常連客・リピーターを増やす方法
皆さんこんにちは!現役経営者兼、公認心理師の川島です。私はこちらのコミュニケーション講座の講師として活動しています。今回は「常連客・リピーター」を増やす方法をテーマに解説していきます。
私は25歳の時に独立をして、20年会社を経営してきました。20年の間にはたくさんの試練がありました。
・東日本大震災
・リーマンショック
・コロナ騒動
試練のたびに、私は常連さんに救われてきたと感じています。ビジネスは常連客なくして成り立たない…強く感じています。そこで本コラムで、経営者,公認心理師として常連客を増やす10の方法をお伝えします。目次は以下の通りです。
① パレートの法則をおさえる
② リピーター獲得意思を高める
③ 単純接触効果とIT戦略
④ フットインザドアで敷居を下げる
⑤ 接遇態度を温かく
⑥ 傾聴力をつける
⑦ ユーモアを活かす
⑧ 期待値を上回る仕組み
⑨ コミュティ化させる
⑩ イベントによる賑わい
⑪ ストーリーを作る
⑫ 従業員を大事にする
1つ1つを実践できれば、きっと皆さんのビジネスにもリピーターが増えると思います!是非最後までご一読ください。
リピーターを増やす12の方法
①パレートの法則をおさえる
常連客を増やすには、パレートの法則をしっかりおさえる必要があります。パレートの法則とは以下の意味があります。
売上の8割は全体の2割のお客様が生み出す
一見、ご新規のお客様が次から次へと来ていたとしても、売上にはそこまで貢献してくれません。大事なのは、2回目以降来てくれるお客様なのです。
実際私も会社を経営するのなかで、この法則がほぼあてはまると感じています。私はこれまで倒産する会社をたくさん見てきました。
共通しているのはご新規に目を取られ、売上の大半を占めるリピータを大事にできないことです。まずはパレートの法則をしっかりと肝に銘じておくことが大事です。
②リピーター獲得意思を高める
常連客は、売上以外にもお店の力になってくれます。
口コミ効果
お店の良いところを周囲に伝えてくれるため、新しいお客様の呼び込みに貢献してくれます。
お店の優良モニター
お店への改善アイデア、活発な議論など、無償で行ってくれます。忌憚のない愛情のある指摘は常連客がしてくれるのです。
広告宣伝費の抑制
新規客と比較して、常連客は広告宣伝費が不要です。常連客が増えれば増えるほど、莫大な広告宣伝費が抑えられるのです。
サービスの拡充
広告宣伝費を抑えることができると、その分をサービスに使うことができます。その結果、お互いWinWinな関係になれます。
いかがでしょうか。いかにリピーターが大事か、意識できましたでしょうか。経営者、店長の方は、毎朝この3つのフレーズを心の中で唱えてみてください。
いかにリピートしていただくか?
なぜまた来てくれなかったのか?
絶対に、次もきてもらうんだ!
