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夫婦喧嘩の仲直り方法を心理学の専門家が解説

夫婦喧嘩の仲直り方法・子供への影響①

はじめまして!精神保健福祉士の大塚、精神保健福祉士の川島です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。今回は「夫婦喧嘩」についてお話していきます。目次は以下の通りです。

  • 夫婦喧嘩の理由統計
  • どうやって仲直り?
  • 体調不良、食欲不振
  • 子どもへの悪影響
  • 診断・チェック
  • 夫婦喧嘩になる原因と解決策

コラム①では夫婦喧嘩についての理解、コラム②~⑤では、簡単に仲直りする方法や夫婦喧嘩になりにくいコミュニケーション手法をお伝えしますね。-

夫婦喧嘩について心理学の専門家が解説

夫婦喧嘩は世の常

健やかなる時も病める時も、この人とならどんなに辛い困難も乗り越えられる…二人でならずっと笑顔で幸せな家庭を築いていける!そう固く愛を誓い合い、生涯のパートナーとして共に歩み始めた新郎新婦…。そんな二人も、時が経つにギクシャクし、顔を見合わせればついつい出る文句、

夫「すぐにギャーギャー言いやがって(怒)」
妻「もうあんたの顔なんて見たくないわ(怒)」

夫婦といえども、もともとは育った環境も違う他人同士です。一つ屋根の下で暮らしていれば、相手の気に入らないところが目に付きイライラしたり、気持ちがすれ違うことも出てきます。

喧嘩をする理由も、恋人の頃とは違うことを実感してくるはず…。ほんのささいなことがきっかけとなり、時には大喧嘩に発展してしまうこともあるでしょう。

離婚件数は22万件

放置をしておけば、最悪の場合、離婚へと発展してしまいます。日本の離婚件数は年間、22万件、3割前後の夫婦が離婚となっています。ちなみにhuston(2001)はアメリカ人の新婚夫婦168組を対象とした調査を行っています。その結果、13年の間に3分の1の夫婦が離婚となり、その多くが対立を経験、否定的な感情が継続していたと報告されています。

長い結婚生活の中で、夫婦喧嘩をゼロにするというのは難しいでしょうし、必ずしも悪い喧嘩ばかりではありません。しかし、夫婦喧嘩によってお互いの気持ちに致命的なズレや溝を生み出してしまう、ということは避けたいですよね。

どこの家庭でもあること」
「うちはまだ大丈夫
「夫婦にありがとうはいらない」

このように楽観視し過ぎたり、忙しさにかまけて放置せず、改めて現状の夫婦関係を見つめ直してみましょう。ではそもそも夫婦喧嘩とはどのような影響をもたらすのでしょうか?心理学における研究をいくつか紹介させて頂きます。

研究① 夫婦見解の理由と統計

世の中の夫婦はどういった内容で喧嘩をしているのでしょうか。川島(2013)は、Yahoo!知恵袋の投稿データ2004年4月1日~2009年4月7日までの、質問データ総数16,098,580件、回答データ総数49,673,309件を調査し、夫婦喧嘩の内容とその解決策への調査を行ったのです。その結果、以下のようになりました。

グラフの通り、パートナーの人格や癖、行動が多いことが分かります。そして意外なことに金銭的問題が最も少ないという結果が出ていますね。経済面よりも、やはりパートナーのちょっとした言動で夫婦喧嘩につながってしまうことが多いようです。

研究② 仲直り方法の王道は?

続いて、夫婦喧嘩の解決策について見てみましょう。一番は「謝罪」で全くもって正論という感じですね。次いで「あきらめ」や「何もしない」といった解決策が上がっています。

こちらから謝罪してもダメな場合は、無理に仲直りしようとするよりも、時間が解決してくれると考えることが大切なのかもしれません。

夫婦喧嘩によるストレス

研究③ 子どもへの悪影響

子どものいる家庭では、夫婦喧嘩が子供の成長や教育、人格形成に悪影響を与えてしまうこともあります。

張(2015)の研究では、両親の争いに巻き込まれた子どもたちは、「不機嫌・抑うつ・無気力といった数多くの深刻な問題を抱える危険性が高くなる」
と述べています。

 

菅原ら(2002)の研究では、1360名の母親を対象に夫婦関係が子どものメンタルヘルスにどのような影響を与えるか調査をしました。

その結果、上図のように「父親と母親がお互いに愛情を持っている」場合、家族の雰囲気がよくなり、子どもの抑うつ傾向が低くなることが分かっています。また、母親が父親に対して愛情を持っていると、子どもに対しても暖かく接することができ、その暖かさが子どもの抑うつ傾向を下げるのです。

