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考えすぎる性格を治す方法「過度な読心」をやめよう

考えすぎる性格を治す方法「過度な読心」をやめよう

はじめまして!公認心理師,精神保健福祉士の川島です。今回のテーマは「考えすぎる性格」です。

  • 改善するお悩み
  • ・考えすぎて行動できない
  • ・失敗するのが怖い
  • ・人の目を気にしすぎる

1つの決定に何時間も費やしてしまう…こういった経験はありませんか。大切な決定であればあるほど、じっくりと結論を出したくなりますよね。

しかし、考えすぎる性格が過剰になると、心理的にさまざまな問題が起きることが分かっています。今回は考えすぎる性格について心理学の見地から解説していきます。

考えすぎる性格の問題

まずは、考えすぎる性格の問題点から見ていきましょう。

①結果的に後悔する

田中ら(2013)の研究では、「意思決定スタイルが購買行動にどのような影響を与えるか」調査を行っています。

考えすぎる性格は、

・すぐに物事を決められない
・簡単な決定にも時間を費やす
・ささいなことで迷ってしまう

という特徴があります。こうした特性は一般的に「優柔不断」と呼ばれることが多いです。

実験では、中高年259名を対象に質問用紙を用いて、優柔不断が買い物に与える心理的影響を調べました。その結果が以下の図になります。

考えすぎる性格 治し方

図のように買い物の充実感は低いという結果が出ています。

考えすぎる性格の人は時間をかけて熟考しながら、ベストな商品を選ぼうとします。しかし、結果的に選択肢が増え、選ばなかった選択に意識が向かいやすいのです。

また、この研究ではその他のメンタルへルスとの関連性も調査されています。さらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

(↓クリックで開きます)

田中ら(2013)の同研究では、以下の2つの指標と優柔不断の関係が調べられています。

①認知的負担感
決断に負担を感じること

②決定の他者依存
他人の決定に依存すること

それぞれの結果を見ていきましょう。まずは、「①認知的負担感」から解説していきます。

 

優柔不断 克服しよう

このように、優柔不断が高いと、認知的負担感も高くなっていることが分かります。考えすぎる性格は決断の負担を高めてしまうのです。

それでは、次に「②決定の他者依存」について見ていきましょう。

考えすぎる性格 治し方

こちらも同様に、優柔不断が高いときに、決定の他者依存も高くなっています。やはり考えすぎる性格は周囲の決断に流されやすいと考えられます。

この研究が物語るように、考えすぎる性格はえてして後悔につながることが多いのです。

②人生の質が落ちる

原田等(2007)は女性看護師227名を対象に心理的な傾向とQOL(クオリティオブライフ)についての調査を行いました。

その結果、考えすぎ優柔不断とQOLに関連があることがわかりました。

QOLとは簡単に言うと、人生の充実感を意味します。下図を見ると、特に20代・30代にとって優柔不断な傾向が高い方が、人生の充実感がマイナスであるとみて取れます。

原田の研究によると、40代、50代になるにつれて優柔不断な傾向がQOLに影響しないことも示唆されています。

若い世代は結婚や働き方など、決断に迫られる状況が多くあり、決定力が人生を左右することが多いと言えるのかもしれません。(*上記の研究は母集団が少なく、有意差は20代のみ確認されています。あくまで参考値として考えてください)

考えすぎる性格

考えすぎる性格の原因

それでは、考えすぎる性格はどのようなことが原因で引き起こされるのでしょうか。

内向型である

心理学の性格分析の中に「内向型」と呼ばれるタイプがあります。

スイスの精神医学者であるカール・ユングは、エネルギーが自分の内側に向かっていて、主観的認識を基準に行動する傾向にある人を内向的と説明しました。

たとえば
・躊躇、反省が多い
・受け身の姿勢
・人をよく観察する

という考えすぎる性格に該当します。

HSPである

近年、心理学の世界では「HSP」という気質が注目されています。HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略称です。直訳すると、「超敏感な人」ですね。

