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楽しい人生・楽しく生きるコツを詳しく解説

楽しい人生・楽しく生きるコツを精神保健福祉士が詳しく解説

みなさんはじめまして!執筆は臨床心理士の兵働、監修は精神保健福祉士の川島達史が行っています。私は精神保健福祉士精神疾患を抱える方へのカウンセリングや交流分析の講義を行っています。当コラムは「楽しい人生」をテーマに解説をしています。目次は以下の通りです。

  • 楽しい人生の構成要素
  • ポジティブな感情を得る技術
  • 没頭できるものの探し方
  • 前向きな人間関係を作るには
  • 人生に意味を見いだす方法
  • 人間の欲求と達成感
  • まとめ

しっかりとお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;診断もありますので是非お付き合いください。

楽しい人生の心理学研究

皆さんは人生楽しいですか?ポジティブ感情の研究は比較的新しい分野と言えます。ポジティブ心理学の提唱者であるSeligmanは、1996年にアメリカ心理学会の会長に就任し、「ポジティブ心理学」という分野を立ち上げました。

Seligman(2000)は、ポジティブ心理学の目的は、生活のネガティブ面を改善に心理学から、生活のポジティブ面を打ち立てる心理学に変化させることにあると述べています。

それまでの心理学は、不安や恐怖などのネガティブな感情への研究がほとんどでした。しかし、それだけでなく、人間のポジティブ面に注目して調査しようとするのがポジティブ心理学の基本的な考え方になります。

セリグマンは楽しい人生を送るためのポジティブシンキングには、以下の5つの指標を満たす必要があるとしています。

 ①「ポジティブな感情(positive emotion)」
 ②「没頭できるものがあること(engagement)」
 ③「前向きな人間関係(positive relationship)」
 ④「人生に意味を見出すこと(meaning)」
 ⑤「達成感(achievement)」

皆さんはどうでしょうか?もし今日々の生活が楽しくない場合は参考になるかもしれませんね。それでは、この5つの要素をどうすれば満たせるのか詳しく解説していきます。

①ポジティブな感情

ポジティブな感情を持つを上で大切なのが、いかにマイナス面な出来事からプラス面を見いだすかです。実は物事というのは表裏一体でネガティブな面もあれば、その裏側にポジティブな面が隠れていることが多いのです。

そこで、活用できるのが「リフレーミング」という技術です。その名の通り、物事のフレームを捉えなおす方法です。物事の枠組みを変えることで、印象や考え方を変えることができます。楽しい人生に欠かせない方法でしょう。この方法は近年うつ病の治療や自己啓発などで幅広く活用されています(ホール, ボーデンハマー,2009)
リフレーミングには以下の3つの方法があります。

楽しい人生

①性格のリフレーミング
「悪い性格は、別の視点で見れば良い性格なのでは?」と考える方法です。「手際が悪い⇒落ち着いて仕事をこなす」といった具合に、マイナスな性格をプラスに変換していきます。

以前、私のクライアントさんで学生の佐藤さん(仮名)という方がいました。佐藤さんは、マイナス思考が強く、対人恐怖症の1歩手前ぐらいまで悪化している状況でした。

サトウさんは、自分の性格を

「コミュ症」
「おくびょう」
「ネガティブ」

と思い込んでて、会話に消極的になっていました。カウンセリングは長期間かかりました。しかし、最終的に佐藤さんはリフレーミングを活用して

「コミュ症」→「聞き上手」
「おくびょう」→「ミスを回避できる」
「ネガティブ」→「現実的に考えられる」

と自分の長所として捉えなおしたのです。その結果、活発とは行きませんでしたが、人がいる場所に行けるようになり、以前より楽しい人生を送れているそうです。

②さらにひどい状況よりはマシ!
 リフレーミング

「このマイナスな状況は、他の結果よりは良い結果なのでは?」と考えるやり方です。物事はその時の状況によって結果が変わります。たとえ悪い結果になってしまったとしても、実際には本当に最悪な状況ではないことが多いです。「さらにひどい状況よりもOk」と考える「状況リフレーミング」の考え方を覚えておくとよいでしょう。

③何が得られたか
 リフレーミング

「マイナスな状況だからこそ得られたものがある」と考える方法です。どんな嫌な状況でも、プラスの意味を見つけることで別の面が見えてくることがあります。「プラスの意味が実はあるのでは?」「もっとポジティブに考えられないか」と考える「プラス価値リフレーミング」が楽しい人生を送る上で大切です。

