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共依存の意味、恋愛・夫婦・親子関係の特徴

認知行動療法の基礎①歴史・効果・やり方

はじめまして!精神保健福祉士の川島です。今回のテーマは「共依存」です。


改善するお悩み
・相手に好かれたい気持ちが過剰
・脅迫的に奉仕してしまう
・衝動的になりやすい

  • 全体の目次
  • 共依存とは?歴史・定義
  • 心理状態-典型的な例
  • 簡易チェックリスト
  • 共依存の改善策
  • 助け合い掲示板

コラムを読み進めていただくと、基本的な知識と対策を抑えることができると思います。ぜひ最後までご一読ください。

もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

共依存とは?歴史・定義

歴史

共依存の概念は、1930年代のアルコール依存症の研究から始まったとされています。

アルコール依存症は、1930年代に病気認定され病院での治療が始まります。そして同時期に、自助グループができ回復する文化ができました。

共依存の始まりと歴史

そのころ、治療後に家族の元に戻ると再発するという問題が起きます。そこでもう一度。家族から隔離し治療を進めると、症状が回復したのです。

このことから、”再発の原因は家族では?”という考えが生まれ、共依存の問題が見えてきたのです。

定義

共依存(=co-dependency:共に依存する)は、次のように定義されています。

・加藤(1993)

自己に対する過小評価のために、他者に認められることによってしか満足を得られず、そのために他者の好意を得ようとして自己犠牲的な献身を強迫的に行なう傾向(一部簡略化)。

たとえば、砂漠でのどがカラカラの時に、「言うことを聞いたら水をあげよう」という人がいたらどのような行動をしますか。

共依存の例

おそらく、水をくれる人の言うとおりにするのではないでしょうか。

共依存の人は、心に余裕がないため、自分にポジティブなことを与えてくれる人には、過度に献身的になってしまうのです。

共依存の夫婦・親子関係の事例

共依存の関係について、詳しく見ていきましょう。

共依存の典型例としては、
・アルコール依存
・薬物依存
・虐待
・ヒモ関係
・ストーカー甘受
などがあります。そして、共依存の関係では、被共依存者とイネイブラーが存在します。イネイブラーとは、被依存症にとって望ましくない行為を後押しする人です。

たとえば、アルコール依存症者がお酒を飲み続けることを可能にするために、サラ金の借金を返えすなどがイネイブラーの行為にあたります。

事例①アルコール依存

太郎(被共依存者)
・アルコール依存症
・お酒が飲みたい
・お金がない
花子(イネイブラー)
・太郎に嫌われたくない
・太郎への過剰な奉仕精神がある

共依存の関係

太郎は「頼めるのは花子さんだけ…」と考え、花子さんにお金を貸してくれるよう頼みます。

イネイブラーの花子さんは、
私なんかに付き合ってくれるのは太郎さんだけ…」
太郎君に嫌われたくない
がために、お金を貸してしまいます。

共依存の事例

その結果、太郎はお酒をどんどん飲んでしまい症状が回復しません……。

事例②共依存の親子関係

息子(被共依存者)
・無職
・やる気が出ない
・自宅に引きこもりがち
母(イネイブラー)
・子供がいなくなると寂しい
・実家で暮らしてほしい

親子関係での共依存

母は、息子が自分の元を離れると寂しいため、息子が心地いい生活を与え続けます。

親子関係の共依存

息子は居心地の良さから、将来に向けた行動がなかなかできません……。

事例③共依存の親子関係(虐待)

