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自分を受け入れる力を高めよう

自分を受け入れる力を高めよう

はじめまして!社会心理学の専門家、公認心理師の川島です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

今回は「自分を受け入れる」についてお話していきます。コラム①目次は以下の通りです。

  • 自分を受け入れるとは
  • リフレーミングとは
  • 性格のリフレーミング
  • 状況のリフレーミング
  • プラス価値リフレーミング
  • 練習問題で実践!

について解説します。しっかりとお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;

自分を受け入れるとは

皆さんは自分を受け入れると聞いてどのようなイメージが思い浮かぶでしょうか。おそらく、一般的な認識としては、「弱い自分を認める」「コンプレックスを受け入れる」という印象があると思います。

それでは、心理学的にはどのような意味として用いられているのでしょうか。

①心理学辞典の定義

心理学辞典(1999)によると、自己受容は以下のように定義されています。

「自己のありようをそのまま受け入れること。」

読んで字のごとくという感じですが、あくまでも自分はスゴイ!・自分はダメ人間だ、など自分に対してラベルを張るのではなく、そのままの自分を受け入れることを意味します。

②飯長(2012)の定義

飯長(2012)によると、アクセプタンスは以下のように定義されています。

「自分自身を、好ましい面も好ましくない面も含めて受け容れること」

つまり、悪い面だけではなく良い面も受け入れることを意味しているのですね。

自分を受け入れるメリット

それでは、自分を受け入れるとどのようなメリットがあるのでしょうか。

①楽観的になれる

心理学的には思考のスタイルとして、以下の2つの種類があります。

①対処的悲観(Defensive Pessimism)
ネガティブな情緒を伴った、コントロールの難しい思考やイメージが連鎖をする傾向のある方をこのように呼びます。例えば、年金がもらえるか心配…、大学に受からなかったらどうしよう…といった考え方ですね。

②方略的楽観(Strategic Optimism)
過去の高いパフォーマンスに対する認知と一致した高い期待をもつ傾向のある方をこのように呼びます。少し難しい定義ですが、例えば、自分は貯金してるから年金が無くても大丈夫だろう、十分勉強したから受かるはずだといった考え方になります。

細越ら(2009)の研究では、大学生 379 名を対象に考え方が心身の健康にどのような影響を及ぼすか調査しました。その結果、楽観的な方が受け入れられる傾向があることが分かります。下記のグラフをご覧ください。

自分の受け入れるには

楽観的なタイプの方がグラフが高いですね。これに対して悲観的な方はグラフが小さくなっています。これは楽観的な人は自分を受け入れやすく、悲観的な人は、自分の考えを受容ができないことを意味します。つまり、自分を受け入れる傾向にある方は、楽観的であることが多いのです。

②友人関係に満足できる

自分を受け入れる人は、友人関係の満足感が高まることが分かっています。吉岡(2000)中高生の男女611名を対象に、友人関係に関する質問調査を行いました。その結果が以下の図です。

今回は高校生の結果を取り上げていきます。まずは男子高校生から見ていきましょう。

自分を受け入れる方法

このように、自己受容が「高い」と、友人関係の満足感も「高い」という結果が出ています。自分を受け入れる傾向が強い人は、友人に対してプラスの印象を持つことができるのですね。

続いて女子高校生を見てみましょう。

自己受容のコツ

こちらも同様に自己受容が「高い」とき、友人関係の満足感も「高い」という結果になりました。男性であれ女性であれ自分を受け入れることは、友人への満足感につながるのです。

自己受容の2つのコツ

それでは、自分を受け入れるにはどのようすればよいのでしょうか。ここでは「①リフレーミング」「名言に親しむ」の2つの方法をご紹介していきます。

①リフレーミング

リフレーミングとは心理療法の1つで、出来事について別の「フレーム(枠組み)」で捉え直す方法です。

リフレーミングは、1つの視点に(フレーム)に捉われず、複数の視点で考えられるようになるためのテクニックです。極端な考え方を改善するのに効果的です。マイナス思考が強い人に多い、ネガティブな偏った考え方のクセを改善するのに活用できます。

*監修の川島(精神保健福祉士)が動画でも解説しています。
 チャンネル登録くださると励みになります!

リフレーミングには3つの種類があります。事例と共に見ていきましょう。

1.性格のリフレーミング
自分の性格をマイナスに捉えがち…という方は
「自分のダメな性格は、見方を変えれば良い性格なのでは?」
と考えてみましょう。

例えば

コミュ障 → 配慮ができる
根暗  → 現実的に考えられる
怠け癖 → マイペースに続けられる

マイナスと捉えがちな性格もフレームを変えることでポジティブに変換できます。自分の性格だからこそできることは?と考えることが大切です。

2.状況のリフレーミング
いまの状況が最悪かも…と思う方は
「いまの状況よりも悪い結果があるのでは?」
と考えてみましょう。

例えば
テニスの決勝戦で負けた

優勝できなかった        → 優勝までもう少しだ!
決勝まで頑張ったのに・・・ → 決勝まで進むことができた

期待した結果が得られなかったとしても、考え方が変われば良いものだと捉えることができます。「最悪の結果よりはマシ!」と考えるのがポイントです。

3.プラス価値リフレーミング
自分は無価値だ…という方は
「いまの状況にはプラスの価値があるのでは?」
と考えてみましょう。

自分がネガティブと感じている事でも、価値を見出せる要素は必ずあります。「今の状況をプラスに考えられないか」と捉えてみましょう。

自分を受け入れる方法

リフレーミングは訓練が必要なため、新しい視点があまり出てこない場合もあるかもしれません。まずは「自分以外の人ならどのように考えるだろう」と自問自答してみると、主観ではなく客観的に捉えることができると思いますよ。

