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無気力症候群の原因と改善策を専門家が解説!まずは診断・チェックを

無気力症候群


無気力症候群の原因と診断・チェック!改善策を臨床心理士が専門解説①

無気力症候群を専門家が解説します

みなさんはじめまして!臨床心理士の兵働、橋爪です。私たちは臨床心理士として精神疾患を抱える方へのカウンセリングや交流分析の講義を行っています。

当コラムは「無気力」をテーマに専門家が解説をしています。全部5コラムあります。しっかりとお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。

近頃、学校や会社で「無気力な学生や会社員が増えた」という声をよく耳にしませんか。やる気が起きない、何となくだらだら過ごしてしまう状態のことを、臨床心理学的に「無気力」と呼びます。

学習性無力感とは?

少し古い理論ですが、セリグマン(Martin E. P. Seligman)は「学習性無力感」という理論を唱えました。

学習性無力感とは、努力しても結果がでない状態が続くと、「何をやっても無駄だ」という感覚を抱いてしまい、最終的に無気力になってしまう心理を意味します。セリグマンは学習性無力感がうつ病の一因になることを発見しました。

この他に、日本の医師の笠原嘉は1960年代に「退却神経症」という用語で無気力を説明しました。退却神経症とは、学業や仕事などで、あえて無気力になることで、つらい環境から退却しようとする症状です。

退却神経症は、特定の場所のみで無気力になる症状なので、仕事だけ鬱症状が出る「職場鬱」にも似た症状だと言えます。

無気力症候群のデメリット

無気力症候群の問題無気力はアパシーとも呼ばれることも多いです。「やる気がない」「モチベーションが低い」「無関心」といった、マイナスのイメージで使われます。

特に無気力症候群は、学業や仕事などの特定のこと、「本業」に対して無気力を示します。無気力症候群は、その年代や学業や仕事など無気力の対象によって呼び方が変わります。

①スチューデント・アパシー
学生(特に大学生)に多くみられる無気力症状。受験という大きな目標を達成した後、次の目標を見つけ出せずに、喪失感をのもと勉強に無関心になります。

その他にも挫折を経験した後や、厳しいしつけをした親への無意識の攻撃心であったりもします。

②燃え尽き症候群(バーン・アウト)
仕事や勉強、スポーツに対して一生懸命頑張ってきたけれど、期待した結果にならなかった場合に起こる無気力状態。

介護や看護の仕事をしている人に多いと言われていましたが、ホテルなどの接客業や教師などの職業の人にもバーンアウトが生じます。症状の経過や状態によってはうつ病と診断されることもあります。

③うつ病
うつ病の症状の一つとして「無気力」が挙げられます。この場合の無気力は、日常生活全般に対する無気力、無関心で、「自分はダメな人間だ」という自責の念を感じやすく、ネガティブな悪循環を招いてしまいます。

無気力症候群の無気力の対象は本業に対してですが、うつ病は日常生活全般に対してというのが特徴です。

無気力は意外とスルーされる?

無気力症候群の特徴うつ病の無気力は生活全般に関わるので比較的気付きやすいのですが、スチューデント・アパシーのように勉強のみ無関心になる無気力は、それ以外のこと(趣味や家事など)には症状が現れないため、発見しづらいのが難点です。当然対処が遅れるので、知らないうちに症状が進行してしまうという危険があります。

無気力になる対象が限定され、本人にも自覚がない状態を「無気力症候群(アパシーシンドローム)」と呼びんだりします。

 

無気力症候群の診断・チェック!

先ほど述べましたが、無気力症候群の場合、自分が無気力なのかどうか気付きにくいものです。まずは簡単な診断・チェックで、自分の傾向を知りましょう。

次のいくつかの質問について、今の自分の仕事や生活にどれくらい当てはまるかを答えてください。回答が終わったら、すべての項目の得点を合計してくださいね。

 
無気力症候群の傾向と対策

10~20点
無気力症候群の傾向は低めです。

仕事や生活において、やる気が出なくて困ることはそれほどないでしょう。時々やる気が出ないこともあると思いますが、切り替えて仕事や勉強に取り組むことができます。

21~30点
無気力症候群の傾向は中程度です。

やる気が出ず、仕事や勉強などに身が入らないことがあるでしょう。頑張りすぎて、エネルギーが切れかけているのかもしれません。適度にリラックスして、気分転換することをおすすめします。

