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孤独感が強い,うつな気持ちへの対処法,解消法

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孤独感が強い,うつな気持ちへの対処法

皆さんこんにちは。心理学講座を開催している公認心理師,精神保健福祉士の川島達史です。今回は「孤独感への対処法」についてご相談を頂きました。

孤独感,強い,うつ

 

相談者
34歳 女性

お悩みの内容
私は地方出身組で、20代の前半に上京してきました。元々社交的ではなく、友人が少ない方でした。最近は周りも家庭を持つようになり、一緒に出掛ける人がいません。

休日一人でいると、孤独感で押しつぶされそうになります。うつ症状も出ている気がします。この状況から抜け出す方法はありますでしょうか。

孤独感を抱えると、周りから取り残されているような感覚になってしまいますよね。当コラムでは孤独感の知識と対策を解説していきます。是非最後までご一読ください。

孤独感の悪影響

飢えと渇きに匹敵

先日、History Channelで「ALONE 孤独のサバイバー」という番組を見ました。番組を要約すると、

・サバイバルのプロを10人集める
・山奥でサバイバルを行う
・援助は一切なし 最後まで1人
・最後までリタイアしないと
 5000万円もらえる

という内容でした。この番組を見ていると、脱落する理由の多くが

「孤独に耐えられない」

というものでした。参加者は屈強なサバイバリストです。そんな彼らが「孤独感」を抱え、脱落していったのが印象的でした。飢えや渇きに匹敵するぐらい、孤独感は強烈な感情なのです。

 

孤独感の危険性

心理学では孤独感の危険性について、様々な研究がなされてきました。当コラムでは5つの研究を紹介させて頂きます。気になる見出しがあったら参考にしてみてください。

相川(2005)[1]は大学生1002人を対象に、社交性スキル(ソーシャルスキル)を調査しました。その結果、の一部が下図となります。

ソーシャルスキルと孤独感

上記は、社交性スキルが低いほど、孤独感が強いことを表しています。前向きに言い換えると、社交スキルを身につけると、孤独感が改善される効果が期待できます。

相川(2005)[1]の同研究では、対人不安が強い人は、孤独感も強いことがわかりました。

対人不安が強い人は、人と接する場面に回避的で、孤独な状況になりやすいのです。

特に、
・対人不安が異常に強い
・人間関係を回避する
・視線が怖い

これらの感覚がある方は社交不安障害という心の病気の可能性があるので注意が必要です。こちらで社交不安障害について解説しています。気になる方は後程クリックしてみてください。

孤独は将来への希望も奪います。下の図は、厚生労働省[2]の統計で、友人の数と「希望」を分析したものです

図を見ると、友人が多いほど将来に希望を持っていることが分かります。逆に友人が少ない人は、未来に希望を持てないという結果になっています。

孤独感は、認知症リスクや死亡率へも影響します。斉藤・近藤ら(2015)[3]は、愛知県の高齢者、12,000人を対象に「高齢者の交流頻度と孤独感」について研究を行いました。その結果は下図となります。まずは図を概観してみましょう。

孤独を和らげよう

交流がない人交流がある人はより認知症率が高いことが分かります。このように、人とのコミュニケーションが少ない人ほど脳機能も衰えていくのです。

斉藤・近藤ら(2015)[3]は、愛知県の高齢者、12,000人を対象に「高齢者の交流頻度と孤独感」について研究を行いました。下記の図をご覧ください。

原因

交流がない人交流がある人より死亡率が高いことが分かります。近年、「孤独死」という言葉を耳にする機会が増えていますが、やはり人と触れ合う機会が少ない人ほど死亡する確率も上がってしまうのです。

 

孤独感への8の対処法

ここからは孤独感への8つの対処法を提案させて頂きます。

①ネットを利用する
②人が怖い感覚を軽く
③会話の基礎力をつける
④コミュニティへの所属
⑤気長に馴染む
➅表面的な関係を受容
⑦見捨てられ不安に対処
⑧アサーテイブな関係を築く

ご自身の生活に役立ちそうなものを中心に、組み合わせてご活用ください。

 

①ネットを利用する

話し相手が全くいない、誰にも悩みを相談できない、など完全な孤独を感じているとしたら、緊急性が高いと言えます。あてはまると感じたら、ファーストステップとして、ネット上でのやり取りからはじめることをおすすめします。

具体的には以下のようなやり方が挙げられます。

ツイッターで同じ趣味を持つ人をフォローする
慣れてきたらコメントしてみる
好きな漫画のオンラインサロンに入る
匿名でブログを書いて、ブログ同士で交流
会話Okなオンラインゲームをしてみる

リアルの友人作りはハードルが高いですが、ネット上であれば比較的、手軽に始められます。

ネットでは、共通の趣味を持つ人も見つけやすいですし、現実のしがらみがなく横の関係でつながる事ができます。

気の合う方を探して、簡単な交流をするだけでも最初は充分です。完全な孤独にならないように気をつけましょう。

孤独感,SNS,大水音々様作成

 

