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自尊心が低い,高めるにはどうすればいいの?6つの対策

自尊心が低い,高めるにはどうすればいいの?

皆さんこんにちは。
公認心理師の川島達史です。私は現在初学者向け心理学講座の講師をしています。

今回のお悩み相談
「自尊心が低い」

自尊心が低い

相談者
31歳 男性

お悩みの内容
私の親はいわゆる毒親でした。日常的に批判されてきて、褒めてもらった記憶がほとんどありません。その成果、卑屈になることが多く、大人になった今でも自尊心が低いです。

どうすれば自尊心を回復することができるのでしょうか。簡単でないことはわかりますがヒントが欲しいです。

幼いころの家庭環境が人生通して影響している感覚があるのですね。自尊心は人が人生を歩んで行く上で、寄り所となる感情です。

これからの人生は自尊心をしっかりと育てていけるようにお手伝いさせて頂きます。

自尊心とは何か?

まず初めに自尊心とは何か?について考えていきましょう。

価値があるという感覚

自尊心は心理学においては以下のように定義されています。

自己に対する評価感情で、自分自身を基本的に価値のあるものとする感覚 - 心理学辞典(1990)

皆さんはいかがでしょうか?自分には価値があるという感覚はありますでしょうか。

2種類の自尊心

心理学者のJordan(2003)は自尊心には2種類あると主張しています。

顕在的自尊心
自分で自覚している自尊心を意味します。例えば、自分を誇る部分はどこですか?と質問されたとします。この時、

野球部で県大会まで行った
大学受験で頑張れた
仕事でお客さんに喜んでもらえた

このように自分でも自覚している部分は顕在的自尊心に当てはまります。顕在的自尊心は、幼少期以降、自分自身で獲得していく傾向があります。顕在的自尊心

潜在的自尊心
潜在的自尊心とは、自分自身で自覚できない自尊心を意味します。潜在的自尊心は自分の中で自覚がなく、知らず知らずのうちに行動に影響すると言われています。

潜在的自尊心は、幼少期の記憶のないころに形作られることがあります。例えば、大人になっても原因不明な自尊心の低さに悩む方がいますが、家族のカウンセリングを行うと、幼少期に虐待が行われていた事例などもあります。

顕在的自尊心

自尊心と心理的影響

自尊心は心理的にどのような影響があるのでしょうか?ここでは理解を深めるため、いくつかの研究を紹介させて頂きます。気になる項目がありましたら展開してみてください。

桜井(2000)の研究によると、自尊感情が増えると、シャイになりにくいことが分かりました。下記の図をご覧ください。シャイと自尊感情はマイナスの相関になっています。

この図には

自尊心が高くなるとシャイになりにくい
自尊心が低下するとシャイになりやすい

という2つの意味があります。

自尊心が高い状態は、私には人と接する価値があるという気持ちが大きくなります。そのため人と積極的に話す気持ちが出てくると推測できます。

松田(2006)は自尊感情の研究を行いました。その結果、
・自尊心がある人はミスを気にしない
・自尊心が低い人はミスを気にする

ことがわかりました。

自尊心がある状態は、心に余裕が生まれるので、多少の不安は軽く受け流せのです。一方で、自尊心が低い状態は、ちょっとした批判でもダメージを受けやすくなり、ミスや指摘を必要以上に気にしてしまうのです。

自尊心

自尊心が高いことは完璧主義を和らげたり、幸福感を高めることが分かっています。片受ら(2016)は319名を対象に質問紙調査を行いました。その結果が以下の図です。

このように、自尊感情の高さと「適応感の高さ」「完璧主義の低さ」「主観的幸福感の高さ」は相関があることが分かります。適応感とは、簡単にいうと周囲と上手くやっていけているという感覚です。

自尊心が高まることで、自分を良い意味で「許せる」ようになり、失敗やミスを気にしすぎないようになることが推測されます。その結果、適応感が増したり、幸福感が高まるという影響も考えられるでしょう。

豊田ら(2004)は都内の大学生150名を対象に「自尊心」と「家族関係」の関連について調査を行いました。

その結果、

自尊心が高いグループは家族の絆が強い
自尊心が低いグループは家族の絆が弱い

ということがわかりました。自尊心は人生の土台となる感情です。その土台は家族との関係の影響を受けることがわかります。

自尊心を高めるには

 

自尊感情を高める6つの方法

ここからは自尊感情を高めるコツをお伝えします。自尊心は様々な分野にまたがるため、改善方法はたくさんあります。

当コラムでは、心理職15年の経験値を元に、特に重要だと感じる方法を6つ提案させて頂きます。

・リフレーミング力をつける
・褒めタイムを作る
・無条件の肯定を自分に与える
・暖かいコミュニティに所属する
・過去を受け入れる
・チャレンジして成功体験を重ねる

