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承認欲求が強い人の問題・克服法のまとめ

承認欲求が強い人の問題・克服方法①

はじめまして!臨床心理士の加賀、精神保健福祉士の川島です。私たちは現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。今回は「承認欲求」についてお話していきます。目次は以下の通りです。

  • マズローの欲求の5段階仮説
  • 他者意識と承認欲求
  • ストローク法
  • 自分の意見を大切に
  • 昇華で力に変える
  • ソーシャルサポート
    承認欲求を臨床心理士が解説しています

 

各コーナーにはもっと深く知りたい!という方のためのリンクがあります。まずは全体を読んでみて、気になる場合はリンク先をクリックしてみてください(^^)それでは早速、承認欲求の基礎から解説させて頂きます。

承認欲求とは?

承認欲求とは、人に認められたいという思いのことで誰にでもある欲求の1つです。心理学辞典(1999)では、承認欲求は以下のように定義されています。

他者に自分の存在を認めてもらいたい、あるいは自分の考え方を受け入れてもらいたい、という欲求をさす。」

おそらくこのような欲求は誰でも感じたことがあると思います。承認欲求は特にアメリカの心理学者マズローが提唱した欲求階層説により有名になりました

マズローの欲求階層説は、人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとされる有名な理論です。

マズローの欲求階層説の図

・第一階層は生理的欲求
生きていくための基本的・本能的な欲求
・第二階層は安全欲求
危機を回避し、安全・安心な暮らしを求める欲求
・第三階層は社会的欲求
集団に属し、仲間を求める欲求
・第四階層は承認欲求
他者から認められたい、尊敬されたいという欲求
・第五階層は自己実現欲求
自分の能力を引き出し、目標を達成したい欲求

第五階層の自己実現欲求に到達する人は多くはないといわれています。自己実現にたどり着くのが難しいのは、承認欲求を満たすことが難しいことも関係するのかもしれませんね。

また承認欲求は上位の欲求となりますが、強すぎると人に認められることにエネルギーを使うことになるため、抑うつやストレスを抱えてしまうことになります。ではこのような承認欲求はなぜ心の中に生まれるのでしょうか?いくつか心理学の研究を紹介します。

研究①自分への自信のなさが影響

中高生を対象に、承認欲求とストレス反応を検討した研究があります(石井・荻田・善明,2017)。結果がパス図で示されています。パス図とは、変数間の因果関係や相互関係を表したものです。

承認欲求 

①自己不全感は他者意識に影響
まず図の左側の(0.37)をご覧ください。これは、自己不全感が他者意識を強くするという意味があります。簡単に解釈すると、自分に自信がない方は、人の目が気になると言い換えることができます。

②他者意識は承認欲求に影響
次に、図の右側の(0.57)をご覧ください。これは他者意識が承認欲求を強くする。という意味になります。人の目を気にすると同時に人の評価を渇望するようになるのです。この意味で、承認欲求の根底には、自分への自信の無さが影響していると推測されます。

③他者意識は人のため精神を生み出す

最後に、図の右側の(0.89)をご覧ください。こちらは他者意識が利他主義を生み出すことを意味しています。すなわち、他者意識が強い方は、人のために何かしようという意識が生まれると言えます。これは光の面と考えて良いでしょう。

*少し難しい内容なので動画でも解説しています。もし役に立ったなあ~と感じられたらチャンネル登録をして下さると励みになります!

研究②承認欲求強い⇔ストレス反応が強い

石井ら(2017)の研究で、中高生623名を対象に承認欲求とストレス反応の関連について調べたものがあります。ここでは、大きく「抑うつ・不安」「無気力」のとの関連を見ていきます。

承認欲求 悪影響

まずは、抑うつ・不安から見ていきましょう。このように、承認欲求が高いと、抑うつ・不安が高くなる相関関係があることがわかりました。認められたいと思う気持ちが強いほど、不安も強くなってしまうのですね。(※相関関係について詳しく知りたい方はコチラをご参照をください。)

続いて、無気力について見ていきましょう。こちらも、承認欲求が高いと、無気力も高まるという結果となっています。認められたいと思うほど、認められない自分が強調され、無気力が強くなってしまうのかもしれません。

承認欲求は誰でも持つ欲求で、背景には他者意識が存在しその欲求が強すぎると抑うつや不安のようなストレス反応を引き起こす可能性があることをご紹介しました。

健全な承認欲求は目標達成のモチベーションにつながる可能性もあるかもしれません。しかし、その欲求が強すぎると自分を追い込む場合も考えられるので注意が必要です。

承認欲求の問題・解決策

ここからは承認欲求をコントロールする方法を4つ紹介させて頂きます。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①自己承認力をつける

・自分へのダメ出しに注意
承認欲求が強い人の多くは、自分へのダメ出しを繰り返す傾向があります。「もっと早くこなさないきゃダメだ」「1回ミスをしたからダメだ」など極端な完璧主義に陥っています。こうした自分へのダメ出しの反動から、他人に認められたい…という気持ちが強くなってしまうのです。

