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孤独感への対処法や克服方法を詳しく解説

孤独感の原因・対処法-臨床心理士が解説①

はじめまして!臨床心理士の兵働、精神保健福祉士の川島です。私たちは現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

今回は「孤独感」についてお話していきます。当コラムを読んで頂いてる方の中には孤独感で苦しい思いをされている方もいらっしゃると思います。なんとかお力になれればと思います。目次は以下の通りです。

  • 孤独感の定義
  • 孤独感と寿命
  • 希望をなくす
  • 会話力の低下
  • 思考力UPにつながる?
  • コミュニティへ所属

各コーナーにはもっと深く知りたい!という方のためのリンクがあります。まずは全体を読んでみて、気になる場合はリンク先をクリックしてみてください。それでは早速、解説させて頂きます。

孤独感の定義

皆さんは孤独感を感じたことはありますか?

・相手から理解されない…
・人間関係が乏しい…
・自分は拒絶されている…

など誰しも1度は感じたことがあると思います。上記のような孤独感は一般的な解釈ですが、実際にはどのように定義されているのでしょうか。心理学辞典(1999)によれば、孤独感尺度は以下のように記載されています。

「①個人の社会的関係の欠如に起因し、②主観的な体験であり、③その体験は不快で苦痛を伴う、という3点を指摘している」

この3つの要素を満たしている感覚が孤独感というわけですね。人間関係が悪化し、主観的で、不快な感覚という捉え方でよいでしょう。

どんな悪影響がある?

心理学の世界では「孤独感」は、様々な問題と関連すると言われています。まずは悪影響の側面として、①会話力低下、②将来の希望への影響、③孤独感と寿命、の3つの研究を紹介します。

研究① 会話力の低下につながる

孤独感は会話力の低下を引き起こします。相川(2005)が大学生1002人を対象とした研究では、孤独感と心理的な要素との関連を調査しました。今回は以下の2つの要素との関連を取り上げます。

iソーシャルスキル
ii対人不安

ソーシャルスキルとは、人と会話したり、話題を広げたり、主張するスキルなどを意味します。会話力が少ないと人間関係を築くことが難しくなると言えます。その結果は以下の通りです。

iソーシャルスキルとの関連
まずは、ソーシャルスキルとはの関連を見てきましょう。下図をご覧ください。

孤独感の影響

このように、孤独感が高いとソーシャルスキルが低くなるというマイナスの相関が見られます。相関とはどちらか一方が変化すると、もう一方も変化する関係のことです。(相関をより深く知りたい方はコチラをご覧ください)つまり、孤独感を感じている人は、会話力も低下してしまうと考えられるのです。

ii対人不安との関連

次にソーシャルスキルとはの関連を見てきましょう。下図をご覧ください。

寂しさを克服

こちらは孤独感が高いと対人不安も高くなるプラスの相関が見られます。つまり、自分は他人から理解されない…という気持ちが強いと、対人不安が増加してしまうということですね。

このように、孤独な状況ですと人間関係を避ける状態になるため、対人不安を深刻化するのです。孤独感が高い人は、対人場面で不安になりやすく、不安から対人関係を避けてソーシャルスキルが不足する傾向にあると言えます。

孤独感の問題

研究② 将来の希望を失う

下の図は、国の統計(我が国と諸外国の若者の意識に関する調査)から引用したものです。

*監修の川島(精神保健福祉士)が動画でも解説しています。
 チャンネル登録くださると励みになります!

下図は、友人の数と「希望」と「希望がない」を分析したものです。「希望」と「友人の数」を分析したグラフですが、友人が多いほど将来に希望を持っていることが分かります。

友人が多いほど考えがポジティブになり、将来に良いイメージを持っていることが推測されます。逆に友人が少ない人はポジティブな考え方ができず、孤独に陥りやすい傾向にあるのかもしれません。このような状態が継続するとストレスが過剰となり、心身のバランスを崩すことにもつながります。

研究③ 認知症や寿命リスクに影響!?

