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心配性の特徴と原因、克服するための方法を心理の専門家が解説

心配性入門①短所と長所,診断や治す方法

はじめまして!臨床心理士の森,公認心理師の川島です。私たちは現在、こちらの初学者向け心理学講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

本コラムでは
「心配性
について詳しく解説をしていきます。


対象となる悩み
・いつも心配している
・マイナスの未来を予測する
・もう少し前向きになりたい

全体の目次
・心配性とは何か
・長所と短所
・心配性-簡易診断
・改善策① 現実検討能力
・改善策② 自己効力感をつける
・改善策③ マインドフルネス
・改善策④ 心配性を活かす
・発展コラム
・助け合い掲示板

各コーナーにはもっと深く知りたい!という方のためのリンクがあります。まずは全体を読んでみて、気になる場合はリンク先をクリックしてみてください(^^)それでは早速、心配性の基礎から解説させて頂きます。

心配性とは何か?

心配性とは何か?

まず初めに心配性とは何か?から考えていきましょう。心理学者のボルコベツ(2002)は心配には以下の性質があると主張しています。

心配とは、①潜在的な脅威を発見した際に ②その脅威を回避または解決できないと考える場合に生じる ③否定的な性質の思考,イメージ,感情  ④および行動を指します(一部簡略化)

なかなか難しいですが、ボルコベツ先生の定義によると、心配には4段階あることがわかります。具体的には、
①問題発見
②制御困難
③心配の発生
④対処行動
です。

ステップ①:問題発見

心配性の入り口となるのは、危険や脅威を発見する能力です。例えば、家のカギをかけるのを忘れた!と気付いた時、泥棒に入られないか心配になります。

一方で、心配性でない人は、カギをかけ忘れたことに気づいても「まぁ、誰も泥棒する人なんていないだろう」と気にすることはありません。

心配性 原因

ステップ②:解決困難

ステップ①で問題を発見しても、すぐさま心配に結びつくわけではありません。例えば、カギを閉め忘れたとしても、セコムに入っているから何とかなるだろ!と制御できると思えば心配はおきません。

しかし、いっぽうで、防犯の仕組みが、カギ以外に何もなく、解決できないときは、心配が増強されてしまいます。

解決できない

ステップ③:心配な気持ち

問題を発見し、それを制御できないと感じたとき、私たちは、いよいよ心配することになります。否定的な未来を予想したり、身の危険を感じたりします。

心配性を克服しよう

ステップ④:対処行動

私たちは心配な気持ちになると、どうにか対処しようと行動することになります。

例えば、誰かに相談したり、考え方を見直したり、場合によってはカウンセリングを受けたり…するのです。心配はそれぞれメリットとデメリットがあります。

対処行動

心配性の長所と短所

心配はこのようなプロセスによって発生します。人間の感情にはちゃんとした意味があるので、心配にも、長所と短所があります。

心配性の長所

心配性には、主に行動のモチベーションになるというメリットがあります。例えば、貯金が少なくなると誰でも心配になると思いますが、だからこそ勉強を頑張る、仕事を頑張る、将来に備えて貯金をしたりできるのです。

心配しない人は、勉強を起こったたり、仕事をさぼったり、散財してしまうかもしれません。心配するという事は自分の身を守る大事な感情なのです。

その他心理学における研究をいくつか紹介します。タイトルに興味がある場合はクリックしてみてください。

①脳が発達している証拠

心配できるというのは脳の発達が進んでいるとも言えます。例えば、猫や犬はおそらく30秒後ぐらいの未来を考えることはあるかもしれませんが、1年後、2年後のことなど考えていないでしょう。

私には4歳の子供がいますが、4歳の子供でもせいぜい1分後の事しか考えていません。

それに対して私たち大人は、年十年も先のことを考えることができます。人間は思考が発達するほど、未来のことを考え、対処できると言えるのです。

そう捉えてみると心配性は、治したほうがいいネガティブなことだとは限りません。あれこれ考えながら問題を解決していくためのひとつの方法というポジティブな面もあります。

