>
>
>
人間関係に疲れた時の対処法-仕事や転職

職場の人間関係に疲れた状態を改善する方法

はじめまして!公認心理師の川島です。今回は
「人間関係に疲れた」
がテーマです。

目次は以下の通りです。

  • 職場の悩みNO.1は? 
  • 疲れやすい人の特徴 
  • 悩みは3つの要因から 
  • 難易度別!12の人間関係改善術

はじめに

皆さんはこんなお悩みを抱えていませんか?

・職場の人間関係に疲れる 
・職場での行き違いが多い 
・言いたいことが言えない

などの不自由でストレスフルな状況に陥ってしまうかもしれません。場合によっては・・・うつ病や定期応障害などの精神疾患に発展する恐れもあります。

そこで、今回は職場の人間関係で疲れる時の原因と対処法を心理学的な見地からご説明していきます。

人間関係は職場の悩みNO.1

まずは職場の人間関係の悩みの現状について把握しておきましょう。

厚生労働省(平成24年)の「労働者健康状況調査」では、仕事や職業生活に関する以下の3つについて、ストレスの有無や労働者の割合を調べました。

・強い不安
・悩み
・ストレス

その結果が以下のグラフです。

職場のストレスは人間関係の問題が最も多い

上記の内容で最も多かったのは「職場の人間関係の問題」(41.3%)であることが分かります。

つまり、ストレスを抱える人の多くが、職場で人間関係の悩みを抱えていることが推測できます。人間関係を良好に保てない事が大きなストレスとなり、メンタルヘルスに悪影響を与えてしまうのです。

人間関係で疲れる原因

では、なぜ職場の人間関係で疲れる人が多いのでしょうか。人間関係でのストレス要因は、主に以下の3つがあります。

それぞれ人間関係が疲れやすい要因を整理しています。気になる項目を展開してみてください。

①心理学的要因 
②生理学的要因 
③社会的要因 

人間関係の疲れは、3つの要因が複合的に重なり引き起こされます。

人間関係の疲れが生じる背景

それぞれの問題について、詳しく見ていきましょう。

心理的要因とは、心によって引き起こされる要因を意味しています。感情や思考などメンタルへルスの悪化によって人間関係の疲れにつながるのです。

公的自己意識が強い

周囲に気遣いしすぎると、人間関係で疲れやすくなります。

「人からどう見られているのだろう?」など、周囲の目を気にする意識を「公的自己意識」といいます。人間関係で疲れやすい人は、公的自己意識が強い傾向にあります。

他人の目を気にする人ほど、公的自己意識が高く、私的自己意識が低いことが分かっています(堀井、2001)。私的自己意識は、「自分がどうありたいか」を大切にする姿勢です。

上の図は女子の結果ですが、男子でも同様の結果が報告されています。このように、他者の目を気にしすぎると、人間関係で疲れることが多くなります。

失敗過敏

失敗に敏感すぎると、人間関係で疲れやすくなります。

失敗過敏は人間関係で疲れやすい失敗してはならない…という考え方を「消極的完璧主義」と呼ぶことがあります。「人間関係での失敗は許されない…」という意識が、100%を求める位まで強い方は要注意です。

ソーシャルスキル不足

会話力が低いと、人間関係で疲れやすくなります。国立国語研究所の統計によると、1日の会話量の平均は6時間という結果になっています。

f:id:direct-comm:20180520151705p:plainそして内訳は、雑談が60%を占めているのです。人間関係のストレスを改善するうえで、雑談力はポイントといえそうです。f:id:direct-comm:20180520151915p:plain

心理学の世界では、とりとめない会話のことを「ソーシャル・スキル(Social Skill)」といいます。このスキルが低下していると、対人関係の60%は上手く振る舞うことができず、人間関係で疲れることが多くなります。