斉藤・近藤ら愛知老年学的評価研究グループは、愛知県の高齢者、12,000人を対象に「高齢者の交流頻度と孤独感」について研究を行いました。その結果は下図となります。まずは図を概観してみましょう。

孤独を和らげよう

交流がない人交流がある人はより認知症率が高いことが分かったのです。このように、人とのコミュニケーションが少ない人ほど脳機能も衰えていきます。世界的に見ても社会的に孤立している状況の方はメンタルヘルスや健康状態が悪い傾向にあります。次に下記の図もご覧ください。

原因

交流がない人交流がある人より死亡率が高いことが分かります。近年、「孤独死」という言葉を耳にする機会が増えていますが、やはり人と触れ合う機会が少ない人ほど死亡する確率も上がってしまいます。

毎日会話する方は、心理的な問題を周りに受け止めてもらうことで安心感を得ることができますが、孤立している方は悩みを抱えやすくなります。悩みを抱え込み、自殺する確率も多いので注意が必要です。

プラスの効果もある!?

孤独感を抱くとき、心にぽっかりと穴が開いたような感覚になりますね。ただ・・・100%ネガティブなものというわけではありません。孤独感にもメリットがあることが分かっているのです。

研究① 孤独は自己成長のチャンス?

大東・岩元(2009)は、大学生に孤独の捉え方に関する質問紙調査を行い、“孤独の捉え方”との社会的な役割を持っている感覚との関連を調べました。その結果が下の図の通りです。

孤独感

図のように、孤独には「自己成長機能がある」と考えている人は、社会的に役割を持っている感覚が強い傾向にあることがわかります。この結果は、少し弱い相関ですが、一人でに何かに打ち込むことで、スキルアップをすることができるとも言えます。

・選択的孤独はOK

同じ孤独感でも、「自ら孤独を選択している」という感覚があれば、それはむしろ強みと言えるでしょう。例えばこんな時です。

・受験勉強に打ち込んでいる
・ひとりで副業に取り組んでいる
・小説や漫画など創作活動をしている
・悩みがあり自分の心と向き合っている

このように、明確な目標があり、あえてひとりの時間を取っている場合は、必然的に孤独感に陥りやすいですが、そのような時間にはポジティブな意味があるかもしれないのです。

研究② 独創的なアイディアが生まれる

集団でアイデアを出す作業といえば、ブレインストーミングが有名です。今までは、より大人数でアイデアを出した方が個性的で質の高いアイデアが生まれると考えられていました。しかし、現在ではブレインストーミングは逆効果も指摘されています。

Steiner, I. D.(1966)では、集団で考える場合と、個人で考える場合を比較し、「アイデアの総数」と「どれだけ独創的なアイデア」が出せるかを調査しました。その結果が以下のグラフです。

孤独感 アイデア

このように「個人条件」の方が圧倒的にグラフが伸びていることが分かります。集団になってアイデアを出す際も、個々にアイデア出した方が量も質も高まるのです。集団になると独創的なアイデアが浮かんでも、「バカにされるかもな・・・」と意見を押しころしてしまうことがあります。

その結果、ごく一般的なアイデアしか生まれなくなり、量も質も落ちてしまうのです。このように新しい視点や考え方がほしい場合には、孤独には一定のメリットがあると言えます。

孤独感の4つのタイプ

孤独感と聞くと、「周りの人がいるから孤独だ」「友人に囲まれているから充実している」といった状況で判断されがちですが、実際には以下の4つのタイプに分類できます。

①寂しがり屋型

友達が少ないことで、孤独感を感じるタイプです。
客観的に人数が少ないことで発生します。

②見捨てられ不安型

タイプ見れてられ不安

人に囲まれているけど、「いつか自分は見捨てられてしまうのでは…」
と人間関係のなかで孤独感を感じるタイプです。
自分が嫌われていないか過剰に気になるなどの傾向があります。

③冒険家型

タイプ冒険家

周囲に人がいなくても、孤独感を感じず一人を楽しめるタイプです。
1人焼肉、1人カラオケなど人の目を気にせず、
自分の興味に向かって行動することができます。

④健康・充実型

孤独タイプ 

周りに人がいる、人間関係が充実しており孤独感を感じないタイプです。
一般的な孤独のイメージと近いですね。

この4つの孤独感タイプをまとめたものが以下の表になります。

孤独感4つのタイプ

このように、一口に孤独感と言っても様々なタイプがあります。冒頭でご紹介した定義にもあったように、孤独感は「主観的」なものなので、周囲に人がいるというだけで判断できるものではないのですね。ご自身がどのようなタイプに近いか考えつつ対処法を検討していきましょう。

孤独感の4つの解決方法

孤独感を強めている原因と解決策は、大きく分けると4つあります。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

対策① コミュニティへの所属は絶対条件

気軽に雑談できる場所がない…,休日一人ぼっちになりやすい,という方は要注意です。思い当たる方は「コミュニティの所属」を意識してみると良いかもしれません。やはり孤独感を改善するには、環境作りが大事になります。

