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コンプレックスとは?克服する3つの方法を臨床心理士が解説

コンプレックス,克服


コンプレックスを克服する3つの方法-臨床心理士が専門解説①

コンプレックスを専門家が解説

みなさんはじめまして!臨床心理士の竹元です。私は臨床心理士として精神疾患を抱える方へのカウンセリングや交流分析の講義を行っています。

当コラムは「コンプレックス」をテーマに専門家が解説をしています。全部で5コラムあります。しっかりとお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。せひお付き合いください。

みなさんはコンプレックスと聞かれてどんなことを思い浮かべますか?

「学歴コンプレックスなんだよな…」
「○○さんに比べて可愛くない…」

など様々思い浮かぶのではないかと思います。

○○コンプレックスという言葉は世の中にたくさん溢れていて、全くコンプレックスが無いという人はもしかしたらいないかもしれませんね。みなさんはどんなコンプレックスがあるでしょうか?そしてそのコンプレックスについて、どのように感じておられるでしょうか?

 

コンプレックスとは?

コンプレックスとはまずは、コンプレックスという言葉の意味を確認しましょう。

コンプレックスという言葉は、心理学の世界ではユング(1875~1961)という心理学者がはじめに提唱しています。このコンプレックスという意味は、心的複合体という意味を指しています。簡単に言うと、心的複合体とは、自分の行動に影響を与えるような無意識的な葛藤のことを意味しています。

母親に密着していることをマザーコンプレックスという言葉があります。またずいぶんと年下の女の人しか好きになれないという場合に、ロリータコンプレックスという言葉を使うことがありますね。これらについては、ユングの心的複合体というニュアンスに近いものがあります。このようにコンプレックスとは、自分の気がつかない間に自分の行動や趣味が決まっていることを指していました。

一方で、現代の日本で一般的なコンプレックスという言葉は、「劣等感」「自分の嫌いな部分」という意味でつかわれています。これはアドラー(1870-1937)という心理学者が、これまで広い意味で捉えられていたコンプレックスの中でも、劣等感コンプレックスという点を重視しました。

アドラーは、人間が何かをする上で、劣等感が動機となっており、それを克服することで人間が成長するという考えを重視しています。アドラー自身が劣等感コンプレックスの強い人だったようですね。「自分は学歴が無い…」「自分はあの子と比べて可愛くない・・」といったいわゆる学歴コンプレックスや容姿コンプレックスなどがこれに当てはまりますよね。

色々と説明してきましたが、今回は一般的に私たちが「コンプレックス」と言われて想像する、劣等感コンプレックスと思われるコンプレックスを中心にお話して行きますね。

コンプレックスの問題点

コンプレックスを抱く問題それではコンプレックスがあると何が問題なのでしょうか?大きく2つ挙げていきます。

①過激な解決行動を取る
例えば
「自分はあの子と比べて可愛くない…」
「もっと痩せなければ…」
といった容姿コンプレックスがあると解決行動として、よりよい容姿を求めて整形手術を繰り返したり、無茶なダイエットを繰り返すことがあります。

度を超えると身体醜形障害や摂食障害と言われるような精神科の病気になってしまう事があります。反対に対処するのをあきらめたり、無力感を抱いたりすると二度と人目に触れないようにひきこもるということがあります。

実際に大鷹ら(2011)の研究では、大学生を対象にアンケート調査を実施し、「自分の体が醜いと感じる」イメージである身体醜形イメージと、誰かに受けら入れられている体験などの関連が報告されています。さらに人から完全に愛されたいと思う気持ちと受け入れられないのならいっそのこと人目を避けたいという両方の気持ちが存在している傾向が指摘されています。そして整形手術が気軽な解決手段となっていることも、警鐘(けいしょう)しています。

