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夫婦喧嘩の仲直り方法を心理学の専門家が解説

夫婦喧嘩


夫婦喧嘩の仲直り方法・子供への影響①

みなさん、こんにちは!精神保健福祉士の大塚です。私は、大学で心理学や精神保健について学び、現在は心理学の講座や企業研修等の講師として活動しています。

今回は「夫婦喧嘩」について詳しく解説をしていきます。コラム①では夫婦喧嘩についての理解、コラム②~⑤では、簡単に仲直りする方法や夫婦喧嘩になりにくいコミュニケーション手法をお伝えします。

しっかりと対策をお伝えしたいので8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが、ぜひお付き合いください♪

夫婦喧嘩について心理学の専門家が解説健やかなる時も病める時も、この人とならどんなに辛い困難も乗り越えられる…二人でならずっと笑顔で幸せな家庭を築いていける!そう固く愛を誓い合い、生涯のパートナーとして共に歩み始めた新郎新婦…。

そんな二人も、時が経つにギクシャクし、顔を見合わせればついつい出る文句、そこから言い争いに発展し気付けば夫婦喧嘩ばかりの日々。思い描いた結婚生活はこんなはずじゃなかったのに…そんな風にため息をつく人も少なくないでしょう。

夫「すぐにギャーギャー言いやがって(怒)」

妻「もうあんたの顔なんて見たくないわ(怒)」

夫婦といえども、もともとは育った環境も違う他人同士です。一つ屋根の下で暮らしていれば、相手の気に入らないところが目に付きイライラしたり、気持ちがすれ違うことも出てきます。

また喧嘩をする理由も、恋人の頃とは違うことを実感してくるはず…。ほんのささいなことがきっかけとなり、時には大喧嘩に発展してしまうこともあるでしょう。

夫婦喧嘩の葛藤内容

世の中の夫婦はどういった内容で喧嘩をしているのでしょうか。川島(2013)の研究では、Yahoo!知恵袋の投稿データ2004年4月1日~2009年4月7日までの、質問データ総数16,098,580件、回答データ総数49,673,309件を調査し、夫婦喧嘩の内容とその解決策への調査を行ったのです。その結果、以下のようになりました。

まずは、夫婦喧嘩の内容から見ていきましょう。グラフの通り、パートナーの人格や癖、行動が多いことが分かります。そして意外なことに金銭的問題が最も少ないという結果が出ていますね。経済面よりも、やはりパートナーのちょっとした言動で夫婦喧嘩につながってしまうことが多いようです。

続いて、夫婦喧嘩の解決策について見てみましょう。一番は「謝罪」で全くもって正論という感じですね。次いで「あきらめ」や「何もしない」といった解決策が上がっています。

こちらから謝罪してもダメな場合は、無理に仲直りしようとするよりも、時間が解決してくれると考えることが大切なのかもしれません。

夫婦喧嘩から体調不振や家庭崩壊へ

一緒に生活する中で、言いたいことを我慢して自分の感情を抑圧するのは当然ストレスになります。そのため時には、適度な喧嘩も必要です。

夫婦喧嘩になっても、その都度きちんと話し合うことで解決できればよいのですが、喧嘩がヒートアップし過ぎて収拾がつかなくなると、どんどん深刻な状況へと悪化していってしまいます。

感情の高ぶりや苛立ちで過度なストレスが与えられると、体力的・精神的にも疲れ切ってしまい、食欲不振や体調不良、不眠症やうつ病に陥る可能性もあります。

夫婦喧嘩によるストレス実際に、夫婦喧嘩のストレスによって免疫機能の低下や、心拍や血圧の急激な変化が起こされるという研究結果が、オハイオ州立大学のキーコルト・グラサー教授によって報告されています。また、子どものいる家庭では、夫婦喧嘩が子供の成長や教育、人格形成に悪影響を与えてしまうこともあります。

張(2015)の研究では、両親の争いに巻き込まれた子どもたちは、「不機嫌・抑うつ・無気力といった数多くの深刻な問題を抱える危険性が高くなる」
と述べています。

さらに一時の喧嘩では終息せず、顔を合わせるたびに傷つけあうような状態が続くと、家庭崩壊や離婚に至ってしまうことにもなりかねません。

huston(2001)の新婚夫婦168組を対象とした調査では、13年の間に3分の1の夫婦が離婚となり、その多くが対立を経験、否定的な感情が継続していたと報告されています。

長い結婚生活の中で、夫婦喧嘩をゼロにするというのは難しいでしょうし、必ずしも悪い喧嘩ばかりではありません。しかし、夫婦喧嘩によってお互いの気持ちに致命的なズレや溝を生み出してしまう、ということは避けたいですよね。

どこの家庭でもあること」
「うちはまだ大丈夫
「夫婦にありがとうはいらない」

このように楽観視し過ぎたり、忙しさにかまけて放置せず、改めて現状の夫婦関係を見つめ直してみましょう。

子どもの抑うつに影響する!?