②没頭できるものがあること

楽しい人生を送るためには、没頭して取り組める物事を探すことが大切です。皆さんは時間を忘れて取り組んだ趣味や仕事はありませんか?スポーツ、旅行、友人との会話など何か1つは思い当るはずです。こうした時間や自分を忘れて没頭している状態を心理学では「フロー」と言います。この状態に入るとモチベーションや集中力が高まり最大のパフォーマンスを発揮することができます。

ミハイ・チクセントミハイの著書「フロー体験 喜びの現象学」(1996)によると、フローに入るための条件が9つ述べられています。

1.明確な目標
何をすべきかが常にハッキリと分かっている状態です。例えば、「運動する」という目標よりも「毎週、月曜日の朝7時から家のまわりを3週する」という目標の方が集中力が高まります。

2.選択と集中
自分ができないことを行うよりも、「出来ること、得意なこと」を行いましょう。自分自身が、集中して行うことができる分野にすべてのエネルギーを投下するということです。

3.自己意識の低下
本当に集中している時は、自分が集中していることに気づかないものです。自意識が無くなるぐらい没頭できる環境や状況をいかに設定できるかがポイントになります。

楽しい人生を送る

4.時間の歪み
フロー状態では時間の流れが早く感じ、あっという間に2時間、3時間経ってしまいます。自己意識の低下と同じように、時間を忘れるぐらい集中できる環境にセッティングが大切です。

5.即座なフィードバック
勉強嫌いな子どもがゲームに夢中になるのは、結果が出るまでの時間が早いからです。コマンドを入力すれば攻撃がヒットし、回避に失敗すれば1秒も立たずにダメージを受けます。このように結果が早く出るものごとに対しては体が反応するため、モチベーションが上がりやすくなります。

6.スキルと難易度が適切
自分のスキルに合わせた目標はフロー状態になりやすいと考えられています。下図のように難易度とスキルがとも「高い」ときは、適度なプレッシャーを感じつつ、自分の能力を全開まで発揮することができます。一方で難易度が高すぎると無気力になり、スキルが高すぎると退屈になってしまいます。

楽しい人生

7.自分でコントロールできる
人間は自分の置かれている状況や環境を自分でコントロールできているという感覚がないと、やる気や集中力が下がってしまうことがわかっています。上からの指示に従ってばかりでコントロールを失うと、創意工夫しようとする気持ちが無くなり、飽きてしまいます。

8.活動に自体に価値を感じる
お金やご褒美がもらえるから行うといった外的なモチベーションではなく、その活動自体を喜んで行える内的なモチベーションを伴う物事はフローに入りやすいです。

9.他人からの影響を受けない
人に話しかけられたり、スマホの通知などを認識してしまうとフロー状態が終わってしまいます。没頭するためには、出来るかぎり自分1人だけの状態を作ったり、通知に気づかなくなるような工夫が必要です。

これら全ての要素を満たさなくてもフローに入ることができますが、可能な限り意識しておくと喜びの多い、楽しい人生を送ることができるでしょう。

③前向きな人間関係

人生を充実させる上では、前向きな人間関係は切っても切り離せません。特に自分の将来に希望が持てるかどうかに大きく影響していることが分かっています。

平成25年に実施された内閣府の「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(内閣府)」の中では「友人の数」が「自分の将来への希望」にどこまで影響しているかが報告されています。

楽しい人生を送る

仲のいい友人が多いほど、自分の将来に希望があると回答した人が多いことが把握できます。また、この調査では仲の良い友人数が多い人ほど

・自分に誇り持っている
(明るさ・やさしさ・決断力・忍耐力)
・自分の将来について希望を持っている

と報告されています。仲のいい友人の数が多い、人間的魅力を持ちやすく将来への希望も持ちやすい事がわかりました。また具体的に「出世している」「お金持ちになっている」という将来像を描くことができることもわかっています。

・ソーシャルサポートで楽しい人生を
前向きな人間関係を得て、楽しい人生を送るにはソーシャルサポートを得ることが大切です。ソーシャルサポートとは、自分以外の人から得られる援助のことです。実際に細田・田嶌(2009)の研究では、「自己肯定感」や「他者肯定感」が高まることが分かっています。ソーシャルサポートと自他肯定感は相互に結びついているのです。

実験では、中学生305名を対象にソーシャルサポートの種類と「自己肯定感」や「他者肯定感」についての関連を調べしました。

楽しい人生 心理

その結果、上記の図のように「自己肯定感」は「他者肯定感」とプラスの相関があり、この2つは「父親」「母親」「友人」「教師」のそれぞれから受けるソーシャルサポートとプラスの相関があることが分かります。

