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慰める方法や言葉の効果を解説

慰める方法や意味とは?効果や心身への影響

はじめまして!精神保健福祉士の川島です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

今回は「慰める」についてお話していきます。目次は以下の通りです。

  • 慰めるの意味
  • ソーシャルサポートとは?
  • 支援を実感!3つの要素
  • 研究①体への効果
  • 研究②心理面への影響
  • 上手に慰める3つの方法

しっかりとお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。ぜひお付き合いください。

慰めるの意味とは?

家族や友人からの慰めてもらったことで、「ツライ気持ちから救われた」「悲しい気持ちから元気になれた」という経験は誰しもあるでしょう。この慰めるという行為にはどのような意味や効果があるのでしょうか。心理学の研究を交えながら解説していきます。

慰める(なぐさめる)の一般的な意味は

”周囲がいたわることで、一時的な悲しみや苦しみから、心を紛らせたり和やかに沈めること”

です。この慰めるという行為を、心理学の世界ではソーシャルサポートといい、Caplan (1974)は次にように定義しています。

”家族、友人や隣人などの個人をとりまく様々な人々からの有形、無形の援助を指す”

つまりソーシャルサポートは、周囲のひとから得られる援助の事で、援助のカタチは物質的なものに限らないということです。

慰めるの意味

そしてBarrera(1986)は、ソーシャルソーシャルサポートの成立には、以下の3つの要素が必要だと示しています。

1.社会的包絡
個人が、その社会的環境において重要な他者たちに対して持つ関係
2.知覚されたサポート
主観的に知覚された援助
3.実行されたサポート
援助的な行為を受けた頻度

つまり慰めるとは「深い人間関係に支えられた実感」から生まれるといえそうです。

慰める効果とは?

慰めると同じ意味のソーシャルサポートには、どのような効果があるのでしょうか。体と心への影響を、心理学の研究を元に解説します。

研究①体への影響

ソーシャルサポートには、疲労感・自律神経症状が軽減する効果があることが分かっています。

大坪(2017)は、大学生254名に対して「ソーシャルサポートと心理的な関係」について調査を行ったところ、家族、大切な人、友人のサポートを受けやすい方は疲労感・自立神経症状の項目で、前向きな関わりがあることがわかりました。

以下は「家族のサポートの効果」です。

家族のソーシャルサポートの効果

疲労感・自律神経症状ともに(-)マイナスになっています。家族からのサポートが得られやすい方は、特に自立神経症状が少ないことがわかりますね。

つづいて「大切な人のサポートの効果」です。

大切な人のソーシャルサポートの効果

こちらも、疲労感・自律神経症状ともに、少なくなっています。

最後に「友人のサポートの効果」です。

友人のソーシャルサポートの効果

こちらも、疲れやすさ、自立神経症状が少なく、ポジティブに影響しています。

このように、ソーシャルサポートは複数の人間関係から受けることで多くの効果が得られます。慰めることで心を穏やかにしたいときは、幅広い人と関わるといいでしょう。

研究②心理的影響

またソーシャルサポートは、自己肯定感を高める効果があることが分かっています。

細田ら(2009)は、中学生305名を対象に「3つのソーシャルサポートと自己肯定感の関係」について調査を行いました。調査したソーシャルサポートは以下の3つです、

1.道具的サポート
住まいや携帯など必要な物を支援する
2.情緒的サポート
励ます、応援するなど気持ちの面を支援
3.共行動サポート
ノウハウを教えるなどの知識面で支援する

調査の結果をまとめると以下の図になります。この図の数字は相関係数といい、数値が大きいほど関係が強いことを示しています。図の中から、数字が大きいものを探してみてください。

自己肯定感とソーシャルサポートの関連

父親、母親、友人、教師のいずれも、情緒的なサポートが自己肯定感を強めている傾向がわかります。中でも、友人や教師による情緒的なサポートは、父親や母親よりも高い数値になっている点は興味深いですね。

相手を上手に慰める方法

ここからは、相手を上手に慰める方法を見ていきましょう。全部読むのは大変なので、あてはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

慰める方法① 基本は「共感」

・相手を主役に共感する
相手を慰める時には「わかるわかる!」「そういうこともあるよね」など、共感の気持ちを伝える事が多いのではないでしょうか。共感は、慰める時に必要な要素で、心理学の世界ではロジャース(Carl Ransom Rogers)が、

