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コンプレックスとは?克服する4つの方法を臨床心理士が解説

コンプレックスを克服する方法-臨床心理士が解説①

こんにちは!臨床心理士の竹元、精神保健福祉士の川島です。私たちは現在、こちらの初学者向け心理学講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

本コラムでは「コンプレックス」について詳しく解説をしていきます。しっかりと対策をお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。ぜひお付き合いください。

  • コンプレックスの意味とは?
  • アドラーと劣等感
  • 善玉と悪玉劣等感
  • 他人の評価に注意
  • 自尊心低下リスク
  • 改善する4つの方法

各コーナーにはもっと深く知りたい!という方のためのリンクがあります。まずは全体を読んでみて、気になる場合はリンク先をクリックしてみてください(^^) それでは早速、コンプレックスの基礎から解説させて頂きます。

コンプレックスとは

コンプレックスの意味と種類

・ユングとコンプレックス
まずは意味を確認しましょう。コンプレックスという言葉は、心理学の世界ではフロイト(1856~1939)やユング(1875~1961)という心理学者を中心に理論が展開されてきました。

コンプレックスは、「心的複合体」という意味を指しています。良くわからないですよね。昔の人は特にかく難しい言葉を使って定義をしていました。もう少し簡単に言うと、

自分の行動に影響を与えている
心の深い部分にあるわだかまり

と考えるといいでしょう。この心の深い部分にあるわだかまりには様々な種類があると考えられてきました。

・コンプレックスの種類
エディプスコンプレックス
男児が母親に愛情を向け、その愛情を邪魔する存在として、父親に憎悪を向けるコンプレックスを意味します。エディプスコンプレックスは無意識にあるものとされています。

マザーコンプレックス
マザーコンプレックスは子供が母親に対して、強い執着を持つ状態です。ほとんどの人間は本来幼児期にマザーコンプレックスになるとされます。幼児期にマザーコンプレックスがうまく解消されず、成人になっても続くことがあります。

・アドラーと劣等コンプレックス
一方で、現代の日本で一般的なコンプレックスという言葉は、「劣等感」や「自分の嫌いな部分」という意味でつかわれています。「いわゆる学歴コンプレックスや容姿コンプレックスなどがこれに当てはまりますよね。

現在ではほぼ劣等コンプレックスを前提に議論が進んでいくので、当コラムでは以下劣等コンプレックスをメインとして議論を進めていきます。コンプレックスの意味や種類について詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

・アドラー自身も悩んだ
・アドラーと劣等感の発見
・悪玉VS善玉劣等感とは
コンプレックスの意味と種類②

コンプレックスを抱く問題

なぜコンプレックスを持つのか

私たちはなぜコンプレックスを持つのでしょうか?いくつか心理学の研究を紹介させて頂きます。

研究①受容感の不足
コンプレックスを改善したい場合は、誰かに受け入れられる体験が必要になるようです。大鷹ら(2011)の研究では、大学生を対象にアンケート調査を実施し、「自分の体が醜いと感じる」イメージは、「誰かに受け入れられている体験の不足」と関連していると報告されています。

例えば自分の顔のある部分に劣等感を持っている方がいました。しかし、その部分が大好きな異性が現れたとします。そうして他人から受容されることで劣等感が改善されることがあります。

研究②他人の評価を過度に気にする
コンプレックスを改善したい場合は、周りの目を気にしすぎないことがヒントになります。清水ら(2008)は、大学生595名にアンケートを実施して、「他人の評価」と「自己肯定感」について分析を行っています。結果は以下の通りです。

・他者の評価で自己肯定感が決まる群
精神的健康を乱す心理的問題が大きい

・他者の評価に影響を受けにくい群
→精神的に健康度が高い、心理的問題小さい

皆さんは他人の評価に自己肯定感が左右されるでしょうか?それとも人の評価にはそこまで左右されずちゃんと自信をもって行動ができそうでしょうか。

人の評価を気にする方は、自分について欠点ばかり注目するという状態なので、どんどん自分がダメなような気がしていまいます。他人の評価を気にせず、自分のやりたいことを大事に生きていく心を育てていくことが大事になります。

なぜコンプレックスを持つのか?原因をもっと詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・受容感の不足
・他人の評価を気にする
・ネガティブな反芻
・孤独感がコンプレックスを生み出す
コンプレックスを持つ心理学的な4つの理由③

克服する4つの方法

それではいよいよ、コンプレックスの解決策について考えていきましょう。コンプレックスを抱く解決策を、4つ紹介させて頂きます。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①リフレーミング法

・コンプレックスは長所
自信がない人は、自分の特徴を「欠点」としてとらえてしまいます。しかし、実は自分の欠点だと思う部分は長所であることもたくさんあるのです。

例えば、「緊張しやすい」という性格は、「共感性が高い」ということが心理学の研究で分かっています。皆さんのコンプレックスもよくよく考えれば、自分を助けている長所としてとらえることもできるのです。

・長所にも目を向けてみよう!
リフレーミングとは、カウンセリングの中で問題解決を目標としたセラピーで主に用いられている技法です。具体的には、ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みで捉えなおすことを指します。例えば、「身長が低い→親しみを感じる」というように見方を変えていきます。

なぜリフレーミング法ついて詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・リフレーミングの具体例
・見方を変えるトレーニング
コンプレックスを克服するリフレーミング法④

