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ポジティブシンキング,思考になる5つの方法,効果

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ポジティブシンキング,思考になる5つの方法,効果

皆さんこんにちは。心理学講座を開催している公認心理師,精神保健福祉士の川島達史です。今回は「ポジティブシンキングになる方法」についてご相談を頂きました。

ポジティブシンキングになる方法

相談者
34歳 女性

お悩みの内容
私は昔からネガティブな性格でした。

チャレンジをすると失敗すると考える
恋愛ではいつもフラれると考える
将来のことを考えると落ち込む

何をやるにしても、先にネガティブ思考が来てしまうので、前向きな行動ができません。このままでいけないと思うのですが、どうすればいいでしょうか。

何をするにもネガティブに考えてしまうと、消極的になってしまいますよね。当コラムでは、ポジティブシンキングになるための手法を紹介させて頂きます。是非最後までご一読ください。

5つのポイント

セリグマンとポジティブ心理学

心理学の世界では、1996年にある転機が訪れました。それは、アメリカ心理学会の会長であるセリグマンが「ポジティブ心理学」という分野を提唱したことです。

セリグマンは、マイナス面の改善に焦点を充てた心理学から、ポジティブ心理学を21世紀のテーマにしようと宣言したのです。

それまでの心理学は、不安や恐怖などのマイナス感情に焦点をあてた研究が大半を占めていました。それだけでなく、幸福感、自己肯定感に焦点をあていこうとするのが、ポジティブ心理学の基本的な考え方になります。

こちらはセリグマン先生の動画です。お時間がある方は後程ご覧ください♪

5つの柱

セリグマンはポジティブシンキングの基本的な柱として以下の5点を挙げています。

ポジティブな感情が豊富  positive emotion
没頭できるものがある  engagement
前向きな人間関係   positive relationship
人生に意味を見出す  meaning
達成感のある生活   achievement

皆さんはいかがでしょうか?これらの感覚が強い方でしょうか?それとも不足していると感じますでしょうか。

以下それぞれの項目について解説していきます。ご自身の生活に活かせそうなものがありましたら活用してみてください。

①ポジティブな感情

ポジティブな感情を増やすには、数えきれないほどの手法があります。当コラムでは、筆者おすすめのリフレーミング力を紹介します。リフレーミング力は物事を様々な角度から考え、前向きに考えて行く力を意味します。

‐具体例-
失敗から学ぶことはあるか?
実は成長している点があるのでは?
実はチャンスなのではないか?
本当に深刻な状況よりはマシなのでは?

リフレーミング力は、辛い時、苦しい時に極めて重要になってきます。

例えば、最近は、2020年はコロナショックで大変な世の中になっています。一方で、こういった大変な時代は必ずと言って力を伸ばす人がいます。ある飲食店は、お客さんが来ないことがわかるや否や、ミシンを3台購入し、自作のマスク製造工場を作成したのです。発想が柔軟ですよね。

このように、リフレーミング力がつくと、様々な角度から考える力がつくため、しなやかに生きていけるようになります。前向きに考える引き出しを増やした方は、下記のコラムを参考にしてみてください。

リフレーミング力をつける方法

ポジティブシンキングになる方法

 

②没頭できるものがある

セリグマンは没頭できるものを持つことが大事であると強調しています。心理学の世界では「没頭する状態」を「フロー状態」と呼ぶことがあります。フロー状態に入るための条件は2つあります。

①手ごたえのある課題に取り組む
②自分の能力を充分発揮している

集中力は、簡単すぎても、難しすぎても低下してしまいます。自分にとってちょうどよい課題を設定し、取り組んでいくことが大事なのです。

もしあなたがフロー状態に入ることができたら、きっと日々の生活は充実するでしょう。以下の図はカルフォルニア大学のナタリー先生の研究結果です。

フロー状態と希望

フロー状態と希望が正の相関関係にあることがわかります。フロー状態になると、

努力することが苦にならない
1日が楽しくてあっという間に過ぎていく
ワクワクした時間が多い
やる気に満ちて取り組んでいる

という感覚が増していくのです。

没頭できるものがない…という方は下記のコラムを参考にしてみてください。フロー心理学の活かし方をしっかり解説しています。

フロー状態,フロー心理学コラム

ポジティブシンキング,フロー状態

 

