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自己嫌悪に陥る…立ち直る6つの方法

自己嫌悪に陥る…立ち直る6つの方法

皆さんこんにちは。
公認心理師の川島達史です。私は現在初学者向け心理学講座の講師をしています。

今回のお悩み相談
「自己嫌悪に陥る」

自己嫌悪に陥る

相談者
37歳 男性 結婚5年目 

お悩みの内容
私は、意志が弱く、欲望に負けてしまうことが多いです。一度立てた目標をすぐにあきらめてしまいます。例えば、ダイエットを始めても、すぐに暴飲暴食をしてしまいます。

イライラして子どもや奥さんを強い口調で怒ってしまうこともあります。そのたびに強い自己嫌悪の感情が襲ってきます。もうやめよう、ちゃんとしようと思っても、一瞬の気のゆるみが治りません。

どうすれば意志を強く持って、正しく行動できるようになるのでしょうか。

気が付くと、感情のコントロールが効かず、ダメだと思う行動をしてしまうのですね。ご相談の内容から、正しく生きたいというお気持ちが伝わってきました。

当コラムでは自己嫌悪から立ち直る方法について基本的な知識と改善策をお伝えします。

自己嫌悪がもたらすもの

自己嫌悪は心や行動に様々な影響がある感情です。まずは重要な3点について理解しておきましょう。

他人にあたりやすくなる

自己嫌悪になると、自分だけでなく、他人も傷つけやすくなります。場合によっては、イライラした気持ちを相手にぶつけてしまうこともあります。

暴言を吐いてしまう、手をあげてしまう、他人のSNSにネガティブな書き込みを繰返してしまう、これらは自己嫌悪の裏返しとも言えます。

逆に、自分を肯定できるようになると、相手に優しく接することができます。細田ら(2009)は、自己肯定感についての調査を行っています。研究結果の一部が下図となります。

自己肯定感と他者肯定感

自己肯定感と他者肯定感はお互いにプラスの関係にあることが分かります。自己嫌悪を改善すると、自分にも他人にもやさしくなれることをいみしています。

傷つきやすくな

自己嫌悪の状態は、余裕をうしなっているので、傷つきやすくなります。ちょっとした批判、小さな間違え、ささいな指摘に反応しやすくなります。その結果、絶えず緊張状態にさらされ、健康を害することもあります。

この点、自分をきちんと評価できれば、失敗への過敏さも少なることが分かっています。斎藤ら(2003)は大学生474名を対象に、自己評価と失敗過敏について調査を行いました。

結果は下図となります。

自己評価と失敗過敏の関係

このように自己評価が高くなると、失敗過敏が小さくなることが分かります。失敗した時にすごく気になる…という場合は自己嫌悪が関連している可能性が高いと言えます。

成長につながることも

自己嫌悪はメンタルヘルスには、デメリットが大きいのですが、うまく活用すれば前向きな行動に結びつくこともあります。

ガブリエル・エッティンゲン(1991)は、自分へのネガティブ思考がダイエットにどのような効果を与えるかを調べました。

その結果、上の図のように、自分へのネガティブ思考の女性の方が約11kgも体重を落とすことができたのです。

ネガティブシンキングはダイエットだけではなく、異性との関係や勉強などでも同じような傾向が確認されています。

このように自己嫌悪は、マイナスの影響がある一方で、自分を成長させる、戒める効果もあるのです。

自己嫌悪診断,チェック

自己嫌悪の強さは人によって変わってきます。念のため下記の簡易診断で把握しておきましょう。

自己嫌悪から立ち直る5つの方法

具体的にはどうすれば自己嫌悪を改善できるのでしょうか。先程お伝えした通り、前向きな行動に結びついている自己嫌悪であれば、特に問題はありません。

自分を否定して反省してチャレンジすることも人生を充実させる上でとても大事なことだからです。

しかし、他人に迷惑をかける、自暴自棄な行動になっている、と感じるぐらい自己嫌悪が強くなってしまったら…問題は大きいです。

そこで自己嫌悪から立ち直る手法として6つ提案させて頂きます。

 ・反省すべきは反省‐省察する
 ・過度の自責はNG
 ・自分を認める時間も作る
 ・たまには人に認めてもらう
 ・メタ認知力をつける
 ・前向きなチャレンジをする

ご自身の生活に活かせそうなものがありましたら参考にしてみてください。

反省すべきは反省‐省察する

自己嫌悪な行動をしてしまったら、まずは誠実に反省することが大事です。ダメなものはダメと、自分をいさめるようにしましょう。

NGなのは、ただ感情に任せて反省をすることです。

 もうダメだ!
 自分は生きる価値がない!
 クソ人間だ!

