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目を見て話すのが苦手な心理,克服,治す方法

目を見て話すのが苦手な心理,克服,治す方法

みなさんこんにちは。公認心理師の川島達史です。

私は現在、コミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

今回のテーマは
「目を見て話す」

です。

みなさんは、相手の目を見て話す時、下記のようなお悩みはありませんか?

・相手の目を見て話すと不安になる
・どこを見ていいのか分からなくなる」
・相手の目を見て話すことが怖い」

実はこれ、以前の私の悩みでもあります。。もう15年近く前になりますが「視線恐怖」という症状をもっていました。とにかく人の目が怖くて目を合わせられないという症状がありました。

思い入れが強いコラムなので、心を込めて解説していきたいと思います。目次は以下の通りです。

・不利になる状況とは?
・目を見て話すの研究事例
・診断とチェック
・基礎トレーニング6つ
・発展-トレーニング3つ

ぜひ、目を見て話すことができない人のお役立てばと思います。

 

目を見て話せない問題とは

目を見て話すことって重要?

そもそも目を見て話すとどのような効果があるのでしょうか?結論から言うと実に様々な効果があります。当コラムでは以下の3つの研究を紹介します。気になるテーマがありましたらクリックしてご覧ください。

梅野(2015)は非言語コミュニケーションと好感の関係について、大学生230名に対して調査を行いました。調査は4段階で、

好感をもたれる     ⇒4
やや好感につながる   ⇒3
あまり好感につながらない⇒2
好感につながらない   ⇒1

で採点をしました。その結果

アイコンタクト  ⇒平均2.9
目の表情     ⇒平均3.1
視線       ⇒平均2.7

といずれも好感につながることがわかりました。単純に目を見て話すだけではなく、目に表情をつけることも好感をもたれるために大事になりそうです。ちなみに、他の項目ですは下記となります。

笑顔       ⇒3.7
ボディタッチ   ⇒2.4
髪色       ⇒2.8
アクセサリー   ⇒2.6

笑顔よりは重視されていないものの、髪色やアクセサリーよりも、目を見て話すことが大事だと言えそうです。

女性ですとアイコンタクトよりも髪色に人生をかけている時間が長そうですが、それと同じぐらい視線のあり方が印象形成に関わるとは意外ですね。

目を見て話す事ができない原因

青山・戸北(2005)は、小学5年生を対象に「目を見て話す」と発話の関連を調べています。この研究のなかで4人に分けたグループ学習を観察した調査があります。発話数とアイコンタクトの関係結果を調査した以下の図です。

目を見て話す

このグラフから周りから、視線を浴びている人は発話数が高い傾向にあることがわかります。特に女性は視線を浴びるか、そうでないかで発話数に大きな変化がありますね。

このように、相手に目を見て話すことでコミュニケーションを促進することができるのです。

藤原(1986)や大神(1999)、Snyder(2010)による研究では、発話内容以外の非言語表現の仕方で印象や評価に違いが出てくるという結果が出ています。

例えば、深山・大野ら(2002)は、コンピュータを用いて視線と印象の関係について研究しました。実験では、擬人化エージェントと呼ばれる人の顔面アニメーションを表示し、実験参加者に会話をしてもらっています。

その結果、視線による印象が以下のようになる事が分かりました。

アイコンタクトが長い場合
「自信がある」「強い」
下を向いている場合
「自信がない」「弱い」

つまり話をする時、伏し目がちですぐにキョロキョロしてしまうと「自信がなさそう」「弱い」という印象を与えてしまうのです。一方で目を見て話すことができると、説得力や信頼感を持たせることも可能なのです。

この点から、目を見て話すことは伝えるための大切な手段といえます。

 

苦手だと不利になる状況とは?

目を見て話すのが苦手だとどんな状況で不利になるのでしょうか。結論から言うと、短期決戦に不利になると言えます。

短期的決戦に不利

接客業、販売職、就職活動、婚活パーティーなどは、非常に短時間のコミュニケーションで結論が出てしまいます。このような状況ではじっくり判断してもらえる時間がなく、どうしても見た目や表情など非言語的な要素で判断されてしまうのです。

長期戦は重要性低い

一方で、長期的な関係の場合は、人間性を相手はじっくりと把握する時間があります。シャイで目を見て話せなくても、誠実さがある、礼儀正しいなどの内面の部分が備わっていれば、最初はちょっと変だなと思われても、最後はあなたの人柄伝わるので、そこまで問題になることはないのです。

診断とチェック

定期的にこちらの目で見て話す診断で自己チェックしておくことをお勧めしています。客観的な状況を知りたい方はご活用ください。

基礎トレ‐6つのコツ

ここからは専門家が実践しているアイコンタクトがうまくなる方法をお伝えします。まずは基礎編として6つの方法をお伝えします。具体的には以下の項目となります。

①目の周りを見る
②5センチずらす
③目線は縦に外す
④傾聴は多め,発話は控えめ
⑤50%で充分
⑥チラ見でOK

それではさっそく解説していきましょう。

①目の周りを見る

・相手と距離が離れている場合
有名な方法としては、鼻やオデコを見るというテクニックyがあります。これは相手と距離が離れている、薄暗い状況下であればかなり有効です。アイコンタクトのコツ自然な目線

・相手と距離が近い場合
一方で鼻やおでこを見る方法は、相手と距離が近く、相手の顔がハッキリ見える環境ですとなかなか通用しません。その場合は、目と目の間の付け根のあたりを見ると有効です。

