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パワハラ被害が辛い時,上司への心理的対処法,訴える選択肢

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パワハラ被害が辛い時,上司への心理的対処法,訴える選択肢

皆さんこんにちは!
公認心理師の川島です。

今回のテーマは
「パワハラ被害」
です。

相談者
26歳 男性

お悩みの内容
上司の人格否定がひどいです。理不尽な仕事を押し付けて、「使えねえ」「馬鹿なんじゃない?」と毎日罵倒されています。やり方も全く教えてくれません。

会社に行くのが苦痛で仕方ありません。不眠が続いており、もう半年間笑っていないです。

職場で人格否定されつづける状態はとても辛いですよね。パワハラの相談事例は年々増しており、社会的にも深刻な問題となっています。

そこで当コラムではパワハラの定義や現状、対処法など解説していきます。

パワハラを判断する6つの基準

厚生労働省では、パワハラを判断をする一定の基準を設けています。具体的には以下の6つです。

①身体的な攻撃

物理的に体を傷つける行為です。

パワハラに該当する
・暴行
・傷害

パワハラに該当しない
・誤ってぶつかる

 

②精神的な攻撃

相手な精神的な傷を負わせる行為です。

パワハラに該当する
・脅迫
・名誉毀損
・侮辱
・ひどい暴言

パワハラに該当しない
・理由を明確にして注意する
・人格ではなく行動を注意する

パワハラ上司の対処法

③人間関係からの切り離し

相手を孤立させる社会的な攻撃です。

パワハラに該当する
・隔離
・仲間外し
・無視

パワハラに該当しない
・忙しくて無視してしまった
・たまたま一人にさせてしまった

 

④過大な評価

相手を過大評価することで過剰に責任を負わせる行為です。

パワハラに該当する
・仕事の妨害
・大量の仕事を要求する

パワハラに該当しない
・現実的なレベルの仕事を要求

 

パワハラの基準

⑤過小な要求

相手を過小評価することで精神的ダメージを与える行為です。

パワハラに該当する
・仕事を与えない
・雑用ばかり要求

パワハラに該当しない
・体調が悪いので簡単な仕事を任せる
・育成のために簡単な仕事から任せる

 

⑥個の侵害

相手のパーソナルな部分を追求することで精神的負担をかける行為です。

パワハラに該当する
・私的なことに過度に立ち入る

パワハラに該当しない
・配慮が目的で家族状況などをヒアリングする
・人間関係を深める目的で雑談をする

 

パワハラの深刻な被害

パワハラは放置しておくと様々な深刻な事態に繋がります。以下折りたたんで記載しました。展開して基本的な知識を把握しておきましょう。

永冨(2016)の研究では、職場でハラスメントを受けたときに、どのようなプロセスで高いストレスになっていくかをモデル化しています。

まずは、以下の図を眺めてみてください。

ハラスメントがストレッサー、ストレス反応に及ぼす影響

ハラスメントを受けた人は、以下のプロセスを経て、イライラ感、疲労感などの心身の問題を感じます。

結果で報告されたように、ハラスメントにより仕事上の人間関係、仕事そのものに影響を受け、その結果ストレス反応が出てくることがわかります。

2016年、広告代理店最大手「電通」の新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が自殺に追い込まれた事件があります。高橋さんは残業時間は月100時間を超え、過労に日々苦しんでいました。

高橋さんのSNSには、

「もう4時だ 体が震えるよ… しぬ もう無理そう」

「1日の睡眠時間2時間はレベル高すぎる」

「土日も出勤しなければならないことがまた決定し、本気で死んでしまいたい」

と投稿していたことが分かりました。

また、電通では飲み会の時に新入社員の服を脱がしたり、思い切り平手で顔を殴るなど行為をされたという報告もあります。このように電通の労働環境は、近年の大きなパワハラ事例として挙げられるでしょう。

