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雑談力を鍛える,トレーニング法

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雑談力の鍛え方,トレーニング方法

皆さんこんにちは。公認心理師の川島です。

 

当コラムのテーマは
「雑談力の鍛え方,トレーニング法」
です。

私は心理学の大学院で会話のトレーニング手法の研究を行ってきました。雑談のトレーニングは体系化されたものはなく、表面的なもので終わってしまうことが多いです。

そこで、当コラムではしっかりと基礎から雑談力を鍛えることができるように構成されています。雑談が苦手…というお悩みが改善できるよう、しっかり解説していきます。

 

3つの応急処置練習

まずは、すぐにできる応急処置をお試しトレーニングとしてお伝えしたいと思います。具体的には以下の3点は即効性があるので是非試してみてください。

①40~60%ルール
②傾聴応急処置-高級寿司法
③発話応急処置-そんでもって法

応急処置①40~60%ルール

雑談の基本は「傾聴」と「発話」

まずは雑談の基本的な構造からチェックしていきましょう。結論から言うと、雑談は、

「傾聴」
「発話」

の2つで構成されています。雑談というと複雑に見えますが、単純に考えればこの2種類しかないのです。会話は傾聴と発話の2種類!とまずは考えておきましょう。

40~60%が基本

そして、皆さんにお知らせがあります!それはこれからの人生、傾聴と発話の比率を40~60%にすることを決意して頂きたいのです!

何を言い出すんだ…と思われるかもしれませんが、雑談が続かない理由はおおよそこのバランスが崩れているために起きるのです。

例えば雑談が苦手な人にありがちなのが、

「質問責め」

です。雑談でキャッチボールが続かないので、とりあえず質問をして、相手にしゃべらせようとするのです。

巷では聞き上手の本など売られていて、会話の9割は聞き役で決まる!…というような極端は本がありますが、これは間違っていると断言しておきます。

以下、2つの会話例を掲載しました。参考にしてみてください。

太郎
「花子さんは仕事は何をしていますか?」

花子
「保育士です。」

太郎
「仕事は大変ですか…」

花子
「まあまあですね…」

太郎
「好きな食べ物は何ですか?」

花子
「アイスです。」

太郎
「アイスですね。美味しいですよね。何味が好きですか?」

花子
「チョコ味です。」

講師の視点 
どうでしょうか?これで雑談が続かなくなるのは時間の問題です。

太郎さんは質問ばかり
花子さんは一問一答ばかり

このように質問数が多くなると話題が何度も変わってしまい、お互いに疲れる結果になります。

次にバランスの良い雑談を見てみましょう。太郎さんは、傾聴と発話をバランスを意識してを雑談をすることにしました。

太郎
「花子さんは仕事は何をしていますか?」

花子
「保育士です。」

太郎
「保育士かあ~。子どもたちと触れ合えて賑やかそう良いですね。ちなみにいつからお仕事されているんですか?」

花子
「2年前です。」

太郎
「2年前ですか!では、もう子供への対応はお手のものでしょう。私も3、4歳の子供がいましてあやしてもらいたいところです(笑)」

花子
「そうなんですね。」

太郎
「ちなみに私は今、銀行員の仕事をしていまして、主に営業で融資の取引をしています。特に最近はコロナの影響で廃業危機に晒されている方が多いので、なんとか助けになりたいですね。」

講師の視点 
いかがでしょうか?花子さんに代わり映えはありませんが、太郎さんの雑談はだいぶ改善されています。

傾聴の面では、
・質問ですぐに質問しない
・オウム返しを入れている
・ポジティブな発言を入れている
・自己開示を入れている

という改善が見られます。

このように傾聴、発話をバランスを良くするようにしましょう。もちろん、すぐに使いこなそうとしなくて大丈夫です。

まずは意識するだけでOKです♪

 

雑談例はいかがでしたか?繰り返しになりますが、健康的な雑談は、傾聴・発話のバランスが40~60%ぐらいが目安となります。

以下の図を目安にしておきましょう。

 

傾聴応急処置②高級寿司法

傾聴は高級寿司のイメージで

2つ目の応急処置は傾聴の際は高級寿司を味うようにじっくり進めていくことです。

回転すしのように次から次へとネタを進めるのではなく、一度出た話題をしっかり噛みしめながら、進めていくのです。

会話が続かない,対策

例えば

旅行とか行きますか?
→鳥取です! 

