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人が嫌いな原因と対策

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人が嫌いな原因と対策

皆さんこんにちは。人間関係講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回のお悩み相談は「人が嫌いな原因と対策」です。

相談者
33歳 男性

お悩みの内容
私は学生時代から人が嫌いで、人といると緊張してしまい、すごく疲れてしまいます。友人が少なく、恋愛経験も乏しいです。

一方で皆で遊んで楽しそうにしている人たちが羨ましいです。人が嫌いな状態を改善したいのですが、どうすれば良いでしょうか。

人が嫌いで人間関係が希薄な状態はとても辛いですよね。当コラムでは、人が嫌いになってしまう原因と対策を7つ紹介します。

①人目が気になる
②欠点を見つける癖
③自分のことも嫌い
④会話のスキルが低い
⑤殺伐としたコミュニティ
⑥日本特有の文化
⑦人間不信になる過去の記憶

ご自身にあてはまるものを中心に参考にしてみてください。

①人の目が気になる

原因-人の目が気になる

人が嫌いな人は、周りの目を気にする心理を持ちやすいです。人の目を意識することを心理学では、「公的自己意識」と呼びます。たとえば、

馬鹿にされたくない
失敗してはじをかいてはいけない
かっこ悪いと思われたくない

これらはすべて、公的自己意識になります。公的自己意識が強い人は、緊張、恐怖、不安を抱えやすく、人が嫌いという感覚が強くなってしまうのです。

対策-私的自己意識を高める

対策としては、「私的自己意識」を向上させることが大事になってきます。私的自己意識とは、自分に意識を向けた心理です。たとえば、

自分がどうありたいかを重視する
自分の価値観で生きる
流されず自分軸で生きる

これらはすべて私的自己意識になります。私的自己意識が強い方は、周りの気持ちに振り回されることが少なくなく、気疲れすることが減っていくのです。

以下のコラムでは、人の目を気にする心理を改善する方法を解説しました。あてはまる方は参考にしてみてください。

人の目が気になる心理を改善する方法

 

堀井(2001)は高校生(256名)と大学生(271名)の男女に対して、対人恐怖傾向と私的自己意識、公的自己意識に関する調査を行っています。その結果の一部が下図となります。

対人恐怖傾向が高いと公的自己意識も高いことが読み取れます。一方で、私的自己意識は対人恐怖心性と関連していません。人が嫌いな感覚を改善するには、他人の目を気にしすぎず、自分主体の考えを増やしていくことがヒントになりそうです。

 

人が嫌い,人目が気になる

 

②欠点を見つける癖

原因-嫌なところが目につく

人が嫌いな人は、相手の短所や欠点を見つける癖があります。たとえば

食べ方が汚い
時間にルーズ
集中力がない

など相手のダメなところを見つけます。相手の欠点を見つけると、相手を大事にしようという気持ちが育たず、人嫌いになりやすくなります。

対策-長所の視点を持つ

対策としては、相手のあら捜しをせず、相手の長所を積極的に見つける力をつけることです。たとえば、

食べ方が汚い 
→私も気を使わず食べれる

時間にルーズ
→ゆったりしている せかせかしない

集中力がない
→神経質でない おおらか

と積極的に長所として捉えなおしていきます。心理学ではこうした、前向きな捉え方をリフレーミングと言います。リフレーミング力をつけたい方は下記をご覧ください。

リフレーミング力をつける方法

 

③自分の事も嫌い

原因-他人だけでなく自分も嫌い

心理学の研究では、

自分が嫌い
他人が嫌い

は同時に起こりやすいことが分かっています。自分が嫌いな状態だと、人と接しても、どうせ嫌われるという前提が先にきてしまい、希望をもてないのです。人が嫌い、自分が嫌い、は表裏一体なのです。

対策-自分を肯定する

対策としては、自己肯定感を上げていくことが大事です。たとえば

1日1回は自分褒める
成長できたことを日記に書く
自分の生き方を確立する

などを行うことで、少しずつ自分を肯定できるようになっていきます。以下のコラムでは自己肯定感を高める方法を解説しています。自分を好きになれない…と感じる人は参考にしてみてください。

自己肯定感を向上させる方法

 

細田ら(2009)は中学生305名を対象に「自己肯定感」と「他者肯定感」の関わりを調べました。その結果の一部が以下の図です。

人が嫌い 自己肯定感

このように、自己肯定感と他者肯定感が「プラスの相関」を表していることが分かります。プラスの相関とは、一方が増加すると、もう片方も増加する関係のことを意味します。自分を好きになる人は、人が嫌いにな気持ちが小さくなり、人を肯定できると推測できます。

 

 

④会話のスキルが低い

原因-会話のスキルが低い

4つ目は、会話スキルが低いことです。会話スキルが低いと、以下のような悪循環につながってしまいます。

会話スキルが低い
→うまく関係を築けない
→人が嫌いになる
→さらに会話が苦手になる

会話が苦手だと、心の交流ができず、人と関わっても楽しくない…という気持ちになりがちです。その結果、さらに会話をする機会が減り、人嫌いな気持ちが増えてしまうのです。