いずれにしてもコンプレックスが過度に強くなると過激な解決行動を求めてしまうことに注意が必要です。

②自己肯定感(自信)が失われる
自分について欠点ばかり注目するという状態なので、どんどん自分がダメなような気がしていまいます。自分がダメという気がしてくる場合、気分が落ち込んでしまうので、最悪の状態としてうつ病だったりひきこもりの状態になる可能性があります。

反対に、元から自己肯定感が低い人がコンプレックスを持っているという場合があります。例えば、学歴コンプレックスの場合は、自分が肩書を持っていれば自信満々に振る舞えますが、その肩書を持つことに失敗した場合や自分より肩書が大きい人が現れると急に自信が無くなってしまいます。逆に学歴を持ち始めると、自慢話ばかりする人もいます。これもコンプレックスの1つなのです。

実際に清水ら(2008)の研究では、大学生595名にアンケートを実施して、タイプ別に分析を行っています。その結果としては、自分を他者に評価してもらえないと自己肯定感を持ちにくい傾向のある人は、精神的健康を乱す可能性が比較的高いことを報告しています。

このグラフの見方は、縦軸が精神的健康度を表しています。抑うつや不安などネガティブな状態を表す得点なので、上に行けば行くほど健康度が低いということを示しています。

・赤線のグラフ
コンプレックスを持ちやすい他者の評価によって自己肯定感を保つようなタイプ
・青線のグラフ
比較的バランスの取れた性格のタイプ

当然赤線の方がグラフが高く、精神的健康度は低そうですね。つまり自己肯定感とコンプレックスは、鶏と卵のような、どっちが先なのかという関係にあり、深く関連しているのです。

 

以上のように、コンプレックスが強いと「過激な解決行動」「自己肯定感(自信)が失われる」ことに注意しなければなりません。

 

コンプレックス傾向をチェック!

コンプレックスに関するチェックをしてみましょう。

以下の質問に、あなたが当てはまると思った所に〇をつけ点数を合計してください。

 

セルフチェックの傾向と対策

50~35点の人
コンプレックスはかなり強めです。日々の生活も辛いのではないかと思います。アドラーの言うように、コンプレックスはモチベーションの役割を果たすこともありますが、あまり強すぎるのも健康によくありません。コンプレックスとの付き合い方を学んでみてください。

34~21点の人
コンプレックスは、得点が高めの人ほどではありませんがやや強く持っているようです。上手く活用できれば素晴らしいモチベーションとなりますが、コンプレックスに囚われて日々の充実した生活が損なわれないように注意してください。コラムでご紹介する気を付けるポイントを参考にしてみてください。

20~10点の人
コンプレックスは、他の人と比較して低めです。しかし、様々な状況の変化やあなたの考え方や価値観の変化でコンプレックスが強まる可能性があります。そうした時に備えるためのコツをコラムでチェックしてくださいね。

定期的にチェックしてみよう

結果はあくまでも「今」の結果を示しています。時間の経過や状況の変化などで、得点に変化が現れる場合がありますので今回の結果は、あなたのコンプレックスについて考える1つのきっかけにしていただければと思います。このコラムを読んで、コンプレックスとの付き合い方を見つめ直してみてください。下記で対処法をご紹介します。

コンプレックスを克服する3つの方法

3つのコンプレックス克服法ここでは、コンプレックスを抱く原因と解決策について考えていきましょう。コンプレックスを抱く原因と解決策は、大きく分けると3つあります。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

 

①考え方・捉え方を変える

自信が無い
先ほど問題の点でもお話しましたが、自信が無いという点は、「コンプレックスがあるから自信がない」のか「自信が無いからコンプレックスが生まれる」のかどっちが先かというのは断言しにくい場合があります。

私たちは、自信が無いからこそ、学歴を追い求めたり、目の前にある自分の姿よりも美しい容姿を求める傾向にあります。できる限り、今の自分自身に対して自信を持てるようになりましょう。そうするとコンプレックスを卒業できますよ。