このような雑談があったとします。この時、すぐに質問をするのではなく

鳥取ですかあ~
中国地方は景色がきれいですよね。
楽しいそうだなあ

こんな感じで相手の発言を味わう姿勢を持ちましょう。話題がすぐに変わってしまうという方は、このイメージを持つだけでたいぶ話し方が改善されます。

具体的には動画で解説したのでよかったら参考にしてみてください。

 

発話応急処置③そんでもって法

雑談は傾聴だけでなく発話力も大事になります。そこで3つ目の応急処置は発話力をつけるそんでもって法を学習していきましょう。

「そんでもって」でかなり改善できる!

応急処置としては「そんでもって~」と呟いてみることで、自分の発話のスイッチを入れていく手法を意味します。

先ほどの例で言えば、

「東村山です。(そんでもって)・・・・」とつぶやいてみてください

 ↓
 ↓

いかがでしょうか

 ↓
 ↓

何か言葉がでてきませんか?私で言えば、

「東村山です。(そんでもって)東京なのにめっちゃめちゃ自然が多くて、田舎ですが住みやすいですよ。」

こんな感じで情報がプラスされました。もちろん言葉が出てこない方もいるかもしれないですが、私の経験上75%ぐらいは(そんでもって)とつぶやくだけで、1問1答は改善されます。

1問1答になる癖がある方はぜひ試してみてくださいね。余裕がある方はこちらの動画もオススメです。そんでもって法と相性がいいので参考にしてみてください。

 

応急処置のまとめ

応急処置はいかがでしたか?最後にまとめてみたいと思います
40~60%の原則
・会話-発話の比率は40~60%
・質問攻めは禁止
傾聴の応急処置
・高級寿司を味わう感覚
・1つ1つの話題を大事にする
発話の応急処置
・一問一答はNG
・そんでもって法を使う

まずは上記を意識するだけでもかなり改善できると思います。是非日常生活で試してみてくださいね♪

 

雑談力UP!-4つの改善策

ここからは、さらに具体的なスキルの紹介をさせて頂きます。本格的な解説になるので、何日かに分けて取り組んで頂けると幸いです。

会話スキルは大きく分けると「傾聴UP」「発話UP」「展開力をつける」「環境設定」の4つのブロックとなります。

リンク先には動画がたくさんあるのできっとお役に立てると思います(^^)

 

①傾聴力をつけよう

傾聴力を向上させる上では、

・オウム返しの基礎
・ちょっと言い換え法
・要約のオウム返し
・褒め上手練習
・暖かい質問の仕方

これらの基本的なテクニックが必要となります。聴き上手と言われるようになりたい…という方は下記を参考にしてみてください。

傾聴力トレーニング

 

②発話力をつけよう

発話力をつけるには

・5W発話法
・情報+感情法
・自分へ質問法

これらの基本的な技術が必要となります。話す力をつけたい…という方は下記を参考にしてみてくだし。

自己開示-トレーニング

 

③展開力をつける

雑談を弾ませるためには、相手の様子を見ながら関連する話題を提供し、少しずつ相手との距離を縮めていく必要があります。

当コラムでは、相手に関係した話題づくりのコツをご紹介します。

ポイントは皆さんが使ったことがある「ウイキペディア」を活用したやり方です。ウイキペディアの原理を応用すると驚くほど会話を続けやすくなります。

・ウイキペディア傾聴術
・ウイキペディア発話術
・練習問題にチャレンジ
すぐに雑談が途切れてしまう…という方は下記をチェックしてみてくださいね。 

雑談の展開力向上法

 

