飲み会嫌い,集団の会話が苦手,孤立する場合の対処
コラム①では、飲み会嫌いについて概観していきました。今回は、飲み会嫌いの対処法の2つ目として「集団の会話を攻略する」についてご紹介します。
1対1の会話には抵抗がないのに、飲み会など大人数での会話には苦手意識がある…という人は少なくありません。
なぜこのような苦手意識が生まれてくるのでしょうか。今回は重要な原因である
「初速」
に着目して解説していきます。目次は以下の通りです。
・初速と会話の独占率の関係
・ゆっくりタイプの悩みと対処
・早口タイプの悩みと対処
集団の会話が苦手な方は是非参考にしてみてください。
初速と会話の独占率の関係
初速が早い,遅いとは
会話においては初速が早いか遅いかで悩みの性質が変わってきます。初速とは話し始めるまでの速さを意味します。例えば、
「趣味はありますか」
「好きな食べ物はありますか」
「仕事の醍醐味は?」
など様々な質問をされたとしましょう。この時、皆さんは話し始めるまでにどれぐらいの時間がかかりますか?
すぐに話し始めることができる方は
初速が早いタイプです
う~ん…と考え込んでしまい
話し始めることができない方は
初速が遅いタイプとなります。
初速が早い,遅いとは
集団の会話においては、初速が早いタイプが会話の主導権を握る傾向にあります。例えば、以下のように初速の速さが違う方が会話をしたとしましょう。
10 8 8 5 3
数字はざっくりとしたイメージです。10が早い人、3が遅い人としましょう。この時、飲み会の会話は
10 8 8
の方が90%ぐらい主導権を握ってしまいます。一方で
5 3
の方は置いて行かれることになるのです。このような現象により、ゆっくりタイプ、早口タイプそれぞれに異なる悩みが発生するのです。
ゆっくりタイプの悩みと対処法
まずはゆっくり話すタイプの方の悩みと対処法を考えていきます。
疎外感を覚えやすい
集団の会話では、初速が早い人ほど会話を独占する傾向があります。そのためゆっくり話す人は、早口な人に対して劣等感を持ってしまったり、孤独感を持ちやすくなります。
例えると、毎回負けるパン食い競争をさせられているような状態になるのです。自分が話したいと思った話題も、早口な方に取られてしまい、結局、聞いていただけ…という形で終わってしまうこともあります。
具体的な対処法
ゆっくり話すタイプの場合は以下の対処法が挙げられます。
1.事前準備をしておく
食事や住所の話題など、雑談でよく出てくる話題はある程度は準備をしておくと良いでしょう。飲み会の席で考えると、だれかが間に入ってきてしまうため、事前に準備しておくと安心ですね。
2.半手を挙げる
話したいと思った時に半手を挙げてみましょう。雑談の時に全力で手を挙げるのは、さすがにびっくりされてしまいますが、半手であればそこまで違和感はありません。
胸の手前あたりに手を挙げて話すと、早口な方も待ってくれることが多くなります。非言語で発言権をカバーするわりとおすすめなやり方です。
3.話しやすい人数・メンバーを探す
話しにくいと感じたら3~4人の会話に持ち込んでしまいましょう。疲れているときは隣の方に話しかけるなど、集団の会話ではなく1対1の会話に持ち込んでしまうのもありです。
また、自分が話しやすいメンバーを探すのも一つの手ですね。
4.相槌をうちまくる+アイコンタクト
孤立しているな~と思ったら、相槌をどんどんうちましょう。「なるほど~」「へえ~」などの相槌は考えなくてもできるので、そこまで話す速度に影響されません。
青山・戸北(2005)は、小学5年生を対象にアイコンタクトと発話の関連を調べています。その結果の一部が下図となります。概観してみてください。
この図からわかるように、視線を受けている人は、発話数が高い傾向にあることがわかります。特に女性は視線を受ける、受けないで発話数が大きく変化しています。
会話場面で下を向いたり、スマフォをいじっていると、会話に入れない可能性が高くなると言えそうです。会話に参加したい方は、前のめりになって視線を受けやすくするとよさそうですね。
5:質問に逃げない!
自分が話す番になると、誰かに質問をしたくなるものですが、ここで誰かに質問をしてしまうと、また早口な方が主導権を握ってしまいます。
もし自分に出番がきた時には質問に逃げず、少し粘って話してみましょう。
仕上げ動画+お知らせ
仕上動画
集団の会話が苦手なお悩みについて動画も作成しています。仕上としてご活用ください。
まとめ
会話は早口な人に主導権を握られる傾向にあります。そこで、話すスピードがゆっくりな人は孤立しやすくなってしまいます。
そして、早口な人は多くしゃべることができますが、主導疲れという状態に陥ってしまいます。ぜひ、ご自身がどちらに当てはまるのかを考え、ご紹介した対策を行ってみてくださいね。
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