HSPの人は、知識が豊富で物事をさまざまな角度から深く考えて行動する傾向にあります。そのため、人よりもペースが遅くなることが多くなります。

たとえば、
・一を聞いて十のことを想像する
・知識の広さを周りに驚かれる
・考えてから動く

このような傾向があり、考えすぎる性格はHSPの特徴と合致します。

考えすぎ 治し方

心の読みすぎとは

「心の読みすぎ(過剰な読心)」は、相手のちょっとした言葉や言動を断片的に拾って思考を膨らませる状態で、考えすぎる性格の人に良く起こります。

心の読みすぎの例

えば、職場で営業先から帰ってきた太郎さんに、オフィスにいたあなたが声をかけました。しかし、Aさんから返事がありません。

もしあなたが、夜になっても相手の気持ちを考えてしまっていたら要注意です。

・無視された。。もしかして何か悪いことした?
・もしかして私、嫌われている?

これは、心の読みすぎで相手の気持ちを悪い方向へ考えてしまっている状態です。

相手の気持ちは、断片的な行動や言葉で判断する事はできませんし、正しい情報はその人にしかわかりません。太郎さんは「クレーム対応について考えていた」など他事を考えていたのかもしれません。

単純に声が聞こえていなかった可能性すらあります。

相手の気持ちを読む事は、気が利く・場を察するなど良い意味ももちろんあります。しかし、悪い方向へ考えてしまうと”一人相撲”をしている状態になってしまいます。

一人で相撲をして一人で倒れなる…なんて事にならないようにしたいものです。

考えすぎる性格を治すコツ

では考えすぎる性格を克服するには、どうすればいいのでしょうか。コツは3つあります。

①時間を区切る

考えすぎる事は大切ですが、1日中考えているような方は要注意です。ある程度意識的に時間を区切ることが大事です。

例えば、お昼が終わったら仕事に集中するなど、やるべきことをしっかりやるようにしましょう。

②相手に確認する

相手の気持ちが気になって考えすぎてしまう場合は、やはり確認してみることが大事です。気になった場合は、自己開示をした上で、誠実に相手の気持ちを聞いてみましょう。

意外と相手の感情は自分の予想と違うこともあります。

③嫌われる覚悟を持つ

「挨拶をする」「感謝する」「お礼をいう」「約束を守る」こういった人間として基本的なことをした上で、嫌われてしまったら、もうそれは仕方のないことだと諦めることです。

そのため嫌われる覚悟を持つことで、考えすぎる性格を和らげることができます。

考えすぎる性格の長所

これまで考えすぎる性格の人のマイナス面を取り上げていきました。 しかし、考えすぎる性格には、光の側面もあることがわかっています。

川原・松岡(2007)らは、専門学校生・大学生・大学院生335人を対象に質問紙調査を実施しました。その結果、以下のように情報処理スタイルの違いが確認されました。

内向性群
合理性の尺度得点が直観性尺度得点よりも有意に高い

外向性群
直観性の尺度得点が合理性の尺度得点よりも有意に高い

この結果から、物事の情報処理の仕方に次のような違いがあることが分かりました。

内向型の人は
合理的に考える傾向がある

外向型の人は
直観的に処理する傾向がある

内向的な人は、メリットやデメリットなをしっかりと合理的に考える傾向があります。こうした、ネガティブな面から目を背けない姿勢が思慮深さにつながっているのかもしれません。

また、内向的な人は、感情や思考をしっかり吟味できる性質があるので、論理性の高いトークをすることができます。そのため、芯の通った主張ができることが長所です。

思考する性格に対処

今回は、考えすぎる性格の対処法ついてお伝えしました。じっくり考えることは大事ですが、過剰にならないようにしましょう。考え抜いた結果、後悔する可能性も十分にあります。

どっちみち失敗するのであれば、早く失敗してしまった方が効率が良いです。ある程度、考えたら後は流れに身を任せてやってみる!という思い切りが大切です。ぜひ、3つのコツを実践してみてくださいね。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
・田中ら(2013)中高年者の意思決定スタイルが購買行動に与える影響に関する検討
・川原正広, & 松岡和生. (2007). 外向型・内向型における注意機能特性と情報処理スタイルの関連性. 現代行動科学会誌, (23), 1-10.
・女性看護職の強迫傾向が主観的QOLに及ぼす影響 原田 貴史, 中村 明美, 友竹 正人, 大森 哲郎 47 巻 (2007) 1 号 p. 33-40