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心理的な特徴と付き合い方のコツ

デリカシーがないの心理的な特徴!付き合い方のコツを解説①

はじめまして!精神保健福祉士の川島です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

今回は「デリカシーがない」についてお話していきます。目次は以下の通りです。

  • 語源や意味
  • デリカシーがない特徴
  • Dark Triadとは
  • 自己愛性人格障害
  • ポライトネス理論とは
  • 3つの対処法

デリカシーとは何か?語源や意味

皆さんはデリカシーがない人と聞いて、どのようなイメージが浮かびますか?おそらく、「気遣いができない」「配慮が足りない」というワードを思い浮かべるかもしれません。それでは、実際にはどのような意味があるのでしょうか。

・大辞林の定義
大辞林 第三版によればデリカシーは以下のような意味になります。

”デリカシー【delicacy】
感覚・感情などのこまやかさ。繊細さ。微妙さ。”

つまり、物事を敏感に感じることができない人が「デリカシーのない人」と言えるでしょう。確かに、女性の気持ちを察することができない男性に対して使われる印象があります。

・デリカシーの語源
デリカシーは「デリケート(delicate)」が元となる言葉で、語源はラテン語で「うっとりさせるような」という意味の言葉です。そのほか、「上品な」「精密な」「壊れやすい」「扱いにくい」などの意味にもなります。

ヨーロッパにあるような微細な彫刻が施された建築物イメージすると分かりやすいですね。細かい彫刻は雑に扱うと傷がついたり、破損しそうな感じがします。

こうした、繊細なものを感じ取り、壊れないようにそっと扱おうとする気持ちを「デリカシー」と呼ぶようになったのです。

なぜあの人はデリカシーがないのか

もしかすると、皆さんの周りに「デリカシーがない」と感じる人がいるのではないでしょうか。その人は平気で傷つくこと言葉を口にしたり、人の私物を雑に扱ったりすることもあるかもしれません。こうした行動を取る心理として、大きく3つの特性が関わっています。

①Dark Triadとは

デリカシーがないに近い概念として、心理学の視点から“Dark Triad”という概念をお伝えしたいと思います。Dark Triadとは、社会的に好ましくない性格傾向をもつ人を意味します。具体的には以下の3つの傾向を持つと言われています。

・サイコパシー傾向
相手の気持ちがわからない傾向が顕著

・ナルシシズム傾向
自己愛が過剰に強い傾向にある

・マキャベリアニズム傾向
目的を達成のために、冷徹に人を操作する

喜入(2016)は大学生70名に質問紙による調査を行ったところ、Dark Triad傾向は、協調性および誠実性との関連が示されました。その結果、サイコパシー傾向との負の関連が強いことが分かりました。

上図はサイコパシー傾向が高いほど誠実性と協調性が低くく、デリカシーがない行動を取りやすいことを表しています。これら3つのパーソナリティに共通する点としては、他人に対して冷淡なところがあり、自分の思う通りに他者を操作しようとする傾向があります。Dark Triadの特徴を持つ人は

・他者への共感力が低く
・搾取性の高い傾向がある
・多数の異性と付き合うを
・遊び的な恋愛をする

などの行動傾向を共通して持つことが示されています。(e.g., Jonason, Li, Webster, & Schmitt, 2009)。デリカシーがない人はこれらの性格特性があるかもしれません。

不誠実な人の特徴とは?

②自己愛性人格障害

自己愛性人格障害とは、ありのままの自分を愛することができず、自分は偉大で特別な存在でなければならないと思い込む人格障害の1つです。他人に対して冷徹になり、デリカシーがない言動をすることがあります。

メイヨクリニック(2017)によると、自己愛性パーソナリティ障害の主な症状として以下のものを挙げています。

・権力、成功、自己の魅力を空想
・業績や才能を周りに言いふらす
・自分は特別だという信念に従って行動
・人の感情や感覚を認識しそこなう
・人が自分のアイデアに従うことを期待
・他人から嫉妬されていると思い込む

このように、自己愛性人格障害の人は自分が称賛されることを期待する一方で、他人に対する共感能力は欠けていることがあります。デリカシーがない人は自己愛が強いあまり、周りの人に関心がなくなっている可能性があります。

自己愛性人格障害の2パターン

これまでの心理学的な研究によって、自己愛性人格障害は2つタイプがあることが分かっています。グレン・ギャバードの著書『精神力動的精神医学—その臨床実践「DSM‐IV版」(3)臨床編:II 軸障害』では、自己愛性人格障害は以下の2つのタイプに分けられています。

