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判断力がある人になる,8つのトレーニング法

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判断力が低下している,鍛える方法

皆さんこんにちは。現役経営者,公認心理師の川島達史です。私はこちらのビジネスコミュ力講座を開催しています。当コラムのテーマは「判断力を鍛える」です。

説得力を高める

私は会社を17年経営し、一度も倒産することなく、乗り越えてきました。当コラムでは、心理学の専門的な知識と、現役経営者としての経験をもとに、判断力を鍛える8の方法をお伝えします。目次は以下の通りです。

①リターンとリスクの比較が基本
②期待値を計算する
③利益確定の誘惑に注意
④損失回避,一発逆転の誘惑に注意
⑤決断に期限を設定
⑥うまくいくイメージを持つ
⑦レベルが高い場所で戦う
⑧判断ミスに寛容になろう

採用できそうなものをぜひ参考にしてみてください。

 

判断力を鍛える8つの方法

①リターンとリスクの比較が基本

判断力のある人は「リターン」「リスク」を比較し、バランスよく判断していきます。断片的な自分の都合のいい情報を見るのではなく、俯瞰することで、正しい選択をしていくのです。例えば「転職する場合」で考えてみましょう。

リターン
自分が興味のある仕事ができる
新しい技術を学ぶことができる
副業OKなのでYoutube活動ができる

リスク
労働環境が悪くなるかも…
最初は年収が低くなるからな…
通勤片道1時間もかかる…

このようにデメリットだけを見る人は、マイナスな結果ばかりに注目して現状維持の判断を行いがちです。メリットを見流しているため、チャンスを逃したり、新しい可能性に気が付かなくなってしまいます。

このように、メリットデメリットのバランスを見る人は、盲点が少なくなります。その結果、自分の希望に適した判断が下せるようになるのです。

②期待値を計算する

期待値計算の技術は判断力の向上に役立ちます。期待値とは「確率を考慮した平均値」のことを言います。例えば、「宝くじを引くのが損か得か」を判断する場合で説明します。以下の宝くじがあったとしましょう。

1回引くのに100万かかる
1/20の確率で1000万円当たる
1/10の確率で20万円当たる

このくじを引くのは得でしょうか?損でしょうか?期待値を計算する時は、貰える金額に確率をかけていきます。

すると、ぞれぞれ、50万円と2万円という結果になります。この2つの結果を足すと、宝くじを引く期待値が算出できます。以下の図は期待値計算の式を表したものです。

1回100万円の宝くじなので、100万円払って、52万円の期待値という計算になります。つまり、宝くじを引くべきではないという判断ができますね。

現実のビジネス場面ではこのように明確に確率を計算できるものではありません。しかし、期待値の考え方ができる方は、バランスの良い意思決定がしやすくなります。

 

判断力を鍛えよう

 

③利益確定の誘惑に注意

行動経済学においては、人間は、利益を確定したがる傾向があることがわかっています。トベルスキーとカーネマン1981年に行った、有名な実験があります。実験では参加者に対して以下の質問がなげかけられました。

質問
600人を死に至らしめると予想される特殊なアジアの病気が発生したとします。この病気を治すために2種類の治療法が提案されました。どちらの治療法を選びますか。

リフレーミング効果の実験

みなさんなら、A・Bどちらの治療法をえらびますか。実験の結果は、治療法Aが72%、治療法Bが28%でした。

リフレーミング効果の実験結果

治療法Aは「確実に救う」というのがポイントとなります。人間は決断を求められると利益を確定させたいと思う心理が働くのです。

一方でこの利益確定型には、落とし穴があります。それは、期待値が高いにも関わらず、早めに利益を確定してしまうということです。

先程の宝くじの例で言えば、期待値が高い場合は、投資をした方がいいにも関わらず、目先の利益確定に惑わされて、小さな利益で確定してしまうのです。判断力をつけるには「利益確定の誘惑の罠」に気を付けてなくてはなりません。

 

④損失回避,一発逆転の誘惑に注意

人間は利益を確定させたい心理が働く一方で、損失が確定してしまう行動を避ける心理も働きます。この心理を損失確定型といいます。先ほどの実験では、伝え方を変えた質問をしています。

