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慰める方法の意味-言葉,メールの打ち方

慰める方法の意味-言葉,メールの打ち方

はじめまして!公認心理師の川島です。当コラムのテーマは
「慰める方法」
です。

はじめに

・友達が受験に失敗して落ち込んでいる
・失恋をした友人が自暴自棄になっている
・夫がリストラに合い精神的に落ち込んでいる

こんな時に、慰める方法がよくわからない方もいると思います。この点、私たち心理職は様々な方からお悩みの相談を頂きます。お悩みを受けるとき、心の整理のお手伝いをさせて頂くのですが、その際に慰める方法を持っていないとプロとして失格になります。

そこで、当コラムでは私たちが日々、心がけていることを一般の方向けにお伝えしたいと思います。目次は以下の通りです。

 

是非ご活用ください。

慰めるの意味

慰めるの意味とは

慰めるという行為は、心理学の世界ではソーシャルサポートという言葉で定義され、研究されてきました。まずはソーシャルサポートの定義について見ていきましょう。

家族、友人や隣人などの個人をとりまく様々な人々からの無形、有形の援助を指す(Caplan,1974)

私たちは、困った時はお互い様の精神で、時に話を聴いたり、時に相手が喜びそうな贈り物をすることで、お互い助け合ってきました。

慰める‐心理的効果

このようにソーシャルサポートは慰めるとほぼ同じ意味で研究されてきました。どのような効果があるのでしょうか。体と心への影響を、心理学の研究を元に解説します。

研究①体への影響

ソーシャルサポートには、疲労感・自律神経症状が軽減する効果があることが分かっています。大坪(2017)は、大学生254名に対して「ソーシャルサポートと心理的な関係」について調査を行ったところ、家族、大切な人、友人のサポートを受けやすい方は疲労感・自立神経症状の項目で、前向きな関わりがあることがわかりました。

以下は「家族のサポートの効果」です。

家族のソーシャルサポートの効果

疲労感・自律神経症状ともに(-)マイナスになっています。家族からのサポートが得られやすい方は、特に自立神経症状が少ないことがわかりますね。

つづいて「大切な人のサポートの効果」です。

大切な人のソーシャルサポートの効果

こちらも、疲労感・自律神経症状ともに、少なくなっています。

最後に「友人のサポートの効果」です。

友人のソーシャルサポートの効果

こちらも、疲れやすさ、自立神経症状が少なく、ポジティブに影響しています。

このように、ソーシャルサポートは複数の人間関係から受けることで多くの効果が得られます。慰めることで心を穏やかにしたいときは、幅広い人と関わるといいでしょう。

研究②心理的影響

ソーシャルサポートについてCaplan (1974)は次にように定義しています。”家族、友人や隣人などの個人をとりまく様々な人々からの有形、無形の援助を指す”つまりソーシャルサポートは、周囲のひとから得られる援助の事で、援助のカタチは物質的なものに限らないということです。

細田ら(2009)は、中学生305名を対象に「3つのソーシャルサポートと自己肯定感の関係」について調査を行いました。調査したソーシャルサポートは以下の3つです、

1.道具的サポート
住まいや携帯など必要な物を支援する
2.情緒的サポート
励ます、応援するなど気持ちの面を支援
3.共行動サポート
ノウハウを教えるなどの知識面で支援する

調査の結果としてソーシャルサポートは、自己肯定感を高める効果があることが分かっています。まとめると以下の図になります。この図の数字は相関係数といい、数値が大きいほど関係が強いことを示しています。図の中から、数字が大きいものを探してみてください。

自己肯定感とソーシャルサポートの関連

父親、母親、友人、教師のいずれも、情緒的なサポートが自己肯定感を強めている傾向がわかります。私たちはお互いを慰め合うことで、心の安定を得ていると言ってよさそうです。

6つの慰める方法

ここからは具体的に相手を慰める方法をお伝えします。具体的には以下の6つです。

・時間がかかる
・相手の力を信じる
・無条件の肯定
・共感する
・努力の過程を認める
・視点を変える提案

ご自身の生活で使えそうなものをぜひご活用ください。

時間がかかる

子どものころ、転んで膝小僧を打ってしまい、皮がむけてしまった経験は誰でもあると思います。この時無理に治そうとして、消毒液を必要以上にかけたり、かさぶたをはがしたりすると、治る傷もなかなか治りません。

それと同じで悩みを聞くときもあくまで、絆創膏を貼るぐらいの気持ちで、じっくりと構えることが大事です。悩みを相談された時に、あなた自身が焦り、すぐに解決しようとしても、ほとんどうまくいきません