②人が怖い感覚を軽く

心理学の研究では、人が怖いという感覚がある方は、人間関係に消極的で、孤独感を抱えやすいことがわかっています。

・人と会う前日から不安になる
・人と話すとすごく緊張する
・会話の後はどっと疲れる

これらにあてはまる方は心理的な改善も必要になってきます。例えば、人と話すを迷惑をかけるのではないか、恥をかいたらどうしよう…という感覚がある方は要注意です。

対策としては「自分の気持ちを大事にする」「うまくいくイメージをする」などが挙げられます。あてはまると感じる方は、以下のコラムを参照ください。

人が怖い…を克服する方法

自己嫌悪,冷静に立ち直る

 

③会話の練習をする

人と話す環境に飛び込み、お互いの心を通わせるには、会話力が必要になります。実際心理学の研究でも会話力がある人ほど、孤独感が少なく、充実していることがわかっています。会話力をつけるには、

・傾聴力をつける
・発話力をつける
・表情や声の抑揚を豊かにする

ことが必要になります。会話のトレーニングについては筆者の講座で体系的に改善することができます。きゅみがある方は以下の講座を参照ください。

会話の基礎講座

 

④コミュニティへの所属

ネット上でのやり取りが増え、コミュニケーションに前向きになってきたら、所属コミュニティを増やしていくことをおすすめしています。例えば以下が挙げられます。

ネットのオフ会に参加してみる
登山サークルに参加してみる
家族と話す機会を増やす
職場のランチで誰かと話してみる

私は、所属するコミュニティは最低でも3つ程度は必要と考えています。コミュニティは3か所あれば、1か所失敗しても、他の2か所でフォローが効きくからです。

以下のコラムではコミュニティの見つけ方を解説しています。気さくに会話できる場所がない…と感じる方は参考にしてみてください。

コミュニティへ所属,探し方

孤独感への対策,コミュティ

 

⑤気長に馴染む

いざコミュニティに所属したとしても、すぐに馴染むことは現実的には難しいでしょう。人間関係を築くのは時間がかかるものです。

そんなときは、単純接触効果という心理学の用語を覚えておいてください。単純接触効果とは以下の意味があります。

何度も接すると、それだけで好感を持つこと

会話が多少ぎこちなくても、粘り強くコミュニティへの参加をし続けていれば、自然と周りはあなたといると安心感を持ってくれるものです。

いきなり仲良くなろうと思う必要はなく、コミュニティに継続して、顔を出していくだけで、だんだんと馴染んでいくものです。

2回、3回顔を出しただけで、「馴染めない…」と悲観する必要はありません。焦らず気長に馴染んでいくことを意識しましょう。

具体的なやり方に興味がある方は以下のコラムを参照ください。

単純接触効果の活かし方とは

 

➅表面的な関係を受容

ある程度、コミュニティに継続して参加すると、それなりに馴染んでくるものです。ただし、お互いの心を完全に理解するような深い交流まで進むことは稀です。だからと言ってがっかりする必要はありません。

大人同士の付き合いは、ある程度表面的になるもので、距離感があるのが普通なのです。おおらかに考えておきましょう。

大事なことはそのような表面的な関係でも、ふとした瞬間、わかりあえるタイミングがあると思います。その瞬間を大事にできれば良いのです。

もしあなたが深い関係を求めがちと感じる場合は以下の動画を参考にしてみてください。

大人の親友作りが難しい理由

 

⑦見捨てられ不安への対処

コミュニティに所属し、ある程度仲良くなると、新しい問題が出てきます。

仲良くなると逆に不安になる…
返信がないとすごく不安になる…
いつかいなくなってしまう…と感じる…

こうした不安は、心理学の専門用語で「見捨てられ不安」と言います。見捨てられ不安は特に、ある程度仲良くなってきた時に、心に芽生えていきます。周りに人がいるのに、なぜか孤独感がある…という方は見捨てられ不安が根底にあるかもしれません。

仲良くなるほど孤独を感じる…と言う方は以下のコラムも参考にしてみてください。対処法を学ぶことで、安定した人間関係を作れるようになります。

孤独感の正体は見捨てられ不安?

独りぼっちの対処法

 

⑧アサーテイブな関係を築く

人間関係が充実し、交流が増えたにも関わらず、孤独感が改善しない方もいます。原因として考えられるのが、あなた自身が率直な気持ちでお話ができていない可能性があります。

言いたいことが言えない
周りを意識して受け身である
相手の機嫌を絶えず窺う

これらの傾向があると結局は孤独感は続いてしまうことになります。改善策としては、自分の気持ち、相手の気持ちを共に大事にしながら、建設的に語り合う、アサーションを学ぶことをおすすめします。

腹を割った素直なやり取りを増やすことで、お互いの理解を深めることができるでしょう。

アサーティブコミュニケーションの基礎

 

