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ストレス発散-心と体の改善法,運動,食事,日光浴

ストレス発散-心と体の改善法,運動,食事,日光浴

はじめまして!公認心理師の川島です。

今回のテーマは
「ストレス発散6つの方法」
です。


  • 改善するお悩み
  • 睡眠不足でイライラしている
  • 病気になって元気が出ない
  • 運動不足で活気がない

全体の目次
入門①心と体のつながり
入門②ジェーム=スランゲ説とは
入門③ストレス発散6つの方法
 1-運動をする
 2-日光に当たる
 3-環境を整える
 4-呼吸法でリラックス
 5-食生活を整える
 6-気晴らし型コーピング

入門①~④を読み進めていくと、基本的な知識と対策を抑えることができると思います。是非最後までご一読ください。もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

心と体の健康は深く関わっている

メンタルヘルスは体調も大事

心と体の健康が深くかかわっていることは、感覚的に理解している方は多のではないでしょうか。

仕事や勉強で、精神的ストレスがたまると、身体的な疲労感が強くなり、体を動かすことすらツライ…という方も多いでしょう。

健康問題と深刻な影響

体の問題は、深刻になると、自殺に結びつくことがあり注意が必要です。

以下の図は平成25年に内閣府が発表した自殺原因・動機の割合です。

自殺原因の1位は「健康問題」となっています。健康を害すると、生きる気力すらなくしてしまうことがわかります。

図表2-3-6  自殺の原因・動機の割合

このように、メンタルヘルスを向上させるには、体の健康にも気を配る必要があるのです。

ジェームズ=ランゲ説とは

体の変化と感情の変化

体と感情の関係には、いくつかの説があります。その中から今回は、ジェームズ=ランゲ説をご紹介します。

ジェームズ=ランゲ説は、身体の変化が感情を引き起こすという考え方です。

心理学辞典(2013)では、以下のように定義されています。

様々な感情状態は内臓や随意筋から脳へのフィードバッグに起因するという説

簡単に言うと

“体が元気でない→心も元気でない”

ということなります。

健康な花子,生活が乱れた太郎

たとえば、花子さんと太郎さんの生活で見てみましょう。

花子さんの生活
・適度な運動
・適切な食生活
・上質な睡眠がとれている

太郎さんの生活
・運動不足気味
・食事は3日間連続カップ麺
・睡眠も不足気味

花子さんと太郎さん、どちらの生活が心と体の健康にマイナスでしょうか?

心と体の健康

心と体の健康にマイナスになりやすいのは、おそらく太郎さんの生活でしょう。

このように、心だけでなく体調面からのアプローチも、健康には欠かせないと考えることができます。

“体が元気でないから心も元気でないのだ”という、ジェームズ=ランゲ説はやや強引な理論と考える方もいるかもしれません。

しかし、心と体の健康は深いため、私は参考になると考えています。

ストレス発散方法

ここからはストレス発散方法を5つお伝えします。

1.運動をする
2.日光に当たる
3.  丹田呼吸法
4.食生活を整える
5.気晴らし型コーピング

いずれも日常生活に取り入れやすい方法です。できることから少しずつはじめて、心と体の健康を向上させていきましょう!

改善策1.運動をする

運動不足がもたらす影響

皆さんは1週間にどれぐらい運動をしていますか?

甲斐(2011)は、IT 関連企業 の従業員2952名に対して、運動量が、抑うつにどの程度関係するかを調べました。

調査では、1週間に運動する時間が
・135分未満の人たち
・135分以上運動する人たち
とを比較しています。

結果の一部を以下の図に示します。

運動量と抑うつの関係

このように、135分以上運動している人たちと比較すると、135分未満の人たち抑うつが2倍以上に上ることが分かりました。

ほんの少しでも運動しよう

普段運動をしていない人や精神的なストレスが大きくなると、なかなか活動的にはなれない思います。しかし体を動かさないと、ますます気力が減退していきます。

たとえば、
・公園をウォーキングする
・ストレッチをする
・筋トレをする
など、運動を生活に取り入れて、体の健康を維持するように気をつけましょう。

ほんの少しでも運動をするだけで、やる気がみなぎってくることを実感できるでしょう。

*運動不足とメンタルヘルスについて動画の解説もあります。

改善策2.朝日を浴びよう

日光とうつ病の関係

睡眠を十分に取ろうと布団に入っても、寝つきが悪いという人もいるかと思います。こうした場合、スッと入眠する方法として「朝日を浴びる」をオススメします。

厚生労働省(2008)は各都道府県のうつ病患者数を調べています。以下の図は、偏差値が赤いほど患者数が多く、青いほど患者数が少ない事を表しています。少し眺めてみてください。