つまり、ソーシャルサポートを受けることで、他人を肯定できるようになり、その結果、自分も好きになるのです。楽しい人生を送るためには、コミュニティに所属して様々な人間関係からソーシャルサポート得ることが大切と言えそうです。

楽しい人生を送る方法を解説

④人生に意味を見出すこと

自分の人生に意味を見いだすことで、自分のやるべきことが明確になり人生が楽しくなります。心理学では「人生の意味」という概念について「アイデンティティ」という言葉を使って説明しています。提唱したのはE.H.エリクソンという心理学者です。

エリクソンの定義によると、「内的な不変性と連続性を維持する各個人の能力が他者に対する自己の意味の不変性と連続性に合致する経験から生まれた自信」としています。

わけがわからないですよね(^^;
もう少し加味くだいて説明すると

・私は他の誰でもないたった1人の自分
・将来やりたいことがはっきりとしている
・今までの私もこれからの私もずっと私
・私の本当の姿と、相手がイメージする私の姿が一致している

という感覚を意味します。つまり、人生に意味を感じている状態を指します。アイデンティティが確立されていると、「これをやっても意味がないんじゃないか・・・」という無意味感が無くなり、楽しい人生を送ることができます。

・毎日が何となく充実しない
大野(1984)は「充実感」とEriksonのアイデンティティは関連があることを実証しました。アイデンティティが確立できている達成グループは充実感が高く、「毎日を健康的に主体的に生きている」感覚を得やすいことがわかります。

楽しい人生 例

逆に拡散型グループは「毎日が楽しくない・・」「何となくむなしい・・」といった感覚になりやすくなります。例えば、同じ仕事をしていても、「これが私のやるべき仕事だ!」と考えている場合と、「これは本当は私のやるべき仕事ではない」と感じている場合は、充実感に大きな違いが出てくるでしょう。いま生活に充実感がない場合は、アイデンティティが拡散している可能性が高いと言えます。

⑤達成感

人間の欲求を5段階のピラミッドで説明したアメリカの心理学者マズローの欲求階層説では、「達成感」について解説しています。

マズローの欲求階層説とは、人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求が表れるとされる有名な理論です。その中でも達成感を得て、楽しい人生を送るためには、第四階層と第五階層の欲求を満たす必要があるでしょう。

第一階層は、生理的欲求
日常生活を送るための基本的・本能的な欲求

第二階層は、安全欲求
危険を回避し、安全・安心な暮らしを求める欲求

第三階層は、社会的欲求
グループに属し、仲間を求める欲求

第四階層は、承認欲求
他者から認められたい、尊敬されたいという欲求

第五階層は、自己実現欲求
自分の才能を引き出し、目標を達成したい欲求

楽しい人生を選ぶ

欲求は、5段階のピラミッド構造になっており、低次の欲求が満たされないことには、そこから上の欲求を満たすことはできないとされています。このマズローの欲求階層説で言えば、安心感を持つ環境にあると、次の達成感を手に入れるためのモチベーションがわくことになります。

楽しい人生を送れていない・・・という方はそもそも、安心感を得られない環境に置かれていたり、自分の目標の達成感が得られていないことが考えられます。

達成まで長い時間がかかるものは、目標を細分化して小さなゴールを作り、達成感をキープするようにしましょう。すると、日々のモチベーションも維持できるため、楽しい人生を送ることができます。

5つの要素で楽しい人生を

楽しい人生を送るための5つの要素を満たせてましたでしょうか。目標を持っていなかったり、ハードルが高すぎる目標を持つと自信がなくなり人生が味気ないものになってしまいます。

しかし、ポジティブな感情を持つためのリフレーミングや、フローに入るための方法、良好な人間関係の構築などを行っていけば、やる気や集中が上がり楽しい人生へと変わってきます。ぜひ実践できるところから日常生活に取り入れていきましょう。

専門家の講義を受けたい方へ

最後に、これまで「楽しい人生」コラムにお付き合いしていただき、本当にありがとうございました!まずは、ご紹介したフローの要素やソーシャルサポートなど、単調な毎日を有意義にするための方法を活用ししてみてください。

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

★楽しい人生は5つの要素で決まる!足りないものを補おう
人間関係講座

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
・ミハイ・チクセントミハイ著,今村浩明訳:フロー体験 喜びの現象学,新思索社,2000
・中学生におけるソーシャルサポートと自他への肯定感に関する研究 細田 絢,田嶌 誠一 2009 年 57 巻 3 号 p. 309-323
・平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 生活環境と個性が友人数に与える影響(内閣府))