>
>
>
悲観的な性格の特徴・治す方法・診断チェック項目

悲観的な性格の特徴・治す方法・診断チェック項目①

はじめまして!精神保健福祉士の川島です。今回は「悲観的」です。

改善するお悩み
・悲観的な性格を治したい
・心配や緊張が強い
・将来への不安が大きい

目次は以下の通りです。

  • 悲観的な性格とは?特徴・問題
  • 悲観的な思考が寿命に影響?
  • 友人が少ないと悲観的になる?
  • 防衛的悲観主義の特徴
  • 人間関係でのメリット
  • 思考を治す方法
  • 性格や捉え方を変えよう
  • 助け合い掲示板

各コーナーにはもっと深く知りたい!という方のためのリンクがあります。まずは全体を読んでみて、気になる場合はリンク先をクリックしてみてください(^^)もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

悲観的な性格とは?

悲観的とは、将来など先行きに対してネガティブに捉える見方です。「もし〇〇だったら望みが持てない」「将来〇〇になるかもしれない」といった考えから不安や心配、緊張を高めてしまいます。

ここで悲観的思考につながる、ネガティブ思考に関する論文をいくつか見ていきましょう。

神谷・幸田(2016)は、「ネガティブ思考」がもたらす心理的な影響について研究しました。下図は、論文を一部改変して作成した図です。

ネガティブ反すうとは、ネガティブなことをぐるぐると何度も考えてしまう思考の癖を意味します。少し眺めてみてください。なんとなく意味がわかりますか。

悲観的な気持ちを解説

図から自己否定過去現在否定的が、将来否定ネガティブな反すう思考を強めていることがわかります。そして将来否定とネガティブ反すうが引き金となり、抑うつ気分を高めていることがわかりますね。

このように、行き過ぎた自己否定や、過去や現在を否定すると、将来を悲観的に捉えてしまうことで落ち込み、抑うつが高くなってしまうのです。ページ下部に改善策を記載しました。後程参考にしてみてください。

*当コーナーは動画解説もあります。気にって頂いたらチャンネル登録を頂けると励みになります。

寿命に影響?

ネガティブ思考は、健康に悪影響を及ぼすこともわかっています。ここで、2つの研究を見ていきましょう。

*ブルメットの冠動脈疾患研究
まずは、アメリカのデューク大学で2005年にブルメット氏らが発表した論文です。

悲観的な心理と健康への影響ブルメット氏は冠動脈疾患の患者(866名)に対して事前にアンケートを行い、

・ポジティブ思考の人達
・ネガティブ思考の人達

に分けました。

その後、追跡調査を約11.4年間行ったところ、ポジティブ思考の人達がネガティブ思考の人達も22%も生存率が高いことわかったのです。心のあり方が寿命に影響するとは驚きます。

*エレーヌ・フォックスの寿命研究
つづいては、エレーヌ・フォックス(2014)が行った研究です。

エレーヌ・フォックスは、脳科学や心理学の視点からポジティブシンキングはどれだけ心身に影響を与えるかの研究を行っています。その研究から引用された、女性修道師の寿命調査を見ていきましょう。

この寿命調査では、女性修道師180人(平均年齢22才時)の手記の内容を確認しています。女性修道師は事あるごとに手記を残す習慣があるそうです。

その手記にはポジティブな内容だったり、ネガティブなことが書かれていたりと、人によって違いがあったそうです。

寿命調査ではその後、女性修道師の60年後の健康状態を比較しました。その結果がこちらのグラフです。

悲観的な性格について調査データをもとに解説

ポジティブシンキングを重視した人のほうが寿命が長く10年以上長生きしていたことが分かりました。心の持ち方で10年の差がつくとは、驚きます。

このように悲観的などネガティブ思考は「メンタルヘルス」においては大きなマイナスになることを覚えておきましょう。

友達が少ないと悲観的に

まずはこちらをご覧ください。国の統計(我が国と諸外国の若者の意識に関する調査)から引用した図です。

「希望」と「友人の数」を分析したもので、

友人が少ない
悲観的になりやすい

ことが分かります。悲観的に捉えるクセがついていると、ストレスをためやすく表情も暗くなりがちです。そのため、周囲が近づきにくい雰囲気を作っているのかもしれませんね。

悲観的思考が強くなると、結果的に人間関係がうまくいかなくなり、さらにストレスを抱えてしまうこともあります。

このような状態では、心身のバランスを崩すことにもつながり、うつなどの精神疾患を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。

悲観的思考のメリット

悲観的な性格が必ずしも悪いとは言えません。実際、世の中を見渡すと、仕事などで高いパフォーマンスを発揮している人達のすべてが楽観的ではありません。

失敗する機会が少ない

ノレム&カンター(1986)は、物事を悲観的に捉える利点として防衛的非観主義を挙げました。

防衛的非観主義の人は、不安が高くてネガティブであるが故に入念な準備を行います。そのため予期しない事態が起こっても慌てず対処できるので、失敗する機会が減ります。

人間関係でプラスに働く

また、防衛的非観主義は対人関係にもプラスに働きます。清水ら(2016)は、対人関係における防衛的非観主義の役割を検討しました。その結果、以下に示すことが明らかになりました。

防衛的悲観主義は、相手の様子を見て自分の関わり方を変えることと関連していることが分かりました。

防衛的な人の利点・メリット対人関係で「自分が話したいことを一方的に話し続ける」といったことが生じると、良好な人間関係にヒビが入ることがあります。自分に自信がない人達ほど、相手や周りをよく見て行動する傾向があるのです。

