージを使って、関係の修復を図ってみましょう。

アイメッセージを使うと…
⇒「                」

 

 

解答例
アイメッセージを使うと…
⇒「 誘われなくて私は悲しかった。 」
⇒「 (私は)今回こそは参加したい 」

このように「私」を主語にして話し合うことで関係を修復することができます。アイメッセージを使うことで「なんで誘ってくれなかったの!」といった、相手を責めるような話し方を避けることができます。もし、相手に拒絶されたときは、アイメッセージで話すことを心がけてみましょう!

アイメッセージで拒絶に対処

②ある程度の諦めも大事

まずは宮崎ら(2012)が行った、拒絶された場面についての調査を見ていきましょう。

宮崎ら(2012)は大学生219名を対象に、相手から拒絶された場面についての調査をしています。そこで、拒絶された後の行動について、どのような特徴があるかが明らかになっています。調査で分かった特徴は、以下の3つの因子です。

1. 関係志向的行動
⇒拒否された状況の改善に向けて建設的に働きかける
例:自分に悪いところがあったらそれを直すと言う、関係が改善するように共通の知り合いに助けてもらう

2. 消極的な関係破壊的行動
⇒関係の悪化に対して対処を行わない
例:その人と関わらないようにする、その人と会うのを避ける

3. 積極的な関係破壊的行動
⇒積極的に関係を破壊する
例:相手に向かって怒りを表す、もう二度と会わないという

3つの中での理想は「関係志向的行動」です。相手との関係修復に向けて努力する気持ちがあれば、建設的に話し合うことが大切ですよね。しかし人間関係では、理想通りいかないことも多いはずです。この論文では、3つの因子について以下のような結果も示しています。

拒絶場面の対処行動に関する表

ちょっと難しいですね。この表からは、以下のことが読み取れます。

・理想となる関係志向的行動は、
「関係へのコミットメント」がある場合に有効

被拒絶感が強い場合は、
「消極的な関係破壊的行動」につながりやすい

つまり相手から拒絶された場合は、積極的な関係修復よりも、相手との関わりを避けることも大事だということです。ここでいう、相手とのかかわりを避けるというのは「積極的に関係を破壊」することではなく「関係を悪化させないために相手と距離を置く」ということです。

相手から強く拒絶された場合は、関係修復をある程度諦めて、距離を置くことも大事だということです。

まとめ-拒絶された時の対処はしっかり

これまでに解説してきたように、拒絶された時の気持ちを整理には、主に2つの方法があることが分かりましたね。

1つ目の対処法は、
アイメッセージを使って、自分の気持ちを主張する方法。アイメッセージを使うことで、相手を尊重しつつ自己主張ができます。拒絶された関係を修復していくには必要なスキルでしたね。

2つ目の対処法は、
拒絶されたら上手に相手と距離を置く方法。関係をさらに悪化させないためにも、上手に心理的な距離を取っていくことも大事でしたね。

もし職場やプライベートで相手から拒絶された時は、ショックを受けたり、傷ついてしまうかもしれません。そんなときは、ご紹介した方法で対処していくことで、うまく気持ちを整理していくことができます。

専門家の講義を受けたい方へ

最後に、これまで「拒絶」コラムにお付き合いしていただき、本当にありがとうございました!まずは、ご紹介したアイメッセージを使った自己主張や、相手との距離を取る方法を試してみてください。

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

人間関係講座

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
Williams, K. D. (2007). Ostracism.Annual Review of Psychology , 58, 425-452
箕浦有希久,成田健(2013)対人的拒絶の直後反応尺度を開発する試み
感情心理学研究 20, 17-17,
宮崎弦太,池上知子 (2011) 拒絶への対処行動を規定する関係要因 ―関係相手からの受容予期と関係へのコミットメント― 実験社会心理学研究 50(2), 194-204
三島浩路(2015)循環型いじめに関する研究 : 拒絶感受性に着目して 日本教育心理学会総会発表論文集 57(0), 402