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承認欲求が強い人の問題・克服法のまとめ

承認欲求が強い人の問題・克服方法①

はじめまして!公認心理師の川島です。今回のテーマは
「承認欲求」
です。

  • 改善するお悩み
  • 承認欲求が強くて落ち着かない
  • 認められないと不安になる
  • 欲求が強い人の心理を知りたい

全体の目次
入門①承認欲求の意味とは何か
入門②自尊心が揺らぎやすい
入門③強い原因とは?
入門④4つの改善策
助け合い掲示板

入門①~④を読み進めていくと、基本的な知識と対策を抑えることができると思います。是非入門編は最後までご一読ください。もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

承認欲求に振り回されたワタクシ

承認欲求の塊

前書きとして私の体験談とお話させて頂きます。少しだけお付き合いください。私は数年前からYOUTUBEチャンネルを開設しています。

いくら投稿しても100人ぐらいしかチャンネル登録がありませんでした。

どうにかチャンネル登録を伸ばそうともがく日々…コメント欄に批判があるとすごく落ち込みました、登録者数が伸びないと辛くて仕方がありません…だんだん投稿につかれるようになりました。。

承認欲求-SNS

もろ刃の剣

承認欲求はうまくコントロールできないと、強迫的になってしまうことも分かっています。承認欲求はもろ刃の剣で、自分を苦しめる感情でもあるのです。

近年では有名人がSNSで悪口を言われたために自殺をするという事件も起こったりしています。この背景には承認欲求のマイナス面が実は隠れています。

やりたいことを大事に

その後、私が取り組んだことは、数字にとらわれず、好きなことを上げていくことでした。もちろんある程度数字にはこだわりますが、それ以上に自分の気持ちも大事にするようにしました。

継続投稿を続けた今は1500人ぐらいまで増えてくれています。数字を追いかけていた当時よりも登録が増えたことはとても不思議です。

本コラムでは、そんな取り扱い注意な承認欲求を正しく理解して、健康的に付き合っていくコツをお伝えしたいと思います。

入門①承認欲求の意味とは何か

承認欲求の意味とは?

承認欲求は心理学辞典(1999)で以下のように定義されています。

他者に自分の存在を認めてもらいたい、あるいは自分の考え方を受け入れてもらいたい、という欲求

おそらくこのような欲求は誰でも感じたことがあると思います。

古典的,承認欲求

承認欲求は特にアメリカの心理学者マズローが提唱した欲求階層説により有名になりました。マズローによると、承認欲求は欠乏欲求と言われ、不安や緊張から生じると言われています。

マズローの欲求階層説は、人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとされる有名な理論です。

マズローの欲求階層説の図

・第1階層は生理的欲求
生きていくための基本的・本能的な欲求
・第2階層は安全欲求
危機を回避し、安全・安心な暮らしを求める欲求
・第3階層は社会的欲求
集団に属し、仲間を求める欲求
・第4階層は承認欲求
他者から認められたい、尊敬されたいという欲求
・第5階層は自己実現欲求
自分の能力を引き出し、目標を達成したい欲求

1~4階層は欠乏欲求と言われ、不安や緊張から生じると言われています。くわしく知りたい方はこちらのマズローの欲求5段階仮説コラムを参照ください。

現代の心理学研究でも承認欲求は比較的マイナスの結果となる研究が多く、その扱い方が議論されています。まずは承認欲求が強すぎる問題についてみていきましょう。

入門②承認欲求が強いと自尊心が揺らぐ

自尊心がゆらぎやすい

承認欲求が強い人は、何をしていいかわからない状態になりやすくなります。小塩 (2001)は青年の心理について調査を行いました。研究結果の一部を下図に作成しました。

自己像不安定,承認欲求

賞賛欲求とは、承認欲求の一部で、「目立ちたい」「みんなに褒められたい」という願望を意味します。図を見ると、賞賛欲求が強い人は自己像が不安定で、自尊心が変動しやすいとされています。