・肯定的ストロークとは
解決策としては「自分へのダメ出しを減らして、自分を褒める練習」が重要になります。そこで当コラムでは肯定的ストロークという概念をご紹介します。肯定的なストロークとは、肯定的な関わり方や人付き合いということです。今回は自分との関わり方をポジティブなものするという意味で解説していきます。

自分へのダメ出しが多い…という方は、肯定的ストロークを学ぶことで承認欲求を和らげることができます。

自己承認力を鍛える方法をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・ストロークの種類
・無条件に自分を肯定
・肯定的ストロークを実践
強い承認欲求をなくす「肯定的ストローク」自己否定の緩和②

②自分の意見を大切にする

・外発的動機に注意
承認欲求が強い人は、人から認められることを基準に目標設定する傾向にあります。社会や人が進める価値観を元に、行動していくことを外発的動機と言います。外発的動機も立派な動機なのですが、実は心理学の実験では、持続力が低い、集中力がもたないということがわかっています。

人から認められることを基準にした目標だと、目標に対して意欲がわかなかったり、継続しにくいものになってしまいます。また頑張って目標を達成したとしても、達成感はあまり得られないでしょう。人から認められることばかりを目標にしていると、本当に自分がやりたい目標というのは見つけることができません。

・自分の本音を知るミラクルクエスチョン
本コラムでは解決策としてミラクルクエスチョンという「自分自身の本音を確認する」作業を提案します。自分自身の本音を大事にすることで、自分自身を承認できるようになっていきます。

自分が自分ではない感覚がある…という方は、自分の意見を大切にする方法を知ることで承認欲求を満たすことができます。

自分の意見を大切にする方法を知りたい方は下記をご覧ください。
・他人軸から自分軸に
・内発的動機付けとは
・ミラクルクエスチョン
承認欲求をなくす方法「自分の本音を確認する」③

④昇華で承認欲求を力に

・劣等感を感じすぎてしまう
承認欲求が得られない方は、同時に劣等感も強く抱いていることが多いです。常に周りと比較して、自分はダメな人間だと…落ち込んではいませんか。このような、マイナスな劣等感を抱いている限り、承認欲求が満たされることはありません。

・昇華で力に変えよう
実は劣等感は必ずしも悪いものではなく、自己成長のきっかけとなることも多いです。人は「自分が劣っている」と感じることがなければ、努力することはありませんし、前向きな目標も生まれません。心理学ではこうした、承認欲求や劣等感を力に変える方法「昇華」と呼びます。当コラムでは、昇華を活用して人に認められない歯がゆさを糧にする方法をご紹介します。

常に劣等感を感じてしまう…という方は昇華を学ぶことで努力の原動力に変えることができます。

自分の意見を大切にする方法を知りたい方は下記をご覧ください。
・昇華は高度な防衛機制
・トラウマを糧にした事例
・昇華で力に変える方法
承認欲求を力に変える「昇華」とは④

④複数のコミュニティに所属

・満たしてくれる人がいない
いくら社会的に評価される能力をもっていても、周囲に人がいなければ褒められることはありません。承認欲求がなかなか満たされないという方は、人間関係が乏しいことが挙げられます。また、周囲に人がいたとしてもサポートしてくれる人がいなければ、自分を肯定する気持ちを持ちづらいでしょう。

・僧侶系男子女子を見つけよう
そこで、「複数のコミュニティ」に所属することをオススメします。所属するコミュニティが多いほど、サポートしてくれる人が見つかりやすいです。こうした、自分のことを肯定してくれる人を僧侶系男子女子と呼びます。僧侶系の方は暖かい言葉を口にすることが多いので、承認欲求も自然と満たされていきます。

褒めてくれる人が周りにいない…という方は、複数のコミュニティに所属することで承認欲求を満たすことができます。

複数のコミュニティに所属をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・僧侶系男子女子の特徴
・ソーシャルサポートとは
・理想のコミュニティの数
承認欲求を満たす方法「複数のコミュニティ」に所属⑤

承認欲求はほどほどに

次回以降は、ちょうどよい承認欲求を目指す具体的な方法について解説していきます。1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)次回は、強い承認欲求の問題を解消する1つ目の「自分への肯定的ストロークを増やす」についてご紹介します。お楽しみに!

★承認欲求とは誰でも持つ欲求!緩め方を知って人間関係を楽に

目次

①承認欲求なくす方法-概観
②「肯定的ストローク」とは
③「自分の本音を確認する」
④承認欲求を力に変える「昇華」
⑤複数のコミュニティに所属

 

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
石井麻美子, 荻田純久, & 善明宣夫. (2017). 中学生・高校生を対象とした過剰適応に関する研究: 承認欲求とストレス反応の関係から. 教職教育研究: 教職教育研究センター紀要, (22), 101-110.
中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣

上村有平. (2007). 青年期後期における自己受容と他者受容の関連: 個人志向性・社会志向性を指標として. 発達心理学研究, 18(2), 132-138.
廣瀬清人, 菱沼典子, & 印東桂子. (2009). マズローの基本的欲求の階層図への原典からの新解釈.