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心配性と5つの治し方,長所と短所,病気の種類

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心配性と5つの治し方,長所と短所

皆さんこんにちは。心理学講座を開催している公認心理師,精神保健福祉士の川島達史です。今回は「心配性を治す方法」についてご相談を頂きました。

相談者
33歳 女性 

お悩みの内容
私は昔から心配性な性格でした。

鍵をかけ忘れた気がして何度も家に帰る
恋人ができるとフラれるか心配でならない
ウイルスが怖いので外出ができない
保険に4つ入ってしまった

何をやるにしても、先に心配が来てしまうので、消極的になってしまいます。ここ数年は、将来のことを考え、不眠気味で体が重い感じがあります。どうすればいいでしょうか。

何かあると先に悲観的な未来を予測してしまうのです。特にお体にまで影響があるとのことで、問題として大きいと感じました。当コラムでは心配性への対策を5つ提案させて頂きます。是非最後までご一読ください。

心配性の長所

心配性には長所と短所があり、いたずらに無くせばいいというものではありません。まずはじめに心配性の長所を把握してきましょう。

リスク回避に役立つ

人は心配すると、将来の不足の事態に備えることができます。例えば、貯金が少なくなると誰でも心配になると思いますが、だからこそ勉強を頑張る、仕事を頑張る、将来に備えて貯金をしたりできるのです。

心配しない人は、勉強を起こったたり、仕事をさぼったり、散財してしまうかもしれません。心配するという事は自分の身を守る大事な感情なのです。

人を助ける

心配性な方は、人助けをすることもできます。例えば、医療機関にお勤めの方は、患者さんの症状が悪化していないか?心配する気持ちがあるからこそ積極的な援助をすることができます。子育て期間中のママは心配性だからこそ、子供を危険から守ることができます。

心配性は自分だけでなく、人助けにも役立つのです。

脳が健康に発達

心配すること脳の発達が進んでいるとも言えます。例えば、猫や犬はおそらく30秒後ぐらいの未来を考えることはあるかもしれませんが、1年後、2年後のことなど考えていないでしょう。

私には4歳の子供がいますが、4歳の子供でもせいぜい1分後の事しか考えていません。

それに対して私たち大人は、年十年も先のことを考えることができます。人間は思考が発達するほど、未来のことを考え、対処できると言えるのです。

心配できるということは脳が大人になっている証拠でもあるのです。

根本ら(1984)は小学生~大学生の心配性の実態について幅広い調査を行いました。下のグラフをご覧ください。

心配性

なんと小学生の半分近くが心配性であると感じているようです。高校生と大学生で65%を超えています。これは、成長するにつれて脳が発達しているためだと考えられます。

 

心配性の特徴を理解して克服を目指そう

心配性の短所

次に心配性の短所を考えていきましょう。

精神疾患のリスク

心配性はコントロールの制御ができなくなると、病気に発展することがあります。心配性が関連する精神疾患はかなりの種類があります。代表的なものは、うつ病不安障害恐怖症パニック障害強迫性障害が挙げられます。

心配性は長所もありますが、過剰になるとこれらの病気の土台になってしまうため、注意が必要です。

不眠になりやすい

心配性な方は不眠になりやすいことがわかっています。細越ら(2009)は大学生 379 名を対象に、心配性と近い概念である、「悲観」と「不安や不眠」についての調査が行われました。

その結果、悲観的に考える人ほど、不安や不眠を起こしやすいことが分かったのです。

デメリット

上図を見ると、楽観的に考える人の方が、不安と不眠のグラフが低いことが見て取れます。確かに上手くいった1日よりも、ミスをして後悔している日の方が寝付けないものです。 

自尊心が低下する

同じく細越ら(2009)の研究では、悲観的に考える人は、自尊心が低いことがわかりました。

心配性を克服

将来を心配して悲観する方は「自分にはやっていけない」という感覚が強くなるため、自尊心が低下すると推測できます。

 

消極的になる

心配性な状態は、ネガティブな問題を改善することには役立ちますが、ポジティブなチャレンジの場合には不利になることもあります。

例えば、ウイルスへの感染、地震への対処と言った問題にはとても適応的ですが、起業、資格へのチャレンジ、告白など、ポジティブなチャレンジへの足かせとなることもあります。

心配性を治す,改善する5つの対策

ここからは、過剰な心配性を治す5つの方法をお伝えします。

①心配事を過剰評価しない
②感情に巻き込まれず行動する
③失敗から成功イメージへの転換
④未来ではなく今を生きる
⑤心配しやすさを味方につける

ご自身に合いそうなものがありましたら、組み合わせてご活用ください。

①心配事を過剰評価しない

心配性の人は問題発見場面で、必要以上に問題を大きくとらえてしまいます。よく使うフレーズが

万が一〇〇したらどうしよう…
もし失敗したらどうしよう…
将来は〇〇が起こるかもしれない…

というフレーズです。もちろん万が一ということも大事なのですが、これらのフレーズを連発すると、ほどんど起こらないようなことまで心配するようになってしまいます。

心配事を現実的に考えるには、現実検討力をつけることが大事になってきます。現実検討力とは、

万が一〇〇したらどうしよう…
⇒実際に起こる確率は?