③前向きな人間関係

心理学の研究では、人間関係が充実している人ほど、幸福感が高い、抑うつ感が少ない、認知症になりにくい、という特徴があることが分かっています。当コラムでは前向きな人間関係のためできることとして、3つ提案させて頂きます。

感謝の気持ちを持つ

最近の生物学の研究では、協調性や感謝の気持ちを持つと、「オキシトシン」という脳内物質が出ることがわかっています。オキシトシンは別名幸福ホルモンと言われ、免疫の向上や、肯定的な気持ちを増やすことがわかっています。

感謝の気持ちが少ないな…という方は下記のコラムを参考にしてみてください。

感謝の気持ちを持つコラム

人を好きになる

人を好きになりやすい方は、相手の発言に肯定的で、人間関係を楽しく築くことができます。そうした楽しい感情が土台となり、ポジティブな感情が増えていくのです。

この点、警戒心を持ちやすく、人間関係にネガティブになりやすい、と感じる方は人を好きになる心を育んでいくことをおすすめします。

あてはまると感じる方は、以下のコラムを参照ください。人が嫌いな心理を改善するコツを解説しています。

人が嫌い…改善コラム

会話力をつける

暖かい人間関係を築くことができる方は、屈託なく話す会話力があります。とりとめもない暖かい会話が苦手…という方は、筆者が主催する人間関係講座に是非いらっしゃってください。

会話力を基礎からしっかりトレーニングしていくことができます。

会話力をつける,人間関係講座

温かいコミュニティ

 

④人生に意味を見出す

4つ目は人生に意味を見出すということです。人生に目的を持つという分野はアイデンティティ確立という分野で盛んに研究されています。アイデンティティ確立とは、

人生の目的とはなにか?
自分とは何者か
どんな仕事が向いているか?

これらが定まっている状態です。アイデンティティが確立されている人は充実感が高く、活き活きと生活していることがわかっています。

やりたいことがない、目的がない、という方は以下のコラムを参考にしてみてください。

アイデンティティの確立

⑤達成感を持つ

最後は達成感になります。私たちは、チャレンジをして、成功体験を積み重ねることで、自分に自信を持ち、この世の中を主体的に生きる!と確信していきます。

あらゆることから逃げ回っていたら、達成感を得ることは永遠にできません。是非積極的に行動をしてコツコツ成功体験を重ねていきましょう。

もし回避癖があるという方は下記のコラムを参考にしてみてください。

逃げ癖,回避癖改善コラム

 

ポジティブ思考と研究

ポジティブシンキングについては、近年様々な研究が盛んです。それぞれ折りたたんで記載したので、興味がある項目を展開してみてください。

榊(2005)は健常な大学生を対象にポジティブな記憶を思い出すと、どのように気分が変化するか研究を行いました。実験は以下の手順で行われました(簡易的に改変しています)。

①6分間、火垂るの墓を抜粋した映像を見る
 まずは悲しい気持ちになる

②ポジティブな記憶を
 5つ思い出してもらう

③思い出した記憶は
 どれぐらい重要なポジティブか答える

④気分が変化したかを図る

 

その結果が下記のグラフです。

悲しい気持ち 抑える

グラフを見ると、ポジティブな気分とポジティブ記憶の重要度にプラスの関係があることが分かります。両者の間には0.3程度の相関があり、重要度の高いポジティブな記憶を思い起こすほど、気分がポジティブに変化することが示されています。

デボラターナー(2001)は女性修道師の寿命調査を行いました。この調査では180人の女性修道師に対して行われました。やり方はユニークで、平均年齢22才時の過去の手記がまずは分析されました。