母(被共依存者)
・虐待傾向がある
娘(イネイブラー)
・ママは頑張ってる
・私が悪い、我慢すればいい

娘は、母に嫌われたくないために、母の虐待に我慢を続けます。

虐待と共依存

その結果、母の虐待傾向が過剰になってしまう…ということもあります。

事例④共依存の恋愛関係

二郎(被共依存者)
・浮気が心配
・スマホを毎日チェック
月子(イネイブラー)
・二郎に嫌われたくない
・二郎の行動は愛情と考えがち

月子は、二郎に嫌われたくないがために、スマホチェックは愛情の裏返しと考え受け入れています。

ストーカー行為と共依存

その結果、二郎のストーカー傾向が強まってしまう…ということもあります。

共依存の心理状態

共依存は、恋愛や夫婦関係でよく見られる、お互いを無力化してしまう関係です。

共依存傾向がある人の心理状態には、次のような特徴があります。

・自尊心が低い
相手に好かれたいという気持ちが強くなります。

・感情な奉仕精神
周りの肯定的なことへの反応が過剰になります。

・被共依存者を無力化
相手の愛情を独占したくなるため、相手を無力化させ自分無しでは生活できないようにしてしまいます。

・精神的健康度が低い
メンタルヘルスが全般的に低いといわれています。心理学の研究では、共依存の人は落ち込みやすい傾向が高いこともわかっています。

前田ら(2007)らは、福祉系大学生290名を対象に、共依存と心理的健康について研究を行いました。

その結果、共依存傾向がある人はうつ傾向が出やすいことが分かりました。

以下の図をご覧ください。SDSは、うつ尺度です。自己犠牲と未熟性を合わせると共依存になります。

共依存とうつ傾向の関係

共依存(自己犠牲+未熟性)は、うつ傾向と相関関係になっています。

つまり、相手に好かれたいがゆえに過剰な奉仕をしてしまうと、うつっぽくなりやすいといえます。

共依存チェックリスト

共依存は、実際どのような基準で診断されるのでしょうか?

Fischer, J., Spann(1991)が作成した、共依存尺度(Spann-Fischer)で簡易チェックしていきましょう。

全部で16の質問があります。質問について以下の基準で点数をつけてください。

1点:まったくそう思わない。
2 点:ややそう思わない。 
3 点:わずかに反対。
4 点:わずかに同意。
5 点:ある程度同意します。
6 点:強く同意する

共依存診断・チェック

合計得点はでましたか?診断結果を見ていきましょう。

診断結果

・67点以上
共依存の傾向が高い傾向があります。

・52点~66点
共依存の傾向がややあります。

・37点~51点
共依存の傾向は低いといえます。

共依存度の簡易チェックの結果はいかがでしたか。

52点以上の場合は、共依存関係の改善を考えるといいかもしれません。

共依存関係の改善策

共依存関係を改善する方法は、大きくわけて2つあります。

①自分の問題を改善
②相手との関係を見直す

ぞれそれの方法について詳しく見ていきましょう。

改善策①自分の問題を改善

自分の共依存問題は、3つのステップで改善していきます。

①気が付くこと
まずは、相手と共依存関係にあることに気が付くことが大切です。先ほど使った簡易チェックなどを使って、共依存に気づいていきましょう。

②衝動性を改善
共依存の方は衝動性が高い傾向にあります。相手に好かれたいがために衝動的に行動をしてしまうのです。

衝動性を抑えるために、自分の考えを客観的に捉えるようにしていきましょう。いろいろな方法があるので自分にあった方法で自分を客観的に捉えていきます。

マインドフルネス療法は、衝動性を抑えるのにおすすめです。詳しい解説は以下のURLからご覧ください。
認知行動療法の基礎④ マインドフルネス療法の効果とやり方

③自尊心を回復
つぎに、自尊心を回復することを目指します。小さなことでいいので、成果を実感して自信をつけていきましょう。

いろいろなコミュニティに所属することもおすすめです。また症状によっては、カウンセラーに相談するのもいいでしょう。

コミュニティを増やす方法やコツ、メリットについては、以下のURLからご覧ください。
ソーシャルサポートを得る方法「コミュニティへの所属」

改善策②自分の問題を改善

①底つき感を覚悟
共依存関係にある相手も、自分無いでも生きられない状態になっている可能性が高いです。そのため、関係を断ち切ると相手が絶望的になります。

現実を受け入れて覚悟をもって関係を断ち切っていきましょう。

②限界設定
ここまではOKそこからはNGをハッキリ決めましょう。たとえば、急に会うのは週末だけ、平日はNGにする。といった、限界を設定してルールを守るようにしましょう。

③数字を使う
ルールは、抽象度が高いと喧嘩になりがちです。3日間からOK、500円までならOKなど数字で決めておくといいでしょう。

③第三者を介入
第三者に入ってもらい、一緒に問題解決していくといいでしょう。

2人でいるとうまくいかないことも多いです。友人や知人など周囲に協力してもらうことが刺激となり、改善がしやすくなるでしょう。

共依存-まとめ

動画解説もあります。気に入って頂いたらチャンネル登録を頂けると励みになります。

まとめ

相手に好かれようとして、過剰に奉仕精神を出してしまう方は、共依存という心の問題があるかもしれません。

過剰になりすぎると、自分はもちろん相手も無力化してしまうため注意しましょう。

助け合い掲示板の活用

ページ下部には助け合い掲示板があります。当コラムは心理面で悩みを持つ方が多く集います。お互いの悩みや経験談など相談してみましょう。*お互いを思いやったご投稿をよろしくお願いします。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
・加藤篤志,社会学的概念としての「共依存」関係論的視点から,1993,6, p.73-82
・ 前田 直樹,長友 真実,田中 陽子,三浦 宏子,福祉系大学生における共依存と心理的健康,九州保健福祉大学研究紀,2007,8,p.79~87
Fischer, J., Spann, L., Crawford, D.(1991). Measuring codependency. Alcoholism Treatment Quarterly, 8, 1, 87-100.