相手の心は膝小僧の回復と同じように、時間がかかるものと考え、暖かく見守る姿勢をまずは大事にしましょう。

乗り越えるのは相手

挫折や失敗を乗り越えるのはあくまでも相手です。あなた自身が相手の問題に入り込み、相手の代わりに問題を解決したとしても、相手のためになりません。

そして大概の場合は、人はきちんと問題を乗り越えていく力を持っています。基本的な精神として、相手の生きる力を信じて、きっとあなたは乗り越えていける!という気持ちをもってサポートしていくと良いでしょう。

決して、この人はこの問題を乗り越えられない、だから私が代わりに問題を解決するのだ!と考えないようにしましょう。

無条件の肯定

では実際にあなたにが何ができるのでしょうか?大事なことは、あなた自身が安全基地であるということです。安全基地であるということは、当たり前の日常をあたりまえのようにしていくということです。

・声をかける
・なにはさておき話を聴く
・気にかけている旨を伝える
・また明日!と声をかける
・屈託のない雑談をする

こんな形で、問題を抱えている人の安全基地であることが何よりの相手の支えとなります。あなたが安全基地でさえあれば、相手の心は間接的にですが、回復しやすくなるのです。

無条件の肯定を日常生活で増やしたい!と感じる方は下記のコラムを参照ください。

無条件の肯定‐ストローク法とは

共感して傾聴する

相手が苦しい気持ちを自己開示してくれたら、共感的に聞くといいでしょう。心理学の世界ではロジャースという心理療法家が以下のように共感を定義しています。

相手の内部的照合枠を、そこに伴って生じる情動的要素なども含めて正確に知覚すること

ロジャースは、相手の私的な世界を、”あたかも”自分自身のものであるかのように、感じ取ることだとも主張しています。

具体的な下記のような感じで聴いていくと良いでしょう。

・どんな状況で辛いのかを知ろうとする
・自分でも同じ状況なら辛いだろうなあと想像する
・素直な自分である 本当に共感できたときに
 大変だったね と声をかける

つまり共感とは、相手のことを理解しようと努め、理解できたと感じたときに、そうかあ…それは辛いね。。と声をかけていくのです。

相手と同じ苦しみを味わう必要はありません。”あたかも”自分のことのように考え、相手を理解するよう努める事です。自分のことのように感じる中で、お互いに距離を取らずに触れ合うようになり、慰める事ができるのです。共感力をもっとつけたい方は下記を参照ください。

共感力コラム

慰める時に必要な共感力

努力の過程を認める

相手を慰める時には、相手の努力した過程や気持ちをフォーカスすることが大切です。「慰める言葉が伝わらない…」「慰めるつもりが逆効果に…」と感じてる人は、「過程>結果」を意識して慰めてみましょう。

慰める言葉が上手な人は「過程」をしっかりと見ています。結果に至るまでの過程をポジティブな言葉で相手に伝える事で、相手のことを心から励ましているように感じられます。慰める事が苦手で、そっけない言葉になりがち…と言う方には特におすすめの方法です。

慰める時の伝わる言葉「過程」に目を向けよう

視点を増やす提案

最後は積極的な慰め方です。共感的に傾聴をして、努力を認める発言をしていくと、時間はかかりますが、人間はだんだんと前向きになっていくものです。

相手が少し回復してきたな…と感じたら、あなた自身の考えもいくばくか示していくと良いでしょう。具体的には、相手の視点を増やしていくような発言がおススメです。

例えば失恋で落ち込んでいた友人がいたら

・失恋をすると辛いけど
 次に出会った異性をより大事にできるかもね

・失恋をすると、人の痛みが分かるようになるよね。

こんな感じで新しい視点を提案していきます。もちろんそれを受け入れるかは相手次第ですがあなた自身の意見も提案していくと良いでしょう。

たくさんの視点を提案できるようになりたい!と感じる方は下記のコラムを参照ください。

リフレーミングコラム

ポジティブな言葉に効果あり

まとめ

コラム①では、慰める効果と方法をご紹介しました。上手に慰める方法の具体的な方法は、コラム②~④をご覧ください。またコラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

★3つの方法で慰める効果を取り入れていれていこう

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。だけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・大坪岳 追手門学院大学心理学論集;Otemon Gakuin University Psychological Review 2017 青年期のコミュニケーション・スキルとソーシャル・サポートがレジリエンスに及ぼす影響
・中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣
・細田ら(2009)中学生におけるソーシャルサポートと自他への肯定感に関する研究 教育心理学研究,57,309-323
・城 佳子 2013 大学生の自己開示・ソーシャルサポートが被受容感に及ぼす影響の検討 : 被開示スキルとの関連を通して 人間科学研究 34,63 -72 .
・If You Need Help, Just Ask: Underestimating Compliance With Direct Requests for Help  Journal of Personality and Social Psychology 95(1) · August 2008 with 139 Reads Vanessa Bohns