リフレーミングの練習問題

ここからは練習問題にトライしてみましょう。

練習問題①
リフレーミングを練習して、極端な捉え方を改善していきましょう。

 

あなたが以下のような性格だとします。これらリフレーミングし、プラスに変換して自分を受け入れてみましょう。

・不器用    ⇒ 
・腹黒い    ⇒ 
・せっかち   ⇒

 

解答例
・不器用    ⇒ 人間味がある
・腹黒い    ⇒ 計画性がある
・せっかち   ⇒ 効率がいい

練習問題②
以下のシュチエーションで自分を受け入れてみましょう。

結婚を前提に付き合っている異性にフラれてしまった
「そんな!大好きだったのに…別れるのは辛い…」と考えています。

 

 

解答例
「そんな!大好きだったのに…別れるのは辛い…

「これからは自分の時間を多く作れる。新しい恋愛も楽しもう

練習問題③
以下のシュチエーションで自分を受け入れてみましょう。

あなたは、
・資格試験のために寝ずに勉強しました。
・しかし、結果は不合格でした。
・全ての頑張りが水の泡になった感覚です。

 

解答例

勉強してきたことは、無駄にはならない。
これからの仕事に必ず活かすことができる。
次に受験する時には、事前知識がある状態だ。

自己受容しよう

自分を受け入れる系名言に親しむ

自分を受け入れる方法として、自己受容にまつわる思想・名言に触れるというものがあります。こうした名言に親しみ、それを日常生活でどのように活かすかを考えることで、自分を受け入れられるようになることが分かっています。

・知能不足を受け入れられるように
Sooら(2014)の研究では、大学生168名を対象に「自己受容」と「知能水準の欠如」の関係について調査を行っています。

研究では、被験者をランダムに分け、

自己受容トレーニングを受けない群
自己受容トレーニングを受ける群

で結果を比較しました。(※詳しい実験デザインは出典をご覧ください。)

この研究で用いられた自己受容トレーニングとは、自己受容を高める考え方リストから好きなものを選び、その理由を説明し、日常生活でどのように活かすかを考えるというものでした。リストについて以下をご参照ください。

   「自己受容を高めるリスト」

その結果が以下の図です。

自分を受け入れる

このように、自己受容トレーニングを受けたグループの方が、グラフが低くなっていることが分かります。つまり、トレーニングを受けたグループは、自分の知能水準の低さを受け入れられるようになり、結果的に、知能水準の欠如が和らいだと考えられます。

日常的に自分を受け入れる考え方に触れることは自己受容を促し、欠点を克服するために一役買ってくれるのかもしれませんね。

・定期的に自己受容の名言に触れよう
「人間だもの。」で有名なみつをさんの名言や、手放す生き方で広く知られるアーチャン・チャーさんなどの思想に定期的に触れておくと、類似するメリットは得られるでしょう。ぜひ、ご自身が好きな自分を受け入れる系の思想・名言を探してみてくださいね。以下、自分を受け入れるにまつわる名言を乗せておきます。

みつをさんの名言
・アレもコレもほしがるなよ
・つまづいたっていいじゃないかにんげんだもの
・なやみはつきねんだなぁいきているんだもの

アーチャン・チャーさんの名言
・老いも若いもない。善も悪もなく弱い強いもない。
この世に絶対的な実在など存在しません。
・何かになろうとするな。今生じているものにただ気づくのだ。
・人々は、自分に心は快適でも幸せでもないと思っていますが、
実際には私たちの心は最も快適で幸せな存在なのです。

自分を受け入れよう

今回は、自分を受け入れるをテーマに解説していきました。いかがでしたか。自分を受け入れられない方は、極端な捉え方で視野が狭くなる傾向にあります。「自分の性格だからできることは?」という視点をもってリフレーミングしてみましょう。

また、積極的に名言に親しむことも自分を受け入れる力を高めてくれます。こちらは読むだけでOKなので、かなり手軽に自己受容を促進できます。ぜひ、リフレーミングや名言で視野を広げてみてくださいね。

専門家の講義を受けたい方へ

最後に、これまで「自分を受け入れる」コラムにお付き合いしていただき、ありがとうございました!ご紹介した解決方法や心理学の視点、練習問題を繰り返し実践することで、少しづつ緩和されていくと思います。

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション能力講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

★リフレーミングで自分を受け入れよう

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
飯長喜一郎(2012)自己受容,人間性心理学会(編),人間性心理学ハンドブック,p323,創元社
Soo Kim and David Gal(2014)From Compensatory Consumption to Adaptive Consumption: The Role of SelfAcceptance in Resolving Self-Deficits Journal of Consumer Research , Vol. 41, No. 2 (August 2014), pp. 526-542