これはある意味当然のことです。他人の賞賛をベースに生きている人は、当然ですが、他人の意見をとても気にします。

自分の意見や感覚が不安定になるというのも当然ですよね。なぜなら相手の意見というのはコロコロ変わりますし、その量も変化してしまうからです。

SNS承認は不安定

例えば、褒められたいから、キラキラ女子を演じたとします。一時的に、イイネがたくさんつき、承認欲求が一時的に満たされます。

しかし、不特定多数の承認は賞味期限のようなものがあります。一度ついたイイネも3日もすれば、また無反応になってしまいます。そうすると、再び新しいネタを探して、承認欲求の終わらない旅に出ることになるのです。

いつしか、承認されることが目的となってしまい、自尊心は承認の数とイコールになってしまうのです。このような不安定な承認のされ方では、マズローの言う自己実現欲求へ進むことも難しいと言えそうです。

SNS承認欲求疲れ

入門③承認欲求はなぜ起こるのか?

承認欲求はなぜ起こるのでしょうか?心理学の様々な研究を紹介したいと思います。少し長くなってしまうので、結論のみ、掲載させて頂きます。興味があるものは展開してみてください。

強い承認欲求は幼少期の家庭環境に問題があった可能性があります。私たちは、幼少期に親から愛情を受け、基本的信頼感を育んでいきます。基本的信頼感とは、世の中の人は信頼できる!私は愛される価値がある!という心理です。

基本的信頼感をうまく育むことができないと、他人の顔色を窺うようになり、歪んだ承認欲求を持つこともあります。心理学的には「愛着不安」という用語をつかうことがあります。

特に愛着不安には「見捨てられ不安型」というタイプがあり、このタイプは承認欲求が非常につよくなります。

もし幼少期の家庭環境に問題があると感じたら、こちらの愛着障害コラムアダルトチルドレンコラムも後程参考にしてみてください。

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自分への自信のなさが影響

石井・荻田・善明(2017)は中高生を対象に、承認欲求と心の状態を調査しました。その結果をいくつか引用します。まずは以下の図をご覧ください。

承認欲求-自己不全感

①自己不全感は他者意識に影響
まず図の左側(0.37)から解説します。これは、自己不全感が他者意識を強くするという意味があります。簡単に解釈すると、自分に自信がない方は、人の目が気になると言い換えることができます。

②他者意識は承認欲求に影響
次に、図の右側の(0.57)をご覧ください。これは他者意識が承認欲求を強くする。という意味になります。人の目を気にすると同時に人の評価を渇望するようになるのです。

この意味で、承認欲求の根底には、自分への自信の無さが影響していると推測されます。

承認欲求強い⇔ストレス反応が強い

石井ら(2017)の研究で、中高生623名を対象に承認欲求とストレス反応の関連について調べたものがあります。ここでは、大きく「抑うつ・不安」「無気力」のとの関連を見ていきます。

承認欲求 悪影響

まずは、抑うつ・不安から見ていきましょう。このように、承認欲求と抑うつ・不安が高くなる相関関係があることがわかりました。

その意味で、承認欲求が強い人は不安感が強いと言えそうです。

承認欲求強い⇔無気力になりやすい

石井ら(2017)の研究では、承認欲求と、無気力に関連があることが分かっています。無気力な状態は、充実感がないため、それを補うように承認欲求が出てくるのかもしれません。

 

承認欲求は誰でも持つ欲求で、背景には他者意識が存在しその欲求が強すぎると抑うつや不安のようなストレス反応を引き起こす可能性があることをご紹介しました。

健全な承認欲求は目標達成のモチベーションにつながる可能性もあるかもしれません。しかし、その欲求が強すぎると自分を追い込む場合も考えられるので注意が必要です。

入門④ 承認欲求の問題・解決策

ここまで承認欲求についての理解を進めてきました。ここからは承認欲求とうまく付き合う方法を4つ提案させて頂きます。

①内発的動機を増やす

心理学の理論では、人間が行動するときは、「外発的動機」「内発的動機」の2つがあると言われています。

外発的動機
承認欲求に近く、人に認められたいから行動する、怒られるから行動する、というような他人のコントロール下にある動機

内発的動機
自分自身がどうしたいか?ベースに行動する手法です。

例えば、就職活動をするときに、以下のような決め方は外発的動機になります。
・異性にもてるから
・社会的に評価が高いから
・親が喜ぶから

これに対して内発的動機で決めるのは以下のようになります。
・とても面白いと思う分野だから
・この分野でプロになりたいから
・時間を忘れてハマれるから

このように自分自身の気持ちを大事にしていくことが大事です。内発的動機は持続力があり、長続きすることも分かっています。他人の承認に依存するのではなく、自分自身の気持ちに目を向けるい頻度をふやしていきましょう。

