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コンプレックスとは?克服する方法,意味,種類

コンプレックスを克服する方法-意味や種類を解説①

はじめまして!公認心理師の川島です。今回のテーマは「コンプレックス」です。

  • 改善するお悩み
  • コンプレックスが強い
  • 自分に自信がない
  • 劣等感が強い

全体の目次
入門①コンプレックスとは何か?
入門②リフレーミング技術
入門③本棚セラピー
入門④昇華でプラスに活かす
発展-アドラー心理学(動画)

入門①~④を読み進めていくと、基本的な知識と対策を抑えることができると思います。是非入門編は最後までご一読ください。もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

コンプレックスとは

コンプレックスの歴史と意味

歴史

まずは歴史を確認しましょう。コンプレックスという概念は、

着想したのはフロイト
名付をしたのはユング

です。フロイト(1856~1939)は、幼少期の男子は、無意識に母親を独占しようと考え、父親に対して敵対的な心を持つと考えました。

このように、無意識にある心の動きが意識に影響を与える、とフロイトは着想したのです。

 

フロイト,コンプレックス

ユング(1875~1961)は、そのフロイトの着想をベースとして、「コンプレックスという用語」を使って広げていきました。

ユングは特に、成長の過程での辛い体験が、コンプレックスとして無意識に抑圧されていると考え、発展させていきました。

フロイトものちに、コンプレックスという用語を使うようになったようです。

ユング,コンプレックス

意味

もう少しコンプレックスの定義をしっかり見ていきましょう。心理学辞典(1999)によると以下のように定義されています。

無意識下で自我を脅かすような心的内容が一定の徐堂を中心に絡み合って構成されるまとまりのこと

良くわからないですよね(^^; 
昔の人はかく難しい言葉を使って定義をしていました。もう少し簡単にすると、

自分の行動に影響を与えている、心の深い部分にあるわだかまり

と考えるといいでしょう。この心の深い部分にあるわだかまりには様々な種類があると考えられてきました。

コンプレックスの種類

コンプレックスにはどのような種類があるのでしょうか。いくつか紹介したいと思います。

エディプスコンプレックス
フロイトによって提唱された古典的なコンプレックスです。男児が母親に愛情を向け、その愛情を邪魔する存在として、父親に憎悪を向けるコンプレックスを意味します。

エディプスコンプレックス

マザーコンプレックス
マザーコンプレックスは和製英語です。子供が母親に対して、強い執着を持つ状態です。ほとんどの人間は本来幼児期にマザーコンプレックスになるとされます。

幼児期にマザーコンプレックスがうまく解消されず、成人になっても続くことがあります。ただ心理学的には使うことは稀で、母親離れをできない成人男性を揶揄する意味でつかわれることが多いです。

マザーコンプレックス

ロリータコンプレックス
ロリータコンプレックスは和製英語です。15~12歳の少女に対して性的嗜好や恋愛感情を抱く心理傾向のこと。一般的に幼い少女全般として用いられてますが、年齢によって言い方が変わることもあります。

12~7歳 「アリス・コンプレックス」
7~5歳  「ハイジ・コンプレックス」
幼稚園児 「ペドフィリア」

シンデレラコンプレックス
男性に対して理想を追求する女性の潜在意識にある「依存的願望」を指したものです。女性は外側から自分の人生を変えてくれるのきっかけを待ち続けている描写が強い童話『シンデレラ』から名付けられました。

劣等コンプレックス
劣等コンプレックスはアドラー(1870-1937)という心理学者が提唱しました。簡単にアドラーを紹介をします。アドラーは7人兄弟の次男として1870年に誕生しました。

アドラーは幼少期から病気になりがちで、声の異常や骨格異常で苦悩してきました。身長は150センチと他の兄弟よりくも低かったようです。

身体的なハンデを背負っていたことを悩んできたと言われています。

ただし、アドラーはその劣等感を、単純に悪いものとは考えなかったようです。アドラーは、人が何かをする上で、劣等感は大きな動機となっており、それを絵エネルギーの源泉とすることで成長していく、と考えたのです。

アドラーと劣等コンプレックス

色々と説明してきましたが、今回は一般的に私たちが「コンプレックス」と言われて想像する、劣等感コンプレックスと思われるコンプレックスを中心にお話して行きますね。

善玉と悪玉

劣等コンプレックスは必ずしも悪いものではなく、むしろプラスに働くこともあります。人の短所は大きく、善玉と悪玉に分けられます。

善玉コンプレックス

コンプレックスは健康的な範囲内であれば、行動の活力としてむじろ人生をエネルギッシュにしてくれます。コンプレックスが日々の充実感につながっている場合は善玉コンプレックスです。特に問題はありません。

