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束縛する彼氏,夫の心理と対処法

束縛する彼氏,夫の心理と対処法①

こんにちは!公認心理師の川島です。
今回のテーマは
「束縛される」
です。

 

はじめに

・彼氏,夫の束縛が厳しい
・自分の意見を言えない
・彼氏,夫に従順してしまう

束縛がツライけれど、彼氏・夫のことが好き・・・こんな状態で葛藤してはいませんか?好きな人であるほど、関係性が壊れるのが怖く、束縛が厳しい!とはなかなか伝えにくいですよね。。

しかし、自分を抑え込み、過剰に誰かに合わせようとすると、束縛はエスカレートするばかりです。最悪の場合、大好きだった人がストーカーになってしまうリスクもあります。

そこで当コラムでは以下の流れで解説をしていきます。

束縛する人の心理の理解と対策をしっかり考えていきます。是非最後までご一読ください。

束縛されやすい女性とは?

束縛されるのは圧倒的に女性

私はこれまでたくさんの方のカウンセリングをしてきましたが、束縛が辛い…という悩みを抱える人は女性がほとんどでした。

以下の図は月間のキーワード検索数を表示してくれるツールの結果をグラフ化したものです。

束縛 彼氏

図のように「束縛 彼氏」での検索回数は月に6600回あります。「束縛 彼女」での検索回数は月に1000回になります。数字だけを見ると、束縛で悩む女性は、男性の6倍以上も多いことが考えられるのです。

束縛されやすい女性心理

束縛の問題については、される側、する側どちらの心理状態も大事になってきます。まずはされる側の特徴を考えていきます。以下折りたたんで解説をしたので、ぜひ理解を深めてください。

風間(2015)が大学生260名を対象に「自己抑制」について調査を行いました。その結果が以下の図です。

この図から読み取れるのは抑うつ傾向があると、自己抑制をしやすくなるという事です。抑うつとはざっくりというと、元気がないという状態になります。

すなわち心理的に元気がない人は、自分の意見を言う気力がなくなり、相手の意見を受け入れやすくなってしまうと考えられます。

前田ら(2007)の研究では福祉系大学生290名を対象に、心理的調査を行いました。その結果の一部が以下となります。

このように、抑うつ傾向があると、自己犠牲的になってしまうことがわかります。心理的に元気がない状態だと、相手に反抗する気力がなくなり、自分をないがしろにしてしまう可能性が出てくるので注意が必要です。

 

束縛彼氏・夫の心理

束縛はどのような心理状態で発生するのでしょうか。彼氏や夫があなたの自由を制限するのには、実は心理的な「理由」があるのです。是非理解を深めてください。

束縛が激しい彼氏は、「見捨てられ不安」という状態に当てはまる可能性があります。これは、アメリカ心理学会の精神疾患診断の「境界性パーソナリティ障害」の診断基準の1つに設定されている構成概念です。

正式には、

「現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとするなりふりかまわぬ努力」

と定義されています。つまり、「いつかは自分から離れてしまう、彼女から人から見捨てられるのではないか」という不安から過度に相手を束縛したり、好意を確認することを意味しています。

見捨てられ不安を解消して孤独感を緩和する

見捨てられ不安の主な原因は、幼少期での育ち方や環境、愛着などから挙げられます。愛着とは、成長の中でつくられる情緒的な感情のことです。

もう少し噛み砕くと、「安心感」「愛情」といった落ち着きをつくる感情のことをいいます。これらの感情が適切に、芽生えていると束縛することが少なくなります。

詳しくは以下のコラムを参照ください。

見捨てられ不安とは何か?

愛着不安は、育ての親と愛情を持った関係を持てなかったために、心理面で様々な問題を抱える傾向です。大人の愛着スタイルは以下の4つのタイプに分類されます。(中尾,加藤2004を参考に記述)。

このうち束縛する彼氏,夫の心理の状態は、「見捨てられ不安型」に該当すると考えられます。人と関係を築くことにはアクティブなものの、見捨てられ不安を持ちやすいタイプです。親密な関係を保ちたいと強く願い、相手にしがみついてしまいます。

相手からどう評価されるかをとても気にしており、拒否されたり、見捨てられることを過剰に心配しています。自分自身も疲れてしまいますし、相手にとっても負担に感じられることが多々あります。

詳しくは下記のコラムを参照ください。

愛着障害の意味とは?

 

彼氏・夫への対処法

ここからは、束縛への対処法について考えていきます。以下使えそうな対策を5つ提案させて頂きます。

・自分を大事にする決意
・アイメッセージで伝える
・限界設定をする
・底つき感を覚悟
・助けを求める

ご自身の状況に合いそうなものをぜひ参考にしてみてください。

自分を大事にする決意

まず初めにすることは、自分を大事にする決意をしっかり固めることです。束縛に耐えてしまう方の多くは、「こんな自分を好きになってくれるんだから我慢しなくては…」という心理状況の方が多いです。

しかし、あなたは一度しかない人生で、あなた自身の人生を大事にしなくてはなりません。まずは自分を守るんだ!という決意を固めてください。

どうしても自分を大事にできない…という方は以下のコラムを参照ください。

アサーティブコミュにケーションコラム

アイメッセージで伝える

束縛を解除するためには「アサーション」に自分の気持ちを伝えていくことが大切です。このアサーションの分野で、頻繁に活用されるのがアイメッセージです。

相手に気持ちを伝える時に「私は…」を主語にしたメッセージを使っていく方法です。例えば、以下のような表現がよく使われます。

・(私は)もう少し自由になりたい
・(私は)そう言われると悲しい
・(私は)そう言われて辛かった

重要なのは、主語を「私」にすることです。主語を私にすることで、相手のテリトリーを守りつつ、柔らかい表現ができるようになります。詳しくは以下のコラムを参照ください。

アイメッセージの使い方

限界設定をする

限界設定とは「自分には、ここまでは適応するけど、ここから先は適応をしない」という基準の部分になります。この部分をハッキリさせておくと、自分ができる範囲内で付き合うことができるので、束縛に苦しむことも少なくなります。

限界設定をする

底つき感を覚悟

いままで束縛されていた関係を終わりにすると宣言すると、相手は大概の場合パニックになります。場合によっては自暴自棄な言動があるかもしれません。

しかし、ここで情けをかけて元通りに関係を続けると、自分にとっても相手にとってもマイナスの結果になってしまいます。

大事なことは、辛い気持ちが底をつくまで我慢することです。人間は大概の場合は、底をつくと精神的に立ち直っていくものです。ダメなものはダメ!という意識をもって、相手の底つきを待ち、そして成長していく姿を期待しましょう。

助けを求める

束縛をされているときは、相手は関係性を閉鎖的にしようと努力をしてきます。しかし、2人だけの関係はとても危険です。

自分以外の第三者を登場させることで、あなたの身の危険もぐっと確保されやすくなります。積極的にソーシャルサポートをもらうようにしましょう。

ソーシャルサポートの受け方とは

お知らせ

お知らせ

公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学や人間関係のスキルを学びたい方は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・人間関係の問題への対処法
・主張訓練
・傾聴トレーニング
・発話トレーニング

など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。ぜひお待ちしています。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
風間惇希 2015 大学生における過剰適応と抑うつの関連 青年心理学研究 27(1), 23-38
中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣
前田 直樹 長友 真実 田中 陽子 三浦 宏子(2007)福祉系大学生における共依存と心理的健康 九州保健福祉大学研究紀要 (8), 79-87, 2007-03 九州保健福祉大学
斎藤ら(2009)青年期における見捨てられ不安と愛着の関連性 千里金蘭大学紀要 6, 35-41