最低は3つ所属しよう

所属するコミュニティは最低3つ程度は欲しいものです。コミュニティは3か所あれば、1か所失敗してもまだ2か所所属していることになるのでフォローが効きくからです。自分に合いそうなコミュニティを見つけたら、少し勇気を出して参加してみましょう。

孤独感を改善するコミュニティ条件

コミュニティは「ネット・アクセスの良さ・目的がある場所」の3つのうち2つを満たしていることが理想です。現代社会でSNSの利用の活用は必須になっています。また実際の会える環境が必要なので、アクセスの良さも必要です。さらに言えば、なんらかの目的がコミュニティの中にあると良いですね♪

コミュニティの探し方・コツをもっと知りたい…という方向けに、コラム②でさらに詳しく記述しました。コミュニティへ所属したいけど、実際どこに行けばいいかわからない…と感じる方は是非チェックしてみてください。

対策② 見捨てられ不安と上手く付き合う

「いつか周りから人がいなくなってしまう」「仲良くなってもどうせみんな離れていく・・・」こんな感覚がある方は孤独感を抱きやすいかもしれません。こうした不安は、臨床心理学の専門的な用語で見捨てられ不安と言います

*仲良くなるとなぜか不安になる
*冷たい態度を取られると不安になる
*相手の愛情が本物か確かめたくなる

これらの項目が思い当たる方は、孤独感のベースは見捨てられ不安かもしれません。周りに人がいるのに、なぜか孤独感があるという感覚がある方向けに、コラム③でさらに詳しく記述しました。見捨てられ不安に心当たりがある方は是非チェックしてみてください。

独りぼっちの対処法

対策③ 肯定名人に甘えてみよう

「人は所詮利害関係でつながる」「肩書や収入にこだわる」「付き合う相手は選ぶ方だ」といった感覚がある方は要注意です。ここで交流分析という心理療法の概念の1つ「無条件の肯定的ストローク法」を紹介したいと思います。無条件の肯定的ストロークは「どんな時でもあなたと私は肯定されている」という感覚です。

例えば、
そのままの私をお母さんがほめてくれた!
そのままの自分を異性が好きになってくれた!

どんな時でも・・・というのがポイントですね。特別でなくても良いのです。孤独感を減らすには〇〇だから・・△△だから・・・という理由をなるべく減らしていく必要があるのです。

人間関係を損得勘定で考えやすい…という方向けに、コラム④でさらに詳しく解決策を記述しました。思い当たる方はチェックしてみてくださいね。

孤独感 原因

対策④ 会話力を付けるSST

会話に苦手意識があり、「人との関わりたくない」「自分から話しかけたくない」という気持ちから対人場面を避けている方は要注意です。思い当る方は会話力を高めることが重要です。なぜなら会話力などのソーシャルスキルは、孤独感に深く関係しているからです。

ソーシャル・スキル・トレーニングとは
当コラムでは、他者との適切なコミュニケーションの中で会話力を伸ばしていく「ソーシャル・スキル・トレーニング(Social Skill Training : SST)」をご紹介します。

大学生、1,002名(男性435名,女性567名) を調査した論文によると(相川、2005)、ソーシャルスキルと孤独感は密接な関係があることがわかっています(-.40の負の相関関係)。

会話の技術であるソーシャルスキルをある程度鍛える必要があると言えます。会話力を高めたい!という方向けに、コラム⑤でさらに詳しく解決策を記述しました。会話力に苦手意識がある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

孤独感 対処法

対策⑤ コミュニケーション講座の紹介

もっと心理学・人間関係について学びを深めたい!と感じられた方は専門家の元でしっかり学ぶこともお勧めしています。 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、孤独感の改善、心理学の学習、コミュニケーションスキル向上を目指し、講座を開催しています。体系的に勉強されたい方のご参加をぜひお待ちしています。

執筆者も講師をしています(^^)
 ・孤独感を改善する会話練習
 ・対人不安の軽減と心理療法の学習
 ・暖かいコミュニティへの所属
初学者向けコミュニケーション・心理学講座を開催しています

定期チェックも欠かさずに

孤独感は曖昧な世界でなんとなくではこれらの努力が効果的だったのか判別が難しいと言えます。そこで、定期的にこちらの孤独感簡易診断で自己チェックしておくことをお勧めしています。客観的な状況を知りたい方はご活用ください。

*監修の川島(精神保健福祉士)が動画でも解説しています。
 チャンネル登録くださると励みになります!