試合で負けた⇒練習に打ち込む
昔貧乏だった⇒起業して頑張る
失恋した。。⇒自分磨きをする
こうしたコンプレックスは人生をより充実させてくれます。

悪玉コンプレックス

しかし、コンプレックスによって、自尊心が低下したり、幸福感が低下している場合は、注意が必要です。

早稲田大学の長谷川・根建ら(2011)によると、コンプレックスと関連のある「ネガティブな反すう」は、うつ症状の原因となると結論付けられています。

“不快なこと”や“自分の至らない点”
を何度も考えてしまうことで、劣等感を感じて自尊心が低下すると、うつ病に発展するなど精神的健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

コンプレックスを持つ理由

私たちはなぜコンプレックスを持つのでしょうか?いくつかの研究を紹介させて頂きます。気になるタイトルがあったら展開してみてください。

受け入れ体験の不足と劣等感

コンプレックスを改善したい場合は、誰かに受け入れられる体験が必要です。大鷹ら(2011)は、大学生を対象に調査を行いなしました。

その結果、
「自分の体が醜いと感じるイメージ」
「誰かに受け入れられている体験の不足」

は関連していると報告されています。

花子さんの具体例

例えば背が低いことがコンプレックスだった花子さんがいたとします。そして花子さんは、太郎さんを好きになりました。

しかし、運悪く、太郎さんの好みは背が高い人で、花子さんは失恋してしまいました。

背が低い自分が嫌だ…花子さんは余計に劣等感を持っていました。自分のある部分に劣等感を持っている方

しかし、時は経ち、花子さんは再び、三郎さんに恋をします。三郎さんは背が低いこと女性が好きでした!そして無事、お互い好きになることができました。

さらには、三郎さんは最初は背が低いことで印象がよく接してくれましたが、最後は背なんてどうでもよくて、一緒にいることが楽しいと言ってくれました。

他人から受容されることで劣等感が改善

花子さんは、最初は背が低いことがコンプレックスだったのですが、気にしている部分を他人から受容されることで、「背が低いことへのこだわり」が解消され、劣等感が改善されることがあります。

ネガティブ反すうとは

「嫌な出来事を何度も思い出す」

といった状態は、劣等感につながることが分かっています(森津2007)。

この思考のクセを「ネガティブな反すう」と呼びます。

例えば、誰かに言われた劣等感を刺激するような悪口があったとします。私の場合は顔が赤くなることを昔、友人から馬鹿にされたことがありました。この体験を何度も繰り返すことをネガティブな反すうと呼ぶのです。

自尊心の低下

森津先生の研究結果は下図となります。

ネガティブな思考を頭の中で何度も考えることで、劣等感を感じやすく、その結果として、自尊心が低下することがわかります(図1)。

ネガティブ反すうが少ないと、楽天差に結びつき、自尊心が向上することがわかりますね。嫌な出来事も適度なタイミングでストップする必要がありそうです。

孤独の悪影響

落合(1985)が、若者を対象に生活感情について調査を行ったところ、
「劣等感」
「孤独感」
「疎外感」
「自己嫌悪感」
に深い関わりがあることがわかりました。

つまり、孤独になるほど、周囲からのサポートが減り、自尊心が持てなくなってしまいます。その結果、劣等感を抱きやすくなると考えられます。

承認されにくい

劣等感は他人から見れば、どうということもないことが多いです。たくさんの方と接する方は、体感的に、多様性を理解できます。

しかし、孤独な状況ではそういったフィードバックを得られず、劣等感を思い込みで強化してしまうこともあります。

コンプレックスを抱えたら、様々な方と接して、個性の多様性に触れることも大事になります。

診断・チェック

ここから先はコンプレックスを改善するトレーニングに進みます。その前に、成果を把握するためこちらの診断を定期的にしてみることをオススメします。

克服する3つの方法

それではいよいよ、コンプレックスの解決策について考えていきましょう。コンプレックスを抱く解決策を紹介させて頂きます。

入門②リフレーミング法

・コンプレックスは長所かも
自分の欠点だと思う部分は長所であることもたくさんあります。例えば、「緊張しやすい」方は「共感性が高い」ことが心理学の研究で分かっています。