長所にも目を向けてみよう!
自信がない人は、自分が欠点だなぁと思っているところばかりに注目している傾向があります。良いところに目を向ける練習をしていきましょう。当コラムでは「リフレーミング」「例外探し」という、自分のものの見方を変えていく方法をご紹介します。自分に自信がもてない…という方は、コラム②を確認してください。

 

②人の評価と上手に付き合う

人からの評価に敏感
西村・井上(2008)の研究では、コンプレックスの強い人は、常に他人の目を意識し、他人の目にどう映るかを気にすることで自己を保っている傾向があることを指摘しています。つまり、他人からの評価をかなり気にしやすい人が多いのです。良くない評価を受ける事などがあると、落ち込むことは自然です。しかし、人からの評価とも上手く付き合っていく事が大切です。

人からの評価に左右されすぎない様に
私たちが生活していると、あるときに誰かから良くない評価をもらうことがあります。この時に冷静にかつ、客観的な視点で「どの点で良くない評価をもらったのか?」という点を見極めていくことが大事です。そして、反対に「少しでも良い評価をしてくれる人を大切にする」という視点を持つ事も、人の評価に左右されすぎないために大切です。人からの評価や意見がいつも気になる…という方は、コラム③のコツや練習問題に取り組んでみてください。

 

③自分の価値観を大切にする

自分がどうしたいかが無い
コンプレックスが強い人のカウンセリングを進めていくと、「結局自分が無かったんだ」と気づかれる方が少なくありません。コンプレックスが強い人は、他者の評価ばかり気にしているので、結局自分を自分で評価する基準をあまり持っていません。

学歴コンプレックスでいえば、○○大学に合格したからということではなく、自分がどれだけ頑張れたか、どんなことを学んで、どんなことを社会に生かせているかという点を考えてみる必要があるかもしれません。あなたがどういう人になりたいのか、どんなものが好きで、自分の人生でどんなことができればいいのかという点を自分に聞いてみることは非常に重要です。これはアイデンティティというテーマにもつながっていきます。

自分が本当に好きなものは?
自分が本当に欲しいもの、好きなものとは何か考えてみましょう。確かに私たちは完璧ではありません。何らかの欠点があり、そこには何かしらのコンプレックスがある場合が多いです。しかしそのコンプレックスと折り合いをつけて付き合うということは、自分自身のアイデンティティを形作っていくという事になります。相手に合わせてしまう…、自分の価値観がよくわからない…という方は、コラム④をチェックしてくださいね。

 

コンプレックスの克服を目指そう!

コンプレックスと上手く付き合う「コンプレックスとは何か?」そして、コンプレックスを抱く原因と解決策について説明してきました。コンプレックスを抱く原因は「自信がない」「人の評価に左右されやすい」「自分がどうしたいかがない」の3つでしたね。当コラムではこれらの原因を解決するめの方法を具体的にご紹介していきます。1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

コンプレックスとは完全に無くなるものではありませんが、付き合い方を自分なりに見出していくことはできるのではないかと考えています。自分なりのコンプレックスとの付き合い方をコラムで見つけてくださいね。

次回は、コンプレックスを克服する方法の1つ目「考え方・捉えかたを変える」についてご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★3つの原因に対処して、コンプレックスと上手く付き合おう!
コミュニケーション講座

*出典・参考文献
河合隼雄(1967)ユング心理学入門 培風館
岸見一郎(1999)アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために ベストセラーズ
清水健司・川邉浩史・海塚敏郎(2008)対人恐怖心性-自己愛傾向2次元モデルにおける性格特性と精神的健康との関連 第16巻 3号 350-362
大鷹円美・浅川紗央里・菅原正和(2011)内的作業モデルが身体醜形イメージに与える影響 第10号 149-155 
斎藤環(2013)「承認をめぐる病」 日本評論社
西村美咲・井上健(2008) 対人恐怖における優越コンプレックスについて 関西学院大学臨床教育学研究 34号 1-6



3つの克服法を実践しよう