②私的自己意識を高める

・他人の目を気にする
他人の目を気にすることは社会人としてとても重要です。周囲に気を使うことで、人にやさしくでき、お互いを大事にする関係性を築くことができます。

しかし、自分のコンプレックスに過剰に意識を向けると、気遣いで疲れてしまうこともあります。特に、人からどう見られているのだろう?と過剰に考える方は要注意です。

・バランスを考えよう
ただ「私的自己意識」が強いほどいいというわけではありません。自分の考えをハッキリと言えた方がプラスの印象を抱く方も多いでしょう。

しかし、私的自己意識が強すぎると、身だしなみを気にしなかったり、相手の気持ちを考えない発言をしたりなどのデメリットがあります。そこで、公的自己意識と私的自己意識のバランスを取ることが大切です。

バランスを保とう

ただし、一般的にコンプレックスが強い方は、他人の目を気にする傾向が強いので意識的に「私的自己意識」を高めていくことが大切です。あくまでもベストバランスを目指すという考え方でOKです。

私的自己意識ついて詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・他人の目を気にするほど悪影響
・バランスを保つトレーニング
コンプレックスを和らげる「私的自己意識」の高め方⑤

③本棚セラピー

本棚セラピーとは自分の長所や資源に目を向けていくことで自己肯定感を高めていくワークです。例えば、こんな感じの本棚をイメージします。これは自分本棚です。ここにたくさんの知識や長所を入れていきます。

コンプレックスを克服する練習

↓本棚を埋めてみる!

コンプレックスを克服する練習

Aさんの例Aさんには、学歴にコンプレックスがあるため社会的地位のところは埋められませんでした。しかし、その他の棚にはたくさん入っています。こうしていくと、意外と自分自身にもステキなところはたくさんある事に気づけます。

リフレーミングで短所を長所として捉えなおしたら、今度は長所をさらに探す練習をしていきましょう。具体的には本棚セラピーにチャレンジすることをお勧めします。

本棚セラピーについて詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・他人から見れば魅力的?
・自分を本棚として考えよう
コンプレックスを克服する本棚セラピー⑥

④心の防衛機制「昇華」

・防衛機制とは
防衛機制とは受け入れらない現実に直面したときに、その不安を和らげようとする無意識の心理的なメカニズムのことを言います。防衛機制には多くバリュエーションがありますが、その一つに「昇華」という防衛機制があります。 

・昇華とは何か
昇華とは、このようにネガティブな気持ちを活かし、社会のためになるような自己実現の活力に変えてしまうことを意味します。

例えば以下のようにコンプレックスを強みに変えることができます。
・よく上司に怒られる  ⇒コンプレックスをバネにミスしない努力をする
・元引きこもりニート  ⇒その経験を生かして支援活動
・彼女が全くできない  ⇒女の子と話す機会を増やす

こうした昇華は防衛機制の中でも高次な防衛機制とされています。防衛機制には、Vaillantの分類によると、レベル1からレベル4まであるとされています。「昇華」はレベル4の「成熟した防衛」に分類されます。こうした高度な防衛機制である昇華に上手く活用していくと、コンプレックスを前向きな力に変えることができるのです。

昇華について詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・昇華でコンプレックスを力に
・昇華で強みにするトレーニング
コンプレックスを強みに変える心の防衛機制「昇華」とは⑦

⑤専門機関を利用する

心理療法を独学で学ぶことに不安がある場合は、専門家の元でしっかり学ぶこともお勧めしています。 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、コンプレックスの改善、劣等感との付き合い方、対人不安の改元を目指し、心理学講座を開催しています。独学に限界を感じた方、心理学を体系的に勉強されたい方のご参加をぜひお待ちしています。

執筆者も講師をしています(^^)
 ・コンプレックスの改善
 ・劣等感をリフレーミング
 ・心理療法の基礎
初学者向け心理学教教室を開催しています

コンプレックス診断・チェック

現在の自分の状況を把握したい方はこちらの診断をご利用ください。
コンプレックス診断で自分の状態を確かめよう⑧

コラム1はコンプレックスについて概観してきました。ここかから先は各論となります。もっと深く知りたい内容がありましたら以下のリンク先を是非クリックしてみてくださいね。*リンクのまとめはもう少し下にあります。

★コンプレックスとは4つの対処法でうまく付き合っていこう!

コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

目次

①克服する4つの方法-専門家が解説
②コンプレックスの意味と種類
③コンプレックスを持つ心理学的な理由
④克服方法「リフレーミング」
⑤克服方法「私的自己意識」
⑥コンプレックスを克服する本棚セラピー
⑦心の防衛機制「昇華」とは
⑧診断で自分の状態を確かめよう

コメント

1件のコメント

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    • あかり
    • 2019年3月22日 10:19 AM

    コラムを読み、改めてコンプレックスは厄介だと思いました。
    自分を客観視し気づきを得ることができないと、なかなかこの価値観から逃れられません。さらにネガティブ反芻を繰り返し、布団かぶっているしかできません。
    私もかつて容姿コンプレックスが強く、鏡を見られない時期もありました。
    コラムを読んで思うに、周囲の評価へ過剰反応していたようです。
    歳を重ねるごとに、少しずつ考え方を修正していったんでしょうね。自覚はありませんが。

    1+

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
河合隼雄(1967)ユング心理学入門 培風館
岸見一郎(1999)アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために ベストセラーズ
清水健司・川邉浩史・海塚敏郎(2008)対人恐怖心性-自己愛傾向2次元モデルにおける性格特性と精神的健康との関連 第16巻 3号 350-362
大鷹円美・浅川紗央里・菅原正和(2011)内的作業モデルが身体醜形イメージに与える影響 第10号 149-155 
斎藤環(2013)「承認をめぐる病」 日本評論社
森津(2007)学生のネガティブ反すうと性格特性および自尊心との関係 国際研究論叢 20(2):67-70
西村美咲・井上健(2008) 対人恐怖における優越コンプレックスについて 関西学院大学臨床教育学研究 34号 1-6