夫婦喧嘩の問題点はそれだけにとどまりません。実は、子どもの抑うつ傾向に影響することもわかっています。菅原ら(2002)の研究では、1360名の母親を対象に夫婦関係が子どものメンタルヘルスにどのような影響を与えるか調査をしました。

その結果、上図のように「父親と母親がお互いに愛情を持っている」場合、家族の雰囲気がよくなり、子どもの抑うつ傾向が低くなることが分かっています。また、母親が父親に対して愛情を持っていると、子どもに対しても暖かく接することができ、その暖かさが子どもの抑うつ傾向を下げるのです。

このように、夫婦関係によって子どもの精神的な健康が左右されてしまいます。夫婦喧嘩の中で「子どもたちは関係ないでしょ!」という発言をしてしまう人は、少し配慮する必要があるかもしれません。

 

夫婦円満?夫婦コミュニケーション診断

それではここで、普段の家庭生活でのやりとりや夫婦喧嘩を振り返ってセルフチェックをしてみましょう。以下の項目のうち、自分たちに思い当たることはいくつあるか数えてみてください♪

夫婦円満度チェック

当てはまった数はいくつでしたか?
→  個

解説!夫婦円満度をチェックしよう

当てはまった数から、あなたの家庭の夫婦円満度、または深刻な夫婦喧嘩による危機的状況の可能性がどのくらいなのかを確かめましょう!

0個
夫婦円満!お互いを尊重したコミュニケーションが取れているようです。ぜひ、そのままの思いやりや配慮の気持ちを持ちながら円満な家庭を持続してください!

1~5個
夫婦の危機度は低めですが、少し意識をして会話をするようにした方が良いでしょう。どんな夫婦だって、不満に思うことの1つや2つはあって当然です。大切なのは、1つ1つ話し合った上で解決していくことです。

6~10個
要改善!夫婦の危機度はやや低めではありますが、油断は禁物です!また、最後の3つ(NO14.15.16)があてはまった場合は夫婦仲が悪化している可能性もあるので、常態化しているようであれば早急な改善が必要です。

11個以上
かなり危険な状態です。特に、最後の3つ(NO14.15.16)、あてはまった場合は、夫婦仲がかなり悪化しているかもしれません。「離婚」の二文字が頭をよぎったことも一度や二度ではないのでは?!

しかし、あなた(お互い)の気持ちややり方次第で危機から脱出できるはずです。直ちに冷静になって話し合いの機会を持つことと、相手に対する配慮やコミュニケーションの取り方を改めましょう。

夫婦円満はコミュニケーションから

夫婦間のコミュニケーション診断はいかがでしたか?夫婦喧嘩による心理的ストレスの度合いはさまざまです。

特に強い心理的苦痛を抱える夫婦の特徴としては、対立など否定的なコミュニケーション(Noller,Feeney, Bonnell & Callan, 1994)や、夫婦どちらかの要求に対して他方が話し合いを避けようとする「要求-回避型コミュニケーション」(Christensen & Shenk, 1991)が挙げられています。そして、このような特徴が当てはまる夫婦は、関係が崩壊へと向かう可能性が高いこともCaughlin&Huston(2002)らによって示されています。

つまり、上手にコミュニケーションさえ取れていれば、ささいなことでは夫婦喧嘩になりにくく夫婦円満になりやすいということですね。

喧嘩になる4つの原因と解決策

当コラムでは、夫婦喧嘩が起きてしまう、4つのコミュニケーションの問題とその解決策を提案させて頂きます。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてください♪

①価値観の違いを受け入れ、歩み寄る

価値観の押し付け合いはダメ!
夫婦喧嘩の原因の一つとして、価値観の押し付け合いが挙げられます。夫婦と言っても、もともと育った環境も性格も違うのですから、異なる価値観を持っていて当たり前です。いくら仲が良い夫婦でも100%価値観が合うというのはないはずです。相手と価値観が違うことに気が付いたら、自分の価値観を無理に押し付けることには注意が必要です。

互いに歩み寄ろう
相手の価値観を否定したり、変えようと自分の考えを押し付けるのではなく、まずは理解することが大切です。お互いの価値観を受け入れ、気持ちよく歩み寄るためのスタンスやポイントを身に付けましょう。自分の価値観を押し付けてしまう…という方は、コラム②の解説をチェックしてくださいね。

②相手を尊重したコミュニケーション

カチンとくる言い方に注意!
つい語気が強くなってしまったり冷たい言い方をして、相手を不快にさせ険悪なムードに…なんていうことはないでしょうか?特に、家族やパートナーが相手だと遠慮がなくなりその傾向は強くなりがちです。もしかすると、奥さん旦那さんはあなたの「言った内容」ではなく、あなたの「愛のない言い方」に対してカチンとなっているかもしれません。

