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気遣いとは?意味や行動例、気配りできる人の特徴を心理の専門家が解説

気遣い


気遣いとは?意味や気配りできる人の例や特徴-心理の専門家が解説

気遣いについて専門家が解説

はじめまして!作業療法士の石橋です。私は精神科の作業療法士として、精神的な疾患を抱えた方への支援を行っています。その他、心理学の研究者として執筆や編集などを行っています。本コラムでは「気遣い」について詳しく解説をしていきます。しっかりと対策をお伝えしたいので全部で5分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが、ぜひお付き合いください。気遣いについて専門家が解説しています

早速ですが、みなさんは普段気遣いができていますか?仕事でもプライベートでも、人間関係をうまくやっていくためには相手に対する気遣いは欠かせません。相手に対する気遣いができないと…

・空気が読めないと思われる
・傍若無人な人だ
・自己中心的になってしまいがち

など、人間関係ではマイナスな印象を与えてしまいます。

例えば、ビジネスの場面では上司などに気遣いができないと、「ダメな社員」という印象を持たれてしまいます。また、サークルなどの集団の活動場面でも、気遣いができないと浮いた存在になってしまいがちです。

当コラムでは、相手への上手な気遣いの仕方を解説していきたいと思います。

気遣いとは?

“気遣い”とは、満野(2017)によると主に2つの要因に分けられるとしています。

・向社会的気遣い
相手を気遣ったり、援助や助言をすること。困っている時に手助けすること。

・抑制的気遣い
相手の都合が悪い時は言わなかったり、行動をしないこと。あえて距離を置くことでそっとしておくこと。おせっかいしないこと。

つまり、相手が困っていたら助けてあげるのが“気遣い”ですが、相手の都合が悪かったらあえてしないことも“気遣い”になるということです。

例えば、

「相手の気分を害するようなことは言わないでおく」
「相手と意見が合わなくても同調してあげる」

などの行動も気遣いに含まれます。では、こうした気遣いができないと、人間関係はどうなってしまうでしょうか?気遣いができない問題について解説しています

気遣いができないと人間関係で問題

・お互い非協力的に
例えば、職場で忙しくしている動き回っているAさんと、手が空いていて机に座っているBさんがいます。

Aさんにしてみれば、Bさんも手が空いているなら、「ちょっと手伝ってくれてもいいのに…」と思うかもしれません。

Aさんの心境としては、Bさんが困ったとしても、(あの時助けてくれなかったのだから、私がBさんを助ける義理はない・・・)と感じるかもしれません。

・相手を傷つける
また、相手の気持ちに気遣いがない発言も問題になることもあります。例えば、相手が悲しんでいるときに、自分の楽しい話題を一方的に話したらどう思うでしょうか?

相手は「そんな楽しめる気持ちじゃない…」と、より悲しくなってしまうかもしれません。こうした気遣いがない行動や発言は、人間関係でもうまくいかないことが増えてきます。

気遣いができないことで、相手から良く思われなかったり、場合によっては相手を不愉快にさせてしまうこともあるのです。

では、気遣いができない人の原因には、どのようなことが挙げられるでしょうか?気遣いができない原因について考えてみましょう。気遣いができない特徴と問題

相手の状況をつかめないのが原因

気遣いができない原因として挙げられるのが、「援助動機の欠如」があげられます。これはどういうことでしょうか?

原田(1990)は援助行動型とその動機についての研究をしています。そこでは、「気遣い・いたわり型」の人は以下の2つの特徴があることがわかりました。

まずは下記の図を確認してみてください。この図は何を意味しているのでしょうか?援助行動と動機。性格の関連から気遣いについて解説①援助の規範意識
気遣い、いたわりができる方は「援助の規範意識」と正の相関があることがわかりました。援助の規範意識とは、「相手が困っているから助ける」「困ったときはお互い様」といったことを言います。言うなれば、社会から教えてもらった道徳的なモチベーションで、気遣いをするということです。

②合理的援助効用の予期
また、気遣い、いたわりができる人は合理的援助効用の予期とも相関があります。合理的援助効用の予期とは、「人を助けることは気持ちがいいから」とか「人の役に立ちたいから」といったことを言います。援助の規範意識に比べて、自分自身の中で作られた気遣いのモチベーションと言っていいでしょう。

