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自己効力感の意味とは?尺度のセルフ診断と高める方法を解説

自己効力感の意味とは?セルフ診断と高める方法-臨床心理士監修①

はじめまして!公認心理師,精神保健福祉士の川島達史です。今回のテーマは「自己効力感」です。


対象となるお悩み
・自己効力感の意味がわからない
・自分に自信がない
・自信をつける方法を知りたい

具体的には
入門①自己効力感の意味
入門②歴史とバンデューラの主張
入門③現代の効果研究
入門④改善する対策
基礎対策 全体像を把握
基礎対策 行動力をつける
基礎対策 小さなイイネを習慣化
基礎対策 劣等感を克服
発展編  自己効力感UP法詰め合わせ
お悩み相談掲示板

という流れで解説していきます。入門①~④を読み進めていくと、基本的な知識と対策を抑えることができると思います。是非入門編は最後までご一読ください。

もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

自己効力感について専門家が解説しています

自己効力感の意味とは?

意味

自己効力感は英語ではセルフ・エフィカシー(self-efficacy)と言ったりもします。自己効力感の定義をいくつか紹介いたします。1977年、心理学者のバンデューラが提唱した「社会的学習理論」における中心的な概念の一つです。

アルバート・バンデューラ,自己効力感


ある行動を達成することができる、と自分の可能性を認識していること(Bandura,1997)

自分が行為の主体であり、行為について統制がとれ、外部の要請に対応できるという感覚(心理学辞典,1999,一部簡略化)

ある状況において,ある結果を達成するために必要な行動を自分がうまくできるかどうかの予期のことである(坂野ら, 1986)


とされています。簡単に説明すると

「私にはできる!」

という感覚と考えるといいでしょう。

歴史とバンデューラの主張

心理学の世界では「人間の行動の仕組み」について極めて膨大な議論が重ねられてきました。なぜなら私たちの人生は行動そのものだからです。行動の在り方を解明することは、心理学の大きなテーマなのです。

古典的行動主義とは?

バンデューラが活躍する一つ前の世代では「行動主義」が主流でした。行動主義の特徴は以下の通りです。
・個人間の学習を通して行動が決まる
・報酬と罰で行動が決まる
例えば、働くとお金をもらうことができます。その経験をもとに今後も働く!と解釈していくのです。

社会的学習理論

これに対して、1977年、バンデューラは「社会的学習理論」を提唱しました。社会学習理論の特徴は以下の通りです。
・社会や人間関係観察することでも行動が決まる
・報酬と罰だけで決まるわけではない
・行動する際は、自己効力感が影響する

と考えていきました。ちょっと難しいですね。

具体例

例えば、私は麻雀が大好きなのですが、皆さんの目の前でむちゃくちゃ楽しそうにゲームをしていたとします。それを見た皆さんは、最初は麻雀なんて野蛮なゲームだ!と考えていました。

しかし、私があまりにも楽しそうに麻雀をするのです(観察学習)。コミュニケーションもできるし、ルールも意外と簡単で自分にもできそうだ!(自己効力感)と学習します。

そうして、自分にもできるかも!と麻雀をはじめるかもしれません。

講師の視点 繰り返しになりますが、私たちの人生は行動そのものです。そしてその行動には絶えず「自己効力感」がついて回るのです。バンデューラのすごいところは、その自己効力感を発見したところにあるのです。

結果,効果予測

バンデューラは自己効力感の要素について以下の2つの概念を挙げています。

1.結果予期(Outcome Expectation)
ある行動がある結果を生み出すという推測のこと。例えば、1か月、毎日50回腕立てをすれば、筋肉がつくぞ!という結果の予測を意味します。

2.効力予期(Efficacy Expectation)
ある結果を生み出すために必要な行動をうまく行うことが出来るという確信のこと。私なら腕立て伏せを1か月毎日できる!という予測を意味します。