アサーティブな会話を!
「アサーション」という自他尊重の考え方を学ぶことで、相手を非難することなく、自分の要求や感情を上手に伝えることが出来るようになります。アサーティブな会話で円滑な夫婦関係を目指しましょう。冷たい言い方をしがち…という方は、コラム③の夫婦の会話例や練習問題をチェックしてくださいね。

③話機会作り

夫婦の会話レス
お互いが空気のような存在だから会話がなくても落ち着いていられる、言葉がなくても分かりあえるのが夫婦というもの。果たして本当にそうでしょうか?特に長年連れ添った夫婦によく見られる会話がなくなる現象ですが、知らない間に気持ちのすれ違いが生じてしまっているかもしれません。

普段から会話もなくコミュニケーションが取れていないと、相手の変化や夫婦の問題に気付けず、ある日突然妻(夫)が爆発!なんていうことも。奥さん旦那さんの最近の興味、関心ごとがすぐに思いつかない、という方は要注意です。

話す時間を大事にしよう
夫婦の会話をなくさない、増やすためには、2人で楽しめるような趣味や話題を持つことが効果的です。常日頃から、お互いの関心事を伝え合う習慣や情報共有の時間を意識的にしていきましょう。夫婦の会話が減った…という方は、コラム④を確認してくださいね。

④感謝の気持ちを伝える

相手への感謝欠如
新婚当初や付き合って間もないころは、パートナーへの感謝の気持ちをしっかりと伝えていたと思います。しかし一緒にいる時間が長くなると、相手の存在が当たり前になってしまい、感謝の気持ちが薄れがち…。また相手への不満や否定的な感情が増えてしまうことで、夫婦喧嘩を引き起こしてしまいます。

ありがとうを見つけよう
心理学の研究では、夫婦で日常的に感謝をしていると幸福度が増すことが分かっています。また感謝の気持ちを積極的に伝えることは、夫婦喧嘩を防ぐことにもつながると報告されています。本コラムでは、パートナーへの感謝ポイントを見つけていく「ありがとう発見法」をご紹介します。

日常生活にパートナーへの感謝をみつけて、良好な夫婦関係の構築していきましょう。感謝の気持ちを忘れがち…という方は、コラム⑤を確認してくださいね。

4つのポイントで夫婦喧嘩を減らそう

夫婦喧嘩や危機を乗り越えよう!

このように、夫婦喧嘩の原因には「価値観の押し付け合い」「カチン!とくる言い方」「会話レス」「感謝の欠如」の4つが大きく関係するとわかりましたね。

長い結婚生活において、夫婦関係の危機的状況に直面することは度々あるでしょう。そのような危機を1つ1つ乗り越えてこそ、夫婦の絆も深まるというもの。でも、未然に大きな喧嘩の火種となるような原因がわかって防ぐことができれば、もっと幸せな二人の時間に費やすることが出来ます。

次回は、夫婦喧嘩を防ぐためのポイントの1つ目、「価値観を受け入れ歩み寄る」についてご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★4つのコミュニケーションで夫婦喧嘩をしない!夫婦の危機を回避
人間関係講座

*出典・参考文献
Huston,T.L.,Caughlin,J P,Houts,R M,Smith,S. E.&George,L. J(2001)「The Connubial Crucible: Newlywed Years as Predictors of Marital Delight, Distress, and Divorce.」Journal of Personality and Social Psychology, 80(2), 237-252.
Howard J.Markman・Galena K.Rhoades・Scott M.Stanley・Erica P.Ragan・ Sarah W. Whitton(2010)「The Premarital Communication Roots of Marital Distress and Divorce: The First Five Years of Marriage」
岩藤裕美(2008)「葛藤生起場面における夫婦間コミュニケーション・スタイル ―尺度の作成と妥当性の検討―」人間文化創成科学論叢第11巻2008年
I.R.スチュアート,L.E.アブト(1972)「離婚・別居の家族と子ども」家政教育社
ジョエル・Dブロック/スーザン・S・バーテル(2004)「パパ、ママぼくを巻き込まないで!」旭屋出版
張新荷(2015)「夫婦間葛藤に対する青年期の子供の反応と心理的ストレス反応の関連-日本と中国の高校生を対象にー」東北大学大学院研究科研究年報 第63集・第2号(2015年)
川島(2013)「Yahoo!知恵袋」に見る夫婦間葛藤解決方略 千葉大学教育学部研究紀要 第61巻 185~191頁
菅原ら(2002)夫婦関係と児童期の子どもの抑うつ傾向との関連より一部改変して掲載教育心理学研究,2002,50,129ー140



4つのコミュニケーション手法で円満を目指そう