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過剰適応とは?心理学の専門家が解説

過剰適応とは?症状や職場での問題、子供の特徴をチェック!

みなさんはじめまして!精神保健福祉士の川島です。私は社会心理学の大学院で、成人のメンタルヘルスについて研究をしてきました。現在では成人向けの心理学の講師として活動しています。本コラムでは「過剰適応」をテーマに専門家が解説をしています。

過剰適応とは?

過剰適応とは、自分の気持ちを押し殺して相手に合わせる心理状態のことで、次のような特徴があります。

・頼まれると嫌とは言えない
・周囲によく気を遣う
・真面目で頑張り屋さん

自分の行動基準が他者にあるため、相手の欲求や期待に応える努力を惜しみません。また身体や心が疲れていても、頑張りすぎてしまう傾向があるため、顔が笑っていても心は泣いている…「本当の感情」と「表現する感情」違いが生じる傾向があります。

過剰適応の症状と特徴

職場での問題・注意点

私たち人間は、本当の感情と表現する感情に違いが生じる状態(感情と表現の乖離(かいり))に、強いストレスを覚えます。

プライベートであれば、感情を抑える機会を減らすことはできるでしょう。しかし職場では感情コントロールを求められることが多くなります。そのため過剰適応の傾向がある人は、感情労働が起こりやすいため注意が必要です。

感情労働は、どの職種でも多かれ少なかれ求められますが、看護職や接客業、クレーム担当などの職場で起きやすいといわれています。

よい子は注意

過剰適応は、子供にもみられる症状です。小野、宮本ら(2005)は、過剰適応している子供を「よい子」と捉え、次のような特徴があるとしています。

「表面的には素直に大人の言うことを聞き、実行し、成績が良く、明るく元気に振舞う適応的な面と、自分が何を感じ、何をやりたいのかを明確にできない面がある」

このような状態が続けば、表面的に良好でも見えない部分で大きな問題を抱えてしまう事にもなりかねません。過剰適応など「よい子」として無理をしてきた子供は、何かのきかっけで不登校や摂食障害などの問題につながることもあります。

抑うつ傾向を強める

ここでは過剰適応と抑うつの関係について見ていきましょう。

過剰適応を構成する主な要素は、「自己抑制」「自己不全感」「良く思われようとする」などです。これらの傾向が強い人は、過剰適応になりやすく抑うつ傾向も高くなるため、精神疾患のリスクが高まる可能性があります。

風間(2015)が大学生260名を対象に過剰適応について研究を行いました。その結果、過剰適応を構成する3つの要素と抑うつに相関関係があることが分かりました。

こちらの図は、数値が高いほど相関があることを示しています。過剰適応を構成する3つの要素の中でも「自己抑制」と「自己不全感」は、抑うつ症状に影響があることが分かりますね。

過剰適応を構成する3つの要素と抑うつの関連

つまり職場や学校など、集団の中で「自分の気持ちを抑えたり」「自分が役に立っていない」と感じる傾向がある人は、注意が必要です。

専門家の講義を受けたい方へ

過剰適応について心理学の論文、研究、過剰適応の症状や問題を紹介しました。理解は深まりましたか。

社会に出れば、多かれ少なかれ感情のコントロールが求められるでしょう。しかし自分の気持ちを抑えつづた笑顔では、心身共に疲れしまいますよね。「疲れているな…」と感じた時には、自分の内面に目を向けて正直になってみてくださいね。

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
風間惇希 2015 大学生における過剰適応と抑うつの関連 青年心理学研究 27(1), 23-38
小野 由衣子 宮本 正一 2005 親・教師・友達が関わる欲求不満場面での過剰適応と攻撃性の関連, 1, 13-20