ここで年齢層が若い方向けの研究となりますが心配性に関する研究を見てみましょう。根本ら(1984)は小学生~大学生の心配性の実態について幅広い調査を行いました。下のグラフをご覧ください。

心配性

なんと小学生の半分近くが心配性であると感じているようです。高校生と大学生で65%を超えています。これは、成長するにつれて脳が発達しているためだと考えられます。

②自己研鑽に役に立つ

心配性の実態に迫った研究をいくつか紹介したいと思います。Daveyら(1992)は「心配性な方」は「問題焦点型の解決戦略」を好むとを示唆しました。

ガブリエル・エッティンゲンの研究(1991)では、ネガティブ思考がダイエットにどれだけ影響を与えるか調査しました。

実験では参加者の女性を、「ポジティブ、ネガティブ」の2つのグループに分けて1年後の体重を比べたのです。

その結果、下記の図のように、ネガティブ思考のグループが約11kgも痩せたのです。こうした、ネガティブ思考の影響は体重を落とすだけではなく、恋人関係や学業などの分野でも同様な現象が確認させれたと述べられています。

この研究では、ポジティブ思考のやり過ぎは逆効果であること、またネガティブ思考を正しく使うことで着実に目標達成できることが示唆されています。

やや雑な言い方になってしまいますが、心配性は問題解決場面などでは役立つが、過剰になるとメンタルヘルスに悪影響が大きいと考えると良いかもしれません。

心配性の特徴を理解して克服を目指そう

心配性の短所

次に心配性の短所を考えていきましょう。心配性な状態は、ネガティブな問題を改善することには役立ちますが、ポジティブなチャレンジの場合には不利になることもあります。

例えば、ウイルスへの感染、地震への対処と言った問題にはとても適応的ですが、起業、資格へのチャレンジ、告白など、ポジティブなチャレンジへの足かせとなることもあります。

その他、心配性については、自尊心の低下、不安や不眠、精神疾患に関する研究があります。気になる方は下記を参考にしてみてください。

自尊心の低下 

「対処的悲観性とは,防衛的悲観主義とも呼ばれ,感じた不安を動機に変えて適切な対処行動をとり,最終的に成功するために有効な悲観的思考である。(細越寛樹,2012)」

細越ら(2009)の研究では、大学生 379 名を対象に考え方が心身の健康にどのような影響を及ぼすか調査しました。その結果、悲観的に考える人は、自尊心が低いことがわかったのです。

心配性を克服

不安が強い,不眠になりやすい

細越ら(2009)の同研究では、「不安や不眠」についての調査も行われています。悲観的に考える人ほど、不安や不眠を起こしやすいことが分かったのです。

デメリット

上図を見ると、楽観的に考える人の方が、不安と不眠のグラフが低いことが見て取れます。確かに上手くいった1日よりも、ミスをして後悔している日の方が寝付けないものです。 

精神疾患になることも

心配性を放置しておくと、「全般性不安障害」という精神疾患を発病してしまう恐れがあります。全般性不安障害とは、簡単言うと、過剰な不安が長期的に続く症状のことを言います。主な症状としては、

身体症状
・緊張症状
・疲労感
・めまい
・ふらつき
・動悸

精神症状
・不安と心配
・不眠
・集中困難
・焦燥
・過覚醒

といったものが挙げられます。このように、身体症状にまで影響するほどの強い不安・心配が起きるのが特徴です。全般性不安障害をより詳しく知りたい方は、下記のガイドラインをご覧ください。

    「ICD-10診断ガイドライン」

心配性 症状

トレーニングの前に…診断・チェック

このように心配性については、長所と短所の部分があります。もし短所の部分が強いと感じる場合は、心理療法など試してみましょう。次のコーナーからは心配性を改善する方法をお伝えします。

なお、成果を把握するために簡易診断で定期的にチェックすることをオススメします。こちらの診断を参考にしてみてください。

心配性-4つの対策

ここからは、心配性を克服するための解決策をお伝えします。復習すると、心配性には以下の4つの段階がありました。
①問題発見
②制御困難
③心配の発生
④対処行動
これらの段階ごとに改善するやり方を紹介します。