診断とチェック

孤独感について簡易診断を作成しました。ご自身の状況を把握したい方は、コラム1を概観した後、一度診断してみることをお勧めします。
孤独感簡易診断とチェック⑥

孤独感の対処法で安心

このように「ソーシャルサポートの不足」「見捨てられ不安」「条件付きストローク」「会話力の不足」の4つの原因が孤独感を強めているケースが多いようです。孤独感が改善できると、自己肯定感が高まり、心地よい人間関係も築く事ができるようになるでしょう。「孤独感」と向き合って、少しずつ孤独感から解放されて行きましょう!

孤独感を解消して安心を

次回は、孤独感を改善する「コミュティへの所属」についてご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★ 孤独感を強めている4つの原因に対処しよう!

コメント

7件のコメント

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    • neko
    • 2019年4月6日 3:05 PM

    離婚しなければよかったと後悔している日々。毎日誰とも話さず孤独です。メンタルクリニック通院しているが薬を処方されるだけで根本的な解決ができず独りで淋しいです。この先自分はどうなってしまうのか?不安と寂しさで誰かに助けて欲しいって毎日独り言・・・どうしてこんなふうになってしまったのか?誰か助けて

    18+
    • 2019年5月6日 4:09 PM

    心を許せる友が一人もいません。環境の急変もあり、心がしんどくて休み明けから心療内科に予約を入れてみようと思っています。
    人と心を通い合わせたいです。
    nekoさんのような人と現実社会で出会うことができれば、お互いの辛さを理解できる分、お友達になれるのかもしれないな、と思います。
    どうすれば、現実社会で新しい関係を築けるのか、どなたか教えて欲しいです。

    10+
    • ふみ
    • 2019年5月5日 10:01 AM

    職場では部下をまとめるポジションにあるので相談されることは多く雑談の機会は少ないです。それでいいと思っているのですが、歓送迎会になるとみんないつもの仲間とつるむので苦痛に感じます。自分の中でバランスを取るのは難しいですね。

    8+
    • しん
    • 2019年5月18日 11:55 AM

    大学生です。サークルにも所属してるし、バイトもしてるし、学科内の友達もいるけど正直、誰とも会話も楽しくない。でも1人は嫌だし付き合うけど。地元の友達だっているけど、それも微妙。唯一自分が活発な時はひたすらに自分の愚痴をなんかしらで文字で起こすとき。僕は聞き上手ってよく言われるけど、正直ありのままの自分をさらけ出して、愚痴とかも聞いてくれる人が欲しいんだって思う。

    7+
    • つきと
    • 2019年3月21日 10:25 AM

    孤独感のメリットとデメリットを説明しているのが面白い。
    私は孤独感を強く感じていて、見捨てられ不安から逃れられません。
    原因は育ちなどにあるのに、自分でどうにかしなければいけないのが少し理不尽に思います。そして孤独感を消す方法はなかなか手強い(困難な)ようにも思います。孤独感の強い人は後ろ向きな傾向もあるので、行動も苦手なのかしら。でも一歩を踏み出さないと変わらないですね

    4+
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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
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*出典・参考文献
・斉藤雅茂 , 近藤勝則 , 尾島俊之 ほか ( 2015 ) 「健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討 10年間のAGESコホートより」, 日本公衛誌3(62),p95-105.
・インターネットの利用と幸福感との因果関係- 孤独感と対人不安の媒介効果-安藤 玲子,坂元 章,鈴木 佳苗,森 津太子 日本性格心理学会発表論文集
・改訂UCLA孤独感尺度の次元性の検討 諸井克英 静岡大学人文論集. 42, p. A23-A51
・孤独の科学-人はなぜ寂しくなるのか-ジョン・T・カシオポ、ウィリアム・パトリック著 柴田裕之訳 河出書房新社
・平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 内閣府
・よくわかる臨床心理学 山口 創 川島書店
東京学芸大学紀要. 第1部門, 教育科学 56, 87-93, 2005-03-31 成人用ソーシャルスキル自己評定尺度の構成  相川, 充 藤田, 正美
・大東・岩元(2009)孤独に対する捉え方尺度の3要素と肯定的評価が高い場合のメリット 久留米大学心理学研究 (8), 75-84
・Steiner, I. D.(1966)Models for inferring relationships between group size and
potential group productivity 
Volume11, Issue4 July 1966 Pages 273-283