もし失敗したらどうしよう…
⇒失敗して本当にそれは致命的?

将来は〇〇が起こるかもしれない…
⇒〇〇が起こる根拠はある?

と冷静に分析する力を意味します。心配事を考えるとどんどん悲観的な未来を予測してしまう…という方は下記のコラムを参照ください。

現実検討能力UPコラム

②感情に巻き込まれず行動する

心配にどっぷりつかり、極端な行動に結びついている場合は要注意です。

例えば、冒頭の相談者の方は、何度も鍵を確認するという行動をされています。これは少々行き過ぎた行動と言えるでしょう。

心配な気持ちがあるときでも、冷静な行動がとれるようになるには、マインドフルネス力をつけていくことがおススメです。マインドフルネル力とは、自分自身の感情を客観的に眺める、冷静に分析できる力を意味します。

簡単にできるやり方としては、

私は今~という感情を持っている

と考えてみることです。

これだけでも自分を一歩引いた位置からマインドフルネスすることができます。心配な気持ちがあり、行動にも影響があるという方は、下記のコラムを参照ください。

マインドフルネスのエクササイズをたくさん紹介させて頂いています。本格的に執筆したコラムなのでお時間があるときに腰を据えてご一読ください。

マインドフルネス力をつける

心配性,メタ認知

③失敗から成功イメージへ

心理学の研究では、失敗する未来を予測しすぎると、メンタルヘルスに悪影響があることが分かっています。また残念なことに失敗する確率も上がってしまうという学説もあります。

例えば、あがり症で悩んでいる人が

 あがって恥をかいてはいけない
 緊張して噛んでしまったらどうしよう

と未来をイメージするのと

 多少あがってもOK
 話すべきことをじっくり伝えよう

 準備をしたからあとは本番楽しんで話そう

このように考えるのとでは心配の大きさはずいぶん変わってきます。

失敗したらどうしよう…と考えがちな方は、前向きに言い換えてみることもオススメします。詳しくは下記のコラムを参照ください。

失敗が怖い…を改善する方法

 

④未来ではなく今を生きる

カウンセリングをしていると、お悩みを抱える方の多くが、未来の予測をし過ぎていると感じます。私たちの悩み事はほとんどが、過去か未来のものになります。

例えば、皆さんが悩んでいることを挙げてみてください。その悩みのほとんどは今この瞬間、起こっている悩みではないと思います。

私たちは、あれやこれやと考え、悩んでしまいますが、結局のところ、生きているのは今この瞬間なのです。そのため心理療法では、時間の感覚を、今に戻す練習を行うことになります。

例えば、マインドフルネス療法では、

・呼吸に目を向ける
・よく食べる
・体の状態を観察する

このような練習を行います。呼吸は「今この瞬間」起こっているものです。呼吸に意識を向ける練習をすると今を生きる感覚が戻ってくるのです。

いつも未来の悩みを考えてしまう…という方は下記のコラムを参照ください。

今ここを生きる方法

 

⑤味方にしてしまう

冒頭でも解説しましたが、心配症はうまく活かせば、問題解決に役立つ感情です。ゼロにする必要はなく、ある程度はもっておいた方が健康的です。

異常な心配でなければ、きっとあなたにとって意味のある心配です。心配な気持ちの活かし方は下記の動画で解説しました。良かったら参考にしてみてください。

 

まとめ

今回は心配性についての特徴と改善策を解説してきました。繰り返しになりますが、心配性は過剰でなければ、皆さんの生活の見方になってくれる重要な感情です。

うまく付き合いながら、行動すべきは行動し、仕事や趣味や人間関係を充実させ、楽しい人生を歩まれることを願っています♪

お知らせ

公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元で心配性を改善したい方は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・悲観的な考え方の改善
・心を安定させる心理療法の基礎
・不安感を改善する方法
・マインドフルネス療法の学習

などを行っていきます。興味がある方は下記のお知らせをクリックして頂けると幸いです。是非お待ちしています。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
Graham C. L. Davey, James Hampton, Jola Farrell, and Sue Davidson(1992)Some characteristics of worrying: Evidence for worrying and anxiety as separate constructs. Personality and Individual Differences, 13(2), 133-147.
黒田彩加・友惠眞理子・富田望・岸野有里・荒木美乃里・桶沼友子・熊野宏昭(2015)メタ認知的観点から見た抑うつ症状と心配の関連性の検討. 早稲田大学臨床心理学研究, 15(1), 65-72.
根本橘夫・毛利新治・寺島泰誉・中沢智・山本真理(1984)「心配性」の実証的一考察. 千葉大学教育学部研究紀要, 33, 25-43.