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ノイローゼの意味とは?症状,治療法

ノイローゼの意味とは?症状、治療法,簡易診断

はじめまして!公認心理師の川島です。

今回のテーマは
「ノイローゼ」
です。


  • 改善するお悩み
  • 長期的に神経質になっている
  • 心がすごく疲れている
  • 思うようにいかない感覚が続いている

全体の目次
ノイローゼの意味とは?
簡易診断,チェック
体の面から改善
心の面から改善
環境の面から改善

読み進めていくと、ノイローゼについて基本的な知識と対策を抑えることができると思います。是非最後までご一読ください。

ノイローゼの意味とは?

ノイローゼ,古典的な意味とは?

ノイローゼは、英国の医師ウィリアム・カレン(1712~1790)が提唱した概念です。精神的な病を抱えた人を、ノイローゼと呼んでいたようです。

ノイローゼ,ウイリアム・カレン

ノイローゼという言葉はその後、現代に受けつかれるまで様々変化していきます。歴史に興味がある方は、下記を参照ください。

現代にすっとんでいきたい方は、飛ばして進んでいきましょう。

ウィリアム・カレンは精神的な病を抱えた人を、なんでもかんでもノイローゼと呼んでいたようです。

しかし、なんでもノイローゼと呼んで、同じようなやり方で治療をしようとしても当然うまくいきません。精神的な病は様々な種類があります。時代の流れとともに、ノイローゼの意味は限定されていきます。

具体的には

脳疾患   …認知症,,脳梗塞など
内分泌疾患 …バセドウ病,ホルモンの異常
精神病   …うつ病、統合失調症

などが除外されていきました。これら除外されていった病気の特徴は「心の問題以外が大きい」ということです。例えば、認知症は心が健康であってもかかってしまう病気ですよね。

心の問題以外で起こる病気については、それぞれに適した、治療をしなくてはなりません。そうして、どんどんノイローゼという言葉は限定されていきました。

ノイローゼ,神経症

 

ノイローゼの種類

このようにノイローゼの意味はどんどん限定されていき、最終的には心の問題が主体となる精神的な病を「ノイローゼ」と呼ぶようになっていったのです。

精神医学の世界では1950年代から、DSM(アメリカ精神医学会の診断基準)で使われるようになりました。

しかしながら、精神医学の発展により、心理的な問題による病気も、細かく部類されるようになります。具体的には不安神経症、恐怖症、強迫神経症、心気症など細かく分類されていきました。

そのため精神医学の世界でも1980年代に廃止され、ノイローゼという言葉はほとんど使われなくなりました。我々公認心理師同士でも、ノイローゼという言葉をつかうことはほぼありません。

日常用語として活用

一方で、ノイローゼは、日常生活では使われることがありません、私が調べた限りノイローゼの月間検索数は22,000あり、孤独感の5000、悲しい18000、よりも大きな数字です。

ノイローゼは広い意味があるので、一般の方にとっては使いやすい言葉として定着していると考えられるのです。

現在のノイローゼは、神経症を指します。定義は以下の通りです。

 

定義

ノイローゼは日本語では神経質と翻訳されています。現代では以下のように定義されています。

はっきりとした不安または継続的で不合理な、心配、脅迫観念、脅迫的行動、といった苦悩に満ちた感情的な症状によって特徴づけられるさまざまな精神障害の総称(心理学辞典,2013 一部簡略化)

