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夫婦喧嘩から仲直りする方法

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夫婦喧嘩から仲直りする方法

皆さんこんにちは。人間関係講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回のお悩み相談は「夫婦喧嘩から仲直りする方法」です。

喧嘩している夫婦

相談者
34歳 女性

お悩みの内容
私は現在結婚3年目で共働きをしています。出産後に家事や育児の分担で喧嘩をすることが多くなり、3か月ぐらいから険悪な雰囲気になっています。楽しく暮らしていきたいのに息が詰まる思いです。夫婦喧嘩から仲直りする方法を知りたいです。

3か月も険悪な雰囲気が続くと心にも相当な負担がかかっていると思われます。当コラムでは、夫婦喧嘩の心理と、仲直りのやり方について解説していきます。円満な家庭のために少しでもお役に立てればと思います。是非最後までご一読ください。

夫婦喧嘩と研究

心理学の分野ではこれまで、夫婦仲について様々な研究がなされてきました。重要なものをピックアップしたので、気になる項目がありましたら展開してみてください。

 

川島(2013)は、Yahoo!知恵袋の投稿データ16,000件を対象に夫婦喧嘩の内容調査を行いました。その結果、以下のようになりました。

グラフの通り、経済面や義両親などの関係は離婚の決定打にはならず、パートナーの人格、癖、行動が決断の大きな要因になることが分かります。

 

張(2015)は日本と中国の高校生537名を対象に、夫婦喧嘩が子供のメンタルへルスにどのように影響するかを調べました。その結果の一部が下記の図です。

上図のように、親に対する恐れを感じた子供は、無気力になりやすいことが分かります。夫婦喧嘩が長引いているご家庭で、子供が溌溂としていない場合は要注意です。

 

菅原ら(2002)は、1360名の母親を対象に夫婦関係が子どものメンタルヘルスにどのような影響を与えるか調査をしました。その結果が以下の図です。

少し複雑な図ですが、夫婦仲が良い家庭は、子供が抑うつを抱えにくいことを示しています。逆に解釈すれば、夫婦仲が悪く、ぎくしゃくしている家庭ほど、子供のメンタルヘルスが悪くなると推測できるのです。


仲直りをする9の方法

ここからは夫婦喧嘩から仲直りをする9つ方法を提案させて頂きます。口を利かないほどの気まずい状況から改善していくアイデアをお伝えします。

①自分から仲直りする
②いったん矛を収める
②感謝を思い出す
③前向きな決意を固める
④小さなコミュニケーション
⑤話し合いの提案
⑥まずは傾聴
⑦アサーティブに話し合う
⑧最後の手段,限界設定
⑨夫婦の絆を深める

夫婦喧嘩の状況はご家庭によって変わってくると思います。ご自身にあてはまるアイデアを組み合わせてご活用ください。

①自分から仲直りする決意

お互いが意地を張っていると夫婦喧嘩は長期化しがちです。

喧嘩の原因は相手が作った…
相手から譲歩すべきだ…
謝るのは相手だ…なんで自分から…
自然と関係は修復するでしょ…

お互いこのように考えていると、いつまで経っても仲直りのタイミングは訪れません。特に夫婦喧嘩が長期化している場合は、前向きにあきらめ、「自分から修復しよう」と決心することが大事です。

理由はさておき、あなた自身が動かなくては、いつまでもこの状態が続くと考え、アクションを起こす意志を固めましょう。

②いったん矛を収める

夫婦喧嘩が長期化している場合、お互い相手の非に目が向き、文字通り喧嘩モードになっています。ここで大事なことは、矛いったん収め、仲直りモードになることです。

心理学の世界には「返報性の原理」という言葉あります。返報性の原理とは、相手に投げかけた気持ちは、返ってきやすいという原理です。

あなたが、仲直りしたい!と感じれば感じるほど、相手にもその気持ちが伝わり、修復は早くなるのです。

返報性の原理

 

③感謝を思いだす

仲直りモードになれない時は、相手の感謝できる部分に目を向けてみましょう。

落ち込んだ時に笑わせてくれた
旅行の計画を立ててくれた
一生懸命告白してくれた
なんやかんや稼いでくれる  

夫婦になることは簡単なことではありません。これまでたくさんの楽しい思い出、感謝できる点があるはずです。これらをしっかり思い出して、相手の存在の大事さを再認識するところから始めていきましょう。

改めてパートナーに対する感謝の気持ちを育てたい方は下記のコラムを参照ください。

感謝の気持ちを持つ方法

 

 

仲直り,感謝の気持ち

④小さなコミュニケーション

あなた自身が仲直りモードになってきたら、土台となる関係作りをしていきます。大切なことは毎日の小さなコミュニケーションです。冷戦状態でも以下のように、日常の何気ないやり取りを積み重ねていきましょう。

「おはよう」「おやすみ」だけは言う
仕事から帰ってきたらお茶を出す
日常の小さな家事に対してありがとうと言う

これだけで、印象はだいぶ変わるものです。相手は戸惑うかもしれないですし、返してくれないこともあるかもしれません。それでもコツコツ続けていきいましょう。

⑤話し合いの提案

ベースの関係作りができたら、いよいよ話し合いの提案をしていきます。ここは率直に伝えてOKです。

この前のことで話し合いのだけど…
今度の休日、しっかり話し合いたい…

としっかり告げましょう。残念ながらNGな場合もありますが、ほとんどの場合はOKをもらえずはずです。

話し合いは環境も大事です。月曜の夜、深夜、騒がしいお店、などはおすすめできません。落ち着いて話し合える時間と場所を選びましょう。

夫婦喧嘩,話し合い

⑥最初は傾聴に徹する

夫婦関係は「異なる価値観」自体が必ずしも問題なのではありません。問題なのは

相手の価値観を否定する
自分の価値観を押し付ける

このような態度事態が最も大きいのです。いざ話し合いの場面に入ったら、まずはあなたの主張はいったん脇においておきましょう。

そして、初めは相手の気持ちを傾聴することに徹しましょう。そうして相手の話を傾聴するなかで、

ここは納得できるな 確かに〇〇私にも問題があるかも

と感じる部分をしっかり見つけていきましょう。そしてその部分をしっかりと相手に伝えます。

確かに私もそう思う そうかあ~その点については申し訳なかったよ…

と共感しながら聴いて行きます。これだけでも、あなたに対してこわばった印象がかなり解れてくでしょう。共感の方法については下記のコラムに書いてあります。後程練習してみてください。

