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共依存関係の6つの克服方法,夫婦,親子関係,恋愛

共依存関係の6つの克服方法,夫婦,親子関係,恋愛

皆さんこんにちは。
公認心理師の川島達史です。私は現在初学者向け人間関係講座の講師をしています。

今回のお悩み相談
「共依存気質がある」

りがない,持つ方法を知りたい」

相談者
32歳 女性 独身 

お悩みの内容
私は幼少期の家庭環境が悪く、いわゆる毒親に育てられました。見捨てられ不安があり、嫌われてはならない、自分の意見を言ってはいけないという感覚が強いです。

これまで何人かの男性とお付き合いをしてきましたが、金銭的に私に依存する人や、避け癖が悪い人ばかりでした。

最初は優しいのですが、私がいう事を聞いてしまうことがわかると、どんどん依存されてしまいます。もっと健康的な関係を築けるようになりたいです。

相手に嫌われたくないがゆえに、いう事を聞いてしまうのですね。共依存関係は自分にとっても相手にとっても、最後は悲劇になることが多いです。

当コラムでは改善策を解説していきます。参考にしてみてください。

共依存の意味とは?

共依存とは何か?

まず初めに共依存の意味を理解するところからはじめていきましょう。

自己に対する過小評価のため
他者に認められることに
よってしか満足を得られず

そのために他者の好意を得ようとして
自己犠牲的な献身を行なう傾向
(加藤,1993 一部簡略化)

要約すると、自分を肯定できないがゆえに、他人の肯定にすがり、その結果、他者の言いなりになってしまう心理と言えます。

共依存者の心の中

たとえ話をしてみましょう。共依存者の心の中は、砂漠でのどがカラカラの状態のようなものなのです。

もしのどがカラカラのときに、「言うことを聞いたら水をあげよう」という人がいたらどのような行動をしますか。

共依存の例

おそらく、誰しもが、水をくれる人の言うとおりにするのではないでしょうか。

共依存の人は、心に余裕がないため、自分にポジティブなことを与えてくれる人の顔色を伺い、過度に献身的になってしまうのです。

共依存関係の心理

基本用語

共依存の関係では

 被共依存者
 …支援を受ける側、甘やかされる側、望ましくない行動が続く

 共依存者(イネイブラー)
 …支援をして、相手を支配する側、望ましくない行動を促進する

が存在します。以下、典型例を事例別に解説しました。気になるタイトルがありましたら、折りたたみを展開してみてください。

太郎(被共依存者)
・アルコール依存症
・お酒が飲みたい
・お金がない


花子(イネイブラー)
・太郎に嫌われたくない
・太郎への過剰な精神依存がある

共依存の関係

太郎は「頼めるのは花子さんだけ…」と考え、花子さんにお金を貸してくれるよう頼みます。

イネイブラーの花子さんは、
私なんかに付き合ってくれるのは太郎さんだけ…」
太郎君に嫌われたくない
がために、お金を貸してしまいます。

共依存の事例

その結果、太郎はお酒をどんどん飲んでしまい症状が回復しません……。

息子(被共依存者)
・無職
・やる気が出ない
・自宅に引きこもりがち


母(イネイブラー)
・子供がいなくなると寂しい
・実家で暮らしてほしい

親子関係での共依存

母は、息子が自分の元を離れると寂しいため、息子が心地いい生活を与え続けます。

親子関係の共依存

息子は居心地の良さから、将来に向けた行動がなかなかできません……。

母(被共依存者)
・子育てストレスを抱ている
・虐待傾向がある

娘(イネイブラー)
・ママは頑張ってる
・私が悪い、我慢すればいい

娘は、母に嫌われたくないために、母の虐待に我慢を続けます。

虐待と共依存

その結果、母の虐待傾向が過剰になってしまう…ということもあります。

二郎(被共依存者)
・見捨てられ不安がある
・浮気が心配
・スマホを毎日チェック


月子(イネイブラー)
・二郎に嫌われたくない
・二郎の行動は愛情と考えがち

月子は、二郎に嫌われたくないがために、スマホチェックは愛情の裏返しと考え受け入れています。

ストーカー行為と共依存

その結果、二郎のストーカー傾向が強まってしまう…ということもあります。

 

共依存者の心理

共依存者の心理状態には、次のような特徴があります。

・自尊心が低い
相手に好かれたいという気持ちが強くなります。

・感情な奉仕精神
周りの肯定的なことへの反応が過剰になります。

・被共依存者を無力化
相手の愛情を独占したくなるため、相手を無力化させ自分無しでは生活できないようにしてしまいます。

・精神的健康度が低い
メンタルヘルスが全般的に低いといわれています。心理学の研究では、共依存の人は落ち込みやすい傾向が高いこともわかっています。

 