要約すると「ストレスによって精神や身体にいろいろな症状が現れ日常生活に支障が出る状態」と捉えるといいでしょう。

たとえば、毎日のように上司からパワハラを受けていると、職場に行くことを極度に恐れ、会社の前につくと汗がだらだら出てきてしまったりします。

このような強い不安や恐怖が離れず、日常生活に支障が出る状態が神経症=ノイローゼです。

ノイローゼと神経症

ノイローゼの種類

ノイローゼ(神経症)の種類としては、以下のようなものがあります。

・パニック障害
理由もなく激しい不安に襲われ(不安発作、パニック)、動悸や頻脈など身体の反応も伴う

・全般性不安障害
何となく漠然とした不安に常にとりつかれている状態

・抑うつ神経症
何となく気分がふさぐ、重苦しい、悲観的といった気分がずっと続く

・心気症
自分の体に常に注意を払って、実際には病気でないのに、病気であると思い込む

・解離性障害・転換性障害(ヒステリ-)
本人自身が気づかない心のゆがみによって、運動や感覚機能、意識などに障害が起こる

・強迫神経症
自分では不必要、不合理であるとわかっていながら、ある考えやイメ-ジを打ち消したり、衝動、行為などをやめる事ができない

このように、ノイローゼ(神経症)には多くの症状があります。ノイローゼの原因となるストレスは、分かるものもあれば、本人が意識していないものもあり、診察や心理カウンセリングの中で徐々に分かることもあります。

原因とカウンセリング

診断,チェック

ここからは具体的な改善方法をお伝えします。成果を把握するために以下の診断で定期チェックをおすすめします。

ノイローゼ‐生理的改善

こっからはノイローゼの改善方法を解説します。精神医学や臨床心理学では、心の問題は
 生理
 心理
 環境
の面で改善していきます。まずは生理的改善から解説していきます。

心と体の繋がり

生理的改善は体の面、脳の面から改善してく方法です。具体的には、薬物療法、睡眠の改善、食事の改善などが挙げられます。

例えば、不眠不休で働いてノイローゼ気味になっていた人が、3日間休んで、たっぷり睡眠をとったとしましょう。これだけで症状が随分改善することがあります。

私たちの体と脳は、心とつながっています。そのため、体と脳が安定すると、心の問題も改善しやすくなるのです。体の面から改善したい方はこちらの心と体‐ストレス発散コラムを参考にしてみてください。

薬物療法

症状が重たく、日常生活に問題がある場合はクリニックの受診も視野に入れましょう。例えば、精神科ではSSRIというお薬が処方されることがあります。SSRIとは、不安や緊張を和らげる効果があるお薬です。

私たちの脳はために風邪をひくことがあります。SSRIは脳の風邪薬のようなものでしょうか。このように体の面からノイローゼを改善していくのが1つのやり方です。

こちらの動画で薬物療法の概要について解説しています。興味がある方はご覧ください。

古典的治療法

補足として、過去のノイローゼ治療で行われた「針灸療法」と「電気針治療」の事例についても紹介します。興味がある方はご覧ください。

針治療で症状が改善

駒形(1963)は「針灸療法」がノイローゼに効果的であることを報告しています。

針灸療法とは、簡単に表現すると、問題がある患部や経穴(ツボ)に鍼や灸を使って刺激を与え、病気の治癒や予防をめざす治療法です。

これは、人が本来持つ「自然治癒力」や「免疫力」を高めて治療から病気やケガの予防にまで効果があるとされています。この論文では「針灸療法」によるノイローゼへのアプローチ方法と効果を、以下の流れで述べています。

ノイローゼ針治療の手順

針灸治療のツボを刺激することで、神経の高ぶりを静めてノイローゼを改善したことがわかります。

電気針で症状を克服

森川(1964)は「電気針治療」がノイローゼに効果を示した報告をしています。

電気針治療とは、簡単に表現すると、問題がある患部や経穴(ツボ)に針を使って、電気刺激を与え、病気の癒や予防をめざす治療法です。

これは、人が本来持つ「自然治癒力」や「免疫力」を活性化させて、治療だけでなく病気やケガの予防にまで効果があるとされています。この論文では「電気針治療」によるノイローゼへのアプローチ方法と効果を、以下の流れで述べています。

<患者さん>
・当時中学1年生
・小学校4年生の時、盗難の被害
・気持ちが塞ぎ込み、頭痛がするようになる
・無ロになり、人に会うのを嫌うようになった
・小学校5年生の時、症状が強くなり神経科を受診