この気持ちを持てない経営者、店長は失格だと思います。何度も心の中に刻んでおきましょう。
③単純接触効果とIT戦略
常連客やリピーターになってもらうには、「とにかく何度もお客さんの目に触れること」が大切です。心理学の研究では、人は接触回数が多いものに好感を抱くことが分かっています。この効果を心理学では「単純接触効果」と呼びます。
現代のビジネスにおいては、単純接触効果を得るためのIT戦略が必須です。例えば、以下のようなものがあげられます。
YouTube
Twitter
Googleマイビシネス
ラインビジネス
TikTok
フェイスブック
インスタグラム
私もこちらのチャンネルで頑張っています。
特に令和は、動画の時代です。今後動画を配信できない会社は、かなりの苦戦を強いられることを覚悟しましょう。逆に以下のような配信ができる会社は強いです。
経営者が顔出しで発信している
従業員が顔出しで発信している
使用しているお客さまの顔が見える
毎日みたくなるような楽しい動画がある
今すぐ動画を始める!!これを口を酸っぱくしてお伝えします。単純接触効果の重要性については以下のコラムを参照ください。
単純接触効果とは何か
④フットインザドア法を活かす
単純接触の機会を増やしたら、敷居を下げてサービスをお試しで体験してもらう仕組み作りが大事になります。このようにまずは小さな要求や体験をしてもらう手法はフットインザドア法と呼ばれています。
Freedman(1966)[1]らは、フットインザドア法について、以下のような2つの条件を用意して、承諾率を比較しました。
フットインザドア群
小さな交通安全のステッカーを貼ってもらう
(小さなお願い)
↓
安全運転を呼びかける看板を立てさせてほしいとお願いする
(大きなお願い)
大きなお願い群
いきなり安全運転を呼びかける看板を立てさせてほしいとお願いする
両者の比較の結果、承諾率に以下のような差が出ました。
フットインザドア法群
47.4%
大きなお願い群
16.7%
このようにFreedmanの研究では3倍前後の違いが出たのです。フットインザドア法はビジネスの場面では、以下のようなアイデアが挙げられます。
無料体験 無料相談会 体験割引 体験イベント 試供品 無料動画公開
このように最初のハードルを下げてとりあえずは体験してもらうことはビジネスで必須となります。理想を言えば、これらの体験的なコンテンツを消費してくれた方が何%常連になってくれたかも計算するようにしましょう。フットインザドア法について、詳しくは以下のコラムを参照ください。
⑤接遇態度を温かく
いざ体験をしてもらう場面になったら、接客態度を整える必要があります。リピートしたくなるサービスには、温かい接遇態度があります。第一印象の王様は笑顔です。梅野(2015)[2]は非言語コミュニケーションと好感の関係について、大学生230名に対して調査を行いました。その結果の一部が下記となります。
図のように印象形成の王様は圧倒的に笑顔であることがわかります。温かい笑顔なくして、リピートはないと言えそうです。また、アイコンタクトは笑顔に並んで印象形成に影響を与えます。
常連客になってほしい場合は、お客様に適度に目を合わせるようにしましょう。それだけでもグッと好印象を与えられます。接遇態度としては以下の2つを練習するだけで随分改善できます。
不足しているな…と感じる方は以下のコラムを参照ください。
⑥傾聴力をつける
松本ら(2014)[3]は、美容師の指名客数増加とトレーニングの効果について検証を行いました。その結果の一部が下図となります。
上図は、傾聴力が最も指名数増加につながりやすいことが示唆されています。お客様の話をよく聞くお店は信頼されやすい、愛着を持たれやすい、クレームが発生しにくいという効果が得られます。
お客様と接する方で「傾聴スキルがない…」と感じる方は以下のコラムを参照ください。
⑦ユーモア提示
ユーモアのある商品やサービスはリピートしやすくなります。心理学の研究では、ユーモアがあるかないかで、説得率が1.5倍程度変わってくるという調査もあります[4]。ユーモアをビジネスに活かしている例はたくさんあります。
激辛味を販売しSNSで拡散する
おつり300円を「30万円!」と言って渡す
大盛完食で無料!メニューを作る
”ゾウが踏んでも割れないゾウ”と広告する
このようにあなたのサービスを利用してもらう過程で、スっと笑えるコンテンツがあるとリピートしやすいことをおさえておきましょう。
⑧期待値を上回る仕組み
お客様が商品を買ってくれたとしても、その商品が残念なものだったら常連客にはなってもらえません。
そこで、お客様が感動するレベルの商品やサービスを提供する必要があります。以下は、期待値と満足度の関わりを図にしたものです。
このように、「納得」を50とした場合、それを上回れば満足、感動し常連客になってくれる可能性が高まります。一方で、50を下回ると不満や怒りを感じ、リピートしてくれることはありません。
お客様の期待値を考える
どうすればその期待を超えられるか
この2点を徹底的に考えましょう。もしお客様が「満足」のラインに到達したら、かなりの確率でリピーターになってくれると思います。