④環境設定

4つ目は雑談をする環境を日々作っていくことです。心理学の統計では人間は1日3時間程度会話をしていることが分かっています。

もし継続的に会話をする環境がない方は、ランチの際はなるべく同僚を誘う、土日は雑談のあるサークルに通う、などの環境設定が大事になります。

詳しくは下記を参照ください。

暖かいコミュニティに所属する意味とは

 

雑談力の研究-発展

ここでは、発展編として雑談力の研究事例をご紹介していきます。雑談に関する心理学的な研究結果を知りたい方は下記をご覧ください。

皆さんは「雑談」についてどのように考えているでしょうか!実は雑談力というのは、むちゃくちゃ人生において大事なスキルなのです。まずはその意識から高めていきましょう。

会話の約60%は雑談が占める

国立国語研究所の統計によると、なんと一日の会話量の平均は6時間という結果が報告されています。

特筆すべきはその内訳で、会話の60%が雑談を占めています!

極論してしまうと、コミュニケーションの大半は雑談が占めるのです。もちろんケースごとにその比率は変わると思います。

ビジネス場面ではやや下がると思いますが、恋愛の場面では逆にもっと上がってくるでしょう。どちらにしても雑談は人と人とがコミュニケーションする上で外すことのできないスキルであると言えそうです。

ここで、雑談力がビジネス場面でもたらす影響についてご紹介します。

2014年に松本らが行った「美容師の指名客数増加のための社会的スキルトレーニングの効果」という研究があります。

研究では、新人美容師に対し社会的スキル「笑顔・声・傾聴・雑談・説明・提案・承認」7つについてトレーニングを行い、指名客数増加との関連を調査しました。

その結果、社会的スキルの中でも「傾聴スキル」「雑談スキル」が指名客数増加に影響している傾向が見られました。傾聴傾聴スキルも雑談スキルの一種と考えると、やはりとりとめもない会話をできるようにすることは現実的に私たちの収入も影響してくると考えられます。

もう少し議論を進めていきます。実は「雑談力」という用語は会心理学の分野ではあまり使いません。近い概念としては、ソーシャルスキルという言葉を使います。

社会でやっていくための社交的なスキルというイメージですね。学芸大学教授の相川(2005)はソーシャルスキルと人間の心理についての研究を行っています。

具体的には大学生1002名に対して、ソーシャルスキルの調査を行いました。その結果、ソーシャルスキルがある人は、孤独感が少なく、対人不安が少ない、関係開始がうまい、関係維持がうまいことがわかりました。

雑談力がないと、心理的にマイナスであり、逆に高い人は、人間関係に好影響があると読み取ることができそうです。

 

まとめとお知らせ

まとめ

雑談力は恋愛、仕事、家庭、あらゆる場面で使うことができます。皆さんが雑談力トレーニングを通して、日々の何気ない会話を楽しまれることを願っています。

当コラムの知識をぜひご活用ください♪

おしらせ

公認心理師など専門家の元でしっかり練習をしたい方は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・傾聴トレーニング
・発話トレーニング
・暖かい人間関係を築くコツ
などを学習していきます。興味がある方は下記のお知らせをクリックして頂けると幸いです。是非お待ちしています。筆者の川島も講師をしています!

皆さんとお会いできることを楽しみにしています。

人間関係講座

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
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*出典・参考文献
成人用ソーシャルスキル自己評定尺度の構成
Author(s) 相川, 充; 藤田, 正美
Citation 東京学芸大学紀要. 第1部門, 教育科学, 56: 87-93
Issue Date 2005-03-00

斉藤雅茂 , 近藤勝則 , 尾島俊之 ほか ( 2015 ) 「健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討 10年間のAGESコホートより」, 日本公衛誌3(62),p95-105.
2017 国⽴国語研究所「⽇常会話コーパス」プロジェクト報告書 1一日の会話行動に関する調査報告 小磯花絵・渡部涼子・土屋智行・横森大輔・相澤正夫・伝康
松本 啓子・村井 佳比子・ 眞邉 一近(2014)美容師の指名客数増加のための社会的スキルトレーニングの効果  Japanese journal of Behavior Analysis ,Vol. 29.No.1,2-18