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絶望感の意味とは?抜け出す方法を公認心理が解説

絶望感の意味とは?抜け出す方法を公認心理が解説

はじめまして!公認心理師の川島です。今回のテーマは
「絶望感の意味」
です。


対象となるお悩み
・絶望感が強い
・未来に希望が持てない
・心が辛い

全体の目次
・絶望の意味とは
・精神的な影響
・乗り越える6つの方法
・助け合い掲示板

絶望感とは?意味や症状

苦しい時期と人間の尊厳

人生は山あり谷ありです。

・突然大きな病気になってしまった
・会社が倒産して生活が崩壊した
・結婚を考えた恋人に別れを切り出された

私は精神保健福祉士・公認心理師としての仕事柄、絶望している人と毎日のようにお話します。

悩みを相談してくれる方の中には本当に壮絶な人生を歩まれている方がたくさんいます。虐待を受けて育ち、天涯孤独にってしまった。そして精神疾患を患って、犯罪を犯してしまった。

そんな人でも、絶望の淵から、どうにかもがいて這い上がり、とりとめもない日常を取り戻し、屈託の笑顔を浮かべることがあります。そんな時なんとも言えない、人間の尊厳や力強さを感じたりしています。

絶望感と心理学的意味

少々感傷的な話になってしまいました。もう少し心理学的な話をしなくてはなりません。心理学においては絶望感には以下のような定義があります。

自分の将来に望みがないという自己認知  (桜井・桜井,1992)

未来の不確実性や希望の欠如で構成されたもの (谷,2002)

共通するのは、未来に希望が見出せない状態を示している点です。絶望は将来への希望のなさの裏返しであり、これからの人生に極めて悲観的になっている状態と言えそうです。

絶望感の危険性

絶望は精神的健康度を低下させることが、様々な研究で明らかになっています。

Alloy et al., (1989)は絶望したときの抑うつ症状は絶望感抑うつと呼びました。その症状は以下の通りです。

絶望したときの抑うつ症状

このような状況では、思考もネガティブになってしまいます。特に気を付けて頂きたいのが、「消えてなくなりたい」「生きてることに疲れた」という希死念慮です。

もしそのような感覚がある方は、うつ病や適応障害になっている可能性があります。後程詳しく解説しますが、必ず精神科など医療の力を借りるようにしましょう。

絶望を乗り越える6つの方法

ここからは絶望を乗り超えるための6つの対策を立てたいと思います。具体的には、

①医療の力を借りるか判断
②時間の解決を待つ
③孤立しないようにする
④リフレーミングで意味付け
⑤自分を認める
⑥成長の機会にする

を提案させて頂きます。1つずつ解説していきます。すべてが使えるわけではないので、気になるものだけ参考にしてみてください。

対策① 医療の力を借りるか考える

人生は自分だけではどうしようもないことがあります。本当に辛い時は、医学の力を借りることは恥ずかしいことではありません。

消えてなくなりたい、自分の存在をなくしたいと感じる方もいます。そのような状態は、精神疾患を抱えている可能性が高いです。

以下の折り畳みを展開してみてください。

精神科とはなにか,適応障害の基礎

絶望感が強い時は、最寄りの精神科を検索して受診をしてみてください。受診の前に、下記の動画を見ておくと事前の知識になると思います。参考にしてみてくださいね。

 

対策② 時間の解決を待つ

医療の世界では交通事故などで、障害を持った人を心理的にどうケアをしていくのか?という視点で古くから研修されてきました。ナンシーコーンは障害受容のプロセスを以下のように表しています。

ショック→回復への期待→悲嘆→防衛→適応

私たちは、人生の岐路に立たされると、ショックを受けます。どうにか回復できないものかと期待を膨らませ、心理的に葛藤しながら最後は適応していくというモデルです。

絶望を抱えた方も、すぐに回復するということはまず難しいと思います。人間の心には自然と回復する機能があります。時間に身を任せ、絶望を整理する時間を持てば、だんだんと回復できると信じましょう。

