>
>
>
気遣いの意味とは-気配りできる人になる方法

気遣いの意味とは-気配りできる人になる方法

はじめまして!公認心理師の川島です。
今回のテーマは
「気遣い,気配りコラム」
です。


当コラムの目標
・気遣い力を高める
・気配りできるようになる
・相手と暖かい関係を築く

全体の目次
・気遣いとは何か?
・メリット,デメリット
・簡易診断,チェック
・5つのトレーニング

はじめに

早速ですが、みなさんは普段気遣いができていますか?仕事でもプライベートでも、人間関係をうまくやっていくためには相手に対する気遣いは欠かせません。

本コラムでは気遣い力をアップさせる作戦を、たくさん提案させて頂きます!ぜひ最後までご一読ください。

気遣いについて専門家が解説しています

気遣いの意味とは

まず初めに気遣いの意味から考えていきましょう。心理学の世界では気遣いには2つの意味があることが分かっています(満野,2017)。

向社会的気遣い

相手を気遣ったり、援助や助言をすること。困っている時に手助けすること。すなわち積極的に声をかけていくのが向社会的気遣いですね。

”向社会的”とは反社会的と逆の意味で、集団やグループ、他人を助けたり役に立とうとすることを指します。例えば、「お年寄りや妊婦さんに席を譲る」「落ち込んでいる同僚を励ます」などの行動がこれに当たります。

抑制的気遣い

相手の都合が悪い時は言わなかったり、行動をしないこと。あえて距離を置くことでそっとしておくこと。おせっかいしないことが抑制的気遣いになります。

つまり、相手が困っていたら助けてあげるのが“気遣い”ですが、相手の都合が悪かったらあえてしないことも“気遣い”になるということです。

例えば、「相手の気分を害するようなことは言わないでおく」「答えが分かっていても、あえて相手に言わない」などの行動も気遣いに含まれます。気遣いができない問題について解説しています

メリット・デメリット研究

気遣いについてはこれまで様々な角度から研究されてきました。気遣い力をアップさせる前に、メリットデメリットを抑えておきましょう。以下折りたたんで記載をしたので興味がある項目をクリックしてみてください。

メリット研究

気遣いは、相手にとってとてもうれしい効果があります。長谷川(2012)は404名の中学生を対象に、ソーシャルサポートとストレス反応について調査を行いました。ソーシャルサポート入手とは、助けられるという意味があります。下記の図を見てみましょう。

いずれのストレス反応もマイナスの相関があることが下記の図から分かります。要約すると、気遣いを受けると、

・イライラや怒りが減る
・緊張などの反応が減る
・無気力を改善する
・不安が改善する

等につながると推測ができるのです。

長谷川(2012)はサポートを提供すると心理的にどのような効果があるかを調査しました。その結果が下図となります。

図をみると、全体的に負の相関があることがわかります。気遣いをすると、以下の効果があることがわかります。

・イライラや怒りが減る
・体の健康度が増す
・やる気が出てくる
・不安が改善する

気遣いをすると、相手が回復するのはイメージがつくと思いますが、実は自分自身も同様に、ストレスを減らすことができるのです。

 

デメリット研究

・気遣いとコミュ力研究

松永ら(2008)の研究では、大学生228名を対象に、青年の友人関係とコミュニケーションのスタイルに関する研究」を調査しました。その結果の一部が下記となります。

上図を見ると、本音群のグラフがもっとも高いことがわかります。これは「本音で話す傾向」ある人はコミュニケーション能力が高い傾向があることを意味しています。

一方で、「気遣い群」や「うわべ群」はグラフが低いことが見て取れます。本音を隠して、行きすぎた抑制的気遣いをすると、コミュニケーション能力が低下してしまうリスクがあると言えそうです。

・抑制的気遣い研究

満野ら(2013)は大学生255人を対象に「抑制的気遣い」「友人関係」「ストレス反応」などの関連について調べています。

その結果以下の図式が出ています。

相手に気遣いをしすぎて、自分の意見を言わなかったり、我慢をしすぎたりすると、友人関係でも孤立しやすいということを示しています。友人関係を良好にするには、気遣いばかりではダメだということです。

さらに、友人関係から孤立することで、ストレスも抱えやすいということを示しています。過剰な気遣いは良くないということがわかりますね!

松永は(2008)は気遣いと対人信頼感についても調査を行いました。その結果の一部が下図となります。

 

やはり本音で話す傾向にある方がグラフが伸びていることがわかります。この図から読み取れることは、不信感から出てくると気遣いはあまり推奨できないと言えそうです。

不信感とは、例えば、「こんなことを言ったら相手に怒られるかもしれない…本音を言うのはやめておこう…」と言った気遣いです。これはある意味で、相手をちゃんと信頼していないことになるのです。

相手を信頼して、ちゃんと腹を割って話しあおうという姿勢が本当の意味での気遣いと言えるのかもしれません。

 

これらの研究から気遣いは、メリットが大きく、する側もされる側もとてもうれしいことが分かります。一方で、本音を隠してまで無理に行う気遣いには問題があることも推測できます。

