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自己嫌悪と心理学・診断

自己嫌悪の心理学を詳しく解説します。診断もあり。臨床心理士が解説①

はじめまして!臨床心理士の竹元です。私は臨床心理士として精神疾患を抱える方へのカウンセリングを行っています。今回は「自己嫌悪」についてお話していきます。コラム①は自己嫌悪について基礎的な話を5分程度させていただきます。目次は以下の通りです。

  • 自己嫌悪の定義
  • 他人も嫌いになる?
  • 問題意識が高まる
  • リフレーミングで長所探し
  • やりたいことを見つける
  • ソーシャルサポートとは

各コーナーにはもっと深く知りたい!という方のためのリンクがあります。まずは全体を読んでみて、気になる場合はリンク先をクリックしてみてください(^^) それでは早速、自己嫌悪の基礎から解説させて頂きます

自己嫌悪とは何か

自己嫌悪は心理学的にはどのような意味があるのでしょうか。いくつか見ていきましょう。

定義①水間(1996)
“客観的事実はどうであれ,否定的な感情や事象が
自分自身に由来するとし,自分が自分自身のことをいやだと
感じること”

定義②佐藤(1994)
”自分が、自分で、今の自分がいやだと感じること”

このように、自分が自分のことを「いやだ」と感じることという定義が多く見られます。

みなさんは「自己嫌悪」に陥ることはありますか?人生は長いものです。その中で失敗や挫折をする時期があると思います。そんなときは自分のことが嫌になってしまう・・・そんなこともあるかもしれませんね。

例えば、

・僕は周りと比べて能力が低い
・自分の見た目が嫌だ
・目標を達成できなかった・・・
・こんな自分じゃダメと思う

これらは代表的な、自己嫌悪の気持ちと言えます。自己嫌悪は、「こうなりたい」という理想がある一方で、現実的にはかなっていない状況で起こりやすくなります。

それ以外にも、心理学的にどのような状態を自己嫌悪と定義づけるのか以下のコラムで解説しています。

意味や定義をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・理想と現実のギャップ
・自己再生願望とは
・自己弁護とは
自己嫌悪の心理学的な意味・定義②

自己嫌悪のデメリット

自己嫌悪の状態では、他人も嫌いになってしまう恐れがあります。細田ら(2009)は中学生305名を対象に「自己肯定感」と「他者肯定感」の関連を調査しました。その結果が以下の図です。

このように、自己肯定感と他者肯定感が「正の相関」を示していることが分かります。正の相関とは、片方が増加すると、他方も増加する関係のことを意味します。(※相関について深く知りたい方はこちらを参照ください。)

つまり、自己嫌悪が高くなると、他者肯定感も高くなる、言い換えると、自己嫌悪になるほど他人を嫌いになりやすいと考えることができるのです。

そのほかにも、失敗を過度に恐れるなどの悪影響があります。

デメリットをより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・他人を嫌いになってしまう
・失敗を過剰に気にする
・行動疑念とは何か
自己嫌悪のデメリット!相手も嫌いになってしまう③

自己嫌悪のメリット

実は「自己嫌悪は自己成長にもつながる」(Deevyら,1992)と報告されている面もあります。「自己嫌悪」は、至らないと思うところや、課題点に目が向くので反省点がたくさん出てきます。その反省点を上手く活用していければ日常生活での問題を解決し、前に進んでいくことができます。

自己嫌悪は「目標達成」にはメリットもある!と認識しておくと良いでしょう。

メリットをより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・ネガティブ思考で成功する!?
・自己成長につながる
自己嫌悪のメリット!問題意識UP④


コミュニケーション講座について♪

コラム1は折り返し地点です!ここで少しだけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。1人で抱え込まずに、専門家やたくさんの仲間と相談しながら進めていくと、心強いと思います。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらのコミュニケーション講座のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

自己嫌悪の対処法

自己嫌悪の対処法について考えていきましょう。自己嫌悪の解決策は、大きく分けると3つあります。全部読むのは大変なので、てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①リフレーミングで長所探し

・自分の粗探しに注意!
自分が嫌いという想いを強く持ってしまう人は、自分の悪いところばかりに目がいってしまい、頭から離れなくなって自己嫌悪に陥ってしまいます。

・捉え方を変えて良いところをみよう
このような場合、良いところにも目を向けていくことも大切です。当コラムでは、捉え方を変えることで自分の良いところに目を向ける「リフレーミング」をご紹介します。

リフレーミングとは、
「これまでのものごとを見る枠組みを変えて、違う枠組みで見ること」
を指しています。

つまり、自分自身のものごとの見方を変えていくものです。家族療法や解決志向アプローチ(Solution Focused Approach :SFA )などの心理療法で用いられています。

リフレーミングの技法は、学校場面では、学校の先生が少し対応に困っている生徒の対応方法を発見することに用いられたり、仕事のモチベーションを上げる目的の企業研修などでも活用されることがあります。様々なところで活用されています。

リフレーミングをより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・リフレーミング具体例
・高橋さんの実例
・練習問題でマスター
自己嫌悪に陥る心理と立ち直る方法・リフレーミング⑤

 