①現実検討力をつける

心配性の人は問題発見場面で、必要以上に問題を大きくとらえてしまいます。よく使うフレーズが「万が一」「もし〜だったら」というフレーズです。

もちろん万が一ということも大事なのですが、リスクを考えすぎると何も前に進まないという、デメリットもあります。

この問題を解消するには、現実検討力をつけることが大事になってきます。以下の特徴にあてはまる方は、ぜひリンクをたどってみてください。

・「万が一」と考え心配してしまう
・悲観的な予測をいつもしてしまう
・現実的に考えるのが苦手
現実検討能力UPコラム

②自己効力感をつける

制御困難な感覚を強く持つ方は、自分に自信がなく、乗り越えていけるイメージを持つことができません。

これを改善するには、自己効力感(自分にはできる!という感覚)を普段から高めておく必要があります。

自己効力感は簡単に得られるものではなく、1つ1つ積み重ねていくもので、チャレンジを続ける必要があります。

しかし、自己効力感をしっかりつけると、問題をのりこえていける!という感覚が強くなり、同時に心配することも減ってくるのです。以下の特徴にあてはまる方は、ぜひリンクをたどってみてください。

・失敗するイメージが先に来る
・自分に自信がない
・自己効力感をつけたい!
自己効力感UPコラム

③マインドフルネス

問題を発見し、制御困難になってしまったら心配な気持ちは心を支配してきます。もしその心配が妥当なものであれば、適切な行動をするだけです。

一方で、自分を苦しめるだけの心配については、どっぷりつかるのではなく、心配な気持ちを客観的に観察し、冷静になることも大事です。

この客観的に観察する感覚は「マインドフルネス」と呼ばれます。以下の特徴にあてはまる方は、ぜひリンクをたどってみてください。

・マインドフルネスとは
・心配性を軽減させる
・足先に感覚を集中
感情に巻き込まれない-マインドフルネス療法

④味方にしよう

現実的に考え、自己効力感をつけ、冷静に考えても、それでもなお心配な気持ちが続く場合、それはきっとあなたにとって意味のある心配です。

冒頭お伝えした通り、心配な気持ちは人生の役にも立つ感情です。そして心配な気持ちは、前向きな行動に役立てるべきです。

この点については下記の動画で解説しました。是非ご覧ください♪

発展-コラム・動画

認知行動療法

心配性を総合的に改善したい場合は、こちらの認知行動療法コラムがおススメです。世界中で学習されている心理療法で、効果の実証性も高いです。腰を据えてメンタルヘルスを改善したい方は是非参考にしてみてください。

マインドフルネスと心配性への活用

改善策③でお伝えしたマインドフルネスと心配性の関係について詳しく解説をしました!

心理学講座で直接学ぶ

心配性は知識だけでなく、実践を通して改善していくことができます。私たち、公認心理師、臨床心理士は、心配性、対人不安の改善を目指し、心理学講座を開催しています。

執筆者も講師をしています(^^)
 ・心配性を改善 認知行動療法
 ・対人不安うまく付き合う方法
 ・不安のコントロール‐マインドフルネス療法
初学者向け心理学教教室を開催しています

心次回以降のコラムでは、心配性に対処するための方法をご紹介していきます。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

助け合い掲示板

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
Graham C. L. Davey, James Hampton, Jola Farrell, and Sue Davidson(1992)Some characteristics of worrying: Evidence for worrying and anxiety as separate constructs. Personality and Individual Differences, 13(2), 133-147.
黒田彩加・友惠眞理子・富田望・岸野有里・荒木美乃里・桶沼友子・熊野宏昭(2015)メタ認知的観点から見た抑うつ症状と心配の関連性の検討. 早稲田大学臨床心理学研究, 15(1), 65-72.
根本橘夫・毛利新治・寺島泰誉・中沢智・山本真理(1984)「心配性」の実証的一考察. 千葉大学教育学部研究紀要, 33, 25-43.