気遣いはあくまで自分も相手も幸せになれるように、工夫をしていきたいものですね。そうすれば気遣いは私たちにとってたくさんのメリットがあるのです。

気遣い力-簡易診断

ここからは気遣い力をUpさせるトレーニングを提案させて頂きます。効果を把握するために以下の診断で定期的なチェックをオススメします。

5つのトレーニング

ここからは気遣い力をつけるための5つのやり方を提案させて頂きます。

・メンタライゼーション力
・非言語の読み取り力
・道徳力をつける
・自分の得も考える
・過剰適応に注意

メンタライゼーション力をつける

気遣いができる方は、心理学的にメンタライゼーショ力があると考えます。メンタライゼーションとは、イギリスの精神分析家であるフォーナギーが提唱した概念です。

日本で言えば、空気を読む力ととても近い概念で、自分や相手の心理的な背景を読み取る力とされています。例えば、私が遭遇したケースでは、コロナウイルスが流行っている時期に、うっかりしてマスクを忘れてしまっていたことがありました。

電車のホームで、カバンをガサガサしてたまたま入っていないか、探していたのですが、マスクがありません。すると驚いたことに近くにいた、年配の男性がお兄さんマスクあげるよ!と言ってマスクを1つくださったのです。

おそらくその方は、私のろうばいっぷりから、私の心理を推測し、私に気遣いをして下さったのです。このように相手の心理的な背景を読み取る力をメンタライゼーションと言います。

後程以下のコラムもぜひご覧ください。

メンタライゼーション力UPコラム

気遣い,マスク

非言語の読み取り力

人間の本音は言葉よりも表情や声の抑揚といった非言語に出やすい特徴があります。なぜなら表情や声の抑揚は操作が難しく、言葉よりも素直に出てしまうからです。

そのため気遣いができる方は、言葉よりも非言語をしっかりと読み取っていきます。例えば会話の相手の声のトーンが下がっていたら、もしかしたら少し話が真剣すぎたかな…と推測して、アイスブレイクをしたりできます。

非言語の読み取り力は気遣い力をアップさせる上で必須です。是非以下のコラムも読んでみてくださいね。


相手の気持ち-読み取る力をつける

 

道徳力をつける

原田(1990)は援助行動型とその動機についての研究をしています。そこでは「援助の規範意識」がある方は「気遣い,いたわり」をする傾向があることがわかりました。

援助の規範意識とは「相手が困っているから助ける」「困ったときはお互い様」といった道徳観、倫理感を意味します。例えば、論語を読んでみたり、仲間と助け合う、スポーツ系の漫画などもいいかもしれません。

個人的には、スラムダンク、キャプテン、ヒーローズなどがおススメです♪

 

自分の得を考えてもOk

原田(1990)の研究では気遣い、いたわりができる人は合理的援助効用の予期とも相関があります。

合理的援助効用の予期とは、
・「人助けは気持ちがいいから」
・「人の役に立ちたいから」

といったことを言います。援助の規範意識に比べて、自分自身の中で作られた気遣いのモチベーションと言っていいでしょう。

援助というのは、先ほどもあげましたが、自分自身の気持ちもプラスにします。そうしたプラスの効果があるから援助をすると言えます。多少はヨコシマな気持ちもOKと考えておくと気が楽ですね。

過度の気遣いに注意

気遣いはあくまで自分ができる範囲内でOKです。限界をきちんと設定して、無理のない範囲内で行うようにしましょう。もしあなたが過剰に気遣いをしてしまう傾向がある場合は以下のコラムも参考にしてみてください。

過剰適応に注意
限界設定をする
自他尊重の精神-アサーティブ

気遣いで良い人間関係を築こう

まとめとお知らせ

まとめ

相手への気遣いは、健康的な範囲内であれば、自分にとっても相手にとってもプラスの効果があります。あなたが気遣いをして、相手が笑顔になってくれた時、自分と相手の心に花が咲くのです。是非はなさかじいさんのように気遣いの花を咲かせていきましょう♪

お知らせ

もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・気遣い力をUPさせる傾聴コラム
・相手を肯定する力をつける
・暖かい人間関係を築くコツ

など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。ぜひお待ちしています。

 

助け合い掲示板

コメントを残す

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

*出典・引用文献
満野 史子 今城 周造(2017)友人への気遣いとマインドフルネス、 反芻・省察及び友人満足度との関連 昭和女子大学生活心理研究所紀要 19, 11-20
原田 純治(1990) 援助行動と動機 ・性格との関連  実験社会心理学研究 30(2), 109-121
長谷川 真穂 下田 芳幸 (2012)中学生における友人間のソーシャルサポートの互恵性と共感性およびストレス反応との関連について 人間発達科学部紀要 第6巻第 2号:211-220
松永(2008)現代青年の 友人関係 に 関する研究 Kurume University Psychological Researeh 2eO8,No .7,77−86

満野史子・今城周造(2013) 大学生の友人に対する気遣いとストレス・友人満足感の関連 日本教育心理学会総会発表論文集 55(0),272