>
>
>
ストレス症状と身体への影響・診断

ストレス症状の効果・心と身体への影響

はじめまして!公認心理師の川島です。今回のテーマは「ストレス症状」です。

心と身体に現れるストレス症状には、2種類あります。

①直接的効果
②長期的効果

それぞれの効果について見ていきましょう。

①直接的効果:パフォーマンス上がる

直接的効果は、単発で発生するストレス症状です。ストレス症状

ストレス症状は一時的で適度なものであれば、パフォーマンスを高めてくれる効果があります。そのため、ストレス症状を頭ごなしに悪者だと決めつけず、うまく利用していくことが大切です。

戦うか逃げるか反応

短期的なストレス症状を理解するうえで、外せないのがウォルター・B・キャノン(1929)よって提唱された戦うか逃げるか反応です。

戦うか逃げるか反応とは、外敵に襲われるような緊急事態が起きたの生理的・心理的な反応を意味します。

生理的なメカニズムとしてはストレス要因に遭遇した時に、情動を司る脳の扁桃体(へんとうたい)と、体温調節などの生理機能を司る脳の視床下部(ししょうかぶ)が活発になります。

そして、ホルモンの分泌をうながす脳の下垂体(かすいたい)が、特定のホルモンを合成する副腎皮質を刺激るするACTHを分泌させます。

その結果として、副腎皮質からストレスホルモンである「コルチゾール」と、体のパフォーマンスを高める「アドレナリン」が分泌され、様々な反応を起こすのです。

身体的反応

先ほど、アドレナリンの分泌によって、緊急事態に有効なストレス症状が生じると解説しました。

このストレス症状は、「戦う」もしくは「逃げる」ために、体のパフォーマンスを高めようと働くのです。

具体的には、身体的反応を引き起こします。

①心拍数の増加
②膀胱の弛緩
③視野が狭くなる
④震え
⑤瞳孔が広がる
⑥顔が赤らむ
⑦口が乾く
⑧消化が遅くなる
⑨耳が遠くなる

地面蹴って走ったり、敵の攻撃に備えるために血流量を上げて筋肉を緊張させます。そのため、心拍数が増加するのです。

また、より多くの情報を得るために瞳孔が開きます。過剰にストレスを感じると、自立神経のバランスが乱れ、胃痛や吐き気などの症状が表れることもあります。

ここまでの戦うか逃げるか反応をまとめたものが以下のインフォグラフィックです。

ストレス症状と心と体の関係

このように、ストレス要因が現れた時に人間は本能的に「戦うが逃げるか」の選択を迫られるため、身体的な反応が現れます。

危機を乗り越えるために、運動能力や判断力を高めるのです。

②長期的効果:胃痛など

一方で、長期的効果はストレス症状が長く放出された状態です。長期的なストレス反応の特徴

長期間ストレス状態が続くと、心身症や神経症、行動異常などを引き起こすリスクが高まります。

加えて各種症状から、胃痛や吐き気などが引き起こされることもあるため注意が必要です。

長期ストレスで発症する症状

武田(2004)では、長期ストレスによって起こる「心身症」や「神経症」の症状を以下の3つのカテゴリーにまとめています。

1.行動異常的発症
ストレスが非合理的、攻撃的、自己破壊的な行動によって表出される症状。

2.心身症的発症
ストレスの影響が体に現れる症状。

3.神経症的発症
不安障害、ノイローゼと呼ばれるもの。「恐怖症」「強迫神経症」などの心身に様々な症状を引き起こす。

この3つから発症する代表的な症状をまとめたものが、以下の図です。

心身症・神経症などに関する文献研究

このように、長期間にわたってストレスを受け続けると、「行動面」「心理面」「身体面」にさまざまな悪影響が出てしまいます。

ストレス症状の解消は環境から

環境と心と体のつながり

米田・秦ら(2013)は、気温変化などを調整し、緊張しやすい環境で飼育したマウスの研究を行いました。ストレス症状をマウス実験で解説その結果、次のような症状が確認されました。

1.身体面の症状
・心拍数の増加
・痛みに過敏になる
・腹痛と下痢
加えて、中枢神経・循環器系・消化器系・末梢神経系など、全身にわたりあらゆる症状が確認されています。

2.心理・行動面の症状
・落ち着きがない
・イライラや焦り
・そわそわしている
加えて、毛づくろい(リラックス反応)の減少が見られ、脳波の異常も確認されています。

これらの症状は、人間の「心身症」と類似していることがわかっています。心身症は、ストレスと関連する心と体の疾患です。つまり私たちの心と体の健康は、環境から強い影響を受ける推測できます。

心と体の健康は環境づくりから

先ほど紹介したマウスの研究を、人間に置き換えると、

・きちんと睡眠をとれるか
・気温に即した服装
・太陽の光を定期的に浴びている

などが緊張に影響すると言えそうです。

心と体が疲れている…と感じた時には、生活リズムの見直しや気候に順応する対策をしながら、過ごすといいでしょう。

ストレス反応の対処法また環境によるストレス症状が大きい場合には、環境を見直したり変えたりすることを検討してもいいかもしれません。

治療と診断について

ストレス症状を発散・セルフケア

ストレス症状の理解を深めたい方は以下のコラムも参考にしてみてください。

ストレス症状と発散方法・コーピングスキル①

ストレスの解消法-6つの方法

専門家への相談について

ストレス症状によっては、心療内科、福祉的な制度、医療の力を借りることもとても大事です。以下関連動画を掲載します。参考にしてみてください。

*心療内科の話
心療内科に行こうか迷った場合に下記で基本的な知識を抑えてみてください。

*適応障害
ストレスが大きい時期になりやすい適応障害について解説しました。

*ストレスフルで使える制度,心理学
コロナウイルスの際に作成した対応動画です。ストレス理論でも使えます。総合的な対策を理解したい方はご覧ください。

ストレス診断・チェック

現在の自分の状況を把握したい方はこちらの診断をご利用ください。ストレス症状が重たいか軽いかによって、対応が異なりますので、一度診断してみることをお勧めします。

ストレス診断

助け合い掲示板の活用

ページ下部には助け合い掲示板があります。当コラムは心理面で悩みを持つ方が多く集います。お互いの悩みや経験談など相談してみましょう。*お互いを思いやったご投稿をよろしくお願いします。

講座のお知らせ

最後に30秒だけお知らせをさせてください♪ 私たち公認心理師・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらの心理学教室のページを参照ください。

助け合い掲示板

コメントを残す

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

*出典・参考文献
・R.S.ラザルス(1990)ストレスとコーピング-ラザルス理論への招待 星和書店 p19
・武田(2004)第2章 心身症・神経症等に関する文献研究 心身症・神経症等の児童生徒の実態把握と教育的対応に関する文献研究 平成14年度~平成16年度科学研究費補助金(基盤研究(C)(2))研究