 

うつ病患者数 [ 2008年第一位 北海道 ]の都道府県別ランキング

上図の通り、一番うつ病の患者数が多いの北海道であることが分かります。

北海道では、雪が多いため日射量が少なく、十分に日光を浴びることができないこと原因と考えられています。

メラトニンが増える

有名な睡眠ホルモンに「メラトニン」という物質があります。日中の太陽光を浴びると、夜のメラトニンの分泌量が増えて、スムーズに眠りに落ちることができます。

朝起きたらカーテンを開けて、朝日の光を室内に入れるようにしましょう。

高照度光療法

精神科では高照度光治療が推奨されることがあります。具体的には、高照度光器具を用い、5,000~10,000ルクスの光を30分程度浴びるのです。

ちなみに室内の蛍光灯は1,000ルクス程度なので、強い光であることがわかります。

高照度光療法は特に、睡眠リズム障害、時差ボケ、季節性感情障害(冬季うつ病)の治療で用いられます。アマゾンで自費購入も可能です。

改善策3.体からリラックス

緊張状態のとき、交感神経が優位な状態になり、身体は「戦うモード」になっているため肩に力が入り、呼吸が浅くなっています。

そのため、深く呼吸をすることが必要です。ここでは、手軽にできて効果的な丹田呼吸法をご紹介します。

人との不安はリラックス呼吸で解消 丹田呼吸法
① ゆったり椅子に腰かけ、
 姿勢を楽にしてください

② へそのあたりに手を当て、
 深呼吸をします。
 その時呼吸だけに、意識を向けます

③ ゆっくり鼻から息を吸い、
 おなかが膨むのを実感してください

④ 口から細く長く
 ゆっくり吐き出してください

この流れを自分がリラックスできていると感じるまで行ってみてください。この呼吸法は、交感神経の興奮を抑えることに効果的です。交感神経の興奮を抑えることで、副交感神経が優位になってリラックスすることができます。

改善策4.食事の質を改善する

ストレス発散には、食事の面に気を使うことも大事です。

Gibson-Smith et al., (2018) は、1,634人の成人を対象に、抑うつ症状や不安症状についての研究を行いました。この研究では、うつ病や不安障害を発症した人を9年間追跡し、9年後の症状と食事内容が検討されています。

食事内容は、伝統的な地中海食がどの程度取り入れられているかを測定する「地中海食事スコア」という質問紙で行われました。魚介類や野菜の摂取などが多ければ得点は高くなります。地中海食事スコア

まずは、調査開始から9年後に不安や抑うつ症状がある人とない人(健康な人)の、地中海食事スコアの平均値を比較しました。

地中海食事スコアの比較

健康な人と比較して、9年後も不安や抑うつ症状があった人の地中海食事スコアは統計学に有意に低いことがわかりました。

つづいて調査では、9年後も不安や抑うつ症状があった人の地中海食事スコアの低さが、症状にどのような影響をもたらしているかについて検討されています。

以下のグラフをご覧ください。縦軸の数字は、上になるほど地中海料理をよく食べている人で、下はあまり食べていない人になります。

健康な人と不安症状がある人の比較たとえば、一番左側の「抑うつ状態」はマイナスになっています。伝統的な料理が不足しているために、精神的にもマイナスになっていると予測されています。