⑨コミュニティを作る
常連客になってもらうには「コミュニティ」の構築を目指しましょう。コミュニティを形成することで、その中で人間関係が生まれ、リピーターが増加していきます。
根底となるサービス × コミュニティ
はリピーターが生まれる最高の仕組みです。具体的には
リアルの定期イベントを開催
作り方体験会
従業員と触れ合う会
消費者同士の定期オフ主催
ラインでコミュニティを作る
などが挙げられます。LINEは手軽に登録でき、実名を公開しなくていいので気軽に活用できます。また老若男女が利用しているアプリのため、幅広い層でのコミュニティ作りが目指せます。
参考まで私が主催する講座のコミュニティの一部は下記のようにやりとりが行われています。
⑩イベントによる賑わい
皆さんはお祭りが好きでしょうか。お祭りは、人がたくさんいて、わくわくして、足が向いてしまいます。
イベントは顧客に特別な体験を提供し、感情的なつながりを強化します。お祭りや季節のテーマを絡めることで非日常感を演出し、再訪したいと思わせる魅力が生まれます。また、直接顧客とのコミュニケーションが可能なため、信頼関係を築きやすくなります。
例えば、地元の夏祭りイベントで縁日屋台やライブパフォーマンスを行い、参加者が楽しみながら商品を体験できる場を提供すると、顧客に深い印象を残せます。さらに、スタンプラリーやお祭り限定のグッズを配布することで、次回も参加したいという動機を高め、リピーター獲得につながります。
⑪ストーリーを作る
リピーター獲得において、ストーリーを作ることは顧客の感情に訴える効果があります。単なる商品やサービスの提供にとどまらず、ブランドやイベントに共感を呼ぶ物語を付加することで、顧客はより深いレベルでつながり、再訪したいという気持ちが高まります。物語性があると、顧客は自分がその一部となる体験ができ、リピーターとしての意識が育ちやすくなります。
例えば、スターバックスは、コーヒー豆のサプライチェーンにも「フェアトレード」や「エシカルな調達」といったストーリーを組み込み、環境保護や生産者支援といったメッセージが込められています。この背景に共感する顧客は、単なるコーヒー購入にとどまらず、スターバックスのブランドの一部となる意識を持ち、長期的なファンとしてリピートすることが促進されます。
⑫従業員を大事にする
常連客と接するのは、現場の従業員です。もしあなたが仕組みをつくる立場であるなら、従業員がやりがいと誇りをもって働ける職場環境を作らなくてはなりません。
従業員のメンタルヘルスと、常連客の定着率は確実に正の相関関係にあります。「常連客が少ない…」と感じたら「従業員が楽しめているか」「従業員が働きやすい職場か?」を徹底的に考えましょう。
管理者は誰よりも褒め上手であり、ムードメーカでなくてはなりません。眉間にシワを寄せて、命令口調で従業員に接したら、その負の感情はそのまま常連客に吐き出されていきます。あなた自身も仕事を楽しむことが大事なのです。
まとめ
結局のところ、ビジネスは、従業員であれ、お客様であれば、接し方は変わらず、その人をいかに大事にできるか?で勝負が決まるのです。
今日一日あなたの会社のサービスを利用してくれたお客様に、あなたのできる範囲での喜びを作り出し、お互いがハッピーになる。そんな仕組みを一生懸命作ればきっと常連客は増え続けると思います♪応援しています!
しっかり身につけたい方へ
当コラムで紹介した方法は、公認心理師による講座で、たくさん練習することができます。内容は以下のとおりです。
・接客スキルの基礎,傾聴トレーニング
・常連客が増える,フットインザドア法
・温かい接客,笑顔トレーニング
・心をうつ,キャッチコピーの作成練習
🔰体験受講🔰に興味がある方は下記の看板をクリックください。筆者も講師をしています(^^)
コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科 修了
取材執筆活動など
- NHKあさイチ出演
- NHK天才テレビ君出演
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
YouTube→
Twitter→
名前
長田洋和
経歴
- 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
- 東京大学 博士 (保健学) 取得
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
取材執筆活動など
- 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
- うつ病と予防学的介入プログラム
- 日本版CU特性スクリーニング尺度開発
名前
亀井幹子
経歴
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
- 精神科クリニック勤務
取材執筆活動など
- メディア・研究活動
- NHK偉人達の健康診断出演
- マインドフルネスと不眠症状の関連