・SNSで“いいね”が欲しいから海外旅行に行く
⇒本音:本当は国内旅行がすき 

・賢いと思われたいからTOICEで高得点を目指す
⇒本音:本当は英語に興味がない 本当は中国語を習いたい

・すごいと思われたいから評判の会社、部活に入る
⇒本音:本当は好きな事が別にある 社会的な評価はいまいちだけど、プロゲーマーになりたい

 

②自己承認力をつける

 承認には、他者承認、自己承認の2種類があります。他者承認とは人からもらう承認で、不安定であることをお伝えしてきました。

これに対して自己承認は、「自分で自分を承認していく」行為になります。自己承認はいつでもできるので、とても安定しています。承認欲求を安定させるにはとても重要です。

ここでオススメなのが、「自分へのダメ出しを減らして、自分を褒める練習」が重要になります。日常生活で自分を承認する習慣がない方は、こちらの自己承認力をつける「肯定的ストローク法」を参考にしてみてください。

③肯定的コミュニティに所属する

内発的動機、自己承認力は、自分自身の中で承認欲求を満たしていくやり方です。

一方で、人間はそこまでストイックな生き物ではありません。やはり周りから暖かい言葉かけをもらうことも現実として大事になってきます。

自分のやりたいことを追求しつつも、日常生活でくったくのない会話をしながら、お互い認め合っていく環境はとても大事です。

過剰にならない程度であれば、暖かいコミュニティに所属して、他者から承認をもらうことは自然なことです。その点は恥ずかしがらず、内発的動機、自己承認をベースにしつつも、たまには甘えるぐらいの気持ちがちょうどいいでしょう。

なかなか人に甘えられない…という方はソーシャルサポートコラムを参考にしてみてください。

④限界設定を大事に

承認欲求は、人間の基本的な欲求で、中毒性がある欲求です。どこかで歯止めを利かせることが大事です。心理療法の世界では「限界設定」という言葉を使うことがあります。

限界設定とは、ここまではOKだけど、これ以上はだめ!という境界をしっかり区切ることを意味します。承認欲求を例にすると、

・SNSのイイネを確認するには1日1回
・メールは1日3回まで
・10人中10人好かれようと思わない
 2人ぐらい好きになってくれれば充分

など数字などを使うと有効です。参考にしてみてください。

まとめ

ここまで承認欲求について様々な角度から検証をしてきました。承認欲求とうまく付き合うには、内発的動機、自己承認の力を高めつつ、暖かいコミュニティに所属をして適度に甘える、そして甘えすぎ防止で限界設定をするということを抑えていくことをオススメします(^^)

発展編

ここまで承認欲求の基礎について解説しました。以下関連コラムを紹介させて頂きます。入門編を読み終わった後に、気になるリンクをたどってみてください。

人の目が気になる

承認欲求と人の目を気にする心理はとても関連が深いです。人の目を気にしなくなると、承認欲求も安定していきます。いつも周りの目が気になる、顔色を窺ってしまうという方は、こちらの人の目が気になるコラム参考にしてみてください。

やりたいことが見つからない

承認欲求を改善するには、自分自身の心と向き合い、やりたいことを見つけていくことがとても大事です。z分とどう向き合えばいいのかわからない…という方はこちらのやりたいことが見つからないコラムを参考にしてみてください。

 

 

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
石井麻美子, 荻田純久, & 善明宣夫. (2017). 中学生・高校生を対象とした過剰適応に関する研究: 承認欲求とストレス反応の関係から. 教職教育研究: 教職教育研究センター紀要, (22), 101-110.
中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣

上村有平. (2007). 青年期後期における自己受容と他者受容の関連: 個人志向性・社会志向性を指標として. 発達心理学研究, 18(2), 132-138.
廣瀬清人, 菱沼典子, & 印東桂子. (2009). マズローの基本的欲求の階層図への原典からの新解釈.