対策-会話のトレーニング

会話は大きく分けて、聴くスキル、話すスキルの2つがあります。スポーツと同じで練習をすれば誰でも、ある程度は改善することができます。

会話をしても、沈黙になる、会話が続かない、楽しい雰囲気にならない、と感じる方は以下のコラムで是非練習してみてください。

会話力のトレーニング法

人が嫌い,会話の練習

⑤殺伐としたコミュニティ

5つ目は、殺伐としたコミュニティです。

殺伐としたコミュニティの所属していると、ネガティブな言葉をかけられることが多くなります。その結果、警戒心が高まり、人が嫌いになってしまうのです。

例えば、以下のようなコミュニティが挙げられます。

パワハラが横行している会社
笑顔がまったくないバイト先
マウントを取り合う友人グループ

パワハラをされると上司のことが嫌いになりますし、笑顔がないバイト先は仕事仲間が嫌いになりやすいです。また、自慢することで他人を卑下し合う友人グループは、人間嫌いを促進させます。

人が嫌いな人は励ましやサポートが得られにくい環境にいる可能性があります。人間関係で辛い時に悩みを打ち明けられる相手がいないと、1人で全て抱え込んでしまって人が嫌いになってしまいます。

そこで、暖かいコミュニティに所属することが大切です。例えば、

・幼なじみの集まり
・趣味のサークル
・大学の友達の集まり

などです。上記はあくまでも1例ですが、自分がもっともサポートを得られすいコミュニティを考えて見ましょう。また所属するコミュティを増やすことで、信頼できる仲間と出会えることもあります。

暖かいコミュニティの探し方をより深く知りたい方は下記をご覧ください。

コミュニティの意味とは-探す方法

 

⑥日本特有の文化

6つ目は特有の文化に染まりすぎていることです。

人が嫌いに関する研究がはじまったのは、大正時代にさかのぼります。日本人の精神科医、森田正馬の元には、人が嫌い、苦手な人たちがたくさん診療に訪れていました。当時から日本人には

「人に迷惑をかけてはいけない」
「恥をかいてはいけない」

といった感覚がありました。

その結果、対人恐怖になりやすく、人嫌いな方が問題となっていました。私たち日本人は、とても繊細な文化を持っていて、他人への思いやりや、協調性や空気を読む文化を持っています。

これはとても素晴らしいことなのですが、同時に息苦しさにもつながっていると言えそうです。以下の折り畳みは、日本独特の文化についての研究です。

興味がある方は展開してみてください。

総務庁青少年対策本部(2004年当時,現総務省)の調査によると、「親が子どもに望む性格特性」として、日本は「思いやり」を1番に重視していると報告されています(図1)。

比較して、アメリカは「責任感」、韓国は「礼儀正しさ」を重視しています。これは他の先進国と比べて、日本はより思いやりを大切に文化であることを意味しています。

 

日本特有の文化についてはこちらの森田療法を学ぶことがおすすめです。特に恥をかいてはいけない…という意識が強い方は参考にしてみてください。

 

森田療法,あるがままとは

 

 

⑦人間不信になる過去の記憶

原因-過去の記憶

人間不信になる過去の記憶がある方も注意が必要です。例えば、

親の虐待を受けていた 暴力を受けたことがある いじめられていた 失恋が続いている 

などが挙げられます。特に幼児期に親からの虐待を受けていた方は、生涯にわたって人間不信に影響してしまいます。

対策-心をゆっくり整理する

過去の記憶の改善はすぐにできるものではなく、じっくりと自分の心を整理していく必要があります。大きな過去の心の傷を抱えている場合はカウンセラーを探してみることも視野に入れていきましょう。

カウンセラーの探し方

 

人が怖い,対人恐怖

まとめ

人が嫌いになってしまう方は、周りの目を気にしやすい、人をネガティブな目で見てしまう、という特徴があります。

紹介した対策を、じっくり継続して試してみてください。一朝一夕では難しいことですが、きっと良い結果が現れるはずです。皆さんが、末永く温かい人間関係を築かれることを願っています♪


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人間関係を築く力を公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかりつけていきたい方は、私たちが開催している講座をオススメしています。講座では

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
Elkind(1967) Egocentrism in adokesence  Child Development 38 1025-1034 永井撤(1987)対人恐怖的心性に関する心理学的研究 東京都立大学人文科学研究科博士論文堀井俊章(2006)対人恐怖心性尺度Ⅱの開発 –対人関係におけるおびえの心性を測定する試み- 学生相談研究 第26巻 第3号, 221-232上地雄一郎・宮下一博(2009)対人恐怖傾向の要因としての自己愛的脆弱性,自己不一致,自尊感情の関連性 パーソナリティ研究2009 第17 巻 第3 号 280–291Greenberger&Christine(2001) うつと不安の認知療法練習帳 創元社岡田努(2002)現代大学生の「ふれ合い恐怖的心性」と友人関係の関連についての考察 性格心理学研究 第10巻 第2 号69−84
日本精神神経学会 監修 (2014) DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル
城月 健太郎・児玉 芳夫・野村 忍・足立 總一郎 2013 不安のコントロール感に関する基礎的検討―社交不安障害の観点から― 心身医学, 53:408-415
堀井俊章(2001) 青年期における自己意識と対人恐怖心性との関係 山形大学紀要12,4