その手記はポジティブな手記を書く人もいれば、ネガティブな手記を書く人もいたようです。その後、60年後の当人の健康状態を比較しました。

研究の結果の一部を以下に図示しました。

その結果、肯定的な感情が多いポジティブシンキングを大事にしていた女性修道師のほうが生存率は高く、10年以上長生きしていたことが分かりました。

10年とはすごいですよね!私たちは健康というと、運動や食べ物に気を使うものですが、前向きに考えるという事は非常に大事であることがわかります。

高橋・森本(2012)は都内大学生234名を対象にポジティブシンキングが心理的にどのような影響があるかを調査しました。

下図を見るとわかるように、自分のポジティブな面を見つけると、幸福感が増大する傾向があることがわかりました。

また、ネガティブシンキングも減ることが統計的に明らかになりました。日々の生活のなかで、前向きに考えることが人生を幸福に生きる上で重要であると言えます。

ポジティブシンキング

高橋・森本(2012)は都内大学生234名を対象にポジティブシンキングが心理的にどのような影響があるかを調査しました。

下図を見ると、他人のポジティブに注目することが、幸福感を向上させていることが分かります。つまり、他人のよいところに目を向けるほど、幸福を感じやすいと言えるのです。

さらに他人に対するポジティブシンキングは、ネガティブな気持ちを減らすことが分かりました。以下の図をご覧ください。

相手に良い部分に目を向けることは、自分のマイナスな思考を軽減させてくれるのですね。また、他人のポジティブな側面に注目することは、他人を軽視することも少なくすることが分かっています。

上記の図でわかるように、他人のポジティブに注目する人は、他者軽視が減っていることが分かります。日常的に周りの良い面に気づく人は、相手を軽蔑しない傾向にあると言えます。

こちらは、国の統計(我が国と諸外国の若者の意識に関する調査)から引用した図です。「希望」と「友人の数」を分析したものです。友人が多いほど将来に希望を持っていることが分かります。

ポジティブシンキングがある人は同時に友人の数が多く、将来を肯定的にとらえていると推測されます。逆にポジティブシンキングができない人は、周りの人間関係に恵まれていないのかもしれません。

ストレスを抱えると表情が暗くなりがちになり、周囲が近づきにくい雰囲気を作ってしまいます。結果的に人間関係がうまくいかなくなり、さらにストレスを抱えてしまうこともあります。

このような状態が続く事は過度なストレスとなり、心身のバランスを崩すことにもつながり、うつなどの精神疾患を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。

 

まとめ

紹介した研究のように、ポジティブシンキングはメンタルヘルスに前向きな影響があることが分かっています。

過剰なポジティブを追い求める必要はないですが、ぜひ健康的に前向きに考える姿勢を高めてほしいなと思います。皆さんが、日々の喜びをたくさん感じて生活することを切に願っています。

ポジティブな考え方

心理学講座のお知らせ

公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でポジティブシンキングの基礎を固めたい方は、私たちが開催している心理学講座をオススメしています。講座では

・ポジティブ思考の練習
・リフレーミング練習
・不安感との付き合い方
・認知行動療法

などを行っていきます。興味がある方は是非いらっしゃってください。筆者も講師をしています。↓詳細は下記をクリック♪↓

 

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典
ポジティブ側面への積極的注目に関する研究 : ポジティブ志向,主観的幸福感,ネガティブ認知,他者軽視との関連
高橋,誠; 森本,哲介 学校教育学研究論集(26): 29-39 2012
東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科
エレーヌ フォックス 2014 脳科学は人格を変えられるのか? 文藝春秋
鈴木直人 2007 感情心理学(朝倉心理学講座) 朝倉書店
平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 内閣府
Seligman, M. E. P. 2002a Positive psychology, positive preventin,
and positive therapy. In C. R. Snyder, & S. J.
Lopez (Eds.), Handbook of positive psychology. New
York: Oxford Universtiy Press.