電通のパワハラ事例について詳しく知りたい方はこちらの記事を参照ください。

電通パワハラ事件ーBusiness Journal 

2019年8月、三菱電機の男性社員(20代)が数々の暴言により自殺に追い込まれました。

男性社員の遺書には、

「家族との別れがつらいですが、人格を否定してくる三菱と(ソフトウェア製造技術課の先輩社員)と一緒に働き続けるほうがツライので私は死を選びます」

と記されていました。上記の内容から分かるようにパワハラが自殺の原因であることを示唆しています。三菱電機で行った事件は、近年の大きなパワハラ事例の1つとして挙げられるでしょう。

電通のパワハラ事例について詳しく知りたい方はこちらの記事を参照ください。

三菱電機パワハラ事件ー東洋経済オンライン

 

パワハラから身を守る8つの方法

ここからは、パワハラから身を守る8つの方法ご紹介します。すべて活用するのは大変なので、ご自身の状況に合わせてピックアップしてみてください。

・アサーティブな精神を持つ
・アイメッセージ→YOUメッセージ 
・過剰適応しない 
・限界設定をする 
・証拠を残す   
・助けを求める
・外部機関を頼る
・環境を変える  

以下それぞれ詳しく解説します。

 

①アサーティブな精神を持つ

まず1つ目はアサーティブな精神を持つことです。

アサーティブとは自他尊重の姿勢を重視するコミュニケーション技術です。

・意見を主張する権利がある
・一人一人が尊重される権利がある
・お互いを大事にする

という考え方を大事にしています。いくら上下関係があったとしても、あなたにはちゃんと慎重される権利があります。上司があなたに対してに命令するように、あなたにも自己主張する権利があります。

まずは自分自身を大事にする気持ちをアサーティブで育てていきましょう。

アサーションについてより深く知りたい方は下記をご覧ください。

アサーティブコミュニケーションの意味

 

②Iメッセージ→YOUメッセージ

2つ目は、IメッセージとYOUメッセージを使い分けることです。それぞれの意味は以下の通りです。

・Iメッセージとは
「私(わたし)」を主語にしたメッセージのことです。「私は○○に思う」と、個人的な見解であることを示すことで、角が立たないように自己主張することができます。

・YOUメッセージとは
「あなた」を主語にしたメッセージのことです。「あなたは○○した方が良い」と相手の行動に対して言及することで強い表現になります。

まずはIメッセージで自分の気持ちを伝えてみましょう。それでも、状況を改善されない場合はYOUメッセージで強く主張します。強弱をつけて自分の気持ちを伝えることで、パワハラが改善されることがあります。

Iメッセージ→YOUメッセージをより深く知りたい方は下記をご覧ください。

Iメッセージとは?意味

 

③証拠を残す

3つ目は、証拠を残すことです。

パワハラを訴える場合や、労働基準監督署などの外部機関に相談する場合は必ず「証拠」が必要になります。証拠がなければ相手は何とでも言い逃れできてしまうので、しっかりと証拠は残しておきましょう。

例えば、
・メールなどは削除しない
・ケガの状態を写真に記録
・悪質な場合は録音

などが挙げられます。

また信頼できる同僚や部下、上司がいれば証人になってもらうことも考えておきましょう。

 

④過剰適応しない

4つ目は、過剰適応しないことです。

過剰適応とは、簡単言えば、自分の気持ちを押し殺して、相手や環境に必要以上に合わせる状態です。過剰適応になると、

・相手に振り回される
・自分の意見がいえない
・理不尽な要求にも応じる

といった状態につながります。その結果、メンタルヘルスが悪化し、最悪の場合うつ病などの精神疾患につながる恐れがあります。パワハラに過剰適応しない!という断固とした姿勢が大切です。

過剰適応についてより深く知りたい方は下記をご覧ください。

過剰適応の意味とは?症状や職場での問題

 

⑤限界設定をする

5つ目は、限界設定をすることです。

限界設定とは、ここまで適応するが、それ以上は適応しないという区切りの部分になります。自分の限界を超えてパワハラを受けてしまうと、心身に大きなダメージを受けてしまいます。そこで、