原田(1990)の論文では「援助規範意識と合理的援助効用の予期」と「気遣い・いたわり」には正の相関があることを示しています。それは、気遣いをする人は、「相手が困っているから助ける」という動機で援助をするということを示しています。

つまり、気遣いができる人は相手の困っている状況や気持ちを察し「助けてあげよう」と思うことが特徴的であるということです。

一方、気遣いができない人は相手の状況や心情をつかめないことが原因であることが考えられます。

「そんな状況大したことないよ」
「別に困ってなんかなさそうだ」

など、相手の状況や気持ちの把握をおろそかにしてしまうと、相手への気遣いもなくなってしまいます。相手への気遣いは、相手の状況を察することがまず大事です!

では、相手の状況を察して、気遣いができるようになるにはどうしたらよいでしょうか?それには相手の状況を把握するスキルを身に付けていくことが必要です。

気持ちを察して気遣いを高める練習

では、実際に例題から練習問題に取り組んでみましょう!例題を読んで、相手の状況を考えて、相手がどんなことを考えているか想像して、記入してみましょう。気遣いに関する例題でコツを身に付けよう例題1
あなたとBさんは同期入社です。Bさんとは、これまでも共同に仕事をすることも多く、一緒に頑張ってきました。今回、Bさんは新たにプロジェクトを任され、多くの仕事を抱えています。また、納期がとてもきつく、ここ3日間は残業続きです。一方、あなたは仕事がひと段落して、多かった仕事量も落ち着いてきました。

では、Bさんの状況と、Bさんの心情について考えて、あなたはどう行動をしたらよいかを考えてみましょう。

Bさんの状況
⇒「               」

Bさんの心情
⇒「               」

あなたの行動
⇒「               」

 

解答例1
Bさんの状況
⇒「新しいプロジェクトで仕事が大量にある」「納期がきつく残業続き」

Bさんの心情
⇒「仕事に余裕の出てきたあなたに少し手伝ってほしいかもしれない」

あなたの行動
⇒「仕事が空いているのでBさんを手伝ってあげる」「ねぎらいの言葉をかけてあげる」

 

例題2
次の企画に向けて会議をしていました。出席者はあなた、上司、役職者、新人のCさんが参加していました。Cさんは会議に向けて、企画をいくつか練っていたみたいでしたが、上の人ばかりいる会議ではCさんだけ発言していませんでした。

では、Cさんの状況と、Cさんの心情について考えて、あなたはどう行動をしたらよいかを考えてみましょう。

Cさんの状況
⇒「               」

Cさんの心情
⇒「               」

あなたの行動
⇒「               」

 

解答例2
Cさんの状況
⇒「上の人ばかりいる中で新人のCさんが会議に出席」「会議前に企画はいくつか練ってきている」「Cさんだけ発言をしていない」

Cさんの心情
⇒「上の人ばかりで新人の自分が発言するのは気が引けると思っている」

あなたの行動
⇒「Cさんも何か意見があるか発言を促す」

状況をくみ取ることが気遣いの第一歩

練習問題はいかがでしたか。相手への気遣いは、まず自分や相手の状況を考えて、さらに相手がどのような心境かを察していくことが大事です。相手の状況をしっかりとくみ取ることができれば、声をかけたり、手を差し伸べたりと気遣いの行動が増えてくるはずです。気遣いができる人になって、より良い人間関係を築き上げていきましょう!気遣いで良い人間関係を築こう

最後に、これまで「気遣い」コラムにお付き合いしていただき、ありがとうございました!気遣いができることで、人間関係がぐっと良好なものになっていくはずです。そして、日々の生活の視野が広がり、ちょっとした幸せに気づきやすくなり幸福を実感できる機会が増えると思います。

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

*出典・引用文献
満野 史子 今城 周造(2017)友人への気遣いとマインドフルネス、 反芻・省察及び友人満足度との関連 昭和女子大学生活心理研究所紀要 19, 11-20
原田 純治(1990) 援助行動と動機 ・性格との関連  実験社会心理学研究 30(2), 109-121



できない原因や問題も理解しよう