生理的要因とは、体によって引き起こされる要因を意味しています。遺伝や健康の悪化によって、人間関係の疲れにつながるのです。

緊張しやすい傾向

人間関係で疲れやすい人は、緊張しやすい傾向にあります。

センら(2004)は、緊張に関わる「S遺伝子」と「L遺伝子」について研究をしました。その結果、日本人はSS型とSL型に分類される割合が多いことが分かりました。

「S遺伝子」は、心身の安定に必要なホルモン分泌に影響を及ぼし、多極にある「L遺伝子」は、緊張しないという性質があります。

つまり日本人にとって、緊張は身近な気質なようです。しかし緊張による疲れが悪化すると、社交不安障害になる可能性もあるため要注意です。           

HSP

職場の人間関係で疲れやすい人は、HSPの可能性があります。人間関係の疲れはHSPが原因HSPは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)という用語を訳した言葉(Aron&Aron,1997)です。

HSPの人は、「大きな音に不快になる」「些細な言葉に傷つきやすい」「映画などの登場人物に感情移入しやすい」など、いろいろな事を感じすぎるため人間関係で疲れやすくなるのです。

HSPについて、より詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
・HSPとは?
・敏感さの問題と原因
・症状を緩和!適応法と対処法
HSPとは?症状や特徴、敏感さの原因と対処法

社会的要因とは、周りの状況や文化的背景によって引き起こされる要因を意味しています。日本人がアメリカで働くと最初の数年は文化の違いから疲れやすくなります。

その他、職場環境の悪化から人間関係で疲れることが多くなるなどがあります。

ソーシャルサポートが不足 

人間関係で疲れやすい人は、ソーシャルサポートが不足しているかしれません。

家族・友人・会社の同僚・専門家の援助など、自分の周囲で支援してくれる人やものを、ソーシャルサポートといいます。

細田ら(2009)が、中学生305名を対象に、ソーシャルサポートと自己肯定感の関連を調べた調査では、周囲からの気持ちの支援が自己肯定感を強めることが分かりました。

またその他にも、心理面へのプラスの働きがある事が分かっており、ソーシャルサポートは人間関係でのストレス軽減にとても有効です。

本音が言えない環境

人間関係で疲れやすい人は、本音が言える環境が不足しているかもしれません。

松永ら(2008)は「本音、気遣い、うわべ」と様々な心理的な指標について調査を行いましました。

以下は「対人的信頼(周囲に対する信頼感)」との関係です。「本音群」が最も高く、特に「うわべ群」とは差が開いていることが分かります。


つまり、本音が言える環境は、周囲との信頼を高めることができるため、人間関係でのストレスが軽減できるのです。

 

人間関係で疲れない12の方法

ここから職場の人間関係で疲れない方法をご紹介していきます。具体的には以下の12個を提案させて頂きます。

①会話を2割サボる
②一人の時間を作る
③何気ない雑談を大事に
④感謝できる部分を考える
⑤適度に割り切る
⑥相手の期待値を下げる
⑦共感しすぎない
⑧過剰な気遣いを止める
⑨YESマンを辞める
⑩緩いコミュニティに所属
⑪悩み相談で回復
⑫転職する

職場の人間関係の対象法となると、すぐできるものと実行しづらいものがあります。そこで、今回は難易度別にご紹介していきます。

①会話を2割サボる 難易度★

通勤時間やランチタイムなど常に「雑談しなきゃ!」と考えるのは疲れる原因です。職場での休憩時間に周りの人に「何か話しかけないと…」と自分のプレッシャーをかけると気が休まりません。

しかし、全く話さないと今度は、風通しが悪くなり逆に疲れ感じやすくなります。そこで、会話は2割をサボる!意識してみましょう。2割適度であれば、そこまで印象も悪くなりません。