・残業は1日2時間まで
・休日出勤は月2回まで
・仕事は3つまでしか受けない

と自分の中で限界を設定しましょう。もちろん、会社によって難しい場合もありますが、無理をしつづけて体を崩しては本末転倒です。パワハラに心身を害されないためにも、限界を設定しておきましょう。

限界設定についてより深く知りたい方は下記をご覧ください。

限界設定の意味とは?効果,手法,具体例

 

⑥助けを求める

続いて6つ目は、助けを求めることです。

周囲に信頼できる相手がいれば、相談に乗ってもらいましょう。自分の本音を打ち明けられる場があるだけで、パワハラの苦痛はたいぶ和らぎます。例えば、

・同僚
・人事
・社内カウンセラー

などが挙げられるでしょう。また、上司からパワハラを受けている場合、その上の人に相談することで解決する可能性もあります。課長からパワハラを受けているなら、部長に訴えるなどです。

このように相談できる相手に助け求めることは、心理学ではソーシャルサポートと呼ばれています。

ソーシャルサポートをり深く知りたい方は下記をご覧ください。

ソーシャルサポートとは?

 

⑦外部機関の利用

7つ目は、外部機関を利用することです。

職場内に相談できる人がいない場合は、外部機関に相談を持ち掛けるようにしましょう。職場環境や労働規則に関する相談できる機関は以下の通りです。

労働基準監督署
あかるい職場応援団
NPO法人 労働相談センター
法務省 みんなの人権110番
厚生労働省 総合労働相談コーナー

あなたがパワハラや不当な労働を強いられている場合は、上記の機関に相談してみるのも1つの方法です。また法律の相談をする場合には、③でご紹介した証拠資料も持参すると良いでしょう。

 

⑧環境を変える

最後、8つ目は環境を変えることです。

「相談をしても状況が変わらない」「限界を超えて仕事を要求される」という場合には、環境を変えることを検討しましょう。

・条件のあう職場に転職する
・起業をして働きやすい環境を作る
・フリーランスとして独立を考える

など自分がもっとも働きやすい環境に変えることが大切です。新しい環境に飛び込むのは、勇気がいることです、ただ、パワハラで苦しい日々を続けていても、心身の健康が悪化していくだけです。

今の環境で出来ることを行ったのであれば、きっぱりと次に向かう決心も大切です。

 

まとめとお知らせ

まとめ

人間は一人では何もできない生き物です。弱いからこそ私たちは一人一人が寄り添い、助け合っていかなくてはなりません。

パワハラをする人はとても恥ずかしいことだと気が付いていません。そんな人に人生を壊されてはいけないのです。もし今とてもつらい状況であるならば、自分を大事にして、全力で自衛するようにしましょう。

必要であれば第三者に助けを求めましょう。応援しています。

お知らせ

公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・アサーティブコミュニケーション
・傾聴力をつける練習
・共感力トレーニング
・暖かい人間関係を築くコツ

など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。ぜひお待ちしています。

人間関係講座

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
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*出典・引用文献
明るい職場窓口 厚生労働省https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/
原昌登. (2019). パワハラ防止措置の法制化の意義.平成28年度厚生労働省委託事業職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書(概要版)
金森史枝. (2019). 職場における女性間ハラスメントの特徴. 現代ビジネス研究所紀要, 4.
小西聖子, 金子雅臣, & 大塚雄作. (2018). ハラスメント被害者の心理的回復. 教育心理学年報, 57, 309-328.
Lutgen-Sandvik, P., Namie, G., & Namie, R. (2010). Workplace bullying: Causes, consequences, and corrections. In Destructive organizational communication (pp. 43-68). Routledge.
Mordukhovich, I., Gale, S., Newlan, S., & McNeely, E. (2019). The impact of workplace harassment on health in a working cohort. Frontiers in psychology, 10, 1181.
永冨陽子. (2016). 職場のハラスメント状況下におけるストレッサ―の生起過程. 大阪経大論集, 66(5), 243.
Nielsen, M. B., Glasø, L., & Einarsen, S. (2017). Exposure to workplace harassment and the Five Factor Model of personality: A meta-analysis. Personality and individual differences, 104, 195-206.