皆さんのコンプレックスもよくよく考えれば、自分を助けている長所としてとらえることもできるのです。

・長所にも目を向けてみよう!
リフレーミングとは、カウンセリングの中で問題解決を目標としたセラピーで主に用いられている技法です。

具体的には、ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みで捉えなおすことを指します。例えば、「身長が低い→親しみを感じる」というように見方を変えていきます。

入門②で、自分の短所を長所として捉えなおす練習をしていきましょう。

入門②コンプレックスを克服するリフレーミング法

 

③本棚セラピー

本棚セラピーとは自分の長所や資源に目を向けていくことで自己肯定感を高めていくワークです。例えば、こんな感じの本棚をイメージします。これは自分本棚です。ここにたくさんの知識や長所を入れていきます。

コンプレックスを克服する練習

↓本棚を埋めてみる!

コンプレックスを克服する練習

Aさんの例Aさんには、学歴にコンプレックスがあるため社会的地位のところは埋められませんでした。しかし、その他の棚にはたくさん入っています。こうしていくと、意外と自分自身にもステキなところはたくさんある事に気づけます。

リフレーミングで短所を長所として捉えなおしたら、入門③で長所を探す練習をしていきましょう。


入門③コンプレックスを克服する本棚セラピー

入門④昇華

・防衛機制とは
防衛機制とは受け入れらない現実に直面したときに、その不安を和らげようとする無意識の心理的なメカニズムのことを言います。

防衛機制には多くバリュエーションがありますが、その一つに「昇華」という防衛機制があります。 

・昇華とは何か
昇華とは、このようにネガティブな気持ちを活かし、社会のためになるような自己実現の活力に変えてしまうことを意味します。

例えば以下のようにコンプレックスを強みに変えることができます。
・昔からだが弱く病気がち
⇒医者になって、社会に貢献する

・元引きこもりニート
⇒その経験を生かして支援活動


こうした昇華は防衛機制の中でも高次な防衛機制とされています。防衛機制には、Vaillantの分類によると、レベル1からレベル4まであるとされています。

「昇華」はレベル4の「成熟した防衛」に分類されます。こうした高度な防衛機制である昇華に上手く活用していくと、コンプレックスを前向きな力に変えることができるのです。

コンプレックスで悩みを引きずってしまう…という方は、昇華を学ぶことで、短所を長所に変えることができます。入門④で練習していきましょう。


入門④コンプレックスを強みに変える心の防衛機制「昇華」とは

専門機関を利用する

心理療法を独学で学ぶことに不安がある場合は、専門家の元でしっかり学ぶこともお勧めしています。

私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、コンプレックスの改善、劣等感との付き合い方、対人不安の改元を目指し、心理学講座を開催しています。独学に限界を感じた方、心理学を体系的に勉強されたい方のご参加をぜひお待ちしています。

執筆者も講師をしています(^^)
 ・コンプレックスの改善
 ・劣等感をリフレーミング
 ・心理療法の基礎
初学者向け心理学教教室を開催しています

発展-コンプレックス診断

コンプレックス診断

現在の自分の状況を把握したい方はこちらの診断をご利用ください。
コンプレックス診断で自分の状態を確かめよう

アドラー心理学の克服法

講師川島がコンプレックスの活かし方について動画で解説しました♪発展編として参考にしてみてください。

 

コラム1はコンプレックスについて概観してきました。ここかから先は各論となります。もっと深く知りたい内容がありましたら以下のリンク先を是非クリックしてみてくださいね。

助け合い掲示板

1件のコメント

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    • あかり
    • 2019年3月22日 10:19 AM

    コラムを読み、改めてコンプレックスは厄介だと思いました。
    自分を客観視し気づきを得ることができないと、なかなかこの価値観から逃れられません。さらにネガティブ反芻を繰り返し、布団かぶっているしかできません。
    私もかつて容姿コンプレックスが強く、鏡を見られない時期もありました。
    コラムを読んで思うに、周囲の評価へ過剰反応していたようです。
    歳を重ねるごとに、少しずつ考え方を修正していったんでしょうね。自覚はありませんが。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
河合隼雄(1967)ユング心理学入門 培風館
岸見一郎(1999)アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために ベストセラーズ
大鷹円美・浅川紗央里・菅原正和(2011)内的作業モデルが身体醜形イメージに与える影響 第10号 149-155 
斎藤環(2013)「承認をめぐる病」 日本評論社
森津(2007)学生のネガティブ反すうと性格特性および自尊心との関係 国際研究論叢 20(2):67-70
西村美咲・井上健(2008) 対人恐怖における優越コンプレックスについて 関西学院大学臨床教育学研究 34号 1-6