10回雑談の機会があったら、その内の2回は消極的になっても良いのです。

②一人の時間を作る 難易度★

人と接している時間が多すぎると、気が休まる時間がありません。そこで、意識して一人の時間を作るようにしてみましょう。例えば、

・ひとりランチをする
・ひとりで帰る
・休日を1人で過ごす

などです。たまには上記のような時間も必要です。身体には「睡眠」という休息が必要なように、対人関係も一人で気を休める時間が必要なのです。

③何気ない雑談を大事に 難易度★

雑談が全くない職場は堅苦しくストレスが溜まりやすくなります。以下の雑談を大切にするのとしないのとでは以下のような違いがあります。

雑談のない職場
・周りの人と打ち解けにくい
・表面的な会話がばかり
・自由に振る舞えない

雑談のある職場
・職場の人間関係が充実
・風通しが良くなる
・自由に振舞うことができる

このように、雑談のある職場の方が人間関係で疲れることは少なくなるのです。ストレスの少ない職場環境にするためにも積極的に雑談を行っていきましょう。

雑談力を高めたいという方は下記のコラムをご覧ください。

雑談力が上がる話し方を身に付けよう

④感謝できる部分を考える 難易度★

職場の人たちに対して、常に不満を抱いていると疲れやすくなります。相手のネガティブな部分に目が行きやすくなり、その分ストレスも溜まってしまいます。

もちろん、問題意識を持つことは大切ですが、現状で自分が周りのたちから恩恵を受けている部分もあるはずです。そこで、職場の人たちの感謝できる部分に目を向けていきましょう。例えば、

・上司のおかげで成長できている
・〇〇さんが仕事を手伝ってくれた
・同僚は辛い時に話しを聞いてくれる

などです。このように感謝することで、今はある対人関係のいい部分に気づくことができ、人間関係の疲れを緩和することができます。

感謝の気持ちを考える方法をより深く知りたい方は下記をご覧ください。

感謝の気持ちを考える

⑤適度に割り切る 難易度★★

自分と他人は全く別の人間です。そのため、いくら自分が頑張っても相手が理想通りの対応してくれないことがあります。つまり、相手を完全コントロールをすることは不可能なのです。そのため、

・出来るだけのことはやる!
・あとは相手次第!

という感じである程度割り切ることで、人間関係で疲れることが少なくなっていきます。

完全に相手に自分の思い通りの行動を取ってもらおうとするのではなく、人間関係とはうまくいかないもの…と達観することも大切です。

⑥相手への期待値を下げる 難易度★★

相手の期待が大きいほど、それが満たされなかった時に怒りの感情を抱いてしまいます。以下の図は、期待値とイライラの関係を数値で表したものです。

アンガーマネジメント

このように、期待値「50」を下回ると人は相手にイライラし、人間関係で疲れを感じてしまうのです。そこで、まずは周りに対する期待値を下げることで、人間関係での疲れを改善していきましょう。

⑦共感しすぎないようにする 難易度★★

常に同僚の愚痴を聞かされている場合は注意が必要です。必要以上に共感してしまうと、ネガティブな感情に影響され、無駄にエネルギーを消耗してしまいます。

こうした状態は心理学で「過剰適応」と呼ぶことがあります。

そこで、

・相手の考えとして聞き流す
・自分ごととして捉えない
・自分のやるべきことに集中する

など時には共感を切ることも大切です。するとネガティブな感情に影響されず、職場の人間関係で疲れることがなくなっていきます。

過剰適応から逃れる方法をより深く知りたい方は下記をご覧ください。

過剰適応とは?症状や職場での問題

⑧過剰な気遣いを止める 難易度★★

上司や周りの人の顔色を伺いすぎていると、どうしても気疲れしやすいです。自分の行動に制限をかけてしまい、身動き取りにくくなってしまいます。

また、良かれと思ってやった行動が必ずしも相手に受け入れられるとは限りません。気遣いをしたのに怒られる…なんてことになっては人間関係で疲れることは必至です。

そこで、

・相手の挙動を気にしない
・無理に配慮しない
・求められていないことをしない

など気遣いしすぎない心がけが大切です。現状で職場の人間関係で疲れているのであれば、相手への気遣いはほどほどにして、自分への気遣いを増やすようにしましょう。

気遣いしない方法をより深く知りたい方は下記をご覧ください

人の目を気にしない方法

⑨YESマンを辞める 難易度★★★

常に周りに流されている感覚があり、自分が自分でないように感じている人は、人間関係で疲れることが多いと言えます。普段からYESマンになってしまうと、以下のような状況に陥ってしまいます。