このように自己効力感とは、どんな結果が待っているか?自分がそれを実際に達成できるか?この2点が自己効力感のキーワードとなります。

自己効力感

心理学-現代の研究

ここからは自己効力感について現代の研究をいくつか紹介します。気になる項目がありましたら展開してみてください。

研究① 褒められ経験と自己効力感

ほめられた経験が多いほど、「自分はできる!」という感覚が強くなっていきます。ただ、自分のどの部分をほめられるかによって、自己効力感の高まり方が変わってきます。浅沼ら(2018)の研究では、大学生249名を対象にほめられ経験の種類が自己効力感に与える影響を調べました。

その結果、上図のように「能力」よりも「努力」をほめられた方が自己効力感が増すことが分かったのです。能力をほめるとは、「期待していた」「やれば出来ると思っていた」など成功したことに対して肯定することを言います。一方で、努力をほめるとは、「よく頑張っている」「積極的に取り組んでいる」など結果ではなく、それまでの過程を肯定します。

日々の努力を積極的にほめられることで、自信が身に付き、さらなる努力へと促進すると示唆されています。ただ、能力をほめられる経験がマイナスに影響するというわけではなく、あくまでも「努力」をほめられた方が効果は高いという結果になります。

いずれにしても、「ほめられる」という経験は自己効力感を高めてくれるのです。

研究② 活動性への影響

心理学の研究では、自己効力感のことをGSE(Generalizad Self-Efficacy:人格特性的自己効力感)という言葉を使って表すことがあります。

三好(2007)はこのGSEと様々な指標について調査・研究しました。その結果、自己効力感が高い人ほど、活動に積極的で楽しみやすいことがわかりました。以下の図を参照ください。青字の、自己効力感が高いグラフの方が大きくなっていますね。

バンデューラによると、自己効力感が低いときは
・無気力
・無感情
・無関心
になり、あきらめが早く、失望・落胆し、自己卑下や劣等感を抱きやすくなり、抑うつ状態に陥ってしまいやすいといいます。

一般的に、抑うつ状態に陥った人は、自分を過小評価する、自分には能力がないと感じる、意欲がわかない、無気力になってしまう、こんな特徴が出やすいと言われています。

三好(2007)の研究によると、高GSE(自己効力感が高い人)の方が、抑うつ傾向が低いことが分かっています。これは感覚的にも理解しやすいかと思いますが、統計的な調査でも裏付けられております。

自己効力感と敵意はどのように関連するでしょうか?下図を見て分かる通り、高GSE(自己効力感が高い人)は敵意が低いことがわかります。

自信がある人は、穏やかで、どうにかなるさ!と楽観的なのに対して、自信がない人は、周りのミスによって、自分も被害を被るという感覚があり、イライラしやすいのかもしれません。

自己効力感を高める方法を確認しよう

診断してみたい方

ここから先は自己効力感を高めるトレーニングを行います。成果を把握するため定期的なチェックをおすすめします。

自己効力感を高める

ここからは、自己効力感を高める方法について解説します。実は自己効力感を高める方法は数多く存在し、紹介しきれない部分もあります。そこで今回は4点に絞って紹介させて頂きます。

対策①全体の指針を抑える

佐藤(2009)はYG性格検査と自己効力感の関係を調べました。その結果が下図となります。この図は非常に示唆に富んでいて、自己効力感を向上させるための、海図のように使えると思います。

図の見方ですが、ポイントはざっくりと2点あります。
1つ目 数字を見る
数字が大きいほど、影響が大きい

2つ目 プラスマイナス
マイナスがついている場合は自己効力感が低くなる
ついていない場合は自己効力感を向上させる

 

性格特性,自己効力感

いかがでしょうか。これを見ると、劣等感が一番マイナスが大きいことがわかります。このため、自己効力感を向上させるにはできる限り、劣等感を持たないようにする努力が必要になりそうです。