前田ら(2007)らは、福祉系大学生290名を対象に、共依存と心理的健康について研究を行いました。

その結果、共依存傾向がある人はうつ傾向が出やすいことが分かりました。

以下の図をご覧ください。SDSは、うつ尺度です。自己犠牲と未熟性を合わせると共依存になります。

共依存とうつ傾向の関係

共依存(自己犠牲+未熟性)は、うつ傾向と相関関係になっています。

つまり、相手に好かれたいがゆえに過剰な奉仕をしてしまうと、うつっぽくなりやすいといえます。

 

診断-チェックリスト

共存傾向について診断したい方は、Fischer(1991)が作成した、共依存尺度で簡易チェックができます。興味がある方は下記を参照ください。

全部で16の質問があります。質問について以下の基準で点数をつけてください。

1点:まったくそう思わない。
2 点:ややそう思わない。 
3 点:わずかに反対。
4 点:わずかに同意。
5 点:ある程度同意します。
6 点:強く同意する

共依存診断・チェック

合計得点はでましたか?診断結果を見ていきましょう。

診断結果

・67点以上
共依存の傾向が高い傾向があります。

・52点~66点
共依存の傾向がややあります。

・37点~51点
共依存の傾向は低いといえます。

共依存度の簡易チェックの結果はいかがでしたか。52点以上の場合は、共依存関係の改善を考えるといいかもしれません。

 

共依存を改善する6つの方法

ここからは共依存の問題を改善する対策を考えていきましょう。具体的には以下の6つを提案します。

・見捨てられ不安を改善
・自尊心を回復する
・アサーティブな精神を育てる
・底つき感を覚悟
・限界設定をする
・孤立しないようにする

活用できそうな対策がありましたら、ご自身の生活に取り入れてみてください。

見捨てられ不安を改善

共依存をする心理の根底にはかなりの確率で見捨てられ不安があります。見捨てられ不安とは、いつか相手がいなくなってしまうのではないか?という心理です。

特に幼少期の家庭環境に問題があるときに見られます。思い当たる節がある方は下記のコラムを参照ください。

見捨てられ不安への対処法

 

自尊心を回復する

共依存者に共通するのは自尊心の低さです。自尊心が低い、自分で物事を決めることができず、依存的になってしまいます。

自分に自信がない…いつも判断を相手にゆだねてしまう…という方は以下のコラムを参照ください。

自尊心を向上させる方法

アサーティブな精神を育てる

共依存傾向がある方は是非ともアサーティブコミュニケーションを学んでいきましょう。アサーティブコミュニケションでは自他尊重の精神を学び、断ることはきちんと断る練習をしていきます。非常に勉強しやすい分野なのでぜひ以下のコラムを参照ください。

アサーティブコミュニケーションの基礎

 

底つき感を覚悟

次に相手との関係について考えていきましょう。まず初めにこのままの関係を続けていても、相手も自分も幸せになれないと気が付くことが大事です。

そして、この関係を改善することは、容易ではないが、どんなに苦しくてもやり遂げる決意を固めましょう。

貴方の態度が変わると、相手は絶望にとらわれ、投げやりになることがあります。これを底つき感と言います。この状態で相手を助けてしまうと、また元の関係に元通りとなってしまいます。

あらかじめ底つき感を覚悟し、やり遂げる決意を固めましょう。

 

限界設定をする

ここまではOKそこからはNGをハッキリ決めましょう。たとえば、急に会うのは週末だけ、平日はNGにする。といった、限界を設定してルールを守るようにしましょう。

ルールは、抽象度が高いと喧嘩になりがちです。3日間からOK、500円までならOKなど数字で決めておくといいでしょう。具体的には以下のコラムを参照ください。

限界設定の仕方

 

孤立しないようにする

1人で問題を解決しようとすると、にっちもさっちもいかなくなることが多いです。特に共依存関係は閉鎖的で、世界が狭くなっていることが多いです。

もし友人関係で悩みを相談する人がいない場合は、専門家に相談するのも1つの手です。孤立して自分だけの世界で完結させないように気を付けましょう。

 

共依存-まとめ

仕上げ動画

共依存について、動画解説もあります。仕上げとしてご活用ください。

講座のお知らせ

もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・心理療法の基礎
・対人不安の改善
・暖かい人間関係を築くコツ
・無条件の肯定のコツ

など練習していきます。興味がある方は以下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。是非お待ちしています(^^)

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
・加藤篤志,社会学的概念としての「共依存」関係論的視点から,1993,6, p.73-82
・ 前田 直樹,長友 真実,田中 陽子,三浦 宏子,福祉系大学生における共依存と心理的健康,九州保健福祉大学研究紀,2007,8,p.79~87
Fischer, J., Spann, L., Crawford, D.(1991). Measuring codependency. Alcoholism Treatment Quarterly, 8, 1, 87-100.