質問
600人を死に至らしめると予想される特殊なアジアの病気が発生したとします。この病気を治すために2種類の治療法が提案されました。どちらの治療法を選びますか。

治療法の内容が変わっています。実験の回答は、治療法Aが22%、治療法Bが78%でした。

ポジティブな面を強調するか、ネガティブな面を強調するかで、印象は大きく変わるのです。

改めて選択肢の内容と結果を比較してみましょう。内容は一緒ですが、表現の仕方を変えることで選択肢の印象が変わり結果が大きく変わっています。

リフレーミング効果の実験結果

このように、同じ状況でも選択肢の表現次第で意思決定が変わってしまうことをフレーミング効果といいます。印象操作されない判断をしたい…という方は、以下のコラムをご覧ください。

意思決定の理論,リフレーミング効果

 

⑤決断に期限を設定

判断力がない人は、1つの決断にいつまでも悩んでしまいます。気がつけば、1週間、2週間と時間が過ぎ去ってしまい、検証する機会を失います。これでは判断力がつきません。

一方で判断力がある方は、ある程度考えたら、さっさと行動してしまい、結果を検証していきます。失敗、成功に限らず、情報を得ることができるので、その情報を元に、より質の高い判断ができるようになっていきます。大事なことは決断に期限を設けることです。

あと10分で決めよう
今日の8時が決断の期限だ
8月21日を最終期限とする

このように具体的な数字を使うことをおすすめします。判断力は、決断の数と正比例して鍛えることがあります。決断に期限を設定して、決断数を増やすことを意識しましょう。決断力が不足している…と感じる方は以下のコラムも参照ください。

決断力,納期法

 

⑥うまくいくイメージを持つ

判断力が低い方は、失敗を過剰に意識してしまう傾向にあります。最善の判断しようとするあまり、失敗を極度に恐れてしまうのです。

実は、失敗に意識が向きすぎると、本当に失敗しやすくなってしまうことが分かっています。これは「ワレンダ要因」と言われています。

失敗を極度に意識する
→考え方が堅くなる 緊張しやすくなる 身体が堅くなる
→本来の力が発揮できない
→失敗しやすくなる

という悪い流れが生まれてしまうのです。そして、失敗確率が上がってしまうため、結果的に自分の判断は間違っていた…と後悔しやすくなります。

大事なことは、失敗してもある程度はOk、失敗よりもうまくいくことを考えよう、と前向きに考えることです。その結果、考え方がほぐれ、リラックスして、チャレンジすることができるのです。

挑戦しようとすると、失敗する感覚が増える…と感じる方は以下のコラムを参照ください。

失敗が怖いコラム

 

⑦レベルが高い場所で戦う

判断力は、レベルが高い環境ほどどついて行きます。徳永(2001)はスポーツ選手を対象にした、心理的競技能力について調査を行いました。その結果、市町村大会の選手に比べて、全国大会に出る選手の方が、判断力があるという結果が出ています。

スポーツ選手に対する心理的競技能力と判断力

このような結果が出るのは、「全国大会」という高いレベルで切磋琢磨することで、選手の方が多くが、より高度な経験を積んでいることが挙げられます。ビジネスにおいても、周りのレベルが高いと判断力が向上していくと考えられます。

 

⑧判断ミスに寛容になろう

レベルが高い場所では、必然的に判断ミスをしやすくなります。もし判断ミスをしてしまったら、自分自身を奮い立たせる言葉を用意しておきましょう。

ここで私が好きなエジソンの話を紹介したいと思います。エジソンは学生時代、牧師から「何を勉強させても愚かだ!」と言われ、若いころには2つの仕事で解雇をされています。そんなエジソンですが、電球を発明し、世界に明かりをもたらしました。エジソンはインタビューでは次のように述べています。

 私は1000回の失敗をしたのではない!1000のステップを踏んだのだ!

エジソンでさえ失敗しまくっているのです。私たちがチャレンジして少々失敗したところでエジソンに言わせれば、1つの経験を積んでいると言えるかもしれません。失敗が恐くて判断できない…という時には、

失敗してもそれは経験になる。その経験は未来の判断力の向上に役立つ。だから逃げずにチャレンジしてみよう!

と心の中で呟いてみてください。きっと勇気が湧いてくると思います。

 

エジソン失敗,回避癖

 

まとめ

社会人にとって判断力は必須のスキルです。正しい判断ができるようになると、「プレゼン」「企画」「部下への指示」など、様々なビジネスシーンで、成果が出やすくなります。皆さんの判断力が向上し、仕事で成果を出されることを切に願っています!応援しています!

 

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現役経営者,公認心理師の元でビジネスコミュ力を磨きたい方は、私たちが開催している講座をオススメしています。講座では

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
徳永幹雄(2001) スポーツ選手に対する心理的競技能力の評価尺度の開発とシステム化
健康科学 23, 91-102