当てはまるな…と感じるものがありましたら、日々の生活に取り入れてみてください。

①リフレーミング力をつける

カウンセリングでは相談者の方とリフレーミング練習を行うことがあります。リフレーミングとは、ある事象を様々な角度から捉えなおしていく手法です。

例えば、

背が低い 
と悩んでいる方がいたら、

安心感を与える
と言いかえることができます。

おとなしい
と悩んでいる人がいたら、

ゆったり生きている
と言い換えることができます。

自尊感情が低い人は、自分自身についても欠点ばかりを捉える傾向があります。ですがよく考え直してみると、その欠点は長所として考えることもできるのです。

リフレーミングは自尊心を高める基本的な手法になります。下記のコラムでは後半に性格リフレーミングというコーナーがあります。重点的に練習してみてください。

リフレーミング法

②褒めタイムを作る

自尊心が低い方におススメなのが、褒めタイムを作ることです。私の例ですが、私は寝る直前は褒めタイムにしています。目をつぶって、布団に横たわったら、

 今日頑張れたこと
 自分の長所
 成長した点
 楽しかった出来事

を確認して寝るようにしています。これを毎日続けるのです。目をつぶったら、あとは誰の手も届かないあなただけの大事な世界となります。

自分の自尊心を育てる大事な時間として使ってください。自然と睡眠も安定するのがメリットです。

③ 無条件の肯定 

自尊心が低い方は自分を褒めることがへたくそです。なぜなら成果を出さないと褒められないと考えているからです。自分のことを褒める際に重要なのは、「無条件の肯定」です。無条件の肯定とは、

いついかなる時も
成功失敗に関わらず
条件なしに肯定していく

そんな姿勢を意味します。


なにはさておき、なんとかやれている
まあなんとかなるさ
失敗もしたけどまあ人生いろいろあるさ
挫折も人生の大事な物語

こんな形で、大きな枠組みの中で全体として肯定していく姿勢が大事になります。自分のことを無条件に肯定できない…という方は下記のコラムを参照ください。

無条件の肯定,ストロークコラム

 

④暖かいコミュニティに所属する

心理学の研究では、暖かい体験を繰り返すと、自尊心が回復していくことがわかっています。

もしあなたが所属しているコミュニティが殺伐としていて、

批判ばかりされる
競争が非常に激しい
蹴落としあう人が多い
徹底した個人主義

このような傾向がある場合、自尊心は極めて保ちにくくなります。おススメなのは、

多様性を認める
競争が緩い
お互いを助け合う
暖かい人が多い

このようなコミュニティに、1つは所属しておくことです。お互いを励ましあい、認め合うような体験は、きっとあなたの自尊心を育ててくれるはずです。

今所属しているコミュニティでは精神的に疲れてしまう…と感じる方は下記のコラムも参照ください。

暖かいコミュニティに所属する

 

⑤過去を受け入れる

心理学の研究では、過去を受け入れることが人生を充実させる上でカギとなることがわかっています。

過去を受け入れるとは
「辛い過去があったからこそ今の自分がある」
という感覚を意味します。

自尊心,過去のトラウマ,影響

自尊心を育てるには、過去に意味を見出し、過去の失敗や、嫌な出来事に重要な意味付けをしていく必要があります。これはかなりしんどい作業になります。心理学的に「嘆きの仕事」と言われることもあります。

過去の嫌な出来事、被害、傷ついた体験はなかなか忘れられないものです。過去を受け入れる時には、涙がでるほど辛いことがあるかもしれません。

ですが、自分を受け入れずして、安定した自尊心を持つことは難しいです。嘆きの仕事をしながら、自分を受け入れていくことも大事にしてください。

自分を受け入れる方法を詳しく知りたい方は下記を参照ください。

自己受容のやり方

⑥成功体験を積み重ねる

最後の課題は、長期的な視点で改善していくものです。自尊心を高めるには、ご自身の中でなんらかの成果を題して、コツコツと積み重ねていく必要があります。

 ・1キロ減量できた
 ・副業で1万円稼いだ
 ・英会話教室に1年通えた
 ・異性の友人が増えた
 ・仕事で企画が通った

大事なことは、チャレンジを継続して、小さな成功体験を積み重ねていくことです。そうした成功体験は、「自分にもできる!」という感覚を育て、自尊心の向上に役立ちます。

以下のコラムでは、チャレンジをするときの心理学的な手法を解説しています。消極的になることが多く、自信がない…という方は参考にしてみてください。

行動療法で積極的な行動

自尊心を高める

まとめとお知らせ

まとめ

当コラムでは自尊心を高める方法を紹介していきました。自尊心は非常に広い概念で、幼少期の環境から、今の環境、努力ままで幅広く関連している感情です。

紹介させて頂いた、6つの指標はほんの一部ですが、心に響くものがありましたら、日常生活で取り組んでみてください。

皆さんが、自尊心をしっかりと持って、一度しかない人生を、誇りをもって生きていくことを心から応援しています。

講座のお知らせ

公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・自分の長所を発見するワーク
・自尊心を回復する練習
・無条件の肯定とストローク練習
・暖かい人間関係を築くコツ

を行っていきます。興味がある方は下記のお知らせをクリックして頂けると幸いです。是非お待ちしています。

 

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
松田 信樹 2006 自尊感情の脆弱性―尺度作成の試みー 日本心理学会大会発表論文集 2006,70,2EV012.
豊田 加奈子ら(2004)大学生の自尊心と関連する諸要因に関する研究 東洋大学人間科学総合研究所紀要 2004 38-54

Secure and Defensive High Self-Esteem.  Jordan, Christian H.,Spencer, Steven J.,Zanna, Mark P.,Hoshino-Browne, Etsuko,Correll, Joshua Journal of Personality and Social Psychology, Vol 85(5), Nov 2003, 969-978