デリカシーがない 自己愛

上記のように大きく分けて、自己愛が強すぎて他人に無頓着になるタイプと、逆に相手にどう思われるか気にするタイプの2つがあるのですね。デリカシーのない方は場合によってはこれらの人格障害を持っている方も1部いらっしゃいます。

③ポライトネス理論

デリカシーがない人かあるかは「文化の違い」も大きな原因です。心理学には「ポライトネス理論」というものがあります。ポライトネス理論とは、丁寧さのさじ加減を考えていく理論です。日本語に礼も過ぎれば無礼になるという諺がありますね。

これはあまりに丁寧すぎると逆に仲良くなれないという意味が含まれていますが、そのようなことを考えていくのがポライトネス理論になるのです。ポライトネス理論においては以下の2つのタイプ分けをしていきます。皆さんはどちらに当てはまるでしょうか?

・コミュニケーションを丁寧にしたい方
敬語や謙譲語に敏感で1つ1つの言葉のマナーにとてもこだわります。

・腹を割ってコミュニケーションをしたい型
ざっくばらんなやり取りが好きな方は、敬語や謙譲語などあまり気にしません。距離を縮めるために「あえて敬語を使わない」といった振る舞いをすることもあります。

例えば、同じ「ひざかっくん」を受けたとしても、文化の違いでコミュニケーションのやり方が変わってくることがあります。

関東の人
「やめてよ~笑」

関西人
「死ね!!笑」

 

この時、関東人がもし、関西人から「死ね!!笑」と言われると、デリカシーがないと映ります。こうした、文化のギャップがデリカシーのなさにつながっている可能性があります。デリカシーがないな・・・と感じる方は基本的に、丁寧なコミュニケーションを好む傾向があるのです。

デリカシーがない

デリカシーがない人への対応策3つ

ここからは、デリカシーがない人への具体的な対応策を見ていきましょう。対応策は大きく分けると3つあります。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①アサーションで伝える

自己主張できない
デリカシーがない言動に対して、「やめてほしい」と自己主張しないと、相手の振る舞いは変わりません。自分の意見を押し込めると、ずっと自分が我慢する状態が続いてしまいます。その結果、ストレスが溜まり悪循環に陥ってしまいます。

自分の意見を大切にする
これまで自己主張ができなかった人は、適切な自己主張の仕方がわからない可能性があります。そのため、自分の気持ちを伝える方法をトレーニングする「アサーション」がおすすめです。自分自身の本音を確認し、うまく相手に伝える練習をしていくことで自己主張が出来るようになっていきます。適切な自己主張の方法がわからないという方は、コラム②の解説と練習問題に取り組んでみてください。

②限界設定をしっかりしよう

過剰適応とは?
相手に過剰に合わせてしまうことを心理学では「過剰適応」といいます。デリカシーがない人に過度に合わせようとすると、すぐにエネルギーを消耗してしまいます。その状態を放置しておくと、メンタルへルスに悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

「限界設定」がカギ
限界設定とは、協調できる範囲と、できない範囲を明確にする区分をしっかりするという意味です。自分の許容範囲を具体的に定めて、それを超える場合には無理に合わせなくてOKとします。をデリカシーがない人に振り回されている感覚がある・・・という方は、コラム③の解説と練習問題に取り組んでみてください。

付き合い方を学ぼう

③上手い断り方をマスターしよう

つい誘いに乗ってしまう
デリカシーがない人にストレスを感じる要因として、「行きたくもない誘い」に応じてしまうことが挙げられます。誘われたら断れないという性格は、デリカシーがない人と付き合う上で、我慢が多くなってしまいメンタルへルスに悪影響を与えてしまいます。

スマートな断り方
断ったら相手に迷惑になるのではなく、問題なのは「断り方」にあります。しっかりと相手の気持ちを汲み取ったうえで、断りを入れれば、そこまで迷惑に感じることはありません。デリカシーがない人の誘いについ乗ってしまう・・・という方は、コラム④の解説と練習問題に取り組んでみてください。

デリカシーがない人と適度な関係を

デリカシーがない人に振り回されないコツをして「アサーション」「限界設定」「上手い断り方」の3つご紹介しました。次回以降のコラムで詳しく解説していきますね。1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

次回は、デリカシーがない人に振り回されないコツの1つ目「アサーション」について解説します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★デリカシーがない人との付き合い方を学ぼう!

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
MAYO CLINIC (2017) Patient Care & Health Information Diseases & Conditions Narcissistic personality disorder 
G・O・ギャバード(著)館哲朗(監訳)『精神力動的精神医学—その臨床実践「DSM‐IV版」(3)臨床編:II 軸障害』岩崎学術出版社、1997年(原著1994年)
喜入 暁 (2016) Dark Triad と5因子性格モデルとの関連 法政大学大学院紀要, 76, 49‐54.