”相手の内部的照合枠を、そこに伴って生じる情動的要素なども含めて正確に知覚すること”

と定義しています。またロジャースは、相手の私的な世界を、”あたかも”自分自身のものであるかのように、感じ取ることだとも主張しています。

慰める時に必要な共感力つまり共感とは「相手の内側の部分である」と認識しながらも、”あたかも”自分のことのように考え、相手を理解するよう努める事です。自分のことのように感じる中で、お互いに距離を取らずに触れ合うようになり、慰める事ができます。

・相手の気持ちを知ろう
相手をより理解するためには、相手の話にしっかり耳を傾ける姿勢が大切です。本コラムでは、すぐに実践できる3つのスキルと2つの質問を紹介します。慰める時になんて言葉をかけたらいいかわからない…、相手の気持ちを聞き出すことが苦手…と言う方は、ぜひコラム②をチェックしてみてくださいね。

慰める時の基本は「共感」 コラム②

慰める方法②「過程」に注目

・ポジティブだけでは伝わらない
相手を慰める時には「頑張って」「あなたなら絶対できる」「大丈夫だよ」などの言葉を伝える人も多いのではないでしょうか。

しかしこのようなポジティブな言葉も相手によっては「どうぜ他人事だと思っている…」と受け取ってしまい、せっかくの慰める言葉が伝わらなくなってしまうこともあります。ではどのような慰める言葉をかけるといいのでしょうか。

ポジティブな言葉に効果あり

・慰める言葉は過程から
相手を慰める時には、相手の努力した過程や気持ちをフォーカスすることが大切です。「慰める言葉が伝わらない…」「慰めるつもりが逆効果に…」と感じてる人は、「過程>結果」を意識して慰めてみましょう。

慰める言葉が上手な人は「過程」をしっかりと見ています。結果に至るまでの過程をポジティブな言葉で相手に伝える事で、相手のことを心から励ましているように感じられます。慰める事が苦手で、そっけない言葉になりがち…と言う方には特におすすめの方法です。

慰める時の伝わる言葉「過程」に目を向けよう コラム③

慰める方法③ 無条件のストロークを使う

・ありのままを受け入れる
私たち人間は、悲しみや苦しい気持ちがあるときには、自分をマイナス評価しがちです。落ち込んでいる人を慰める時には「ありのままのあなたを認めている」という関り方を増やして、相手の自尊心を高めてあげましょう。

相手の存在や価値を認める関り方を、交流分析では「ストローク」と呼んでいます。慰める時には、「励ます・許す・ほほえむ」など肯定的なストロークを使うことが大切です。

慰める時のストロークを解説

 
・無条件の肯定を送ろう
そしてもう一つ重要な点はストロークには「条件」を付けすぎない事です。慰める場面で、〇〇だから・・△△だから・・・などの条件があると、「自分は何かしないと認めてもらえないんだ」という感覚を相手に与えてしまいます。
 
慰める時には、無条件の肯定的ストロークを投げかけて、相手の「存在自体を認めている」といったメッセージを送っていきましょう。

慰める言葉は「無条件の肯定ストローク」コラム④

まとめ

コラム①では、慰める効果と方法をご紹介しました。上手に慰める方法の具体的な方法は、コラム②~④をご覧ください。またコラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

★3つの方法で慰める効果を取り入れていれていこう

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。だけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

人間関係講座

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・大坪岳 追手門学院大学心理学論集;Otemon Gakuin University Psychological Review 2017 青年期のコミュニケーション・スキルとソーシャル・サポートがレジリエンスに及ぼす影響
・中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣
・細田ら(2009)中学生におけるソーシャルサポートと自他への肯定感に関する研究 教育心理学研究,57,309-323
・城 佳子 2013 大学生の自己開示・ソーシャルサポートが被受容感に及ぼす影響の検討 : 被開示スキルとの関連を通して 人間科学研究 34,63 -72 .
・If You Need Help, Just Ask: Underestimating Compliance With Direct Requests for Help  Journal of Personality and Social Psychology 95(1) · August 2008 with 139 Reads Vanessa Bohns