共感力を向上させる方法

会話を定例化して夫婦喧嘩を回避

⑦アーティブに主張する

相手の話をしっかりと聞いた場合は、相手の気持ちは随分和らぎます。ここまでできれば70%ぐらいは仲直りしているかもしれません。

一方で、価値観のズレがある場合は、あなたの価値観も伝えるようにしましょう。ここで大事なのはアサーティブな精神を持つことです。アサーティブとは

相手もOK 自分もOK

の精神をもって人と関わることを意味します。

相手の話にしっかり耳を傾けたら、今度は自分の話を主張しても良いのです。あなたが感じていることも、伝えて、建設的に話し合っていきましょう。

アサーティブコミュニケーションについては下記のコラムでしっかり記述しています。話し合いの前にぜひ参考にしてみてくださいね。

アサーティブコミュニケーションの基礎

⑧最後の手段,限界設定

あなたがここまで相手を気遣い、それでも相手が頑なになっている場合は、最後の手段として、限界設定をしておくことも大事です。限界設定とは

ここまではOK これ以上はNG

の線引きとなります。限界を設定し、もし相手が守らない場合は、どう行動するかを決めておくのです。

休日半日は子育てを手伝う
→できない場合は1か月実家に帰る

便所掃除はパパ担当
→できない場合は小遣い2000円カット

夫婦関係は月に1回は行う
→できない場合は離婚する

このように明確な線引きをしましょう。限界設定は最後の手段なので、基本は①~⑧までの話し合いを大事にしてください。

 

⑨夫婦の絆を深める

腹を割って話し合い、お互いの主張を譲り合えると、相手と今までよりももっと大きな絆で結ばれるはずです。

神原(1992)は、うまくいく夫婦の基本的結合パターンを、「共生的結合(きょうせいてきけつごう)」という言葉で示しています。共生的結合とは、以下のように説明されています。

共に生き、人生を共に歩むという共同目標のもとで、相互信頼に支えられた相互成長を期しながら互いの人生における短期的・長期的なゴールを目指して喜怒哀楽の体験を積み重ねていく関係

つまり、夫婦は、互いの価値観や感情・ビジョンを共有しながら同じ方向を目指すチームであり共同経営者なのです。夫婦喧嘩というとネガティブなイメージが強いですが、仲直りすることができれば、より絆を深めるきっかけにもなるのです。

これからも衝突することはあれど、また話し合えば乗り越えていけると確認し合うのも良いでしょう。

 

アイメッセージで気まずい状況を回避しよう

 

まとめ

夫婦生活に喧嘩は付きものです。夫婦の信頼関係は、お互いにぶつかり合い、本音で話しあうことでより強固なものになっていきます。

夫婦喧嘩の最中は辛いものですが、その辛い状況を2人で乗り越えていくことで絆は深まっていきます。紹介した方法を活用して、円満な夫婦関係を送られることを願っています。

人間関係講座のお知らせ

温かい夫婦関係を築く方法を公認心理師の元でしっかり学習したい方は、私たちが開催している人間関係講座をオススメしています。講座では

・アサーティブコミュニケーション
・傾聴力をつける練習
・共感力トレーニング
・暖かい人間関係を築くコツ

など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。ぜひお待ちしています。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
Huston,T.L.,Caughlin,J P,Houts,R M,Smith,S. E.&George,L. J(2001)「The Connubial Crucible: Newlywed Years as Predictors of Marital Delight, Distress, and Divorce.」Journal of Personality and Social Psychology, 80(2), 237-252.
Howard J.Markman・Galena K.Rhoades・Scott M.Stanley・Erica P.Ragan・ Sarah W. Whitton(2010)「The Premarital Communication Roots of Marital Distress and Divorce: The First Five Years of Marriage」
岩藤裕美(2008)「葛藤生起場面における夫婦間コミュニケーション・スタイル ―尺度の作成と妥当性の検討―」人間文化創成科学論叢第11巻2008年
I.R.スチュアート,L.E.アブト(1972)「離婚・別居の家族と子ども」家政教育社
ジョエル・Dブロック/スーザン・S・バーテル(2004)「パパ、ママぼくを巻き込まないで!」旭屋出版
張新荷(2015)「夫婦間葛藤に対する青年期の子供の反応と心理的ストレス反応の関連-日本と中国の高校生を対象にー」東北大学大学院研究科研究年報 第63集・第2号(2015年)
川島(2013)「Yahoo!知恵袋」に見る夫婦間葛藤解決方略 千葉大学教育学部研究紀要 第61巻 185~191頁
「離婚に関する調査2016」(2016)リクルートブライダル総研http://bridal-souken.net/data/divorce/divorce2016_release.pdf
菅原ら(2002)夫婦関係と児童期の子どもの抑うつ傾向との関連より一部改変して掲載教育心理学研究,2002,50,129ー140

神原文子 1992 夫および妻の夫婦関係満足度を規定するもの 愛知県立大学文学部論集 41,37‒6.