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心と体のつながり,ジェームスランゲ説,日光とセロトニン

ジェームスランゲ説,日光とセロトニン

はじめまして!公認心理師の川島です。

今回のテーマは
「心と体のつながり」
です。


  • 改善するお悩み
  • ・睡眠不足でイライラしている
  • ・病気になって元気が出ない
  • ・運動不足で活気がない
  • 全体の目次
  • 入門①心と体のつながりは深い
  • 入門②ジェーム=スランゲ説とは
  • 入門③心と体の健康対策
  • 助け合い掲示板

入門①~③を読み進めていくと、基本的な知識と対策を抑えることができると思います。

是非入門編は最後までご一読ください。もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

心の健康は体の健康と深くかかわる

メンタルヘルスは体調も大事

心と体の健康が深くかかわっていることは、感覚的に理解している方は多のではないでしょうか。

仕事や勉強で、精神的ストレスがたまると、身体的な疲労感が強くなり、体を動かすことすらツライ…という方も多いでしょう。

健康問題と深刻な影響

体の問題は、深刻になると、自殺に結びつくことがあり注意が必要です。

以下の図は平成25年に内閣府が発表した自殺原因・動機の割合です。

自殺原因の1位は「健康問題」となっています。健康を害すると、生きる気力すらなくしてしまうことがわかります。

図表2-3-6  自殺の原因・動機の割合

このように、メンタルヘルスを向上させるには、体の健康にも気を配る必要があるのです。

ジェームズ=ランゲ説とは

体の変化と感情の変化

体と感情の関係には、いくつかの説があります。その中から今回は、ジェームズ=ランゲ説をご紹介します。

ジェームズ=ランゲ説は、身体の変化が感情を引き起こすという考え方です。

心理学辞典(2013)では、以下のように定義されています。

様々な感情状態は内臓や随意筋から脳へのフィードバッグに起因するという説

簡単に言うと

“体が元気でない→心も元気でない”

ということなります。

健康な花子,生活が乱れた太郎

たとえば、花子さんと太郎さんの生活で見てみましょう。

花子さんの生活
・適度な運動
・適切な食生活
・上質な睡眠がとれている

太郎さんの生活
・運動不足気味
・食事は3日間連続カップ麺
・睡眠も不足気味

花子さんと太郎さん、どちらの生活が心と体の健康にマイナスでしょうか?

心と体の健康

心と体の健康にマイナスになりやすいのは、おそらく太郎さんの生活でしょう。

このように、心だけでなく体調面からのアプローチも、健康には欠かせないと考えることができます。

“体が元気でないから心も元気でないのだ”という、ジェームズ=ランゲ説はやや強引な理論と考える方もいるかもしれません。

しかし、心と体の健康は深いため、私は参考になると考えています。

心と体の健康を向上しよう

では、心と体の健康を向上させるにはどうしたらいいのでしょうか。本コラムでは、具体的なアイデアとして、

1.運動をする
2.日光に当たる
3.環境を整える

の3つを紹介します。いずれも日常生活に取り入れやすい方法です。できることから少しずつはじめて、心と体の健康を向上させていきましょう!

改善策1.運動をする

運動不足がもたらす影響

皆さんは1週間にどれぐらい運動をしていますか?

甲斐(2011)は、IT 関連企業 の従業員2952名に対して、運動量が、抑うつにどの程度関係するかを調べました。

調査では、1週間に運動する時間が
・135分未満の人たち
・135分以上運動する人たち
とを比較しています。

結果の一部を以下の図に示します。

運動量と抑うつの関係

このように、135分以上運動している人たちと比較すると、135分未満の人たち抑うつが2倍以上に上ることが分かりました。

ほんの少しでも運動しよう

普段運動をしていない人や精神的なストレスが大きくなると、なかなか活動的にはなれない思います。しかし体を動かさないと、ますます気力が減退していきます。

たとえば、
・公園をウォーキングする
・ストレッチをする
・筋トレをする
など、運動を生活に取り入れて、体の健康を維持するように気をつけましょう。

ほんの少しでも運動をするだけで、やる気がみなぎってくることを実感できるでしょう。

*運動不足とメンタルヘルスについて動画の解説もあります。

改善策2.朝日を浴びよう

日光とうつ病の関係

睡眠を十分に取ろうと布団に入っても、寝つきが悪いという人もいるかと思います。こうした場合、スッと入眠する方法として「朝日を浴びる」をオススメします。

厚生労働省(2008)は各都道府県のうつ病患者数を調べています。以下の図は、偏差値が赤いほど患者数が多く、青いほど患者数が少ない事を表しています。少し眺めてみてください。