<治療の過程>

ノイローゼ電気治療の流れ

電気針治療で幹部やツボに電気刺激をすることで、ノイローゼを克服したことがわかります。

ご紹介した治療方法は、約60年以上も前の事例ですので、現代的な意訳も加えています。しかし昔からノイローゼに対する治療が行われていた事がわかります。

ノイローゼの治療法と事例

ノイローゼ-心理的改善

 次に心理的改善について解説していきます。

 生理
 心理
 環境

ノイローゼについての心理的改善については、現在様々な手法が開発されています。症状によってやり方はことなるのですが、最も活用されているのは、認知行動療法という心理療法です。

認知行動療法

認知行動療法は、不適切な考え方や、極端な行動を改善することで、健康的な心と行動を得る手法です。

たとえば、メールの返事が来ないという出来事の場合で見てみましょう。

出来事と認知の歪み

上記の例では、「嫌われた!」断定している極端な考え方があります。これを認知の歪みと言います。また、「もう連絡しない」という行動をとっています。認知行動療法ではこの、極端な考えと、極端な行動を改善できるように練習をしていきます。

詳しくは下記コラムを参考にしてみてください。入門編として解説させて頂きました。

ノイローゼを改善‐認知行動療法

森田療法

森田療法は日本人が開発した心理療法で古くから神経質で悩む方に活用されてきました。現在では、治療の主流ではないものの、長く親しまれてきたやり方です。

森田療法の哲学として「目的本位」という考え方があります。目的本位とは、気分に流されず、やるべきことをやる!という少々ストイックな考え方です。

ノイローゼになっているときは、症状に流され、なかなか前に進まないことがあります。森田療法ではこれらの症状をあるがまま受け止めながら、やるべきことをやる姿勢を大事にしています。

興味がある方は下記コラムを参照ください。

森田療法コラム

ノイローゼ-環境の改善

最後に環境の改善について解説していきます。

 生理
 心理
 環境

私達の心はどんなに、健康でも環境が悪ければ、参ってしまいます。そのためノイローゼ気味になったら環境を改善することも大事にしましょう。

負担を減らす例

負担を減らす例を列挙してみます。

・残業などの仕事を断る
・友人との約束は体調をみて決める
・ゆったりした地域に引っ越し
・デジタル機器に触れすぎない
・部署移動を尾お願いする
・あまりにも仕事があわない場合は転職

などなど皆さんの環境に応じてたくさんあると思います。

川島ー子育ての例

筆者の川島も3人の子育て真っ盛りです。ピーク時は、0歳、2歳、4歳の時期があり、全員いう事を聞かずノイローゼ気味になったことがあります笑

私自身は、部屋の環境から見直しました。料理場と遊び場に柵を作ったり、おもちゃは全部出さずに、1日2個だけなど、物理的に散らからないようにしました。

奥さんの料理も大変なので、朝はパンで済まそうなど、料理の負担も減らしました。私自身はさらっと立ち食いそばで済ますことも多くなりました。

全部こなそうとすると、夫婦ともども参ってしまうので、適度にサボりつつ子育てすると決め、少し肩の荷が下りたように感じています。

ノイローゼ,子育て

まとめとお知らせ

まとめ

今回は、ノイローゼとは何なのか?ノイローゼの歴史や症状、過去の治療法を交えながら症状を克服した事例などをご紹介しました。いかがでしたか。

体の改善、気持ちを切り替える心理療法、環境を改善して、よりよい生活を送ってください(^^)

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・ファンデンボス,G.R.(2013)APA 心理学大辞典,444
・赤羽 幸兵衛 1961 ノイローゼとその療法 日本鍼灸治療学会 10,2.
・駒形 恵作 1963 精神身体医学より見たる針灸療法 自律神経雑誌 10,7,6-8.
・長尾 道江 1962 ノイローゼの治験 良導絡 26,5.
・森川 隆 1964 ノイローゼの一例報告 良導絡 104,14.
・高梨 葉子 2002 認知行動療法を用いたうつ病の再発予防に関する研究 東京慈恵会医科大学雑誌 117,405-417.
・近森 高明 1999 二つの「時代病」―神経衰弱とノイローゼの流行にみる人間観の変容 京都社会学年報 (7), 193-208, 12.