このような自暴自棄な反省は何も生み出しません。大事なことは、なぜそのような行動をしてしまったのか、原因を冷静に考え、冷静に反省していくことです。これは心理学の世界で「省察」と言ったりします。

 なぜそのような行動をしたのか 
 その時の自分の心理状態は
 どの時間帯に我を忘れやすいか
 次はどう対処すればよいか

など、自分を客観的に分析していくようにします。反省すべきは反省すべきですが、感情に任せるのではなく、省察の視点も必ず持つようにしてみてください。

自己嫌悪,冷静に立ち直る

過度の自責はNG

自己嫌悪がマイナスの行動に結びつきやすい方は、必要以上に自分を責めてしまう傾向にあります。これを過度の自責と言います。

元々日本人は、統計的に見ても、ネガティブな感情が自分に行きやすい傾向にあります。過度の自責は、深刻な状況になると、自傷行為、自殺へと結びついていきます。

その自責は現実的なのか?考える視点を持つようにしましょう。必要以上に自分を責めてしまう…と感じる方は以下のコラムも参考にしてみてください。

現実検討能力を高める

 

自分を認める時間を作る

自己嫌悪が強い方におススメなのが、褒め褒めタイムを作ることです。私の例ですが、私は寝る直前は褒め褒めタイムにしています。

目をつぶって、もうねるぞ~というモードになったときは、今日頑張れたこと、成長した点を確認して寝るようにしています。

そうすると1日1日の自分の成長を実感できますし、自信を積み重ねていくことができます。自然と安眠もできるのもメリットです。皆さんもぜひ褒め褒めタイムを作ってみてください。

 

たまには人に褒めてもらう

周りにいる人が

あなたの欠点ばかりを指摘する
あなたを無能呼ばわりする
暴言を吐いて傷つけてくる場合

こんな環境だとしたら…あなたの心は、自己嫌悪でズタズタになってしまいます。

自己嫌悪は自分で改善していくことも大事ですが、環境を改善していくことも大事です。周りの人が攻撃性が高く、人の気もちを考える人が少ないと感じる場合は、思い切って、人間関係を再検討してみることも大事です。

周りの環境が良くない…と感じる方は以下のコラムを参考にしてみてください。

ソーシャルサポートをもらえる環境を大事に

自信がない ソーシャルサポート

メタ認知力をつける

自己嫌悪が強い時は、マイナスの行動をとりやすくなります。マイナスの行動をとると、さらに自己嫌悪に陥るという負の循環になることもしばしばです。

ここで大事なことは、自分を観察して、冷静にふるまう練習をしていことです。この自分を客観的に見る力はメタ認知力と言われています。

メタ認知力が高くなると、感情に振り回されそうになった時に、自分を抑制しやすくなるという効果があります。1つのやり方としては

「私はいま  ~   という状態にある」

と考えてみてください。この ~に何が当てはまるかを分析していくのです。楽しい、怒っている、焦っているなんでもOkです。

このように自分をいったん観察できるようになると、我を失った行動をコントロールできるようになります。

詳しくは下記のコラムを参照ください。

メタ認知力を向上させる方法

 

前向きな行動に繋げる

自己嫌悪の気持ちは、言い換えると、もっと前向きな自分になれるはずという感情でもあります。

ただ自己嫌悪の感情を持つだけでは、心に負担になりますが、うまく活かすことができれば、あなたをより輝かせる感情としても活用できます。

例えば、

暴飲暴食をしてしまった
 →ジムに通い始める
  健康診断を予約する

ギャンブルで散財してしまった
 →資格の勉強をはじめて取り返す
 →副業の勉強をはじめ行動する

恋人にひどいことを言ってしまった
 →傾聴力をつけるワークを始める
 →手紙を書いて渡し、信頼関係を取り戻す
  もう2度と傷つくことは言わない

など様々なやり方があります。自己嫌悪を自己嫌悪として終わらすのではなく、前向きな人生のためのきっかけにしていきましょう。詳しくは下記のコラムを参照ください。

アドラーに学ぶ,劣等感を克服する方法

 

自己嫌悪,治す

まとめとお知らせ

まとめ

人生は一度しかありません。

自己嫌悪をして生きて行く
自分を肯定し、認めながら生きて行く

私は後者の人生を皆さんに歩んでほしいと感じています。当コラムは自己嫌悪から抜け出す手法のほんの1部となりますが、何か活用できそうなものがあったら取り入れてみてください。

応援しています!

講座のお知らせ

最後にお知らせがあります。公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・自己肯定感を育てる心理学
・自分と他人をほめる練習
・自分の長所を発見する練習
・暖かい人間関係を築くコツ

など練習していきます。興味がある方は下記のお知らせをクリックして頂けると幸いです。是非お待ちしています。

 

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
水間玲子(1996)自己嫌悪感尺度の作成 教育心理学研究 44 296-302
佐藤有耕(1999)青年期における自己嫌悪感の感情状態の発達的変化 青年心理学研究 11 1-18
水間玲子(2003)自己嫌悪感 と自己形成の関係 について -自己嫌悪感場面で喚起 される自己変容の志向に注目して-    教育心理学研究 51 43-53
小平英志(2002)女子大学生における自己不一致と優越感・有能感,自 己嫌悪感との関連  ―理想自己 と義務 自己の相対的重要性の観点から― 実験社会心理学研究 41(2) 165-174
荻野恒一(1978) 自己嫌悪のすすめ 青年心理 9 418-426
宮下一博・小林利宣(1981)青年期における「疎 外感」の発達と適応との関係 教育心理学研究 4 297-305
Deevey, S..& Wall, L.J.(1992) How do lesbianwomen develop serenity? Health Care for Women International, 13, 199-208.