このように、夫婦関係によって子どもの精神的な健康が左右されてしまいます。夫婦喧嘩の中で「子どもたちは関係ないでしょ!」という発言をしてしまう人は、少し配慮する必要があるかもしれません。

診断とチェック

定期的にこちらの夫婦喧嘩診断で自己チェックしておくことをお勧めしています。客観的な状況を知りたい方はご活用ください。
夫婦喧嘩診断でチェックしよう②

夫婦喧嘩になる6つの解決策

当コラムでは、夫婦喧嘩が起きてしまう、6つのコミュニケーションの解決策を提案させて頂きます。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてください♪

実際に夫婦喧嘩になってしまったらどうやって解決していけばいいのでしょうか?心理学においては「葛藤状態」になったとき6つの解決策があるとされています。 

①4つの夫婦喧嘩レベル

夫婦喧嘩を円満に収束させたい場合、まずは今自分がどのよう状態にいるのかを把握する必要があります。そこで、活用できるのが以下の夫婦喧嘩レベルになります。

Lv1.話し合いなし‐終始ピリピリ
夫婦喧嘩の後、話し合うこともなく終始ピリピリした状態です。日常会話をする時も、お互いに尖った口調で相手をけん制しながら話し、気まずい空気が流れています。

Lv2.話し合い-仮面夫婦
話し合ったけれど、お互いが納得する形で終えることができずに仮面夫婦になってしまうケースです。話し合わずに険悪なムードになるよりはマシですが、表面的な夫婦関係は寂しいですね。お互いの主張を認め合った上で、円満に仲直りしたいものです。

以下のコラムで、より建設的なレベル3、レベル4について解説します!

夫婦喧嘩レベルをより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・勝敗は決めない
・価値観を共有◎
夫婦喧嘩の現在地を知る「夫婦喧嘩レベル4つ」③

②価値観の違いを受け入れ、歩み寄る

夫婦になるということは、日常のルールやライフイベントを二人で決めて暮らしていくということです。

・食生活
・家事の役割分担
・住居や金銭管理
・子育て
・親戚づきあい

二人でいろいろな決めごとをする中で、お互いの考え方や感覚の違い「価値観のギャップ」に気づきます。そして、そのギャップへの戸惑いやいらだちから夫婦喧嘩になってしまい、夫婦関係が悪化してしまうことも少なくありません。

自分の価値観を押し付けてしまう…という方は、歩み寄りを身に付けることで夫婦喧嘩を防ぐことができます。

価値観の違いを受け入れる方法をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・夫婦円満に暮らすポイント
・練習問題で実践しよう
夫婦喧嘩の理由「価値観の違い」乗り越える2つのポイント④

③相手を尊重したコミュニケーション

「アサーション」という自他尊重の考え方を学ぶことで、相手を非難することなく、自分の要求や感情を上手に伝えることが出来るようになります。

アサーション(アサーティブコミュニケーション)とは、1950年代のアメリカで心理療法として誕生した「相手を尊重しつつ、自身の主張も通す為の技法」です。

もともとは対人関係に悩む人々のための行動療法としてはじまりでしたが、その後、アメリカの人権運動に結びついたことで心理療法にとどまらず拡大しました。

冷たい言い方をしがち…という方は、アサーティブを学ぶことで自分も相手も尊重できるようになります。

アサーションをより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・攻撃・非主張は危険
・アイメッセージで愛を
夫婦喧嘩を防ぐ「自他自尊のコミュニケーション」⑤

④話す機会作り

・夫婦の会話レス
お互いが空気のような存在だから会話がなくても落ち着いていられる、言葉がなくても分かりあえるのが夫婦というもの。果たして本当にそうでしょうか?特に長年連れ添った夫婦によく見られる会話がなくなる現象ですが、知らない間に気持ちのすれ違いが生じてしまっているかもしれません。

・話す時間を大事にしよう
夫婦の会話をなくさない、増やすためには、2人で楽しめるような趣味や話題を持つことが効果的です。常日頃から、お互いの関心事を伝え合う習慣や情報共有の時間を意識的にしていきましょう。

夫婦となり一緒に暮らしていると「いつでも話せるから」と思ってしまいがちです。そのため、伝えるべきことを後回にしたり、最低限のやり取りで終わらせてしまうことも多くなり次第に「話す機会」を失っていくのです。夫婦の会話を増やすためには、しっかり話すための時間を確保して習慣にしていくことが大切です。

夫婦の会話が減った…という方は、話す機会を作ることでお互いの気持ちを共有することができます。

話す機会を作る!をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・○○レスは離婚危機
・話す機会を定例化
・会話プランを立てよう
夫婦喧嘩が絶えない…会話レスから脱却するコツを心理の専門家が解説⑥