31~40点
無気力症候群の傾向は高めです。

仕事や勉強などに身が入らず、ミスをすることや注意を受けることが多くなっていませんか。生活リズムを見直して、今後の目標設定を明確にする必要があるでしょう。

定期的にチェックしてみよう

結果は、あくまで「今」の傾向です。時間や状況によって変化するため、できれば月に一度ほど無気力症候群の診断・チェックを行い、自分を見つめ直しましょう。

今の自分がどれくらい無気力なのかに気付くことが大切です。そこを出発点として、自分がどう変わっていけばいいのかを考えていきましょう。下記で対処法をご紹介します。

無気力症候群の原因と解決策

無気力症候群の原因と改善策自分の無気力症候群の傾向がわかったところで、無気力症候群になる原因と解決策について考えていきましょう。無気力症候群になる原因と解決策は、大きく分けると3つあります。

全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

 

① 「ほどほど」の感覚を身につけよう

完璧主義な性格
無気力症候群になりやすい性格の一つとして、「完璧主義」が挙げられます。完璧主義の人は、物事に100パーセント以上の力で取り組みます。人一倍エネルギーを使って生活しているので、エネルギー切れで無気力になりやすいのです。

完璧主義

ミスをしてはいけない

神経を使いすぎる

電池切れで無気力になる

という悪循環になりやすくなります。これまでの心理学の研究でも、完璧主義と無気力の関係が明らかにされています。1994年の桜井・大谷はは、完全主義と無気力の因果関係を研究しました。その研究結果では、「完全主義でミスしてはならない」と考える傾向があると、無気力症候群になりやすいことが分かっています。

ほどほどの感覚を身に付けよう
完璧主義が原因の方は、60~70%くらいの力でやり遂げる感覚を身に付ける事が大切です。特に、失敗するとすごく落ち込んでしまう方は要注意です。「こんな考え方もあるのか」と気づき、「ほどほど」の感覚を身に付けることが改善策となります。失敗するとすごく気にしてしまう…そんな方はコラム②がおススメです。

 

②アイデンティティを確立する

アイデンティティが未確立
他人の意見を過剰に気にする方、期待に答えなきゃ!と強く感じる方は無気力になりやすい傾向にあります。

みなさんはいかがでしょうか?幼少期や学生時代「いい子でなければならない」という感覚が強かった方は要注意です。親の期待に応えようと頑張ってきた人は、無気力に陥りやすいとされています。

自分らしさを考えよう
逆の理論として「自己決定理論」という言葉があります。人は自分で考えて決めたことにはやる気を持つという性質があるのです。これは直感的にもわかりやすいかと思います。人から「仕事をしろ!」と言われるとなんだかやる気が出ないですが、自分から「この仕事がしたい!」と考えるとやる気が出てきますよね。

ではどうすれば私たちは自分で物事を決めることができるのでしょうか?一つのヒントとしてアイデンティティの確立がキーワードになると思います。やりたいことがない、自分で物事を決めることができない…という方はコラム③がおススメです。

③生活のリズムを整える

生活のリズムの乱れ
生活リズム、特に睡眠が不規則だと無気力になりやすいと言われています。睡眠には様々な脳内物質を分泌する働きがあります。

その脳内物質の中には、やる気と関係が深い「セロトニン」「ドーパミン」「アドレナリン」などが含まれているため、睡眠不足や不規則な睡眠によってこれらの脳内物質があまり分泌されないと、日中にやる気が起きないというメカニズムができあがります。

よい睡眠をしっかりとる
まずは睡眠をしっかりと取れよう生活のリズムを整えることが大切です。そして、良い睡眠がとれるよう対処する事も重要です。当コラムでは、寝つきを良くする方法も交えながら、よい睡眠のとり方を具体的にご紹介していきます。睡眠不足で疲れている…、生活のリズムが乱れている…という方は、コラム④を確認してみてください。

 

無気力は改善できます!

無気力症候群の改善方法ここまで、無気力症症候群になる原因と解決策をご紹介しました。無気力症候群の原因は「完璧主義な性格」「アイデンティティの未確立」「生活リズムの乱れ」の3つでしたね。

これからご紹介する改善方法を知ることで、無気力症候群から抜け出し、やる気と感動に満たされた生活を目指しましょう。きっと毎日が楽しくなりますよ。

1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

コラム② 無気力症候群の原因に対処!2つのコツで改善しよう
コラム③ 無気力症候群の改善策!自分らしさを見つけて克服しよう
コラム④ 無気力症候群の改善方法!生活リズムを見直して克服を目指そう

次回は、無気力症候群の原因の1つ目「完璧主義な性格」の対処法をご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★ まずは診断・チェック!3つの改善策で無気力症候群を克服しよう

*出典・参考文献
・桜井茂男・大谷住子 1995 完全主義は無気力を予測できるのか 奈良教育大学教育研究所紀要,31, 171–175.
・対人援助職従事者におけるバーンアウトと感情労働の関係性について 49 事例分析を通した検討
・認知行動療法を学ぶ(下山晴彦編 金剛出版,2011)
・認知行動療法(坂野雄二 日本評論社,1995)
・よくわかる臨床心理学 山口 創著 川島書店



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