研究をまとめると。
・精神的に乱れている人は伝統食を好まない
・魚介類や野菜の摂取が少ないと症状にマイナスの影響
ということが分かりました。

私たちには日本食という健康食があります。やはりバランスの良い食生活が大事になりそうですね。

改善策5.気晴らし型コーピング

趣味、遊びなどでストレスを解消する方法に、気晴らし型コーピングがあります。いわゆる一般的なストレス発散方法と捉えてください。

気晴らしコーピングは、自分が楽しめる方法であれば何でもアリです。今回はストレスを和らげるという視点から、3つオススメの方法をご紹介します。

①ハイキング

自然の中を歩くハイキングは、ストレスを大きく下げることがわかっています。Marselle Melissa R ら(2014)は、

・1516名の男女を対象
・被験者の半分に週1回だけハイキング
・13週間後の変化を観察

という内容で研究を行いました。その結果、13週間後にはハイキングに参加しなかったグループよりも、

ハイキングに参加したグループは、
・主観的なストレスが低下
・うつ症状の発症率も低下
する傾向が確認されました。

ハイキングの場所は、緑が多い場所であればどこでも構いません。週1回山に登るのは難しいと思いますが、近所の公園、広めの緑地帯などなら実践しやすいと思います。ご自身ができる範囲で行ってみてくださいね。

ハイキングでストレス発散

②ボルダリング

次におすすめなのが、ボルダリングです。Luttenberger K ,(2015)が行った研究では、

・精神が不安定な男女100名を対象
・週3時間のボルダリングを実施
・8週間後の変化をチェック

という条件で調査を行いました。

その結果、何もしなかった被験者に比べて、ボルダリングを行ったグル ープは、症状が4.5倍も軽減が見られました。

ボルダリングは足場を探す・次に掴む石を探すなど注意力が強要されます。その結果、日常の不安や悩みに意識を向けるヒマがなくなり、ストレスコーピングにつながるのです。

ボルダリングと心と体ストレスの関係

③サウナ

相島ら(2015)の研究では、

・慢性疲労症候群の入院患者10名を対象
・室温60℃のサウナに15分間滞在
・その後サウナルームの外で30分休憩
・これを1日1回、週5日行う
・4週間後の変化を観察

という内容で調査を行いました。

その結果、知覚疲労や不安、うつ症状が改善されパフォーマンスの向上が確認されています。

このことからサウナを習慣にすることで、ストレスの減少が期待できると言えるでしょう。確かにサウナから上がった後は、頭がスッキリした感覚になりますよね。

サウナとストレス発散の関係

この3つの方法はストレスの対処法として非常にオススメの方法です。ただ、少し敷居が高いと感じる方は、近くの公園を散歩するだけもストレス症状が軽減が期待できます。

ぜひ、ご自身が取り組みやすい方法で気晴らし型コーピングを試してみてくださいね。

心と体の健康を意識してみよう

まとめ

心と体のつながりについて、心理学の用語や研究を交えながら解説をしました。心と体に疲労感があるときは、自分の生活を客観的に見つめてみましょう。

運動不足や日光不足など、不調の原因が見つかるかもしれません。

できるところから、生活習慣を見直すことで、心と体の健康を手に入れていきましょう!

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・ファンデンボス,G.R.(2013)APA 心理学大辞典 p330
・甲斐 裕子 永松 俊哉 山口 幸生  徳島 了 (2011)余暇身体活動および通勤時の歩行が勤労者の抑うつに及ぼす影響. 体力研究, 109, 1-8.
・ストレスにより惹起される心身症の病態モデル: ストレス動物の症状と病態,米田良三, 秦多惠子, 大澤仲昭 – 心身医学, 2013
・武田(2004)第2章 心身症・神経症等に関する文献研究 心身症・神経症等の児童生徒の実態把握と教育的対応に関する文献研究 平成14年度~平成16年度科学研究費補助金(基盤研究(C)(2))研究
・Effects of Waon Therapy on Chronic Fatigue Syndrome: A Pilot Study Yuji Soejima, Takao Munemoto, Akinori Masuda, Yuuki Uwatoko, Masaaki Miyata, Chuwa Tei 2015 Volume 54 Issue 3 Pages 333-338
・Luttenberger K ,(2015)Indoor rock climbing (bouldering) as a new treatment for depression: study design of a waitlist-controlled randomized group pilot study and the first results.BMC Psychiatry. 2015.
・Marselle Melissa R  Sara L Warber    Katherine N. Irvine (2014)Examining Group Walks in Nature and Multiple Aspects of Well-Being: A Large-Scale Study.