また活動性がプラスで一番大きいですね。すなわち積極的に行動していくことが自己効力感を向上させていくうえで重要になりそうです。

その他、自己効力感を向上させる上では、様々な指標があります。まずは迷ったら上記の図を見て、基本に立ち戻ることをオススメします♪

自信をつける方法

対策②行動力をつける

自己効力感を高めたい場合は、活発に行動していくことが大事になります。ただ、自信がない時ほど、腰が重くなると思います。そこで対策②では、積極的に行動していく上での改善法を解説しました。

行動力をつけたい!という方は下記をご覧ください。
・目標設定の3ステップ
・最終目標の立て方
・クリアできない時は
自己効力感を高める方法を解説「スモールステップ」

対策③できること探しトレーニング

次にご紹介する自己効力感の高め方は「できること探し」です。自信をつけるためには、自分にはできる!という長所をしっかり自覚することが大事です。できなかったことよりも、できることに目を向ける習慣をつけていきましょう。

できること探しトレーニング
・日々の生活で自信をつける
・できることを自信に変える方法
できること探しトレーニング

対策④劣等感を改善する

①でもお伝えしたように、自己効力感を改善する上では劣等感の克服がカギになりそうです。劣等感がある状態は、自尊心が低下しやすく、行動的になれないという研究もあります。

改善する方法についてはこちらの劣等感コラムで解説しています。良かったら参考にしてみてください。

発展編 自己効力感UP法詰め合わせ

ここからは、自己効力感UPに役立ちそうなコラムを紹介していきます。面白そうだなあ~と感じるタイトルがありましたらクリックしてみてくださいね♪

ソーシャルサポートを得る

人間関係が満たされていない人は、抑うつ傾向になり、自己効力感が低くくなりやすいことが示唆されています。この部分を改善するためには、周りからの援助も必要です。孤立しがちだ、悩みを抱えこみゃすいという方は、こちらのソーシャルサポートコラムを参考にしてください。

神経質にならないようにする

先程の性格検査では、神経質な人ほど自己効力感が低くなると推測できます。神経質だと、自分のダメな部分に目が行ってしまうのかもしれません。細かい点でダメ出ししてしまうという方は、こちらの神経質コラムを参考にしてください。

コミュ力をつけよう

先程の性格検査では、社交的な人ほど自己効力感が高いと推測されていました。人間関係を築く力をつかたい!という方はこちらのコミュ力UPコラムを参考にしてください。

自己効力感の尺度を高めていこう


ここで30秒だけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらの心理学教室のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

次回以降の自己効力感コラムでは、成功体験を得るための具体的な方法についてお伝えしていきます!お楽しみに!(次へ進むボタンはもう少し下にあります。)

助け合い掲示板

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
Bandura, A. 1977 Self-efficacy: Toward a unifying theory of behavioral change. Psychological Review, 84, 191-215.

Bandura, A. (1997) : Self-efficacy: The exercise of control. New York : W.H. Freeman.
ミハイ・チクセントミハイ著,今村浩明訳:フロー体験 喜びの現象学,新思索社,2000
坂野雄二 1989 一般性セルフ・エフィカシー尺度の妥当性の検討 早稲田大学人間科学研究, 2, 91-98.
坂野雄二・前田基成 2002 セルフ・エフィカシーの臨床心理学 北大路書房
坂野雄二・東條光彦 1986 一般性セルフ・エフィカシー尺度作成の試み 行動療法研究, 12, 73-82.
三好 昭子 2007 人格特性的自己効力感と精神的健康との関連 ―漸成発達理論における基本的信頼感からの検討― 青年心理学研究 19, 21-31.
森津誠(2007),「学生のネガティブな反すうと劣等感および自尊心との関係―『やる気』理解のための一考察―」,国際研究論叢,20(2),p63-70.
浅沼(2018)教師からのほめられ経験・叱られ経験がその後の自己効力感に与える影響 岩手大学大学院教育学研究科研究年報 第 2 巻(2018.3) 49−57

中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣

アルバート・バンデューラ,自己効力感  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

自己効力感と性格特性との関連 佐藤 祐基 人間福祉研究 (12), 153-161, 2009 北翔大学