対策③ 孤立しないようにする

絶望に支配されているときは、誰かと会おうという気持ちになれず、相談もできない方がいます。しかし、困った時はお互い様です。一人ぼっちで悩まないように、誰かに相談する姿勢も大事にしてみてください。

悩みを誰にも相談できない…自己開示が苦手…という方はこちらのソーシャルサポートコラムを参考にしてみてください。

対策④ リフレーミングで意味付けをする

コーンによると絶望した当初は様々な葛藤していき、だんだんと絶望的な状況に意味を持たせることができるされています。この意味を持たせる作業は、心理学的にはリフレーミングという用語を使うことがあります。

リフレーミングには、1つの事象に対して、様々な意味を持たせて、価値観を再構築していく意味があります。絶望して、少し心が整理されてきたときに、効果が出やすいので、落ち着いたころにこちらのリフレーミングコラムを参考にしてみてください。

対策⑤ 自分を認める

心理学的に絶望しやすい方は、「自分の努力を認めない」という傾向があります。

桜井・桜井(1992)は、大学生を対象に絶望について調査をしました。結果の一部を引用します。結果は以下の通りです。

落ち込みから復活

かなりわかりにくい図ですね。。特に右側の「成功の原因、内向性 低い」はわかりにくいと思います。

表をわかりやすくすると、「うまく行ったときに、自分の力を認めない人ほど、絶望しやすい」と言い換えることができます。

例えば、チャレンジをして失敗した人がいたとしましょう。その方は、絶望していたとします。しかし、よくよく考えると、「チャレンジをした」という、自分の勇気や、行動力があったからこそ失敗できたのです。

絶望してしまう方は、そういった自分の内面的な努力をきちんと認められない傾向があるのです。いうなれば、自分で自分を卑下してしまう傾向があります。

絶望するということは、きっとあなたなりに、努力をしてなんらかの、行動を起こしたからこそ、失敗できたのではないでしょうか。

そして絶望の後ろには、きっとあなたなりに能力を発揮できた部分があると思います。そうした自分の努力をみつける練習も大事になってきます。

詳しくはこちらの原因帰属コラムを参照ください。

対策⑥ 成長の機会にする

絶望している時は、自分とは何か?がわからなくなる「アイデンティティクライシス」の状態にあります。

自分とは何か?なんて普段は考えもしないことですが、辛い時期ほど自分と深く向き合う時期でもあるのです。そうして、しっかりと向き合えたとき、私たちは新しい考えや気づきを得て、人生を深く味わい深く生きていくことができます。

モデルにすると下記のようになります。

絶望とアイデンティティクライシスこの図は、アイデンティティのらせん式発達モデルといいます。

実は筆者の川島も昔、対人恐怖症でひきこもりを味わった時期がありました。不思議なことのその時期があったからこそ、自分が生涯をささげる価値のある仕事を見つけることができました。

今は辛い時期かもしれないですが、人生をトータルで見れば、きっと今の時期は未来につながるとゆったり考えてみましょう。

ある程度おちついた時期になったらこちらのアイデンティティ確立コラムを参考にしてみてください。

心理学講座

助け合い掲示板

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
Abramson, L. Y., Metalsky, G. I., & Alloy, L. B. (1989). Hopelessness depression: A theory-based subtype of depression. Psychological review, 96(2), 358.
Kasl, S. V. (1973). Mental health and work environment: An examination of the evidence. Journal of Occupational and Environmental Medicine, 15(6), 509-518.
大谷佳子, & 桜井茂男. (1995). 大学生における完全主義と抑うつ傾向および絶望感との関係. 心理学研究, 66(1), 41-47.
谷冬彦. (2002). 絶望感尺度の構造に関する研究. 神戸大学発達科学部研究紀要, 9(2), 17-27.
J Rehabil. 1961 Nov-Dec;27:16-8.
Understanding the process of adjustment to disability.
COHN N.