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配慮にかける行動の原因と対処法

配慮


配慮にかける行動の原因と対処法-精神保健福祉士が解説①

みなさんこんにちは、はじめまして精神保健福祉士の川島です。現在、精神疾患を抱える方に心理テストとカウンセリングなどの活動を行っています。当コラムでは「配慮」について詳しく解説をしていきます。配慮にかけると、
・相手の視点で考えられない
・自分勝手になる
・人間関係にひびが入る
などのデメリットがあります。しっかりと対処法をお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。 

配慮を大切にする日本の文化

日本人には「配慮」を大切にする国民性があります。言葉や話しの内容、文字ではわからない曖昧なニュアンスから、相手の気持ちを察して行動する文化があります。曖昧な前後関係から相手の意図を読み取ることができると「配慮ができるね」と周囲からの印象が良くなります。

・配慮
・気配り
・空気を読む
・おもてなし

日本語には「気持ちを汲み取る」ことを意味する言葉が多くあります。国際的に見ても、日本が配慮を大切にする傾向があるようです。例えば、総務庁青少年対策本部(2004年当時,現総務省)の調査によると、「親が子どもに望む性格特性」として、日本は・「思いやり」を1番に重視していると報告されています(図1)。

一方でアメリカは「責任感」、韓国は「礼儀正しさ」を1番に大切にしていることがわかります。海外では、配慮することよりも、自立心や、道徳的な正しさ、マナーを大事にしてほしいと考える親が多い傾向があると言えます(図2)。

 配慮にかけることの問題点

浅野ら(2008)は、配慮に近い概念として「協調性」という性格傾向について調査を行っています。に。具体的には、協調性と外向性、ポジティブ感情の関連について調べています。その結果、協調性は外向性の高さに影響し、結果的にポジティブな感情に結び付く傾向があることが明らかになりました。

つまり、配慮ができる協調性が高い方は、周囲から好印象になります。さらに、その経験で気分がよくなり、外向性が高まっていくのです。感謝されることや、頼りにされることも多いため、ポジティブな感情が増えていくと考えられます。

もう1つ、水野(2003・2004)の研究によると、ビックファイブ(性格の主要5因子)の中でも好感に影響を与えるのは、協調性であることが明らかになりました。配慮ができると周りから気に入られやすく、人間関係で充実した人生を歩んでいけると言えるかもしれません。

浅野はまた、協調性、情緒安定、ネガティブ感情についても調査を行いました。その結果、協調性は情緒の安定性に影響し、結果的にネガティブ感情を減らす傾向が分かりました。

協調性が高い方は、人間関係が充実しやすいため、ソーシャルサポートを受けやすく、情緒が安定しやすいとわかります。また情緒が安定するので、他人とのトラブルが減り、ネガティブ感情が減少すると考えることができます。

相手に合わせすぎはNG

といっても、配慮にしすぎは自分自身のメンタルヘルスに悪影響を与えてしまいます。自分の気持ちや感情を抑えて、周囲に合わせ過ぎてしまう方は要注意です。心理学では周囲に自分を合わせすぎてしまうことを「過剰適応」という場合もあります。

相手の期待に応えようと頑張りすぎたり、相手に過剰に配慮しすぎると精神疾患のリスクが高まる可能性があります。過剰適応は具体的には、自己抑制、自己不全感、良く思われようとするなどの行動から構成されます。

例えば、2015年に風間氏が大学生260名を対象にして、過剰適応について調査研究が行われました。その結果、これらの過剰適応と抑うつに相関関係があることが判明しました。

数値が大きいほど相関があり、特に「自己抑制」と「自己不全感」は抑うつ症状に強い影響があることが分かります。自分を抑えて周囲に合わせすぎる傾向があったり、自分は集団には必要ないという感覚がある人は改善する必要があるでしょう。

このように、過剰に配慮しようとすると、自分自身の精神的な健康を損ねてしまう恐れがあります。自分は配慮にかけるなと思っても無理をして相手に尽くす必要ないと頭に入れておくと良いでしょう。

コミュニケーション講座について♪

コラム1は折り返し地点です!ここで少しだけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、温かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。1人で抱え込まずに、専門家やたくさんの仲間と相談しながら進めていくと、心強いと思います。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらのコミュニケーション教室のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

配慮の力を高める3つの方法

①「限界設定」で無理せず配慮

自己犠牲になるのが怖い
先ほど、「過剰適応は良くない!」というご説明をしましたが、だからといって配慮ゼロでいいというわけではありません。配慮ができない人は、一度相手に配慮をしてしまうと、どんどん頼まれ事が増えてしまうと考える傾向があります。その結果、自分を犠牲にしてしまうのではと考えてしまい、ならば始めから配慮しないほうがいいと考えてしまうのです。

「限界設定」をする
健全な配慮には過剰に相手に尽くす必要ないのです。健康的に配慮するには「限界設定」が重要です。限界設定とは、自分の余裕を考えて「配慮できるところと、できないところ」を明確にするというものです。配慮しると自己犠牲してしまうのではないかと考えてしまう・・・という方は、コラム①の解説と練習問題に取り組んでみてください。

②あいさつ・声掛け・ウェルカム

言葉が足りない
自分は配慮にかけるな・・・と思う時、実際に何を改善すればいいかわからないと思う人は、「配慮の言葉が足りない」可能性があります。人から配慮が足りないと注意される人は、心の中では他人への気遣いがあっても、それを言葉にしていないことが多いです。また、困っていたり、悩んでいる人がいても気づかないことも原因の1つです。

配慮を示す3つの言葉
配慮の力を高めるには毎日のちょっとした場面で、少しのテクニックを意識すればかなり改善されます。当コラムでは、コミュニケーションへの苦手意識を克服する「あいさつ・声掛け・窓口広げ」をご紹介します。気自分自身で「配慮にかけるな・・・」と思う方は、コラム②をぜひ参考にしてください!

③相手の立場になって考える

完璧主義できつく当たる
他者に配慮できない人は、「完璧主義な傾向」があると考えられます。完璧主義な人は、0か100かで物事を考えてしまうため偏った考え方になってしまいます。少しのミスも納得できないため、自分にも相手にも厳しくなってしまいます。人によっては、配慮にかける人だと思われてしまうことがあるので、他人に100%の成果を求めてしまう人は注意が必要です。

視野を広げる「寛容思考法」
完璧主義を和らげるためには、相手の立場になって考えることが大切です。そこでコラムでは相手にきつく当たってしまう癖を減らして、円滑な関係を築く「寛容思考法」を練習します。相手へのミスが気になり、配慮ができない・・・という方はコラム②をチェックしてみてくださいね。今まで気づけなかった認知の偏りに気づくことで少しづつ相手を受け入れられるようになるでしょう!

配慮で豊がな人間関係を構築しよう

配慮ができない原因としては、「自己犠牲への不安」「言葉が足りない」「完璧主義」の3つが大きくかかわっていると考えられます。次回以降は、配慮の力を高める方法について解説していきます。

相手の気持ちを察して行動できるようになると、ビジネスや恋愛などさまざまなコミュニケーションシーンで周りから信頼されるようになります。ぜひ、3つの原因への対処法を身に付けて配慮の力を育て見てください。

次回は、配慮の力を高める1つ目の方法「限界設定」について解説します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★配慮の力を高めるには3つ原因を解決することが大切!
心理学講座
 



相手の気持ちを察して行動しよう