 

うつ病患者数 [ 2008年第一位 北海道 ]の都道府県別ランキング

上図の通り、一番うつ病の患者数が多いの北海道であることが分かります。

北海道では、雪が多いため日射量が少なく、十分に日光を浴びることができないこと原因と考えられています。

メラトニンが増える

有名な睡眠ホルモンに「メラトニン」という物質があります。日中の太陽光を浴びると、夜のメラトニンの分泌量が増えて、スムーズに眠りに落ちることができます。

朝起きたらカーテンを開けて、朝日の光を室内に入れるようにしましょう。

高照度光療法

精神科では高照度光治療が推奨されることがあります。具体的には、高照度光器具を用い、5,000~10,000ルクスの光を30分程度浴びるのです。

ちなみに室内の蛍光灯は1,000ルクス程度なので、強い光であることがわかります。

高照度光療法は特に、睡眠リズム障害、時差ボケ、季節性感情障害(冬季うつ病)の治療で用いられます。アマゾンで自費購入も可能です。

改善策3.環境を整える

環境と心と体のつながり

米田・秦ら(2013)は、気温変化などを調整し、緊張しやすい環境で飼育したマウスの研究を行いました。心と体のつながりマウス実験で解説その結果、次のような症状が確認されました。

①身体面の症状
・心拍数の増加
・痛みに過敏になる
・腹痛と下痢
加えて、中枢神経・循環器系・消化器系・末梢神経系など、全身にわたりあらゆる症状が確認されています。

②心理・行動面の症状
・落ち着きがない
・イライラや焦り
・そわそわしている
加えて、毛づくろい(リラックス反応)の減少が見られ、脳波の異常も確認されています。

これらの症状は、人間の「心身症」と類似していることがわかっています。心身症は、ストレスと関連する心と体の疾患です。

つまり私たちの心と体の健康は、環境から強い影響を受ける推測できます。

心と体の健康は環境づくりから

先ほど紹介したマウスの研究を、人間に置き換えると、

・きちんと睡眠をとれるか
・気温に即した服装
・太陽の光を定期的に浴びている

などが緊張に影響すると言えそうです。

心と体が疲れている…と感じた時には、生活リズムの見直しや気候に順応する対策をしながら、過ごすといいでしょう。睡眠をしっかり,メンタルヘルまた環境によるストレスが大きい場合には、環境を見直したり変えたりすることを検討してもいいかもしれません。

改善策4.体からリラックス

緊張状態のとき、交感神経が優位な状態になり、身体は「戦うモード」になっているため肩に力が入り、呼吸が浅くなっています。そのため、深く呼吸をすることが必要です。ここでは、手軽にできて効果的な丹田呼吸法をご紹介します。

人との不安はリラックス呼吸で解消 丹田呼吸法
① ゆったり椅子に腰かけ、
 姿勢を楽にしてください

② へそのあたりに手を当て、
 深呼吸をします。
 その時呼吸だけに意識を向けてください

③ ゆっくり鼻から息を吸い、
 おなかが膨むのを実感してください

④ 口から細く長く
 ゆっくり吐き出してください

この流れを自分がリラックスできていると感じるまで行ってみてください。この呼吸法は、交感神経の興奮を抑えることに効果的です。交感神経の興奮を抑えることで、副交感神経が優位になってリラックスすることができます。

心と体の健康を意識してみよう

まとめ

心と体のつながりについて、心理学の用語や研究を交えながら解説をしました。心と体に疲労感があるときは、自分の生活を客観的に見つめてみましょう。

運動不足や日光不足など、不調の原因が見つかるかもしれません。

できるところから、生活習慣を見直すことで、心と体の健康を手に入れていきましょう!

助け合い掲示板の活用

ページ下部には助け合い掲示板があります。当コラムは心理面で悩みを持つ方が多く集います。お互いの悩みや経験談など相談してみましょう。*お互いを思いやったご投稿をよろしくお願いします。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・ファンデンボス,G.R.(2013)APA 心理学大辞典 p330
・甲斐 裕子 永松 俊哉 山口 幸生  徳島 了 (2011)余暇身体活動および通勤時の歩行が勤労者の抑うつに及ぼす影響. 体力研究, 109, 1-8.
・ストレスにより惹起される心身症の病態モデル: ストレス動物の症状と病態,米田良三, 秦多惠子, 大澤仲昭 – 心身医学, 2013