このやり方はまず気づかれません。ストレートに目を見ることが苦手な方は、心の負担が軽くなるのでオススメです。

アイコンタクト,自然,鼻

②5センチずらす

相手と正面から向き合うと、目が合いやすくなってしまいます。そのため、アイコンタクトに抵抗のある方はこの時、ちょっとしたポイントがあります。それは椅子を少しだけずらすのです。

真正面ではなく、気持ち5センチほど相手とずれて座るようにしましょう。それだけで、少し楽になりますよ。

 

③目線は縦に外す

目線を時々外すと、目を見て話す頻度が自然になります。そこで、目線を外す時は「縦に外す」のがポイントです。目線を横に外すと、ネガティブな印象を相手に与えてしまいます。

そこで、縦に外すことで、ナチュラルな印象になります。

 

④傾聴は多め,発話は控えめ

目を見て話すことは「傾聴」の際は大事にしましょう。逆に発話の場合は、そこまで不自然になることはありません。大切な事を伝える時だけ、目を見て話せばでOkです。

大事なポイントだけアイコンタクトすると、自分の気持ちをしっかり伝える事ができます。

 

⑤50%で充分

心理学の研究では、対面時間の1/2~3/4の凝視量で、もっとも友好度が高くなることが分かっています。

対面している時間が3分間とすれば、90秒~135秒ですね。それ以上でも、それ以下でも友好度がダウンしてしまいます。適切なアイコンタクト量を心がけていきましょう。

研究の内容をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
(↓クリックで開きます)

深山ら(2002)は、20代から30代の男女13名を対象に、視線と印象操作の関わりを調査しました。その結果、凝視量や凝視時間によって友好度が変わることが分かりました。。

参加者は凝視量によって「1/4・1/2・3/4・全て凝視」の4群に分けられました。グラフから、友好度を高める凝視量は1/2から3/4であることが分かります。

アイコンタクトと時間。友好度の研究

 

例えば、相手との対面総時間が60秒だった場合「30秒~45秒」になります。

こうした適切な凝視量で目を見てはなさないと、相手に「話しにくい人だな」「あまり親しくなれなそう…」といった印象を持たれる可能性が高まるということです。

 

⑥チラ見でOK

0.5秒~1秒間のアイコンタクトが、一番友好度が高くなり、2秒になると大幅に下がってしまうという研究結果があります。アイコンタクトをする時は、チラッと0.5~1秒間だけ視線を向けるように意識していきましょう。

研究の内容をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
(↓クリックで開きます)

深山ら(2002)の同研究では、参加者は凝視時間を基準にして「0.5秒・1秒・2秒」の3群に分けられました。グラフから、友好度を高める凝視時間は0.5秒から1秒であることが見て取れます

また、凝視時間が2秒に近づくほど、友好度は下がると言えそうですね。

アイコンタクトと友好度の研究

このように、目を見て話すと言っても、相手の目を凝視し続けるのはあまりよくないことがわかります。凝視は悪い印象を与えてしまうため、0.5~1秒程度で十分と考えておくとよさそうです。

*当コーナーは動画解説もあります(すいません…最初遊んでいます(^^;)
 もしお役に立てたらチャンネル登録をして下さると励みになります!

アイコンタクトのコツ目線の外し方

発展-トレーニング

ここからは目を見て話すためのトレーニングについて考えていきましょう。当てはまると感じるリンク先をクリックしてみてください。

過剰なこだわりはNG!

過剰なこだわりは、とても大事なコミュニケーション手段ですが「こだわりすぎる」のは、目を見て話すことへの苦手意識を強めてしまう可能性もあります。

目を見て話すことを意識するの会話の際に3%ほどでOKです。もし、絶対に目を見て話さなくては…という強いこだわりがある…という方は以下のコラムを参考にしてみてください。

目を見て話す時の「こだわり」を減らそう

視線に恐怖がないか注意

もし視線が異常に怖い…と感じる方は、視線恐怖症のリスクが考えられます。特に視線を合わせるのは怖い、人間関係を回避するという傾向がある方は下記のコラムを参考にしてみてください。

視線恐怖症コラム

スモールステップで練習

目を見て話すをトレーニングする際は、すぐに習得しよう!と考えるのではなく、少しずつ段階を追って練習することが大事です。以下のコラムに、スモールステップの作り方が解説されています。是非ご一読ください。

スモールステップ‐行動療法コラム

お知らせ

目を見て話すなどのコミュニケーション能力を向上させたい方は専門家の元でしっかり学ぶこともお勧めしています。 私たち公認心理師・精神保健福祉士は、視線の配り方、印象の良い会話力の向上を目的として講座を開催しています。

 ・自然に目を見て話す方法
 ・視線と緊張緩和法
 ・印象UP人間関係UP

皆さんのご参加をぜひお待ちしています。詳しくは下記看板をクリックください♪

人間関係講座

助け合い掲示板

1件のコメント

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    • こう
    • 2020年6月27日 2:57 AM

    素敵な記事をありがとうございます。

    客観的で中庸的な書き方を徹底されていて情報として非常に分かりやすかったので情報を得ようと内容に見入ってしまいました。
    あなたがされたような書き方をする方がもっと増えてほしいという願いをこめつつ、コメントさせていただきました。

    一閲覧者として参考にさせていただきます。

    返信する

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・青山 康郎・戸北 凱惟(2005)発話を促す話し合いの場に関する研究 日本教科教育学会誌 2005.6 第28巻 第1号
・好感をもたらす非言語コミュニケーションに関する研究 目白大学大学院 心理学研究科 現代心理学専攻 梅野利奈 2015
・深山篤・大野健彦・武川直樹・澤木美奈子・荻田紀博 2002擬人化エージェントの印象操作のための視線制御方法 情報処理学会論文誌