・成果を挙げた場合
自分に支持を出したあの人はすごい

・失敗した場合
自分はダメだと自己否定に陥る、または指示を出した人に責任を押し付ける

つまり、成功しても失敗しても、自分を肯定することがなくなってしまいます。

そこで重要なのは「アサーティブ」という考え方です。これは自他尊重のコミュニケーションとよばれ、自分も相手と同じぐらい主張する権利があるという考えがあります

つまり、相手の話しを聞き入れたら、今度はしっかりと自分の考えを主張することで、円滑な関係性を築いていくのです。

アサーティブについてより深く知りたい方は下記をご覧ください。

アサーティブとは

⑩緩いコミュニティに所属 難易度★★★

職場の人間関係で疲れる場合、職場以外のコミュニティを充実させることが大切です。職場の人間関係だけしかない人は、依存的になってしまい、自由な振る舞いができません。

一方で、
・趣味のサークル
・大学の友人
・幼なじみ

など様々なコミュニティに所属していれば、仮に職場の人間関係が悪くでも心は安定していられます。肩の力を抜いて参加できるコミュニティを増やすことは人間関係の疲れを癒してくれるのです。

緩いコミュ二ティに参加する方法をより深く知りたい方は下記をご覧ください。

コミュニティの意味とは-探す方法

⑪悩み相談で回復 難易度★★★

職場の人間関係で疲れた時、悩みをひとりで抱え込んでしまう人は要注意です。誰にも相談できず、毎日その状態をじっと我慢することは人間関係での疲れを増幅してしまう可能性があります。

そこで、ソーシャルサポートを得ることか大切です。ソーシャルサポートとは、簡単に言えば、「周りからの支援のこと」です。つまり、悩み抱えている時に、

・相談に乗ってもらう
・励ましてもらう
・背中を押してもらう

ことで精神的なストレスを緩和することができるのです。職場の人間関係で疲れる人はソーシャルサポートを増やすことをお勧めします。

ソーシャルサポートの効果・得る方法をより深く知りたい方は下記をご覧ください。

ソーシャルサポートとは?心理学の定義

⑫転職する 難易度★★★

最終手段として、職場を変えることも1つの方法です。ここまでご紹介してきた方法を使っても、改善が見込めない場合は、転職で突破口が見出せるかもしれません。

また、以下のような状況であれば、早めに現在の職場に見切りをつけた方が良いでしょう。

・パワハラを受けている
・セクハラが横行している
・残業が多く健康を害する

もちろん、転職した先が今よりも良い環境である保証はありません。しかし、対処しようのない環境に身を置き続けても、人間関係での疲れは溜まる一方です。

そこで、どうしようも無い場合は、転職するという選択肢も視野に入れておくと良いでしょう。

職場 人間関係 疲れた時

まとめ+お知らせ

まとめ

職場の人間関係で疲れていると、仕事に身が入らずミスも多くなってしまうかもしれません。その結果、さらに険悪なムードになり、職場環境が悪くなるという悪循環に陥る可能性もあります。

まずは3つの要因のどの部分に自分が当てはまるのかを考えて対策をしていきましょう。また、最終的には転職すればOK!柔軟に考えることで、少し気が楽になることもあります。

お知らせ

もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・アサーティブコミュニケーション
・傾聴力をつける練習
・共感力トレーニング
・暖かい人間関係を築くコツ

など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。ぜひお待ちしています。

人間関係講座

助け合い掲示板

コメントを残す

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

*出典・参考資料
斉藤雅茂 , 近藤勝則 , 尾島俊之 ほか ( 2015 ) 「健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討 10年間のAGESコホートより」, 日本公衛誌3(62),p95-105.
・厚生労働省 2013 平成24年労働者健康状況調査結果の概況
平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 生活環境と個性が友人数に与える影響(内閣府))http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/thinking/h25/pdf/b3_3.pdf
末田清子・福田浩子(2003) 「コミュニケーション学―その展望と視点」P142
目白大学大学院 現代心理学専攻 川島達史 2013 修士論文
Kabat-Zinn, J. (1994). Wherever you go, there you are: Mindfulness meditation in everyday life. New York: Hyperion Books.
河津ら(2012)スポーツチームにおける集団効力感とチームパフォーマンスの関係の種目間検討
中学生におけるソーシャルサポートと自他への肯定感に関する研究 細田 絢,田嶌 誠一 2009 年 57 巻 3 号 p. 309-323