まとめ

実は筆者の川島は21歳の頃、引きこもりを体験したことがあります。当時は半年近く、一切誰とも話さないこともありました。当時を思い出すと孤独で世界から疎外されているような感覚がありました。

孤独感は、一部メリットもあるものの、ほとんどの心理学の研究ではメンタルヘルスにマイナスとなります。

人生は一度しかありません。是非皆さんが、豊かな人間関係を築き、屈託のない関係性を築き、笑いのある暖かい日々をすごされることを願っています。

ビジネスコミュニケーション講師,川島達史

 

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8件のコメント

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    • ひかり
    • 2020年4月3日 11:09 AM

    コメントさせて頂きます。
    孤独はとても辛いですよね。
    私も孤独で悩んでいましたので辛い気持ちはわかります。
    飲み会などに誘われない、話を聞いてくれない、このような状況は本当に辛くて悲しいですよね。
    怒りで一杯であることに気づいたのなら怒りを発散してみてください。
    そして自分自身に(色々と辛い思いをしたよね、もう大丈夫だよ)(私は私自身が好きだよ)(私は私自身を愛しているよ)このような声掛けを自分にしてあげてください。
    自分のことを好きになることで周りの人からも好かれるようになるかもしれませんよ。
    ご参考になりましたら幸いです。

    返信する
    • 匿名
    • 2019年12月21日 10:28 PM

    孤独が辛くて死にたいです。精神科通ってもデイケア通っても、私は表層的にしか人とかかわれず、デイケア仲間の飲み会とかには一度も誘われませんでした。子供の頃から友達が出来ず、今も一人もいないため、話をする相手もなく、一人で色々活動しても誰も話を聞いてもらう相手はいません。おしゃれしても見てくれる人はいない。旅行に行っても話を聞いてくれる人はいない。結婚出来るひと、友達が普通にいる人、人間関係が作れる人と私は何が違うのか。結局わかりません。ポジティブにしていてもそれはフリだけで、ちょっとした事でものすごく怒りが出てしまい、「私は本当に怒りで一杯なんだな」と悟ります。イライラしてるんだと思います。それが隠そうにも自力では隠し切れないまま社会生活するのがストレスです。どんどん自分をキライになる。当然全くモテません。私は人に好かれない、なんで?知りたいです。

    返信する
    • まい
    • 2019年10月16日 7:57 PM

    孤独ですねぇ。
    ホントに。
    このくらいで、すーっと消えてしまえたらいいのにと思います。
    コミュニティかぁ。
    嫌ですね。
    もう人の和の中に入りたいとは思わないなぁ。
    人とうまくやっていけるとは全く思っていないので諦めていますが。
    ものすごい孤独をどうすれば良いのか全然わかりません。

    返信する
    • Nai
    • 2019年6月26日 10:11 PM

    数ヶ月前から辛いです。仕事がうまくいかない愚痴から始まり、自身の健康不安、子供の何年も続く不登校、、、唯一話を聴いてくれたパートナーは夜勤になりコミュニケーションも減りました。誰とも本音を話せなく精神的に不安定になり、心療内科にも通っています。パートナーとのコミュニケーションがうまくとれずいつか昔にもあったのですがその時同様に嫌われるんじゃないかと不安で仕方ありません。

    返信する
    • しん
    • 2019年5月18日 11:55 AM

    大学生です。サークルにも所属してるし、バイトもしてるし、学科内の友達もいるけど正直、誰とも会話も楽しくない。でも1人は嫌だし付き合うけど。地元の友達だっているけど、それも微妙。唯一自分が活発な時はひたすらに自分の愚痴をなんかしらで文字で起こすとき。僕は聞き上手ってよく言われるけど、正直ありのままの自分をさらけ出して、愚痴とかも聞いてくれる人が欲しいんだって思う。

    返信する
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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科 修了

取材執筆活動など

  • NHKあさイチ出演
  • NHK天才テレビ君出演
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」


YouTube→
Twitter→
元専修大学教授 長田洋和

名前

長田洋和


経歴

  • 元専修大学人間科学部教授
  • 東京大学 博士 (保健学) 取得
  • 臨床心理士
  • 精神保健福祉士

取材執筆活動など

  • 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
  • うつ病と予防学的介入プログラム
  • 日本版CU特性スクリーニング尺度開発

臨床心理士 亀井幹子

名前

亀井幹子


経歴

  • 臨床心理士
  • 公認心理師
  • 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
  • 精神科クリニック勤務

取材執筆活動など

  • メディア・研究活動
  • NHK偉人達の健康診断出演
  • マインドフルネスと不眠症状の関連

・出典
[1]相川充,藤田正美(2005).成人用ソーシャルスキル自己評定尺度の構成 東京学芸大学紀要. 第1部門, 教育科学 56, 87-93, 
 
 
[3]斉藤雅茂,近藤克則,尾島俊之,平井寛,JAGESグループ(2015).「健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討 10年間のAGESコホートより」, 日本公衛誌3(62),p95-105.