イラスト:リフレーミングで自分の良い所に向き合えている人

②自分自身を受入れよう

・アイデンティティの拡散
アイデンティティ確立とは、「自分はこういう存在なのだ」という確信がある状態です。自己嫌悪を乗り越えていくためには、アイデンティティを形成していくことがとても重要です。

・自分に価値を見いだす
中間ら(2015)は、アイデンティティ発達をとらえる尺度を作成した際に、453名の大学生を対象に調査を行いました。その中で、自尊感情のグループごとの比較を行っています。

自尊感情とは、簡単に言うと「自分のことを価値があると思う」ことで、自己嫌悪とほぼ反対の概念のものです。群比較の結果、アイデンティティ達成群は、他の群に比べて有意に高い結果を示しました。

棒グラフにて、自尊感情の高さが示されています。グラフが高く、値が大きいほど、自己嫌悪が少なく健康的であることを示しています。以上から自己嫌悪には、アイデンティティが確立できているかどうかは重要な問題であると考えられます。

コラム⑥では、具体的なアイデンティティの形成方法について解説しています。

アイデンティティをより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・アイデンティティ確立
・原田さんの事例
・価値観形成を目指そう
自己嫌悪を改善する心理学「アイデンティティの確立」⑥

③ソーシャルサポート・褒め褒め君を探そう

・甘え下手に注意
自己嫌悪は疎外感と関連があるとされています。これは、最初に疎外されているからこそ自己嫌悪感が強くなるということもありますが、自己嫌悪感を持っているからこそ、疎外感を感じやすくなっているということも考えられます。これは様々な研究で両方の側面から報告されています。

水間(1996)は、自己嫌悪尺度を作成する際に、孤独感を要素の1つとして取り入れています。孤独感で人間関係がない方は自分を嫌いになりやすいのです。この点を改善する上では「ソーシャルサポート」を受けることが重要です。

ソーシャルサポートは、4種類あると言われています。

1.情緒的サポート・・
慰め、共感など感情面を支える

2.情報的サポート・・
アドバイスや解決策などの情報提供

3.道具的サポート・・
物理的に手伝ってくれるサポート

4.評価的サポート・・
正当な評価をしてくれるサポート

みなさんはいかがでしょうか。これらのサポートを受ける環境にありますか?

・周囲に褒め褒め君はいませんか?
情緒的なサポートは端的に言えば、褒めてもらうことと言い換えても良いかもしれません。世の中には心理的に安定していて、愛情が豊かな方がいます。褒め褒め君となずけましょうか。

自己嫌悪が強い場合は、ソーシャルサポート上手な褒め褒め君を探してみましょう。意外なところにサポートが受けられるかもしれないですし、すでに受けているサポートもあるかもしれません。

ソーシャルサポートをより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・サポートで自己肯定感UP
・褒め褒め君を探そう
・平山さんの事例
自己嫌悪から立ち直る方法「ソーシャルサポート褒め褒め君を探そう」⑦

自己嫌悪診断とチェック

自己嫌悪について簡易診断を作成しました。ご自身の状況を把握したい方は、コラム1を概観した後、一度診断してみることをお勧めします。
自己嫌悪診断でチェック!⑧

自己嫌悪と上手く付き合おう!

自己嫌悪の対処法には、「リフレーミング」「やりたいことに集中する」「ソーシャルサポート」の3つが関わっていると言えそうです。

次回の自己嫌悪コラムは、自己嫌悪の意味や定義について解説していきます。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★自己嫌悪に陥る心理を理解して適切に対処しよう

目次

①自己嫌悪-概観
②心理学的な意味・定義
③相手も嫌いになってしまう
④問題意識が芽生える
⑤リフレーミングとは
⑥やりたいことに集中
⑦褒め褒め君を探そう
⑧自己嫌悪診断でチェック!

 

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
中学生におけるソーシャルサポートと自他への肯定感に関する研究 細田 絢,田嶌 誠一 2009 年 57 巻 3 号 p. 309-323
水間玲子(1996)自己嫌悪感尺度の作成 教育心理学研究 44 296-302
佐藤有耕(1999)青年期における自己嫌悪感の感情状態の発達的変化 青年心理学研究 11 1-18
水間玲子(2003)自己嫌悪感 と自己形成の関係 について -自己嫌悪感場面で喚起 される自己変容の志向に注目して-    教育心理学研究 51 43-53
小平英志(2002)女子大学生における自己不一致と優越感・有能感,自 己嫌悪感との関連  ―理想自己 と義務 自己の相対的重要性の観点から― 実験社会心理学研究 41(2) 165-174
荻野恒一(1978) 自己嫌悪のすすめ 青年心理 9 418-426
宮下一博・小林利宣(1981)青年期における「疎 外感」の発達と適応との関係 教育心理学研究 4 297-305
Deevey, S..& Wall, L.J.(1992) How do lesbianwomen develop serenity? Health Care for Women International, 13, 199-208.
Gabrile Oettingen & Thomas A. Wadden 1991 Expectation, fantasy, and weight loss : Is the impact of positive thinking always positive? Cognitive Therapy and Research Volume 15, Issue2
斎藤(2003)自己志向的完全主義の特徴 対人社会心理学研究, 9, 2009