加えて防衛的悲観主義は、相手を尊重する傾向と関連していることが分かりました。

防衛的悲観主義の特徴

「自分の意見を押し通す」などの言動は、相手のことをあまり考えていないと言えます。悲観的性格の人は、自分よりも相手の立場を重視することが多いため、自分本位で周囲と接することはほとんどないでしょう。

このように、悲観的であっても良い点はあります。言い換えると、仮に悲観的な性格でも、自分の全てを修正する必要はありません。

思考を変える方法

ここからは、悲観的になりやすい原因と解決策を見ていきましょう。悲観的になりやすい原因と解決策は、大きく分けると3つあります。

全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①ネガティブ反すうから抜け出す

ネガティブな思考を繰り返す
悲観的な性格の人は、ネガティブな経験を何度も考えてしまい、不快な感覚を繰り返し思い出してしまいます。

このような嫌な出来事を繰り返しかみしめる事を「ネガティブ反すう」と言います。悲観的な人は、嫌な出来事を別の考えに切り替えたり、忘れることがなかなかできないのです。

「今」やるべき事に集中!
ネガティブ反すうを減らすには、「今」やるべき事に集中する考え方のクセをつけることが大切です。本コラムでは、ネガティブ反すうから抜け出す3つの方法を具体的にご紹介します。自練習問題に取り組みながら身に着けていきましょう。

ネガティブな体験を繰り返し思い出すクセがある・・・という方はコラム②をチェックしてみてください♪動画もあります!

②認知行動療法の反証

現実的に起こらない事に心配
悲観的になりやすい人は「もし〜だったらどうしよう」と考えるクセがあります。これは仮定しているだけなので、現実的には起こらないこともたくさんあります。

しかし悲観的な人は、現実的には簡単に起こらないことまで心配して、とりこし苦労をしてしまいます。このような捉え方を「認知の歪み」と言います。これでは、心がいくつあっても足りません。

現実的に捉える癖をつける
認知の歪みによる不安や心配を解消するには、認知行動療法で行う「反証」が有効です。反証とは、自分の思考の歪みに気づくための方法です。反証では、さまざまな質問をするなかで、現実的な捉え方を導きだしていきます。

本コラムでは、3つの質問に答えながら、悲観的な考え方を反証するトレーニングをしていきます。とりこし苦労が多い・・・という方は、コラム③をチェックしてみてくださいね。

③「人の支えに甘え→希望が増す

人に頼ることが苦手
悲観的になりやすい性格の人は、周囲の人を頼ったり甘えたりすることが苦手な傾向にあります。人生は苦難がつきものです。もしあなたが、すべてを一人で解決しようとする性格であるなら注意が必要です。キャパシティーオーバーで悲観的になってしまいます。

充実した人間関係を作ろう
悲観的な感情を本当の意味で解消するには、互いに支え合える充実した人間関係を築くことが大切です。人間関係が充実すると、私たちは将来への希望を持つことができます。

さらに言えば、支え合う関係には、無条件の愛情が必要です。当コラムでは、心理療法の1つの概念「無条件の肯定的ストローク法」を元に、充実した人間関係を築くコツをご紹介していきます。

悲観的な気持ちが緩和され、心の安定が図れる環境づくりをしていきましょう。人に頼ることが苦手…という方はコラム④をチェックしてくださいね。

④専門機関を利用する

心理療法を独学で学ぶことに不安がある場合は、専門家の元でしっかり学ぶこともお勧めしています。

私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、悲観的思考、対人不安、緊張の軽減を目指し、心理学講座を開催しています。独学に限界を感じた方、心理学を体系的に勉強されたい方のご参加をぜひお待ちしています。

執筆者も講師をしています(^^)
 ・悲観的思考の軽減‐認知療法
 ・マインドフルネス療法
 ・気持ちの受容の仕方
初学者向け心理学講座を開催しています

自分の性格と向き合おう

このように悲観的な思考を強めてしまう原因は「ネガティブな思考を繰り返す」「認知の歪み」「人に頼ることが苦手」が多いようです。

悲観的思考が強くなると、人間関係がうまくいかなくなったり、心のバランスを崩すことにももつながります。なにより「今」をしっかりと楽しむこともできないことはとても残念です。しっかりと対処して改善していましょう。

次回は、悲観的な思考を改善する1つ目「ネガティブ反すうから抜け出す」についてご紹介していきます。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★悲観的な気持ちの対処法!緊張や不安を軽減しよう
心理学講座

助け合い掲示板

コメントを残す

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

*出典・引用文献
・神谷慶, & 幸田るみ子. (2016). 大学生の抑うつにおける自動思考とネガティブな反すうの関連. ストレス科学研究, 31, 41-48.
・エレーヌ フォックス 2014 脳科学は人格を変えられるのか? 文藝春秋
・平成25年 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 内閣府
・清水陽香・中島健一郎・森永康子 対人的文脈における防衛的非観主義の役割 2016 パーソナリティ研究 第24巻 第3号
・Gabrile Oettingen & Thomas A. Wadden 1991 Expectation, fantasy, and weight loss : Is the impact of positive thinking always positive? Cognitive Therapy and Research Volume 15, Issue2
・尾崎真奈美 2013 与える喜びの心理学:ポジティブ心理学第2世代 Journal of International Society of Life Information Science 31(1)