⑤感謝の気持ちを伝える

Allen W. Barton(2015)ら米国ジョージア大学の研究チームは、468組の夫婦を対象に感謝の表現が結婚関係にどのような影響を与えるかを調べました。以下は、女性の離婚のしやすさに影響する結果です。この図1は、縦軸が離婚のしやすさ、横軸が夫婦間における直接的なコミュニケーションの程度です。

 

結果は、感謝表現が多く、直接的コミュニケーションが高い夫婦の離婚のしやすさは低く、逆に感謝表現が少ないと離婚のしやすさが大きくなることがわかります。日常生活にパートナーへの感謝をみつけて、良好な夫婦関係の構築していきましょう。

感謝の気持ちを忘れがち…という方は、感謝を見つける方法を知ることで夫婦関係が円満になります。

感謝の気持ちを伝える!をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・感謝がないと夫婦喧嘩
・感謝が多いと離婚減
・感謝を伝える3ステップ
夫婦喧嘩を防ぐ「感謝の気持ち」見つけ方・伝え方のコツ-心理の専門家が解説⑦

⑥人間関係前向きメガネ

人間関係前向きメガネは、相手のポジティブに目を向けていく方法です。夫婦喧嘩ではお互いの悪い面ばかりに視点がいきがちなので、意識して相手のいい面を探していきます。心理学的にはポジティヴ幻想という言葉を使うのですが、幻想というとちょっと嘘くさい用語になってしまうので人間関係前向きメガネとネーミングしました。

相手のネガティブな面に目を向けてしまう…という方は、人間関係前向きメガネを使うことで、自然とポジティブ面に意識を向けることができるようになります。

人間関係前向きメガネをより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・練習問題で実践!
・気持ちが乗らない場合
夫婦喧嘩を緩和する人間関係前向きメガネ⑧

 

4つのポイントで夫婦喧嘩を減らそう

夫婦喧嘩や危機を乗り越えよう!

このように、夫婦喧嘩の原因には「価値観の押し付け合い」「カチン!とくる言い方」「会話レス」「感謝の欠如」「相手のネガティブ面に目を向ける」の5つが大きく関係するとわかりましたね。

長い結婚生活において、夫婦関係の危機的状況に直面することは度々あるでしょう。そのような危機を1つ1つ乗り越えてこそ、夫婦の絆も深まるというもの。でも、未然に大きな喧嘩の火種となるような原因がわかって防ぐことができれば、もっと幸せな二人の時間に費やすることが出来ます。

次回は、夫婦喧嘩診断についてご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★5つのコミュニケーションで夫婦喧嘩をしない!夫婦の危機を回避
人間関係講座

目次

①夫婦喧嘩-概観
②診断でチェック
③夫婦喧嘩レベル
④価値観の違いを越える
⑤自他自尊を身に付ける
⑥会話レスから脱却するコツ
⑦「感謝の気持ち」見つけ方
⑧人間関係前向きメガネ

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
Huston,T.L.,Caughlin,J P,Houts,R M,Smith,S. E.&George,L. J(2001)「The Connubial Crucible: Newlywed Years as Predictors of Marital Delight, Distress, and Divorce.」Journal of Personality and Social Psychology, 80(2), 237-252.
Howard J.Markman・Galena K.Rhoades・Scott M.Stanley・Erica P.Ragan・ Sarah W. Whitton(2010)「The Premarital Communication Roots of Marital Distress and Divorce: The First Five Years of Marriage」
岩藤裕美(2008)「葛藤生起場面における夫婦間コミュニケーション・スタイル ―尺度の作成と妥当性の検討―」人間文化創成科学論叢第11巻2008年
I.R.スチュアート,L.E.アブト(1972)「離婚・別居の家族と子ども」家政教育社
ジョエル・Dブロック/スーザン・S・バーテル(2004)「パパ、ママぼくを巻き込まないで!」旭屋出版
張新荷(2015)「夫婦間葛藤に対する青年期の子供の反応と心理的ストレス反応の関連-日本と中国の高校生を対象にー」東北大学大学院研究科研究年報 第63集・第2号(2015年)
川島(2013)「Yahoo!知恵袋」に見る夫婦間葛藤解決方略 千葉大学教育学部研究紀要 第61巻 185~191頁
「離婚に関する調査2016」(2016)リクルートブライダル総研http://bridal-souken.net/data/divorce/divorce2016_release.pdf
菅原ら(2002)夫婦関係と児童期の子どもの抑うつ傾向との関連より一部改変して掲載教育心理学研究,2002,50,129ー140